死亡後の手続き一覧表【2026年】相続でやることの順番・期限別チェックリスト

相続手続きをしないといけないことはわかっているけど何をすればいいの?

相続ってめんどくさい手続きがたくさんありそう

確かに相続が発生すると、何から手を付ければ良いのか迷ってしまいますよね。

死亡後の手続きは、期限の短いものから順に片づけるのが基本です。死亡届と火葬許可が7日、世帯主変更や健康保険の資格喪失が14日、相続放棄が3か月、準確定申告が4か月、相続税が10か月。期限のない名義変更は、そのあとで構いません。

この記事では、死亡後の手続きを期限順の一覧表にし、順番と優先順位の考え方、印刷して使えるチェックリスト、世帯主が亡くなったときの手続き、専門家に頼める範囲をまとめました。後半では、相続の手続きを10のステップに分けて説明します。内容は2026年10月時点の公的機関の案内をもとにしています。

目次

死亡後の手続き一覧表(期限順)

死亡後の手続きは、期限の近いものから順に進めます。下の表は、「いつまでに・どこで・何をするか」を期限の短い順に並べたものです。手続き名のリンクから、それぞれの詳しい記事に進めます。印刷して書き込める版は、この下の「印刷して使える死亡後の手続きチェックリスト」にあります。当社は手続きの代行はしておらず、ご自身で進める方のための情報提供です。

期限の目安 手続き 窓口 ひとこと
☐ 7日以内 死亡届(あわせて火葬許可の申請) 市区町村役場(故人の本籍地・届出人の所在地・亡くなった場所のいずれか) 医師の死亡診断書が必要です。死亡の事実を知った日から数えます。
☐ 14日以内 国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の資格喪失、世帯主の変更届(必要な世帯だけ) 市区町村役場 保険証などの返却も同じ窓口です。世帯主変更届は、15歳以上の人が2人以上残るときに出します。
☐ すみやかに
(14日以内が目安)
年金の受給停止(受給権者死亡届)と未支給年金の請求 年金事務所(ねんきんダイヤル 0570-05-1165) マイナンバーが年金機構に収録されていれば、死亡届は原則省略できます。届出が遅れて年金を受け取りすぎると、あとで返すことになります。未支給年金は、生計を同じくしていた遺族が請求できます。
☐ 3か月以内 相続放棄・限定承認 家庭裁判所 借金が多いかもしれないときは、故人の財産を使ったり処分したりする前に判断します。
☐ 4か月以内 準確定申告(亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得税) 税務署 相続の開始を知った日の翌日から数えます。必要かどうかは税務署か税理士に確認します。
☐ 10か月以内 相続税の申告・納税 故人の住所地を管轄する税務署 死亡を知った日の翌日から数えます。基礎控除以下なら申告は不要ですが、特例を使う場合は申告が必要です。
☐ 2年以内 葬祭費・埋葬料の請求(国保・後期高齢者医療は葬祭費、会社の健康保険は埋葬料。名古屋市の国民健康保険の葬祭費は5万円) 市区町村役場、または加入していた健康保険 2年を過ぎると受け取れなくなります。金額は自治体や健康保険で異なります。
☐ 3年以内 相続登記(不動産の名義変更。しないとどうなるか) 法務局 不動産の取得を知った日から3年です。2024年4月1日より前に始まった相続は、2027年3月31日までです。
☐ 5年以内 遺族年金の請求(未支給年金も5年) 年金事務所 年金を受ける権利は5年で時効になります。受け取れる遺族がいるか、早めに年金事務所で確かめてください。
☐ 期限は決まっていないが早めに 預貯金の解約・名義変更、保険金の請求、電気・ガス・水道・NHKと携帯電話の名義変更・解約、マイナンバーカード・運転免許証の返却 各金融機関・保険会社・各社(カード類の返却は市区町村・警察署など) 保険金は、請求できる期間が契約ごとに決まっています。保険会社に早めに連絡してください。

2026年10月時点の一般的な目安です。期限の起算日は手続きごとに違います。出典:名古屋市「死亡の届出」・同「国民健康保険の資格喪失」・同「葬祭費」・日本年金機構・国税庁(準確定申告)・国税庁(相続税の申告期限)・日本年金機構「年金の時効」

死亡後の手続きの順番と優先順位

死亡後の手続きの順番に迷ったら、次の3段階で考えると整理できます。上の段ほど先に手をつけます。

優先順位考え方主な手続き
1. 期限が短いもの届出の期限が日数で決まっている死亡届・火葬許可(7日)、健康保険・介護保険の資格喪失と世帯主変更(14日)
2. お金が止まる・戻るもの放っておくと、受け取りすぎた年金を返したり、もらえるお金を受け取り忘れたりする年金の受給停止、未支給年金、葬祭費・埋葬料、高額療養費、遺族年金
3. 名義変更・解約期限のないものが多い。相続人と分け方が決まってから進める預貯金、証券口座、公共料金、携帯電話、クレジットカード、不動産(相続登記は3年)

1段目は、亡くなってから2週間のうちに市区町村の窓口でまとめて済ませるのが一般的です。死亡届は葬儀社が持って行ってくれることも多く、家族が役所へ行くのは、保険証の返却や世帯主変更のときが最初になることもあります。

2段目は、年金の受給停止を後回しにしないことが大切です。亡くなったあとに振り込まれた年金は、あとで返すことになります。逆に、未支給年金や葬祭費は、自分から請求しないと受け取れません。

3段目の名義変更は、急がなくて大丈夫です。ただし相続放棄を考えているなら、決めるまでは預金の引き出しや解約を控えてください。相続を受け入れたとみなされることがあるためです。

印刷して使える死亡後の手続きチェックリスト

「死亡後の手続き 一覧表 pdf」で探している方に向けて、そのまま印刷できる一覧を用意しました。PDFファイルの配布はしていませんが、このページをブラウザの印刷機能で印刷すれば、紙のチェックリストとして使えます。印刷してお使いください。

済んだ手続きに印をつけ、日付やメモを書き込みます。家族で分担するときは、担当する人の名前を書いておくと抜けを防げます。

済いつまで手続き窓口メモ(日付・担当)
☐7日以内死亡届の提出・火葬許可の申請市区町村役場
☐届出前に死亡診断書のコピーを数枚とっておく―
☐14日以内国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失、保険証などの返却市区町村役場
☐14日以内介護保険の資格喪失、被保険者証の返却市区町村役場
☐14日以内世帯主変更届(15歳以上が2人以上残る世帯)市区町村役場
☐すみやかに年金の受給停止(マイナンバー収録済みなら原則省略)年金事務所
☐すみやかに勤務先への連絡、会社の健康保険証の返却(働いていた場合)勤務先
☐早めに遺言書があるか確認する(自宅・公証役場・法務局)―
☐早めに戸籍を集めて相続人を確定する市区町村役場
☐早めに預貯金・不動産・借金を書き出す―
☐3か月以内相続放棄・限定承認をするか決める家庭裁判所
☐4か月以内準確定申告(必要な場合)税務署
☐10か月以内相続税の申告・納税(基礎控除を超える場合など)税務署
☐2年以内葬祭費・埋葬料の申請市区町村役場・健康保険
☐2年以内高額療養費の申請(入院費などが高額だった場合)加入していた健康保険
☐3年以内相続登記(不動産がある場合)法務局
☐5年以内未支給年金・遺族年金の請求年金事務所
☐期限なし預貯金・証券口座の名義変更・解約各金融機関
☐期限なし生命保険金の請求(契約がある場合)保険会社
☐期限なし電気・ガス・水道・NHKの名義変更・解約各社
☐期限なし携帯電話・クレジットカード・サブスクの解約各社
☐期限なしマイナンバーカード・運転免許証・パスポートの返却が必要か確認市区町村・警察署など

期限は2026年10月時点の一般的な目安です。数え始める日は手続きごとに違い、窓口や必要書類は市区町村や会社によって異なります。印刷したら、まず「7日」「14日」の行から埋めていくと進めやすくなります。

このうち、相続の手続きとして期限が決まっていて、遅れると困るのは「3か月」「4か月」「10か月」「3年」の4つです。次の図にまとめました。

相続で外せない4つの期限と進める順番

相続そのものの期限はこの4つ
🚫
相続放棄・限定承認
3か月
家庭裁判所へ申立て
📝
準確定申告
4か月
亡くなった方の所得税
💴
相続税の申告・納税
10か月
基礎控除を超えるとき
🏠
相続登記
3年
2024年4月から義務
進める順番
📜 遺言書を探す→👪 相続人を確定→💰 財産を洗い出す→🤝 遺産分割協議→🏦 名義変更・申告
※期限はいずれも「相続の開始(死亡)を知った日」を起点に数えます。相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から、準確定申告・相続税はその翌日から、相続登記は不動産の取得を知った日から(2026年8月時点)。

相続の手続きは数十種類ありますが、相続そのものの期限で遅れて困るのは上の4つです。まず「3か月」を意識して財産と借金の全体像をつかみ、そのうえで遺産分割協議へ進みます。以下、10のステップを順番に見ていきます。

1. 遺言書の有無を確認する

遺言書があれば、原則としてその内容が遺産分割より優先します。分け方を話し合う前に、まず有無を確認してください。遺言書は3種類あり、扱いが異なります。

  • 自筆証書遺言: 本人が自筆で作成した遺言書。家庭裁判所での※検認が必要。
  • 公正証書遺言: 公証人が作成し、公証役場に保管されている遺言書。検認が不要で信頼性が高い。
  • 秘密証書遺言: 内容を秘密にしたまま公証人が関与する遺言書。検認が必要。

※検認とは、家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人同席のもとで内容を確認する手続きです。封のある自筆証書遺言を勝手に開封すると過料の対象になります。公正証書遺言なら、全国どこの公証役場でも有無を検索できます。法務局の自筆証書遺言書保管制度に預けられている場合は、法務局に「遺言書保管事実証明書」を請求すると有無を確認できます。どちらも、亡くなった事実が分かる戸籍と、自分が相続人であることが分かる書類が必要です。

2. 相続人を確定する

次に行うべきは、相続人の確定です。法律で定められた相続人は、主に配偶者や子供、親、兄弟姉妹です。相続人を確定するためには、被相続人の生まれたときから亡くなった時点までの戸籍謄本を取り寄せ、相続人の範囲を確認します。

ずっと同じ土地に住んでいた方なら数通で済みます。転籍を繰り返している場合は本籍地の役所を順にたどることになり、通数も日数も増えます。

戸籍を請求するには、まず亡くなった方の本籍地が分かっていることが前提になります。本籍が分からないときは、本籍の記載を入れた住民票(除票)を取ると確認できます。調べ方は本籍の調べ方を専門家が徹底解説にまとめています。

相続人となる可能性のある人一覧(お亡くなりになった人から見て)

  • 配偶者: 常に相続人となります。
  • 子供: 第一順位の相続人です。子供が既に亡くなっている場合、その子供(被相続人の孫)が代襲相続人になります。
  • 親: 子供がいない場合に相続人となります。
  • 兄弟姉妹: 子供も親もいない場合に相続人となります。

今日の一歩:戸籍集めを、役所1か所で終わらせにいく

この工程がいちばん時間を食います。以前は本籍地の市区町村へ順番に郵送請求するしかありませんでしたが、2024年3月1日から、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できる「広域交付」が始まりました。使えるかどうかで、数週間の差が出ます。

行き先と持ち物

お住まいの市区町村の戸籍を扱う窓口(市民課・戸籍課など)。持ち物は顔写真付きの本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)。広域交付は窓口に来た本人が請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできません。念のため、亡くなった方の氏名・生年月日・分かれば本籍地をメモして持って行ってください。

窓口で伝える3点

  1. 相続手続きに使うこと
  2. (亡くなった方の氏名・生年月日)の出生から死亡までの戸籍を、広域交付でまとめてほしいこと
  3. 自分との続柄(子、配偶者など)

広域交付で取れないものがあります

請求できるのは自分から見て直系(父母・祖父母・子・孫など)と配偶者の戸籍までで、きょうだいの戸籍は対象外です。相続人にきょうだいが含まれる場合、その分は本籍地の市区町村へ別に請求します。また、コンピュータ化されていない古い戸籍も対象外で、これも本籍地へ請求することになります。窓口で取れなかったときの代わりの方法までは戸籍の広域交付の使い方で整理しています。郵送請求では、手数料の支払いに郵便局で買う定額小為替を使うのが一般的です。

揃ったら、その足で法務局へ

戸籍が一式そろったら、法務局で法定相続情報一覧図の写しを交付してもらえます。手数料は無料で、必要な通数を出してもらえます。以後は、銀行・法務局・税務署の窓口に分厚い戸籍の束を回さず、この1枚で足ります。金融機関が5行あれば、戸籍を5セット取るか、返却を待って順番に回すかという消耗が丸ごと消えます。この工程を飛ばして各社に戸籍を回し始めると、手続きが数か月単位で伸びます。

つながっている期限

相続人が確定しないと、放棄するかどうかも遺産分割協議も判断できません。相続放棄の3か月はこの間も進みます。戸籍の収集に時間がかかって3か月に間に合わないと分かった時点で、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。期限が過ぎてからでは申し立てられないため、間に合わないと感じたら早めに動いてください。

3. 相続財産の調査とリストアップ

借金も相続の対象です。放棄するかどうかを3か月以内に判断するため、プラスとマイナスの両方を洗い出します。

  • 不動産: 固定資産税の納税通知書や登記簿謄本を確認し、所有している不動産の価値を把握します。
  • 預貯金: 銀行口座の通帳や残高証明書を確認します。複数の銀行に口座がある場合は、全ての口座をリストアップしましょう。
  • 株式や投資信託: 証券会社の取引明細書を確認し、保有する金融商品の価値を調べます。
  • 生命保険: 生命保険の契約内容を確認し、受取人や保険金額を把握します。
  • 負債: 被相続人が残した借金やローンがある場合、負債としてリストアップします。

あとから財産が見つかると遺産分割協議をやり直すことになります。通帳・保険証券・固定資産税の納税通知書・証券会社からの郵便物を一度すべて集めてから、リストを作ってください。

4. 相続放棄や限定承認の検討

負債がプラスの財産を上回るなら放棄を検討します。放棄は相続人ごとに単独でできますが、限定承認は相続人全員でそろって申し立てる必要があります。

  • 相続放棄: 相続人が全ての相続財産を放棄し、負債を含む一切の相続権を失います。相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てを行います。
  • 限定承認: プラスの財産の範囲内でだけ負債を引き継ぐ方法です。プラスの財産を限度として負債を支払い、それを超える負債は負いません。相続人全員が共同で家庭裁判所に申し立てる必要があります。

⚠️ 相続放棄を検討中は遺品の処分に注意

亡くなった方の私財(置物や書籍なども含む)を勝手に処分してしまうと、相続放棄が認められなくなってしまう可能性があります。家庭裁判所への申し立て期限は相続の開始を知った日から3か月以内。判断に迷う場合は、処分する前に専門家へ相談しましょう。

5. 相続税が発生するか確認する

相続税が発生するかどうかは、相続財産の総額によって決まります。基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、この額を超える場合は相続税の申告が必要になります。

相続税の基礎控除額

3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:相続人が配偶者と子供2人の計3人なら、3000万円+600万円×3人=4800万円

財産の合計が基礎控除以下なら、相続税の申告そのものが不要です。まず不動産の固定資産評価額と預貯金残高を足して、基礎控除と比べてください。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使って初めて基礎控除以下になる場合は、特例を使うために申告が必要になります。

6. 遺産分割協議を行う

相続人全員で、相続財産の分割方法を話し合うことを遺産分割協議といいます。遺産分割協議では、相続財産をどのように分けるかを相続人全員で合意する必要があります。

遺産分割協議2つの原則

  • 合意が必要: 全ての相続人が合意しなければ、遺産分割協議は成立しません。
  • 遺産分割協議書の作成: 協議がまとまったら、その内容を遺産分割協議書に書面でまとめます。相続人全員の署名と実印が必要です。

話がまとまらないときは、第三者を入れて論点を整理するだけで進むことがあります。相続人の一人が認知症、行方不明、未成年といった場合は協議そのものが成立しないため、家庭裁判所での手続き(成年後見人・不在者財産管理人・特別代理人の選任)が先に必要です。

7. 名義変更や財産の移転手続きを行う

遺産分割協議書が完成したら、不動産は法務局、預貯金は各金融機関、株式は証券会社と、財産ごとに窓口が分かれます。必要書類は金融機関ごとに違うので、先に電話で確認してから出向くと二度手間になりません。登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)や証明書代などの実費は、相続手続きの実費と専門家報酬の違いで、計算例つきにまとめています。

相続登記に必要な書類は次の7点です。これを自分でそろえてから依頼すると、専門家に任せる作業量そのものが減ります。

  1. 亡くなった方の出まれた時から亡くなった時までの戸籍
  2. 各相続人の現在の戸籍
  3. 不動産を相続する相続人の住民票
  4. 亡くなった方の住民票除票または戸籍の附票(登記上の住所とのつながりが分かるもの)
  5. 法定相続以外の割合で名義変更する場合は、遺産分割協議書
  6. 遺産分割などを行っている場合は、各相続人の印鑑証明書
  7. 対象となる不動産の固定資産評価証明書

8. 相続税の申告と納税を行う

その前に、亡くなった方の所得税をまとめる「準確定申告」があります。期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月で、相続税より先に来ます。事業や不動産の収入があった、公的年金等の収入が年400万円を超えていた、といった場合は必要です。会社員で年末調整が済んでいれば不要なことが多く、逆に医療費が多かった年は還付を受けられる場合もあります。判断に迷うときは税務署か税理士に確認してください。

相続税の期限は相続開始を知った日の翌日から10か月。申告先は亡くなった方の住所地を管轄する税務署で、相続人の住所地ではありません。納税も同じ期限までに現金一括が原則で、間に合わないときは延納・物納の申請を期限内に出す必要があります。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、期限内に申告して初めて使えます。「税額がゼロになるから申告しなくていい」と判断すると特例が使えなくなるので、控除を使った結果ゼロになるケースでは必ず申告してください。

9. 相続登記を行う

不動産の名義を相続人へ変えるのが相続登記です。2024年4月1日から義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。

義務化より前に起きた相続もさかのぼって対象です。その場合の期限は2027年3月31日まで。遺産分割がまとまらず3年に間に合わないときは、自分が相続人であることだけを法務局に届け出る「相続人申告登記」で義務を果たしたことにできます(名義変更そのものは別途必要)。

10. 各種手続きと相続後の対応

  • 保険金の受け取り: 生命保険や死亡保険の保険金を受け取るための手続きを行います。保険会社に連絡し、必要書類を提出します。
  • 公共料金や各種契約の名義変更: 電気、ガス、水道などの公共料金や、携帯電話やインターネット契約の名義を変更します。契約者が亡くなった場合、名義変更手続きを行わないと、契約が無効になることがあります。
  • 預貯金口座の管理: 被相続人の預貯金口座を解約し、相続人の口座に資金を移す手続きを行います。銀行によっては、特別な手続きが必要な場合があります。

世帯主が亡くなったときの死亡後の手続き

亡くなった人が世帯主だった場合は、上の一覧に加えて、住民票と国民健康保険の「世帯主」を切り替える手続きが出てきます。どちらも市区町村の窓口で、死亡届と同じ日に済ませることもできます。

世帯主変更届は14日以内。ただし不要な世帯も多い

世帯主変更届は、住民票の世帯主を書き換える届出です。住民基本台帳法で、世帯主が変わった日から14日以内に出すと決められています。届出の手数料はかかりません。ただし、残った家族の顔ぶれによっては出さなくてよい場合があります。

亡くなった世帯主の住民票に残った人世帯主変更届
だれも残らない(一人暮らしだった)不要
1人だけ残った(例:夫が亡くなり妻だけ)不要。残った人が世帯主になる
15歳以上は1人で、ほかは15歳未満の子多くの市区町村で不要
15歳以上が2人以上残った(例:母と同居の長男)必要。だれを世帯主にするか決めて届け出る

ご夫婦のどちらかが亡くなり、もう一方が一人で暮らす形なら、届出は要りません。同居の子がいると必要になりやすいので、住民票の写しで世帯の顔ぶれを確かめてください。15歳未満の子が残る場合の扱いは市区町村で違うことがあるため、窓口で確認すると確実です。持ち物や委任状は世帯主変更届(不要な場合・期限14日・必要なもの)で詳しく説明しています。

国民健康保険の世帯主も変わる

国民健康保険の保険料を納める義務は世帯主にあります(国民健康保険法第76条)。残った家族が国保に入っている場合、保険料の通知は新しい世帯主あてに届くようになります。会社の健康保険に入っている子を世帯主にすると、親の国保料の通知がその子に届く、ということも起こります。亡くなった本人の資格喪失と保険証の返却は死亡後の保険証返却と資格喪失の手続きにまとめています。

公共料金・NHKの名義も確かめる

電気・ガス・水道・NHKの受信契約が、亡くなった世帯主の名義になっていないかも確かめます。住み続ける家族がいるなら名義変更、空き家になるなら解約です。検針票や請求書でお客さま番号を探してから電話すると、話が早く進みます。各社の連絡先と手順は電気・ガス・水道・NHKの名義変更と解約で整理しています。

死亡後の手続きは代行を頼める?専門家ごとの範囲

死亡後の手続きの多くは、家族が自分で進められます。手間のかかる部分だけを専門家に頼むこともできますが、頼める範囲は資格ごとに法律で分かれています。下の表は、依頼先を考えるときの目安です。

手続き頼める専門家の例補足
戸籍の収集行政書士・司法書士・弁護士など受任した仕事に必要な範囲で、職務上請求により戸籍を取れる
遺産分割協議書の作成行政書士・司法書士・弁護士など相続人どうしで争いがあるときは弁護士の分野
相続放棄の申述書の作成司法書士・弁護士家庭裁判所に出す書類の作成
相続登記司法書士登記申請の代理(弁護士も可)
準確定申告・相続税の申告税理士税務の代理と申告書の作成
遺族年金・未支給年金の請求社会保険労務士年金の請求書の作成と提出の代行
相続人どうしの話し合いがまとまらない弁護士交渉・調停の代理

一つの資格で全部を引き受けられるわけではないため、複数の専門家が連携して受ける事務所もあります。依頼するときは、その手続きを扱える資格かどうかを確かめ、見積もりを書面でもらって、含まれる作業と実費を確認してください。いまから相続は情報をお届けするサイトで、これらの手続きを代わりに行うことはしていません。

相続でやることはご家族によって変わる

10のステップのうち実際に手間がかかるのは「相続人の確定(戸籍集め)」と「遺産分割協議書の作成」の2つです。財産が預貯金だけで相続人も配偶者と子だけなら自分で進められます。転籍が多い、相続人に兄弟姉妹が含まれる、不動産が複数の市町村にある場合は戸籍の通数が一気に増えるので、詰まった工程だけ依頼するのが結果的に安く済みます。

死亡後の手続きのよくある質問

死亡後の手続きは、まず何から始めればいいですか?

死亡届と火葬許可の申請(7日以内)が最初です。そのあと14日以内に、健康保険・介護保険の資格喪失と、必要なら世帯主変更届を市区町村の窓口で済ませます。年金の受給停止も同じころに確かめておくと安心です。

死亡後の手続きの一覧表はPDFでもらえますか?

このサイトではPDFファイルの配布はしていません。この記事の「印刷して使える死亡後の手続きチェックリスト」を、ブラウザの印刷機能で印刷してお使いください。市区町村によっては、亡くなった後の手続きをまとめた案内を窓口やホームページで出しているところもあるので、あわせて確認してください。

世帯主が亡くなったら、必ず世帯主変更届が要りますか?

必ずではありません。住民票に残る人が1人だけなら不要で、その人が世帯主になります。15歳以上の人が2人以上残るときに、14日以内に届け出ます。

死亡後の手続きを全部まとめて代行してもらえますか?

一つの資格で全部を引き受けることはできません。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、争いがあるときは弁護士というように、手続きごとに扱える専門家が決まっています。依頼する前に、どこまで対応できるかを確かめてください。

期限を過ぎた手続きがあるときは、どうすればいいですか?

気づいた時点で窓口に相談してください。世帯主変更届などの届出は、期限を過ぎても受け付けてもらえます。一方、相続放棄は3か月を過ぎると原則として認められず、葬祭費や年金は時効で受け取れなくなります。期限の厳しさは手続きごとに違うので、一覧表で確かめてください。

参考にした公的情報

あわせて読みたい
相続の相談はどこに?状況別の相談先早見表|司法書士・税理士・弁護士・役所 相続の相談先で迷ったら、まず状況で選びます。不動産の名義変更は司法書士、相続税は税理士、争いは弁護士、書類集めは行政書士。無料で使える公的な窓口、費用の考え方、相談の前にメモしておく4点まで、2026年10月時点で整理しました。

納骨費用を相続財産から支払えるかどうかについては、納骨費用は相続財産から支払える?具体的な手続きと注意事項で詳しく解説しています。

相続した家の売却を検討している方は、相続した家をお得に売却するテクニック:手順と注意点もあわせてご覧ください。

どこから手をつけるか決められない方へ
10のステップを見ても、自分の家の場合にどれが必要でどれが不要かは判断しづらいものです。30分の無料相談では、財産と相続人の状況を伺って、あなたの家で実際に必要な手続きと期限だけを絞った一覧をお渡しします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

あわせて読みたい

▶ あわせて読みたい:納骨費用は相続財産から支払える?具体的な手続きと注意事項

愛知県で相続手続きを専門家に任せたい方へ
戸籍収集・遺産分割協議書の作成・名義変更などの手続きは、提携先の行政書士法人あいち行政&相続(あいち相続あんしんセンター)にご相談いただけます。

※あいち相続あんしんセンター(行政書士法人あいち行政&相続)は、当社運営元のグループ法人です。

本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。

親の預金・保険、元気なうちに決めておくこと。30分無料で相談できます052-766-5650無料相談を申し込む
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

相続事務所にてマーケティング、広報、人事、新規事業等を行いウェブ経由の月間売上を更新する傍ら経営にも参画する。主にウェブマーケティングを通じて業界特有の「見せ方」やずる賢い手法をたくさん目撃していく。お客さんにとっては幾度とない大事な機会なのに半ば騙すようなマーケティングや営業で受任している事業者がいることを問題視し、業界についての正確な情報を発信したいと考え「相続事務所のホンネとタテマエ」を運営中。

目次