相続手続き代行センターの評判の見方|おすすめより先に確認する4つのこと

めんどくさい相続手続きどこかにまるっと代行してもらえないかな

手続きを代行してくれる優秀な事務所の選び方がわからない

この記事にたどり着いたあなたは上記のようにお考えではないでしょうか。

相続手続きというと、難しくて大変なイメージがありますよね。実際、相続人や相続財産の調査、遺産分割協議、名義変更、相続税申告など、やらなければならないことはたくさんあります。

ですが、しっかりと精査をせずに事務所を選んでしまうと必要な手続きを行ってもらえない、使えるはずだった制度や節税対策ができない結果「あなたが知らない間に損をしている」ということが起こってしまいます。

特にお亡くなりになられた方が土地や不動産、大きな資産をお持ちの場合、依頼先の検討が十分でないと、特例や評価の工夫で抑えられたはずの相続税を払うことになるおそれもあります。

亡くなられた方の資産が多くない場合も、適切ではない専門家を選んでしまうことで、妥当なサービスを受けられないだけでなく、必要以上に高額な報酬を請求される場合があるため慎重さが求められます。

この記事では、代行先を選ぶときに見るべき点をお伝えします。特定の事務所名を挙げて推薦することはしません(理由は後述します)。代わりに、避けたほうがよい事務所の見分け方と、士業ごとの対応範囲を先に押さえてください。

この記事の結論
  • 「代行センター」の評判は、口コミの星の数より先に、登録・資格、見積もりの内訳、契約書の中身を確かめる
  • 代行先によって、担当者の資格、見積もりの範囲、契約の中身に差がある
  • 代行先の選び方を誤ると、使えたはずの制度や対策を逃したり、必要以上の費用がかかったりすることがある
  • 安心・安全な専門家に代行してもらいたい場合は「適切な紹介」を受けることが重要
  • 費用の目安は、司法書士の相続登記が5万〜8万円、相続手続きまるごとで18万〜22万円台、税理士の相続税申告が基本10万〜30万円(愛知県内の複数の事務所の公開料金を調べた目安・2026年9月時点)

手続きの負担を減らしたいが、まだ誰かに頼むか決めていない方は、相続手続きがめんどくさい時の進め方も参考にしてください。

目次

「代行センター」の評判を調べる前に確かめたい4つのこと

「○○代行センター」「○○相談センター」といった名前の業者の評判を調べている方へ。先にお伝えします。当社は相続手続きの代行そのものは行っていません。そのため、特定の業者をすすめることも、悪く言うこともしません。ここでは、どの業者にも当てはめられる確かめ方をまとめます。

口コミの星の数だけで決めるのは、避けたほうが安全です。星の数より先に、次の4つを確かめてください。どれも、ホームページや電話で確かめられることです。

確かめること調べ方見るところ
① 登録・資格があるか士業の全国団体の名簿で、代表者名や担当者名を引きます。
日本司法書士会連合会(司法書士検索)/日本行政書士会連合会(行政書士を探す)/日本弁護士連合会(弁護士検索)/日本税理士会連合会(税理士を探す)
名簿に名前があるか。「センター」「窓口」という名前の運営会社が、実際の手続きを誰に任せているか。登記の申請、相続税の申告書づくり、相続人どうしの交渉は、それぞれ司法書士・税理士・弁護士でなければ、報酬をもらって行えません(司法書士法・税理士法・弁護士法)
② 見積もりの内訳書面(メールやPDFでもかまいません)で、2〜3か所から、同じ範囲でそろえて取ります「一式」だけの書き方になっていないか。戸籍の収集、預貯金の解約、登記、相続税の申告が含まれているか。登録免許税や戸籍の取得費などの実費は別か。相続人や口座が増えたときの追加費用。報酬が定額か、遺産額に応じた割合か
③ 契約の前に契約書や委任状を受け取り、その場で署名せずに持ち帰ります実際に担当するのは誰か(資格のある本人か、補助の人か)。途中でやめるときの費用。終わる時期の目安。預ける書類の扱い。キャッシュカードや暗証番号を求められないか。事務所の住所と電話が実在するか。その場で決めるよう急がされないか
④ 公的な相談窓口消費者ホットライン「188」。全国どこからでも同じ番号で、お住まいの地域の消費生活センターなどにつながります契約書の内容が心配なとき、契約したあとで解約したいときに相談できます。業者の良し悪しを教えてくれる窓口ではありませんが、「この契約書で進めて大丈夫か」は聞けます。訪問や電話の勧誘で急がされた契約は、クーリング・オフが使える場合があります
消費者ホットライン188は消費者庁の案内に基づきます(2026年10月9日確認)。各団体の名簿は、各団体の公式サイトの案内に沿って記載しています。

高齢の方が巻き込まれやすい契約トラブルの傾向は、国民生活センターのテーマ別特集で公開されています。契約前に目を通しておくと、断るときの目安になります。

口コミを読むときの5つのコツ

  • 星の数より、「何を頼み、いくらかかり、どう終わったか」が具体的に書かれているものを読みます
  • 同じ言い回しの投稿が続いたり、短い期間に集中したりしているときは、そのまま信じすぎず、控えめに受け取ります
  • 悪い口コミがあっても、事務所の返信が誠実かどうかを見ます。返信の書き方は、問題が起きたときの対応を映します
  • 事務所のホームページの「お客様の声」は、参考程度にとどめます
  • 口コミが少ない、またはない事務所は、上の①②③で判断材料を補います

評判のよい事務所を探している方へ。当社は特定の事務所を実名で挙げていません。理由と、候補を絞るときの順番は、この記事の後半(「2-2」と「今日の一歩」)に書きました。士業ごとの向き不向きは、司法書士の場合と行政書士の場合で、それぞれ整理しています。

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1.相続手続きの代行で損をしないために必要な5つの視点

あまり知られていませんが、相続手続きはどこに依頼するのかでその後の状況が大きく変化してしまいます。

依頼先によっては、使える特例や対策が検討されないまま手続きが終わり、本人が損に気づかないということも起こりえます。

この章では、専門家を見分けるのに必要な視点をお伝えします。実際に相談先をお探しになる際は参考にしていただけますと幸いです。

1-1.広告や口コミの印象だけでは、事務所の質は見分けにくい

インターネットで少し調べただけでもたくさんの相続の専門家が出てくる時代です。本当に実力があり誠実な専門家を見つけるということは容易ではありません。

サイトの見た目や広告の出方、口コミの星の数は、事務所の実力そのものを表すとは限りません。

大きなサイトで紹介されていたり、料金が安くて印象が良かったりすると、つい安心してしまいます。ただ、広告や広報が上手なことと、手続きの質が高いことは別の話です。

口コミも、星の数だけでは判断できません。何を頼み、いくらかかり、どう終わったかが具体的に書かれているかを見てください。読み方のコツは、この記事の冒頭にまとめています。

広告や口コミの印象だけで決めず、次の項目で、事務所の種類・体制・報酬を確かめてください。

1-2.紹介サイト・仲介業者を使うときの確認点

近年は、葬儀会社やIT企業などが専門家を紹介したり、相談者と専門家をつなぐ紹介サイトを運営したりする例が増えています。

こうした紹介サイトは、仕組みを知ったうえで使うと判断しやすくなります。

企業が運営する紹介サイトには、掲載している士業から掲載料や紹介料を受け取って運営されているものが多くあります。掲載されていることは、その事務所の実力を保証するものではありません。

掲載件数が多いことと、自分に合う専門家が見つかることは別の話です。

紹介を受けたあとは、事務所に直接依頼するときと同じように、資格・見積もり・契約書を確かめてください。

紹介料が報酬に上乗せされるかどうかも、見積もりの段階で聞いておくと安心です。

利用する場合は、運営している会社について、次の点も確認しておくと安心です。

  1. その運営会社の評判や口コミ
  2. 紹介料のしくみ(誰が、いくら負担するか)

1-3.本当に相続手続き専門家かどうか

相続をどこに相談すればよいのかと探していると「相続相談サロン」「相談室」「センター」といった場所が目に付くかと思います。

これらの運営元というのは大体、税理士法人、司法書士法人、行政書士法人などの士業事務所であることが多いですが、母体の事務所が相続以外の分野も幅広く扱っていることもあります。

士業といっても業務の範囲は広く、色んな分野をやった方が案件の獲得が簡単になりますが、一方で専門性をアピールした方がお客さんには安心材料になります。

そのため、相続の窓口として別の名前を付けている事務所もあります。

名前だけでは、その事務所が相続をどれだけ扱っているかは分かりません。

相続以外も扱う事務所の質が低いというわけではありません。名前ではなく、相続の取扱件数や、自分と似たケースの経験を面談で聞いて確かめてください。

1-4.事務所や組織の体制を確認する

その事務所の口コミや評判はもちろん、どんな条件でどのような人を採用しているのかという求人や退職者の口コミに至るまで確認しておくことが重要です。

ただし、事務所が自分のホームページに載せているお客様の声は、事務所が選んで載せたものです。参考程度にとどめてください。

できれば、その事務所以外が運営しているサイトの悪い口コミやデメリットをしっかり確認して、検討することが非常に重要です。

グーグルなどの口コミが一つも付いていない事務所もあります。その場合は、冒頭の①②③(資格・見積もり・契約書)で判断材料を補ってください。

1-5.報酬が相場とかけ離れていないか

安さだけではなく、専門家の能力やモラルという点も重要だというお話をさせて頂きました。とはいえ、相場から大きく離れた料金の事務所は、その理由を確かめてから検討してください。

例えば、相続人同士で争いがないのに弁護士に依頼すると、必要のない範囲まで費用を払うことになりがちです。

また、銀行の相続手続きサービスは、士業事務所に直接依頼する場合と料金の考え方が異なります。金額は事務所・機関により異なるため、必ず書面の見積もりを2〜3か所から取り、同じ範囲(どこまで代行するか)で比べてください。

比べるときの物差しとして、愛知県内の複数の事務所の公開料金を調べた目安を挙げておきます。相続登記だけなら司法書士で5万〜8万円、預貯金の解約まで含めた相続手続きまるごとで18万〜22万円台、相続税の申告は税理士で基本10万〜30万円(遺産5,000万円台で25万円前後)。争いがなければ弁護士に代理を頼む場面は発生しません。詳しい内訳は本記事の「6-1.士業ごとの費用の相場」にまとめています。

💡 損をしないための5つの視点まとめ

① 広告や口コミの印象だけで決めない
② 紹介サイト・仲介業者は仕組みを知ったうえで使う
③ 本当に相続専門の事務所かどうかを確認する
④ 口コミ・評判・求人など事務所や組織の体制を確認する
⑤ 報酬が相場とかけ離れていないかを確認する

2.相続手続きの代行先を選ぶ手順

この章では、相続手続きの代行先の選び方をお伝えします。信頼できる専門家にたどり着くための方法を考えましたので、参考にしてください。

  • 支払う報酬に見合った最適なサービスを受けたい。
  • 気づかない間に大きな損をしているのは嫌だな。
  • 信頼できる代行先の見つけ方を知りたい。

という方は、少しじっくり読んでみてください。

2-1.紹介で探すという方法

では、どうすれば安心して優秀な専門家に担当してもらえるのでしょうか。

その答えは単純で、「紹介」です。士業や相続のことをよくわかっている人に「あなたとは違う事務所にいる方で、優秀だと思う専門家を紹介してください」と尋ね、引き合わせてもらうのです。

単に同じ事務所の専門家を紹介されては「案件もらえてラッキー」というだけになってしまうので、公平性や客観性がありません。

本当に優秀な方に担当してもらいたいのであれば、利害関係のない外部の専門家を紹介してもらって相談するのが、いちばん外れの少ない進め方です。

紹介してくれる人がその専門家の仕事ぶりを知っていれば、対応の速さや説明の分かりやすさなど、事務所の外からは見えにくい点を事前に聞けます。紹介を受けた場合も、見積もりはほかの事務所と並べて比べてかまいません。

紹介を受けると優秀な専門家に代行してもらえることはわかったけど、士業の友人なんていないよ

知り合いに士業の人はいるけど、その人に頼むならまだしも、他の事務所の人を紹介してもらうなんて気が引けるわ

という方もおられるかと思いましたので、士業の友人や知人がいらっしゃらない方にも同じように優秀な専門家から紹介を受けられるようにしてみました。

優秀な専門家の定義に関しまして

相続手続きを行うにあたり必要な5つの項目(対応の速さ、知識と経験、事務スタッフの能力、お客様に寄り添う対話術、顧客を大切に思っているか)を満たす、専門家の中でも極めて優秀な人のことを指します。

2-2.当社が事務所を名指しで推薦しない理由

なお当社では、特定の事務所を実名で推薦することはしていません。載せていない事務所が劣るという意味に受け取られかねませんし、当社は相続手続きの代行そのものを行っておらず、比べる立場にないためです。

代わりに、この記事ではご自身で候補を絞り込むときの見方をお伝えします。ご希望があれば、ご状況を伺ったうえで提携先の専門家をご紹介することもできます。

今日の一歩:候補の事務所に、この順で当たる

1. 資格を先に確かめる

各士業の全国団体が会員名簿の検索を公開しています(日本司法書士会連合会、日本行政書士会連合会、日本弁護士連合会、日本税理士会連合会)。事務所サイトに出ている氏名で引いて、登録があるかを見ます。名簿に出てこない場合は、その人ではなく事務所に所属する有資格者が誰なのかを確認してください。

2. 手元にそろえてから連絡する

不動産の有無と所在地(固定資産税の納税通知書があれば十分)/取引のある金融機関名と口座の数/相続人の人数と続柄/遺言があるかどうか/すでに受け取った見積書。これだけで見積の精度が変わります。

3. 電話や面談で聞く3点

  1. この金額に何が含まれるか(相続登記、金融機関は何行までか、相続税の申告、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成)
  2. 実際に担当するのは誰か(有資格者本人か、補助者が進めて確認だけ有資格者か)
  3. 追加費用が出るのはどんなときか(相続人が増えた、不動産が他県にもあった、金融機関が想定より多かった)

答えが曖昧だった/1つの事務所で完結しないとき

登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人どうしの交渉や調停は弁護士と、扱える範囲が法律で分かれています。1か所で終わらない場合は「他の士業と連携しているか、その分の費用は見積に入っているか」を聞いてください。ここが曖昧なまま契約すると、後から別の請求が来ます。範囲をそろえた見積をもう1件取って並べるのが確実です。

選んでいる間にも進む期限

相続放棄は原則3か月、相続税の申告・納付は10か月、相続登記は3年(2024年4月から義務化)。いずれも相続の開始などを知った日が起算点です。事務所選びに1か月かけると、その分だけ後の手続きが詰まります。

どこに頼めばいいか決まらない方へ
見積書を並べても、含まれている範囲が違えば高い安いは判断できません。30分の無料相談では、いまのご状況で本当に必要な手続きを洗い出し、どの士業が要るのか(要らないのか)を切り分けて、お手元の見積書の範囲がそろっているかを一緒に確認します。ご希望があれば提携先の専門家をご紹介しますし、ご自身で進められる部分はそのままお伝えします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

3.相続手続き代行事務所選びで起きやすい5つの失敗

代行先選びでのつまずきには、いくつか決まった型があります。ここでは、相談の現場でよく伺う場面を、一般化して整理します。特定の事務所や個人の体験談ではありません。

3-1.相続手続きが停滞し、連絡も放置される

契約の前は説明が丁寧だったのに、依頼したあとは連絡が減った。担当者が替わってから、こちらから聞かないと進み具合が分からない。こうした場面は、よく伺うものの一つです。

防ぐには、契約の前に次の点を書面で確かめておきます。実際に誰が担当するのか。担当が替わるときの連絡はどうなるのか。進み具合をいつ、どの方法で知らせてもらえるのか。終わる時期の目安はいつか。答えがあいまいなときは、その場で決めず、ほかの事務所とも比べてください。

3-2.「法律のことだから」と弁護士に頼み、費用が大きくなる

相続人どうしで争いがないのに、「法律のことだから」と最初から弁護士に頼んでしまう。その結果、司法書士や税理士で足りた範囲にまで、弁護士の費用がかかる。これも、よく伺う場面です。

争いのない手続きは、登記なら司法書士、相続税の申告なら税理士で進められます。弁護士が必要になるのは、相続人どうしの交渉や調停など、争いが出てきたときです。金額の目安は、司法書士の料金表(相続)と相続手続きの弁護士費用で確かめられます。

3-3.土地の評価額に差が出て、納税のために土地を手放すことに

紹介を受けた税理士事務所に相続税の申告を任せたところ、あとから別の税理士に検算してもらって土地の評価が過大だったと分かった——というご相談は実際に寄せられます。修正申告で取り戻せる場合もありますが、納税資金を作るために売ってしまった土地は戻ってきません。

土地の評価は税理士によって差が出やすい分野です。提示された税額が想定より大きいと感じたときは、申告前にセカンドオピニオンを取っても構いません。

3-4.紹介された事務所だから、と決めてしまう

金融機関や農協から紹介された事務所だから安心、とは限りません。紹介はあくまで取引関係にもとづくもので、その事務所が相続に強いかどうかを保証するものではないからです。見積もりの根拠を尋ねても納得のいく説明が得られなかった、評価額の算定に不安が残った、という声は実際にあります。

紹介を受けた場合でも、ほかの事務所の見積もりと並べて比べてから決めて構いません。紹介されたからといって、断りにくいと感じる必要はありません。

3-5.よくある失敗例

・銀行の遺産整理業務を頼み、想定より総額が大きくなった

信託銀行などの遺産整理業務では、預金の解約や財産の調査、全体の進行管理は銀行が行い、不動産の登記や相続税の申告は提携する司法書士・税理士が担当します。

銀行に頼むと、窓口の安心感と引き換えに、実際の手続きを行う士業への費用に銀行側の費用が上乗せされる形になります。金額は機関により異なるため、士業事務所の見積もりと並べて比べてから決めてください。

銀行に相続手続きを相談する場合の中身については、下記の記事で詳しく整理しています。

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・紛争が起きていないのに弁護士に依頼してしまった

弁護士は紛争解決の専門家です。相続人同士が争っていない手続きだけであれば、司法書士や税理士でも進められます。

また、弁護士は依頼した人の代理人として動く立場です。まだ話し合いの余地が残っている段階で代理人を立てると、他の相続人が身構えて話がまとまりにくくなることもあります。順序としては、家族で話せるうちに話しておく。それでも折り合わないときに弁護士、という流れです。

弁護士費用は着手金と報酬金の組み合わせが一般的で、金額は事務所により異なります。依頼前に書面の見積もりで確認してください。実際の内訳は下記の記事で整理しています。

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4.相続手続きの代行サービスを利用する3つのメリット

経験と実力がある専門家に相続手続きの代行を依頼すれば大きく分けて、3つのメリットがあります。

相続は関わる人が多ければその分、様々な感情が交錯するため、人間感情を理解しながらうまく進めないと複雑化していくケースが多くあります。

もめてしまうと、精神的な負担に加えて、代理人を立てる費用と時間がかかります。調停まで進めば、解決までが半年から1年単位で先に延びることも珍しくありません。

事前に第三者を交えて公平性を持たせて手続きを進めることで、あなたの時間、財産を守ることに繋げられます。詳しくは下記をご覧ください。

4-1. 時間と労力を節約できる+相続税対策もできる

相続手続きは非常に時間と労力がかかります。各種書類や証明書を集めたり、金融機関や役所場合によっては不動産屋に何度も出向いたり、相続人同士で話し合ったりと面倒でややこしい処理が必要です。

仕事や家事と両立するのは大変ですし、ましてや大事な人が亡くなった後なら悲しみに暮れる間もあまりなく、手続きを進める必要があります。

もしも、良い専門家に手続きを代行してもらえれば時間と労力さらに大事な人が残した遺産も手元に多く残すことができる場合があります。

実力のある専門家は相続手続きに慣れているため、スムーズかつ正確にそして、あなたが自身で手続きするよりも良い状況になるように進めてくれます。自分で対応しなくて良いので、精神的な負担も軽減できます。

依頼者がまだご存命のうちに相談いただいた場合は、事前に打てる対策が多くなるので、あなたのご家庭に合った最適な対策を施してもらうことができ、これにより支払う相続税を減らせる場合もあります。

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4-2.揉め事や間違いによる追徴課税を防げる

相続手続きの代行は、専門性が高く、間違いやトラブルが起こりやすいものです。例えば、相続人や相続財産の確定を誤ると、いわば罰金のような形で追加の税金を払うことになる場合があります。

また、相続権を持つ人が複数人いる場合、人間関係や複雑な感情を理解しながら進めないと後から権利を主張する人が現れたり、最悪揉めてしまう可能性もあります。

遺産分割協議で意見が対立すると、調停・審判に進むことがあります。そうなると、代理人費用と、解決までの時間の両方がかかります。

優秀で誠実な専門家に代行してもらうことで、このような間違いやトラブルを防げます。専門家は法律や税務の知識を持っているため、公平に正しい手続きを行ってくれる点には価値があります。

4-3.節税や有利な遺産分割ができる

相続手続きは自分で行うよりも、専門家に代行してもらう方が、節税や有利な遺産分割ができる場合があります。

できるだけ早いタイミングで税理士に依頼することで、相続税の計算や申告を最適化してくれたり、遺言書や生前贈与などの節税対策を提案してくれたりします。

また、弁護士や司法書士に依頼すると、遺留分や遺言書の有効性などの法律的な問題を解決してくれたり、相続人間のいざこざを円満に解決してくれたりします。

相続に詳しい専門家が第3者として、間に入ることで公平性を保ちながらも、依頼者の利益を最大化するために最大限のサポートをしてくれるため、自分でやるよりもことがうまく運ぶケースが多くあります。

5.相続手続き代行を依頼する3つのデメリット

相続手続きを代行してもらうと確かに楽になりますが、デメリットもあります。特に依頼先の選び方を誤ると、問題がかえってややこしくなるおそれがあるので、慎重に検討してください。

5-1. 依頼先選びを誤るリスクがある

前述のとおり、依頼先によっては、サービスに満足できないだけでなく、高額な報酬を支払ったのに税金も高いという形になってしまう場合もあります。

相続税の申告では、土地の評価を安全側に大きく見積もって申告するやり方もあります。税務調査のリスクは下がりますが、その分だけ納める税額は増えます。提示された税額に納得がいかないときは、申告前に別の税理士に見てもらっても構いません。

お客さん側から見て、その専門家の手続きが正確で適正に行われているかまで判別するのは簡単ではありません。

高いお金を支払って相続手続きを代行してもらうからには、その報酬に対する価値を得るためにも最初の段階でしっかりとした相続の専門家に依頼することが大事です。

5-2.どこに相談すればよいのか判断するのが難しい

相続の相談は、士業の事務所だけではなく銀行や葬儀社、その他ポータルサイトの運営者も受け付けています。

「相続の相談は銀行へ」「葬儀社へ」「紹介サイトへ」と、相談の窓口はさまざまです。

これらの中からあなたにとって適切な相談先を選ぶのは困難です。現実的には自宅からの距離や料金だけで判断することが多くなっているのだろうと思います。

もちろん、報酬の安さは基準の1つとして重要ではありますが、サービスの品質が悪ければ事実上、損をしているということがあるので注意が必要です。

わかりにくいところかもしれませんが、ぜひ専門家の能力や質という点にも目を向けていただきたいなと思います。

5-3.費用が掛かる

相続手続きを専門家に代行してもらえばメリットがある一方、デメリットもあります。

時間や労力がかからない一方で、どうしても費用はかかるということが一番の難点かもしれません。

しかし、土地の評価や特例の検討によって、相続税の額が変わることもあります。

ですので、重要なことは「良い専門家」に依頼できるかどうかという点です。

報酬の安さだけを基準に選ぶと、必要な検討が抜けて、結果的に損をする場合もあります。報酬と、対応してくれる範囲の両方を見て選んでください。

代行サービスのメリット

✓ 時間と労力を節約できる+相続税対策もできる

✓ 揉め事や間違いによる追徴課税を防げる

✓ 節税や有利な遺産分割ができる場合がある

代行を依頼するデメリット

✕ 依頼先選びを誤るリスクがある

✕ どこに相談すればよいのか判断するのが難しい

✕ 費用が掛かる

6. 相続手続きの代行先ごとの違い

相続手続きの代行サービスを提供する専門家は、弁護士や司法書士、税理士、行政書士など様々です。しかし、それぞれに得意分野や対応できる範囲が異なります。

例えば、紛争の解決(交渉・調停・裁判)は弁護士にしか対応できません。ただし弁護士事務所は扱う分野が広いところも多いため、相続の取扱件数は面談で確認してください。

相続税の申告の代理や具体的な税務相談は税理士の業務です(弁護士は税理士法の規定により税理士業務を行える場合があります)。税理士は、不動産の登記や紛争の解決はできません。

依頼したい内容に応じて適切な専門家を選ぶことが大切です。以下の表は各専門家が対応できる内容の一例です。

相談内容 弁護士 司法書士 税理士 行政書士
遺言書作成 ○ ○ ○ ○
遺言書検認 ○ ○ × ×
相続人調査 ○ ○ ○ ○
相続財産調査 ○ ○ ○ ○
相続放棄・限定承認 ○ ○ × ×
遺産分割協議・協議書作成 ○ △*1 △*1 △*1
紛争解決・調停・裁判 ○ × × ×
不動産登記・名義変更 △*2 ○ ×*3 ×*3
相続税申告・節税対策 ×*4 ×*4 ○ ×*4

*1 .遺産分割協議の代理人にはなれないため、相続人全員が合意していることが前提です。
*2 .弁護士も不動産登記を行うことができますが、対応していない場合が多いです。
*3 . 税理士、行政書士は不動産登記を行うことができません。司法書士に依頼する必要があります。
*4 .相続税の申告書の作成・代理は税理士の業務で、司法書士・行政書士は対応できません。弁護士は税理士法の規定により税理士業務を行える場合がありますが、扱う事務所は限られます。

6-1.士業ごとの費用の相場(2026年9月・愛知県内の公開料金を集計)

「どこに頼めるか」と同じくらい気になるのが「いくらかかるか」です。愛知県内と岐阜県南部の士業事務所が公開している料金表を当社で集計しました。同じ「相続手続き代行」でも、どの士業のどの業務を指しているかで金額の桁が変わります。

依頼先と業務 相場の幅 多い価格帯 備考(加算の条件)
司法書士:相続登記 2万8,000円〜15万4,000円 5万〜8万円 不動産が1件増えるごとに5万〜6万円、相続人1人増で1,000円程度。別に登録免許税がかかる
司法書士:相続手続きまるごと(遺産整理) 7万8,000円〜27万5,000円 18万〜22万円台 固定パッケージ型と、財産額に0.4〜1.2%の料率を掛ける型がある。財産が大きいほど料率は下がる
司法書士:相続放棄 3万3,000円〜/人 3万3,000円 亡くなってから3か月を過ぎていると+1万円、複雑な案件は+2万円という加算例がある
行政書士:遺産分割協議書の作成 16万5,000円〜 16万円台〜 戸籍の収集をどこまで含むかで変わる。相続人調査は5万5,000円〜という別料金の事務所も
行政書士:相続手続き代行(一括) 着手金38万5,000円〜
+遺産総額の1.1%
― 預貯金の解約・名義変更まで含む形。不動産があれば司法書士の報酬が別に必要
税理士:相続税の申告 基本10万〜30万円 遺産5,000万円台で25万円前後 1億円台で40万円台、2億円台で70万円台。土地1利用区分ごとに2万5,000〜5万5,000円、相続人1人増で+10%
弁護士:遺産分割(もめている場合) 着手金22万〜165万円 22万〜55万円 解決後に報酬金が別途。経済的利益の6.6〜13.2%で、最低報酬金22万〜80万円を置く事務所もある
弁護士:相続放棄 11万円/人 11万円 同じ手続きを司法書士に頼むと3万3,000円前後。争いがなければ司法書士の業務範囲
【実費】登録免許税(相続登記) 固定資産税評価額×0.4% ― 法定額。評価額1,000万円の不動産なら4万円。専門家の報酬とは別に法務局へ納める
【実費】戸籍謄本 450円/通 450円 法定額。除籍謄本・改製原戸籍は750円/通。10通を超えることも珍しくない

愛知県内・岐阜県南部の士業事務所29件の公開料金と、日本弁護士連合会の公表資料をもとに当社が集計(2026年9月時点・税込/税別は事務所により異なる)。事務所ごとに条件が違うため、必ず書面の見積もりで確認してください。

金額が上がる条件は士業ごとに違います。司法書士は不動産の件数、行政書士は戸籍の通数と金融機関の数、税理士は土地の利用区分の数と相続人の人数、弁護士は手続きがどこまで進むか(交渉→調停→審判)と取り分の見込み額です。自分のケースでどれが多いかを数えると、どこが膨らむか見当がつきます。

不動産1件・預貯金2行・相続人3人・相続税なし、という一般的なケースなら、司法書士の相続登記5万〜8万円に登録免許税と戸籍の実費で、10万円台に収まることが多い形です。ここに相続税の申告が加わると税理士の報酬が別に10万〜30万円、もめて弁護士に代理を頼むとさらに桁が変わります。

相場から大きく外れた見積書を見たときは、金額そのものより「範囲」を確認してください。登記が入っているか、金融機関は何行までか、相続税の申告は含むか。範囲がそろっていない見積書どうしを比べても、高い安いは判断できません。

以下の記事では、よりわかりやすく相続の相談先についてお伝えしておりますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

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相続の相談はどこに?状況別の相談先早見表|司法書士・税理士・弁護士・役所 相続の相談先で迷ったら、まず状況で選びます。不動産の名義変更は司法書士、相続税は税理士、争いは弁護士、書類集めは行政書士。無料で使える公的な窓口、費用の考え方、相談の前にメモしておく4点まで、2026年10月時点で整理しました。

30秒セルフチェック:そもそも専門家に頼むべき?どの専門家?

次のうち、当てはまるものはいくつありますか。数えてから、下の「結果の読み方」をご覧ください。

相続財産に不動産(土地・建物)が含まれている
遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそう
相続人の間で意見が対立している/連絡が取れない人がいる
相続人が3人以上、または遠方に暮らす相続人がいる
平日に役所・法務局・銀行を回る時間が取りにくい

結果の読み方(当てはまった数)

0〜1個:ご自身で進められる可能性が高い
争いや不動産・相続税がなければ、専門家に依頼しなくても手続きを完了できるケースが多くあります。無理にご相談いただく必要はありません。まずは記事内の手順やチェックリストで進めてみてください。そのうえで、判断に迷う点が1つでもあるようでしたら、30分の無料相談でご一緒に確認できます。
2〜3個:一部、専門家の力が要る論点があります
ご自身で進められる部分と、専門家に任せた方がよい部分が混在しています。下の「どの専門家に頼む?」で当てはまる領域を確認し、判断に迷う点だけ30分の無料相談で確認することもできます。
4個以上:複数の専門家が関わる状況です
手続きが広範囲に及びます。個別に専門家を探す前に、30分の無料相談で「何を自分でやり、何を誰に頼むか」を先に切り分けると、費用も時間も抑えられます。
重要:当てはまった数に関わらず、「相続人の対立・連絡不能」なら弁護士、「相続税が基礎控除を超える」なら税理士(申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月)の領域です。この2つはご自身での対応が難しいことが多いため、早めにご相談ください。

どの専門家に頼む?(当てはまった項目から)

不動産の名義変更(相続登記)司法書士
相続税の申告(基礎控除超・期限10か月)税理士
相続人間の対立・交渉・調停弁護士
戸籍収集・書類作成・手続き代行(争いなし)行政書士
迷う・複数に当てはまる30分の無料相談で振り分け
30分の無料相談を申し込む →

相続人の対立が心配な方は、もめる相続リスク診断でリスクの度合いを確認できます。

※目安を示すものです。30分の無料相談はこの段階で費用が発生しません。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。ご自身で完了できる方は、無理にご相談いただく必要はありません。


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参考にした公式情報(2026年10月確認)

本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

相続事務所にてマーケティング、広報、人事、新規事業等を行いウェブ経由の月間売上を更新する傍ら経営にも参画する。主にウェブマーケティングを通じて業界特有の「見せ方」やずる賢い手法をたくさん目撃していく。お客さんにとっては幾度とない大事な機会なのに半ば騙すようなマーケティングや営業で受任している事業者がいることを問題視し、業界についての正確な情報を発信したいと考え「相続事務所のホンネとタテマエ」を運営中。

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