おすすめの相続手続き代行先は?経験者が危険な事務所と優良な事務所の特徴を徹底解説

めんどくさい相続手続きどこかにまるっと代行してもらえないかな

手続きを代行してくれる優秀な事務所の選び方がわからない

この記事にたどり着いたあなたは上記のようにお考えではないでしょうか。

相続手続きというと、難しくて大変なイメージがありますよね。実際、相続人や相続財産の調査、遺産分割協議、名義変更、相続税申告など、やらなければならないことはたくさんあります。

ですが、しっかりと精査をせずに事務所を選んでしまうと必要な手続きを行ってもらえない、使えるはずだった制度や節税対策ができない結果「あなたが知らない間に損をしている」ということが起こってしまいます。

特にお亡くなりになられた方が土地や不動産、大きな資産をお持ちの場合、質の悪い専門家を選んでしまうと対策できたはずなのに相続税を払わないといけなくなるようなリスクもあります。

亡くなられた方の資産が多くない場合も、適切ではない専門家を選んでしまうことで、妥当なサービスを受けられないだけでなく、必要以上に高額な報酬を請求される場合があるため慎重さが求められます。

この記事では、相続手続きの現場にいた筆者が、代行先を選ぶときに見るべき点をお伝えします。特定の事務所名を「おすすめ」として挙げることはしません(理由は後述します)。代わりに、避けたほうがよい事務所の見分け方と、士業ごとの対応範囲を先に押さえてください。

この記事の結論
  • 相続手続きの代行先の中には危険な事務所が紛れている
  • 実際に相続手続きの代行選びに失敗して、大事な土地を手放すことになった人もいる
  • 安心・安全な専門家に代行してもらいたい場合は「適切な紹介」を受けることが重要
  • 費用の目安は、司法書士の相続登記が5万〜8万円、相続手続きまるごとで18万〜22万円台、税理士の相続税申告が基本10万〜30万円(愛知県内の公開料金・2026年9月時点)
目次

1.相続手続きの代行で損をしないために必要な5つの視点

あまり知られていませんが、相続手続きはどこに依頼するのかでその後の状況が大きく変化してしまいます。

質が悪い専門家に依頼をしてしまうと、実は見えないところで損をしていたのに本人は気づかないということになってしまうケースも実際に起こりえます。

この章では、専門家を見分けるのに必要な視点をお伝えします。実際に相談先をお探しになる際は参考にしていただけますと幸いです。

1-1.質の悪い相続手続き代行先は集客のためにずるい細工をしている

インターネットで少し調べただけでもたくさんの相続の専門家が出てくる時代です。本当に実力があり誠実な専門家を見つけるということは容易ではありません。

非常に残念なことではありますが、中には相続の専門家と言いながら、お客さんに不利益をもたらす手続きを平気でやっている事務所もあります。

しかし、そんな事務所でも大きなサイトで紹介されていたり、パッと見て安くて印象が良ければお客さんは来てしまうのが実際のところです。

品質が悪くてもお客さんを集めることさえできれば事務所として売り上げは出るため、とにかく集客にしか目が行っていない事務所が多いことの弊害だと私は考えています。

実際に専門家の質が低くても存続している多くの事務所はお客さんを呼び込むために高いお金を支払って目立つように対策しています。

酷いところだと☆5のグーグルのレビューを書いてもらう代わりに金券や粗品を渡したりもしています。グーグルのガイドラインにも違反しているのですが、表示も消えずに残り続けている事務所も存在しています。

何が問題かというと、実際はそれほど実力がなくても、質が悪くても広告や広報が上手なところが目立ってしまい、お客さんを集められてしまう構造にあります。

もちろん、広告戦略もうまく実力も申し分ない事務所も存在するので、一概には言えませんが、極めてまれな例だとは個人的に思います。

1-2.相続に詳しくない斡旋業者には要注意

近年、葬儀会社やIT企業など相続の知識があまりない業者が専門家を紹介したり、マッチングさせる媒体が非常に増えました。

しかし、○○専門家ドットコム、相○税○士マップというようなポータルサイトや媒体の利用は少し慎重に考えた方がよろしいと思います。

企業が運営しているポータルサイトは基本的に提携先の士業から掲載料をもらう形で運営されています。つまり、基本的にお金を払っている士業であれば実力のいかんにかかわらず、掲載されてしまいます。

ポータルサイトのビジネスモデル上、掲載している事務所が多ければ多いほど収益が安定するため、取り敢えずたくさん提携先を増やして載せる、事務所への許可もないまま載せるというケースが多くあります。

中には広告掲載料を得るために全国の士業事務所を回ってひたすら営業をかけている会社も存在しています。実際に著者は士業事務所にいる為、そのような類の営業電話はよくかかってくることを実感しています。

こんなやり方で本当に優秀な専門家に引き合わせてもらえるのか非常に疑問です。

もし、ご利用される場合もできれば、運営している会社や法人について下記の点は必ず確認された方がよろしいと思います。

  1. その運営会社の評判や口コミ
  2. その会社の営業スタイルや方針

1-3.本当に相続手続き専門家かどうか

相続をどこに相談すればよいのかと探していると「相続相談サロン」「相談室」「センター」といった場所が目に付くかと思います。

これらの運営元というのは大体、税理士法人、司法書士法人、行政書士法人などの士業事務所であることが多いですが、その母体をよく見ると相続専門ではないということが非常に多いです。

士業といっても業務の範囲は広く、色んな分野をやった方が案件の獲得が簡単になりますが、一方で専門性をアピールした方がお客さんには安心材料になります。

それを理解した上で、本当は専門ではないのに専門っぽく見せる手法が使われているわけです。

これは巧妙な手口で、実際は相続専門ではないにもかかわらず、お客さん側からするとどう見ても相続専門にしか見えないという構造になっています。

必ずしも、相続専門ではない事務所の質が悪いとまでいうつもりは全くありませんが、わざわざお客さんが勘違いするような屋号を別に作る意味をよく考えていただきたいです。

1-4.事務所や組織の体制を確認する

その事務所の口コミや評判はもちろん、どんな条件でどのような人を採用しているのかという求人や退職者の口コミに至るまで確認しておくことが重要です。

ただし、その事務所が自分のホームページで掲載しているお客様の声等はあまり参考になりません。意図的に良い口コミを集めたりするような場合が多いからです。

できれば、その事務所以外が運営しているサイトの悪い口コミやデメリットをしっかり確認して、検討することが非常に重要です。

そもそも、グーグル等の口コミも含めて一切評価が付いていない事務所もあるので、そのようなところは信頼できる友人等が運営している場合を除いて避けておくことが無難です。

1-5.報酬が相場とかけ離れていないか

安さだけではなく、専門家の能力やモラルという点も重要だというお話をさせて頂きました。とはいえ、実態価格と明らかに乖離したところへの相談もおすすめできません。

例えば、相続人同士で争いがないのに弁護士に依頼すると、必要のない範囲まで費用を払うことになりがちです。

また、銀行の相続手続きサービスは、士業事務所に直接依頼する場合と料金の考え方が異なります。金額は事務所・機関により異なるため、必ず書面の見積もりを2〜3か所から取り、同じ範囲(どこまで代行するか)で比べてください。

比べるときの物差しとして、愛知県内の事務所の公開料金を挙げておきます。相続登記だけなら司法書士で5万〜8万円、預貯金の解約まで含めた相続手続きまるごとで18万〜22万円台、相続税の申告は税理士で基本10万〜30万円(遺産5,000万円台で25万円前後)。争いがなければ弁護士に代理を頼む場面は発生しません。詳しい内訳は本記事の「6-1.士業ごとの費用の相場」にまとめています。

💡 損をしないための5つの視点まとめ

① 集客のための「ずるい細工」に惑わされない
② 相続に詳しくない斡旋業者・ポータルサイトは慎重に検討する
③ 本当に相続専門の事務所かどうかを確認する
④ 口コミ・評判・求人など事務所や組織の体制を確認する
⑤ 報酬が相場とかけ離れていないかを確認する

2.おすすめの相続手続き代行先と失敗しない選び方

この章では、おすすめの相続手続きの代行先についてお伝えしていきます。一番、安心、安全に優秀な専門家に依頼できる方法を考えましたので、参考にしていただけると嬉しいです。

  • 支払う報酬に見合った最適なサービスを受けたい。
  • 気づかない間に大きな損をしているのは嫌だな。
  • おすすめの代行先について知りたい。

という方は少しじっくり、読んでいただくことをおすすめします。

2-1.おすすめの相続手続き代行先の選び方

では、どうすれば安心して優秀な専門家に担当してもらえるのでしょうか。

その答えは単純で、「紹介」です。士業や相続のことをよくわかっている人に「あなたとは違う事務所にいる方で、優秀だと思う専門家を紹介してください」と尋ね、引き合わせてもらうのです。

単に同じ事務所の専門家を紹介されては「案件もらえてラッキー」というだけになってしまうので、公平性や客観性がありません。

本当に優秀な方に担当してもらいたいのであれば、利害関係のない外部の専門家を紹介してもらって相談するのが、いちばん外れの少ない進め方です。

優秀な方は基本的に忙しいので、普通にサイト等から相談予約してもなかなか担当にはなってくれません。しかし、知人から紹介された人は、事務所として無下にはできない(面子があるため)ので、紹介ルートだと優秀な専門家に安価で依頼できる可能性が非常に高くなります。

紹介を受けると優秀な専門家に代行してもらえることはわかったけど、士業の友人なんていないよ

知り合いに士業の人はいるけど、その人に頼むならまだしも、他の事務所の人を紹介してもらうなんて気が引けるわ

という方もおられるかと思いましたので、士業の友人や知人がいらっしゃらない方にも同じように優秀な専門家から紹介を受けられるようにしてみました。

優秀な専門家の定義に関しまして

相続手続きを行うにあたり必要な5つの項目(対応の速さ、知識と経験、事務スタッフの能力、お客様に寄り添う対話術、顧客を大切に思っているか)を満たす、専門家の中でも極めて優秀な人のことを指します。

2-2.当社が「おすすめ事務所」を名指しで挙げない理由

なお当社では、特定の事務所を実名で「おすすめ」として挙げることはしていません。掲載していない事務所が劣るという意味に受け取られかねませんし、当社は掲載料も紹介料も受け取らない立場で情報をお出ししているためです。

代わりに、この記事ではご自身で候補を絞り込むときの見方をお伝えします。ご希望があれば、ご状況を伺ったうえで提携先の専門家をご紹介することもできます。

今日の一歩:候補の事務所に、この順で当たる

1. 資格を先に確かめる

各士業の全国団体が会員名簿の検索を公開しています(日本司法書士会連合会、日本行政書士会連合会、日本弁護士連合会、日本税理士会連合会)。事務所サイトに出ている氏名で引いて、登録があるかを見ます。名簿に出てこない場合は、その人ではなく事務所に所属する有資格者が誰なのかを確認してください。

2. 手元にそろえてから連絡する

不動産の有無と所在地(固定資産税の納税通知書があれば十分)/取引のある金融機関名と口座の数/相続人の人数と続柄/遺言があるかどうか/すでに受け取った見積書。これだけで見積の精度が変わります。

3. 電話や面談で聞く3点

  1. この金額に何が含まれるか(相続登記、金融機関は何行までか、相続税の申告、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成)
  2. 実際に担当するのは誰か(有資格者本人か、補助者が進めて確認だけ有資格者か)
  3. 追加費用が出るのはどんなときか(相続人が増えた、不動産が他県にもあった、金融機関が想定より多かった)

答えが曖昧だった/1つの事務所で完結しないとき

登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人どうしの交渉や調停は弁護士と、扱える範囲が法律で分かれています。1か所で終わらない場合は「他の士業と連携しているか、その分の費用は見積に入っているか」を聞いてください。ここが曖昧なまま契約すると、後から別の請求が来ます。範囲をそろえた見積をもう1件取って並べるのが確実です。

選んでいる間にも進む期限

相続放棄は原則3か月、相続税の申告・納付は10か月、相続登記は3年(2024年4月から義務化)。いずれも相続の開始などを知った日が起算点です。事務所選びに1か月かけると、その分だけ後の手続きが詰まります。

どこに頼めばいいか決まらない方へ
見積書を並べても、含まれている範囲が違えば高い安いは判断できません。30分の無料相談では、いまのご状況で本当に必要な手続きを洗い出し、どの士業が要るのか(要らないのか)を切り分けて、お手元の見積書の範囲がそろっているかを一緒に確認します。ご希望があれば提携先の専門家をご紹介しますし、ご自身で進められる部分はそのままお伝えします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

3.相続手続き代行事務所選びを失敗した5つの実例

一見、誠実そうで安心感のある専門家でも業界関係者や同業が客観的にみると「なかなかひどいことやっているな」と思うこともそれなりにあります。

腹黒いくらいで済めばまだましかもしれませんが、中には相続の専門家選びを失敗して後悔している人もいらっしゃいます。

この章では、実際に相続手続きの代行先選びに失敗してしまった方の体験談を紹介いたします。

3-1.相続手続きが停滞し、連絡も放置される

何度も放置され、何年経っても解決しません。担当を変える、新しい担当から連絡入れると言われたまま数ヶ月音沙汰なし。担当が決まっていなかったようです。

2日後に電話しますって、引き継ぎに時間が欲しいだけですよね。電話もらっても挨拶だけじゃ意味ないですから。お金を支払ってしばらくお仕事したら放置。担当が会社を辞めたら、放ったらかし。こちらから連絡しないと動かない。

契約が決まる前の最初の相談が一番熱心でした。いまは不信感しかありません。

お返事頂いていたようですが、法務局は関係ないので別件についての内容のようです。ということは、私の案件以外にも放置してしまうのはよくあることのようですね。

Googleより引用

3-2.法律=弁護士と思って依頼したが費用が非常に高額だった

私の勉強不足が原因ではあるのですが、母の相続手続きを依頼しました。実は揉めている手続き以外は司法書士でも対応できるようで、費用もかなり安いようなのですが、そのことを知らずに依頼してしましました。

結果として、司法書士に依頼していれば30万円程度で済んだものが、100万円を超える報酬を支払うことになってしまいました。手続き自体は終わりましたが、連絡がすごく遅いと感じることが多く100万円もの報酬を支払ったのに少し納得できないというのが本心です。

Googleより引用

3-3.いい加減に過剰申告をされ大事な土地を手放すことに…

紹介を受けた税理士事務所に相続税の申告を任せたところ、あとから別の税理士に検算してもらって土地の評価が過大だったと分かった——というご相談は実際に寄せられます。修正申告で取り戻せる場合もありますが、納税資金を作るために売ってしまった土地は戻ってきません。

土地の評価は税理士によって差が出やすい分野です。提示された税額が想定より大きいと感じたときは、申告前にセカンドオピニオンを取っても構いません。

3-4.JAから紹介されたが対応のすべてが酷い

金融機関や農協から紹介された事務所だから安心、とは限りません。紹介はあくまで取引関係にもとづくもので、その事務所が相続に強いかどうかを保証するものではないからです。見積もりの根拠を尋ねても納得のいく説明が得られなかった、評価額の算定に不安が残った、という声は実際にあります。

紹介を受けた場合でも、ほかの事務所の見積もりと並べて比べてから決めて構いません。紹介されたからといって、断りにくいと感じる必要はありません。

3-5.よくある失敗例

・銀行に相続手続きを依頼し、相場の数倍以上の報酬を払うことになった

原則として、銀行では相続手続きをおこなっておりません。実態としては相続のコンサルティングを行うという名目で必要な専門家を紹介してくれるというようなサービスを行っています。

銀行に頼むと、窓口の安心感と引き換えに、実際の手続きを行う士業への費用に銀行側の費用が上乗せされる形になります。金額は機関により異なるため、士業事務所の見積もりと並べて比べてから決めてください。

銀行に相続手続きを相談する場合の中身については、下記の記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい
相続手続きの代行は銀行に任せてはいけない!その理由を経験者がわかりやすく解説 相続の相談ってだれにしたらいいんだろう銀行は身近だから相談しやすそう 銀行は、普段からよく訪れる為、手軽に相談にいけそうな感覚がある方も多いと思います。しかし...

・紛争が起きていないのに弁護士に依頼してしまった

弁護士は紛争解決の専門家です。相続人同士が争っていない手続きだけであれば、司法書士や税理士でも進められます。

また、弁護士は依頼した人の代理人として動く立場です。まだ話し合いの余地が残っている段階で代理人を立てると、他の相続人が身構えて話がまとまりにくくなることもあります。順序としては、家族で話せるうちに話しておく。それでも折り合わないときに弁護士、という流れです。

弁護士費用は着手金と報酬金の組み合わせが一般的で、金額は事務所により異なります。依頼前に書面の見積もりで確認してください。実際の内訳は下記の記事で整理しています。

あわせて読みたい
相続手続きの弁護士費用は?着手金・報酬金の相場と、他士業との違いを解説 相続手続きを考える際、多くの人が「弁護士に依頼すべきか?」という疑問を持ちます。弁護士は法律の専門家であり、紛争が絡む複雑な相続案件では確かに頼りになります...

4.相続手続きの代行サービスを利用する3つのメリット

経験と実力がある専門家に相続手続きの代行を依頼すれば大きく分けて、3つのメリットがあります。

相続は関わる人が多ければその分、様々な感情が交錯するため、人間感情を理解しながらうまく進めないと複雑化していくケースが多くあります。

もめてしまうと、精神的な負担に加えて、代理人を立てる費用と時間がかかります。調停まで進めば、解決までが半年から1年単位で先に延びることも珍しくありません。

事前に第三者を交えて公平性を持たせて手続きを進めることで、あなたの時間、財産を守ることに繋げられます。詳しくは下記をご覧ください。

4-1. 時間と労力を節約できる+相続税対策もできる

相続手続きは非常に時間と労力がかかります。各種書類や証明書を集めたり、金融機関や役所場合によっては不動産屋に何度も出向いたり、相続人同士で話し合ったりと面倒でややこしい処理が必要です。

仕事や家事と両立するのは大変ですし、ましてや大事な人が亡くなった後なら悲しみに暮れる間もあまりなく、手続きを進める必要があります。

もしも、良い専門家に手続きを代行してもらえれば時間と労力さらに大事な人が残した遺産も手元に多く残すことができる場合があります。

実力のある専門家は相続手続きに慣れているため、スムーズかつ正確にそして、あなたが自身で手続きするよりも良い状況になるように進めてくれます。自分で対応しなくて良いので、精神的な負担も軽減できます。

依頼者がまだご存命のうちに相談いただいた場合は、事前に打てる対策が多くなるので、あなたのご家庭に合った最適な対策を施してもらうことができ、これにより飛躍的に支払う相続税を減らせる場合もあります。

あわせて読みたい
本当に相続に強い税理士の選び方を業界関係者が第3者目線で徹底解説します。 ご葬儀が終わったのもつかの間、相続の手続きをしなければならず、お困りなことも多いかと思います。 あまりに突然の出来事で冷静に考える時間もない中、腕の良い税理士...

4-2.揉め事や間違いによる追徴課税を防げる

相続手続きの代行は、専門性が高く、間違いやトラブルが起こりやすいものです。例えば、相続人や相続財産の確定を誤ると、いわば罰金のような形で追加の税金を払うことになる場合があります。

また、相続権を持つ人が複数人いる場合、人間関係や複雑な感情を理解しながら進めないと後から権利を主張する人が現れたり、最悪揉めてしまう可能性もあります。

遺産分割協議で意見が対立すると、調停・審判に進むことがあります。そうなると、代理人費用と、解決までの時間の両方がかかります。

優秀で誠実な専門家に代行してもらうことで、このような間違いやトラブルを防げます。専門家は法律や税務の知識を持っているため、公平に正しい手続きを行ってくれる点には価値があります。

4-3.節税や有利な遺産分割ができる

相続手続きは自分で行うよりも、専門家に代行してもらう方が、節税や有利な遺産分割ができる場合があります。

できるだけ早いタイミングで税理士に依頼することで、相続税の計算や申告を最適化してくれたり、遺言書や生前贈与などの節税対策を提案してくれたりします。

また、弁護士や司法書士に依頼すると、遺留分や遺言書の有効性などの法律的な問題を解決してくれたり、相続人間のいざこざを円満に解決してくれたりします。

相続に詳しい専門家が第3者として、間に入ることで公平性を保ちながらも、依頼者の利益を最大化するために最大限のサポートをしてくれるため、自分でやるよりもことがうまく運ぶケースが多くあります。

5.相続手続き代行を依頼する3つのデメリット

相続手続きを代行してもらう確かに楽になる側面がありますが、デメリットもあります。特に誤って下手な相談先に依頼してしまうと問題がややこしくなってしまう恐れがありますので、慎重に検討することが重要です。

5-1. 微妙な相談先を選ぶリスクがある

前述したようにあまり、よろしくない事務所に依頼してしまうと、サービスに満足できないだけでなく、高額な報酬を支払ったのに税金も高いという形になってしまう場合もあります。

相続税の申告では、土地の評価を安全側に大きく見積もって申告するやり方もあります。税務調査のリスクは下がりますが、その分だけ納める税額は増えます。提示された税額に納得がいかないときは、申告前に別の税理士に見てもらっても構いません。

お客さん側から見た時にその専門家が行っている手続きが本当に正確で適正に行われているのかまで判別するのは非常に困難なため、ずさんな手続きをやっている事務所も少なからずあります。

高いお金を支払って相続手続きを代行してもらうからには、その報酬に対する価値を得るためにも最初の段階でしっかりとした相続の専門家に依頼することが大事です。

5-2.どこに相談すればよいのか判断するのが難しい

相続の相談は、士業の事務所だけではなく銀行や葬儀社、その他ポータルサイトの運営者も受け付けています。

これらの会社も自社の利益の為には相続の相談をしてくれる人を増やす必要があるため、「相続の相談は銀行へ」「葬儀社へ」「相続○○ドットコムへ」のような形で乱立しています。

これらの中からあなたにとって適切な相談先を選ぶのは困難です。現実的には自宅からの距離や料金だけで判断することが多くなっているのだろうと思います。

もちろん、報酬の安さは基準の1つとして重要ではありますが、サービスの品質が悪ければ事実上、損をしているということがあるので注意が必要です。

わかりにくいところかもしれませんが、ぜひ専門家の能力や質という点にも目を向けていただきたいなと思います。

5-3.費用が掛かる

相続手続きを専門家に代行してもらえばメリットがある一方、デメリットもあります。

時間や労力がかからない一方で、どうしても費用はかかるということが一番の難点かもしれません。

しかし、能力が高い税理士に担当してもらうことで相続税が下がったり、相続税対策を効果的にできたことで、相続税がかからなかったという例は数多くあります。

ですので、重要なことは「良い専門家」に依頼できるかどうかという点です。

報酬が安いところだけを基準に選んでしまうと下手な手続きになったり、損をしてしまう場合があるので、コストパフォーマンスが良い事務所を選ぶ視点が重要かもしれません。

代行サービスのメリット

✓ 時間と労力を節約できる+相続税対策もできる

✓ 揉め事や間違いによる追徴課税を防げる

✓ 節税や有利な遺産分割ができる場合がある

代行を依頼するデメリット

✕ 微妙な相談先を選ぶリスクがある

✕ どこに相談すればよいのか判断するのが難しい

✕ 費用が掛かる

6. 相続手続きの代行先ごとの違い

相続手続きの代行サービスを提供する専門家は、弁護士や司法書士、税理士、行政書士など様々です。しかし、それぞれに得意分野や対応できる範囲が異なります。

例えば、紛争の解決(交渉・調停・裁判)は弁護士にしか対応できません。ただし弁護士事務所は扱う分野が広いところも多いため、相続の取扱件数は面談で確認してください。

税理士は、唯一相続税の申告や節税に対する具体的な助言ができますが、不動産の登記や紛争の解決はできません。

依頼したい内容に応じて適切な専門家を選ぶことが大切です。以下の表は各専門家が対応できる内容の一例です。

相談内容 弁護士 司法書士 税理士 行政書士
遺言書作成 ○ ○ ○ ○
遺言書検認 ○ ○ × ×
相続人調査 ○ ○ ○ ○
相続財産調査 ○ ○ ○ ○
相続放棄・限定承認 ○ ○ × ×
遺産分割協議・協議書作成 ○ △*1 △*1 △*1
紛争解決・調停・裁判 ○ × × ×
不動産登記・名義変更 △*2 ○ ×*3 ×*3
相続税申告・節税対策 ×*4 ×*4 ○ ×*4

*1 .遺産分割協議の代理人になれないため、相続人全員の平和な同意が必要です。
*2 .弁護士も不動産登記を行うことができますが、対応していない場合が多いです。
*3 . 税理士、行政書士は不動産登記を行うことができません。司法書士に依頼する必要があります。
*4 .相続税申告や節税等は、弁護士、司法書士、行政書士は対応できません。

6-1.士業ごとの費用の相場(2026年9月・愛知県内の公開料金を集計)

「どこに頼めるか」と同じくらい気になるのが「いくらかかるか」です。愛知県内と岐阜県南部の士業事務所が公開している料金表を当社で集計しました。同じ「相続手続き代行」でも、どの士業のどの業務を指しているかで金額の桁が変わります。

依頼先と業務 相場の幅 多い価格帯 備考(加算の条件)
司法書士:相続登記 2万8,000円〜15万4,000円 5万〜8万円 不動産が1件増えるごとに5万〜6万円、相続人1人増で1,000円程度。別に登録免許税がかかる
司法書士:相続手続きまるごと(遺産整理) 7万8,000円〜27万5,000円 18万〜22万円台 固定パッケージ型と、財産額に0.4〜1.2%の料率を掛ける型がある。財産が大きいほど料率は下がる
司法書士:相続放棄 3万3,000円〜/人 3万3,000円 亡くなってから3か月を過ぎていると+1万円、複雑な案件は+2万円という加算例がある
行政書士:遺産分割協議書の作成 16万5,000円〜 16万円台〜 戸籍の収集をどこまで含むかで変わる。相続人調査は5万5,000円〜という別料金の事務所も
行政書士:相続手続き代行(一括) 着手金38万5,000円〜
+遺産総額の1.1%
― 預貯金の解約・名義変更まで含む形。不動産があれば司法書士の報酬が別に必要
税理士:相続税の申告 基本10万〜30万円 遺産5,000万円台で25万円前後 1億円台で40万円台、2億円台で70万円台。土地1利用区分ごとに2万5,000〜5万5,000円、相続人1人増で+10%
弁護士:遺産分割(もめている場合) 着手金22万〜165万円 22万〜55万円 解決後に報酬金が別途。経済的利益の6.6〜13.2%で、最低報酬金22万〜80万円を置く事務所もある
弁護士:相続放棄 11万円/人 11万円 同じ手続きを司法書士に頼むと3万3,000円前後。争いがなければ司法書士の業務範囲
【実費】登録免許税(相続登記) 固定資産税評価額×0.4% ― 法定額。評価額1,000万円の不動産なら4万円。専門家の報酬とは別に法務局へ納める
【実費】戸籍謄本 450円/通 450円 法定額。除籍謄本・改製原戸籍は750円/通。10通を超えることも珍しくない

愛知県内・岐阜県南部の士業事務所29件の公開料金と、日本弁護士連合会の公表資料をもとに当社が集計(2026年9月時点・税込/税別は事務所により異なる)。事務所ごとに条件が違うため、必ず書面の見積もりで確認してください。

金額が上がる条件は士業ごとに違います。司法書士は不動産の件数、行政書士は戸籍の通数と金融機関の数、税理士は土地の利用区分の数と相続人の人数、弁護士は手続きがどこまで進むか(交渉→調停→審判)と取り分の見込み額です。自分のケースでどれが多いかを数えると、どこが膨らむか見当がつきます。

不動産1件・預貯金2行・相続人3人・相続税なし、という一般的なケースなら、司法書士の相続登記5万〜8万円に登録免許税と戸籍の実費で、10万円台に収まることが多い形です。ここに相続税の申告が加わると税理士の報酬が別に10万〜30万円、もめて弁護士に代理を頼むとさらに桁が変わります。

相場から大きく外れた見積書を見たときは、金額そのものより「範囲」を確認してください。登記が入っているか、金融機関は何行までか、相続税の申告は含むか。範囲がそろっていない見積書どうしを比べても、高い安いは判断できません。

以下の記事では、よりわかりやすく相続の相談先についてお伝えしておりますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

あわせて読みたい
相続の相談はどこに?各事務所のメリット・デメリットを元職員が徹底解説 この記事にたどり着いたあなたは以下のようなことを考えてはいないでしょうか? 相続の相談って、結局どこに行けばいいの?司法書士・税理士・弁護士・銀行、何が違うの...

30秒セルフチェック:そもそも専門家に頼むべき?どの専門家?

次のうち、当てはまるものはいくつありますか。数えてから、下の「結果の読み方」をご覧ください。

相続財産に不動産(土地・建物)が含まれている
遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそう
相続人の間で意見が対立している/連絡が取れない人がいる
相続人が3人以上、または遠方に暮らす相続人がいる
平日に役所・法務局・銀行を回る時間が取りにくい

結果の読み方(当てはまった数)

0〜1個:ご自身で進められる可能性が高い
争いや不動産・相続税がなければ、専門家に依頼しなくても手続きを完了できるケースが多くあります。無理にご相談いただく必要はありません。まずは記事内の手順やチェックリストで進めてみてください。そのうえで、判断に迷う点が1つでもあるようでしたら、30分の無料相談でご一緒に確認できます。
2〜3個:一部、専門家の力が要る論点があります
ご自身で進められる部分と、専門家に任せた方がよい部分が混在しています。下の「どの専門家に頼む?」で当てはまる領域を確認し、判断に迷う点だけ30分の無料相談で確認することもできます。
4個以上:複数の専門家が関わる状況です
手続きが広範囲に及びます。個別に専門家を探す前に、30分の無料相談で「何を自分でやり、何を誰に頼むか」を先に切り分けると、費用も時間も抑えられます。
重要:当てはまった数に関わらず、「相続人の対立・連絡不能」なら弁護士、「相続税が基礎控除を超える」なら税理士(申告期限は相続開始から10か月)の領域です。この2つはご自身での対応が難しいことが多いため、早めにご相談ください。

どの専門家に頼む?(当てはまった項目から)

不動産の名義変更(相続登記)司法書士
相続税の申告(基礎控除超・期限10か月)税理士
相続人間の対立・交渉・調停弁護士
戸籍収集・書類作成・手続き代行(争いなし)行政書士
迷う・複数に当てはまる30分の無料相談で振り分け
30分の無料相談を申し込む →

相続人の対立が心配な方は、もめる相続リスク診断でリスクの度合いを確認できます。

※目安を示すものです。30分の無料相談はこの段階で費用が発生しません。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。ご自身で完了できる方は、無理にご相談いただく必要はありません。


あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

相続事務所にてマーケティング、広報、人事、新規事業等を行いウェブ経由の月間売上を更新する傍ら経営にも参画する。主にウェブマーケティングを通じて業界特有の「見せ方」やずる賢い手法をたくさん目撃していく。お客さんにとっては幾度とない大事な機会なのに半ば騙すようなマーケティングや営業で受任している事業者がいることを問題視し、業界についての正確な情報を発信したいと考え「相続事務所のホンネとタテマエ」を運営中。

目次