親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い熊本県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、熊本県の45市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。熊本市は、本籍がどの区でも「熊本市戸籍等郵送センター」1か所で受け付けています。郵送の案内を公式サイトで確認できたのは43市町村で、高森町・嘉島町の2町は案内を読み取れず、公式サイトへのリンクだけにしています。
- 手数料は、金額を確認できた41市町村のすべてで、戸籍謄本が1通450円、除籍が1通750円でした。改製原戸籍も、金額が載っている市町村ではすべて750円です。水上村・山江村は金額を読み取れず「確認中」としています。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本で、熊本市・水俣市・山鹿市・菊池市・天草市などは、手数料に切手を使えないと案内しています。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは9市町、マイナンバーカードを使うオンライン請求を確認できたのは8市町です。2026年7月の令和8年熊本地震のあと、宇城市は窓口を本庁だけで開けている、と案内しています(9月18日更新)。
熊本県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。本籍が合併前の旧町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。美里町は、旧下益城郡の町村の一部は宇城市や熊本市の受け持ちになると案内しています。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先欄に「役場・担当課の所在地です」と添えた町村は、公式ページに郵送専用の宛先が見当たらず、役場や担当課の所在地を載せています。人吉市と山鹿市は市役所専用の郵便番号があり、住所を書かなくても届くと案内しています(菊陽町も所在地の記入を省略できると案内)。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(14市)
町村(23町8村)
取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、請求書の様式を載せている市町村が多くあります。熊本市・南関町・山都町・氷川町・益城町・あさぎり町などは、便せんに同じ内容を書いたものも使えると案内しています。多良木町は、ほかの市区町村の請求書でもよいとしています。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。美里町・御船町・西原村は、パスポートの写しは使えないと案内しています。人吉市・山都町なども、いまの住所が確かめられない書類は使えないとしています。大津町・津奈木町・球磨村などは、マイナンバーカードは表面だけをコピーするよう案内しています。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。為替には何も記入しないよう案内する市町村が多くあります。玉名市・菊池市・宇城市・氷川町は発行から6か月以内のものを求めています。熊本市は郵便為替か現金書留で、山鹿市・宇城市・阿蘇市・天草市・玉東町・御船町・甲佐町・山都町・南阿蘇村なども現金書留を使えると案内しています。八代市は、手数料をクレジットカードで先に払う方法も設けています。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町村が多くあります。通数が多いときは、大きめの封筒と多めの切手を入れるよう案内する市町村もあります。おつりを切手で返すことがある、とする町村もあります(氷川町・津奈木町・湯前町・山江村)。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、熊本市が約2週間、大津町が1週間から10日ほど、山都町が10日ほどと案内しています。急ぐときは、返信用封筒に速達分の切手を貼り「速達」と書くよう案内する市町村が多くあります。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。郵送での請求には使えないことも、人吉市・菊陽町・球磨村などが案内しています。熊本市・八代市・玉名市・山鹿市・菊池市・阿蘇市・天草市・合志市・上天草市・美里町・玉東町・南関町・和水町・芦北町・津奈木町・多良木町・湯前町・水上村などは、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、45市町村のうち9市町(熊本市・人吉市・玉名市・山鹿市・菊池市・宇土市・宇城市・菊陽町・益城町)が「コンビニ」欄で○です。熊本県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 熊本市・人吉市・玉名市・宇土市・宇城市・益城町は、本籍がその市町にあれば、住所が市町の外でも、事前の利用登録をすると戸籍証明書を取れる
- 山鹿市・菊池市は、戸籍証明書をコンビニで取れるのは、住所と本籍の両方が市内にある人に限ると案内している
- 人吉市・玉名市・山鹿市・菊池市・宇土市・宇城市は、戸籍証明書のコンビニ交付を平日の日中に限っている
- 人吉市・山鹿市・宇土市・宇城市は、除籍・改製原戸籍はコンビニでは取れないと案内している
- 八代市・荒尾市・水俣市・天草市・合志市・美里町・甲佐町・芦北町・苓北町は、コンビニで取れる証明書に戸籍を挙げていない(錦町はコンビニ交付そのものに対応していないと案内)
オンラインは、マイナンバーカードで電子申請をする形が一般的です。熊本県では、八代市(本人のいまの戸籍のみ)、水俣市(本籍が水俣市の本人が申請。除籍・改製原戸籍は配偶者・直系の親族の分も可。クレジットカードまたはPayPay)、山鹿市(本籍が山鹿市の本人と同じ戸籍の人。戸籍謄抄本。クレジットカード)、菊池市(戸籍・除籍・改製原戸籍。スマホ決済またはクレジットカード)、宇土市(戸籍謄本・抄本の申請)、天草市(戸籍・除籍・改製原戸籍。本人・配偶者・直系の親族など。クレジットカードまたはPayPay)、山都町(戸籍謄抄本と附票。本人・配偶者・直系の親族。クレジットカードまたはPayPay)、芦北町(専用アプリとクレジットカード。レターパックで郵送)が、公式ページでオンライン請求を案内しています。請求できる人や戸籍の範囲に条件があるので、使う前に各市町のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。天草市は、昭和20年生まれの人の出生から死亡までの例として2,700円を挙げています。熊本市・宇土市・天草市・水上村などは、通数が分からないときは手数料を多めに送るよう案内しています。天草市は、多く入れた分を定額小為替で返すとしています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。熊本県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。宇土市は平成16年に電算化による戸籍の作り替え(改製)が、和水町は平成12年から13年にかけて改製があったと案内しています。それより前の記録は改製原戸籍に載っています。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
令和8年熊本地震の影響はありますか
2026年7月28日に起きた令和8年熊本地震のあと、宇城市は窓口をいったん閉め、8月4日から本庁(松橋町)だけで臨時に開けていると案内しています(9月18日更新)。宇城市の郵送請求のページにも、窓口業務は災害対応を優先していると書かれています。被災した人の手数料を免除する市町村もあります。芦北町は、被災による手続きに使う戸籍謄本なども窓口で免除の対象にしています。水俣市・宇土市・甲佐町も窓口での手数料の免除を設けていますが、戸籍謄本は対象に挙げていません。いずれも窓口での申請を前提にしていて、郵送での扱いは書かれていません。当てはまる人は本籍地の市町村に問い合わせてください。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月17日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県
手続きが落ち着いたら:残ったお父さま・お母さまのこと
片方の親が亡くなった後は、残った親の相続(二次相続)で税金のかかり方や分け方が変わります。預金の置き場所、認知症への備え、遺言、受取人の名義など、元気なうちに確かめておきたい5つをまとめました。
二次相続で確かめる5つを見る
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。