親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い沖縄県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、沖縄県の41市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。竹富町は役場が石垣市美崎町にあり、宛先も石垣市です。糸満市は、郵便番号と「糸満市役所市民課 戸籍係」の宛名だけで届くとして、住所の記入はいらないと案内しています。郵送の案内を公式サイトで確認できたのは39市町村で、国頭村・伊江村の2村は案内を読み取れず、公式サイトへのリンクだけにしています。
- 手数料は、金額を確認できた33市町村のすべてで、戸籍謄本が1通450円、除籍・改製原戸籍が1通750円でした。今帰仁村・中城村・座間味村・南大東村・北大東村・伊平屋村の6村は、郵送のページで金額を読み取れず「確認中」としています。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。那覇市はクレジットカードとPayPay、読谷村はクレジットカードでも、郵送の手数料を払えます。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは16市町村、マイナンバーカードを使うオンライン請求を確認できたのは那覇市と読谷村です。なお、沖縄本島では沖縄戦で戦前の戸籍簿が失われ、戦後に作り直された経緯があります(よくある質問で説明しています)。
沖縄県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。本籍が合併前の旧市町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。宮古島市・宜野座村・金武町・南風原町・八重瀬町・粟国村などは、公式ページにある郵送用の請求書(PDF)に書かれた宛先を、表に載せています。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先欄に「役場・担当課の所在地です」と添えた6市町村(浦添市・東村・西原町・南大東村・伊是名村・久米島町)は、公式ページに郵送専用の宛先が見当たらず、役場や担当課の所在地を載せています。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(11市)
町村(11町19村)
取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、請求書の様式を載せている市町村が多くあります。宮古島市・金武町・南風原町・八重瀬町・粟国村などは、郵送用の請求書に宛先や手数料も書いています。宜野座村・伊平屋村・与那国町などは、日中に連絡がつく電話番号を書くよう求めています。書類に不備があったときに連絡を受けるためです。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。いまの住所が分かるものを求める市町村がほとんどです。那覇市・今帰仁村・渡名喜村は、パスポートを確認書類として扱わないと案内しています。那覇市・沖縄市・宜野座村・久米島町は、マイナンバーカードは顔写真のある表面だけを写すよう求めています。浦添市・沖縄市・うるま市・本部町・宮古島市は、保険証(資格確認書)の記号・番号を隠すよう求めています。顔写真のない書類は2点以上とする市町村も多くあります。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。為替には何も記入しないよう案内する市町村が多くあります。石垣市・浦添市・沖縄市・うるま市・宮古島市・今帰仁村・渡名喜村・久米島町などは、切手や収入印紙では払えないと明記しています。宜野湾市・宮古島市・大宜味村・恩納村・北谷町は、現金書留も使えると案内しています。名護市・嘉手納町・北大東村は、発行から6か月以内の為替を使うよう求めています。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町村がほとんどです。石垣市・沖縄市・うるま市・今帰仁村は、勤務先へは送れないとしています。沖縄市・うるま市・大宜味村・渡名喜村は、切手が足りないときは受取人が不足分を払う形で送ると案内しています。恩納村・座間味村・渡名喜村のページにある切手の額の例は、いまの郵便料金と違うことがあるので、郵便局で確かめてください。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、名護市・大宜味村・嘉手納町・北谷町が約1週間、那覇市・浦添市・うるま市・南城市・粟国村・北大東村が7~10日ほど、沖縄市・伊平屋村・久米島町が約10日、宜野湾市が往復で1~2週間前後と案内しています。豊見城市は、受け付けてから返送まで通常3営業日程度(往復の郵送日数は含まない)としています。急ぐときは、返信用封筒に速達分の切手を貼るよう案内する市町村が多くあります(豊見城市・大宜味村は300円の加算と案内)。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外で、郵送での請求には使えません。宜野湾市・浦添市・糸満市・沖縄市・豊見城市・うるま市・南城市・今帰仁村・本部町・恩納村・北谷町・南風原町などは、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。伊平屋村は、急ぐときの方法として広域交付も案内しています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、41市町村のうち16市町村(那覇市・宜野湾市・石垣市・浦添市・名護市・糸満市・沖縄市・豊見城市・うるま市・宮古島市・南城市・恩納村・嘉手納町・北谷町・与那原町・八重瀬町)が「コンビニ」欄で○です。沖縄県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 那覇市・宜野湾市・沖縄市・豊見城市・うるま市・糸満市・与那原町は、本籍がその市町にあれば、住所が外でも、事前の利用登録をすると戸籍証明書を取れる(名護市・浦添市も、住所地と本籍地が違う人は利用登録が必要と案内)
- 那覇市・豊見城市・北谷町・糸満市は、コンビニで取れるのをその市町にある最新の戸籍に限っている。那覇市・宜野湾市・豊見城市・与那原町・八重瀬町・宮古島市は、除籍・改製原戸籍はコンビニでは取れないと案内している
- 利用時間を書いている市町村は、多くが午前6時30分から午後11時まで(年末年始やメンテナンスのときを除く)
- 西原町・久米島町は、戸籍証明書のコンビニ交付を行っていないと案内している。恩納村は、村外に住む人の扱いについて同じページに異なる記載があるため、役場に確かめてください
オンラインは、マイナンバーカードで電子申請をする形が一般的です。沖縄県では、那覇市(戸籍証明書・戸籍の附票など。請求できるのは本人と同じ戸籍の人。署名用電子証明書とパスワードが必要。クレジットカードかPayPayで払い、住民登録地へ郵送)と、読谷村(戸籍謄抄本・戸籍の附票など。マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンとクレジットカードを使い、郵送で届く)が、公式ページでオンライン請求を案内しています。除籍・改製原戸籍を取れるかや、請求できる人の範囲に条件があるので、使う前に那覇市・読谷村のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。北中城村は、定額小為替のほか普通為替でもよいとしています。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。東村は、必要な件数が分からないときは多めに入れれば、おつりを切手で返すとしています。豊見城市・名護市・中城村なども、おつりを切手で返すことがあると案内しています。うるま市は、使わなかった分を定額小為替で返すとしています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。沖縄県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。沖縄市は、相続などで生まれたときからの戸籍を郵便で取るときの案内ページを設けています。座間味村は、親の相続などで請求するときは、続柄の分かる戸籍のコピーも付けるよう求めています。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
古い戸籍をさかのぼるとき、沖縄戦の影響はありますか
沖縄県公文書館によると、特に戦闘の激しかった沖縄本島では、戦前の県庁や市町村にあった戸籍簿などの公文書が失われました。各地の役場は戦後すぐに戸籍の復元に取り組みましたが、戸主の多くが戦死していたことや戦後の混乱で作業は難航し、記載漏れや誤記のある戸籍になったとされています。1953年11月には琉球政府の「戸籍整備法」が公布され、失われた戸籍を、もとの戸主や同じ戸籍の人(一家全滅などの場合は親族)の申告にもとづいて作り直す(再製する)仕組みが設けられました。このため、さかのぼって集めるときに、戦前の記載がそろわないことがあります。どこまで取れるかは本籍地の市町村の戸籍担当に問い合わせ、そろわない事情は提出先にも伝えて相談してください。
宮古・八重山や久米島など、島の町村に請求するときの注意は
宛先は表のとおりで、多くは島の役場あてに送ります。竹富町は役場が石垣市にあるため、宛先も石垣市です(竹富町は、島の郵便局や出張所の窓口でも請求できると案内しています)。渡嘉敷村は「離島のため、郵送に10日間以上かかる場合があります」、粟国村は天候不良による船の欠航などで日数がかかる場合がある、久米島町は離島の郵便事情や休日で日数がかかることがある、と案内しています。日数に余裕をもって請求してください。国頭村・伊江村は、この記事では郵送の案内を確認できていないため、送る前に役場へ問い合わせてください。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
- 沖縄県公文書館「沖縄戦と記録焼失」https://www.archives.pref.okinawa.jp/recomane/13159
- 沖縄県公文書館 琉球政府文書デジタルアーカイブ「戸籍整備法が公布される」(1953年)https://www3.archives.pref.okinawa.jp/GRI/histories/1953/?vpage=5
※本記事は2026年10月19日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
全国の一覧は戸籍謄本の郵送請求先 都道府県別一覧にまとめています。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/熊本県/鹿児島県/滋賀県/奈良県/愛媛県
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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。