親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い岩手県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、岩手県の33市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。盛岡市は市民登録課 管理係、花巻市は市民登録課、北上市は市民課 市民係 郵便請求担当が宛先です。一関市は〒021-8501と「一関市役所 市民課」だけで住所は不要、釜石市は〒026-8686を書けば住所を省けると案内しています。洋野町は、本籍が旧種市町か旧大野村かで送り先の庁舎が分かれます。33市町村すべてで、郵送の案内を公式サイトで確認しました。
- 戸籍謄本の手数料は、金額を確認できた31市町村すべてで1通450円、除籍も31市町村すべてで1通750円でした。改製原戸籍は、金額を確認できた市町村はすべて750円です。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。宮古市・平泉町は普通為替も、宮古市・北上市・陸前高田市・西和賀町・山田町は現金書留も使えると案内しています。奥州市・紫波町は、郵送の手数料をクレジットカードでも払えます。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは盛岡市・宮古市・一関市など16市町、オンラインで請求できると確認できたのは花巻市・奥州市・滝沢市の3市です。
親の相続のために戸籍を取るなら、残された親御さんの預金のことも
認知症などで本人の意思を確かめられなくなると、本人の定期預金でも、家族は下ろせなくなることがあります。戸籍を取り寄せている間に、残された親御さんの預金について、元気なうちにできる備えをまとめました。
親の定期預金を普通預金に移す方法岩手県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。町村は郡ごと(岩手郡・紫波郡・和賀郡・胆沢郡・西磐井郡・気仙郡・上閉伊郡・下閉伊郡・九戸郡・二戸郡)にまとめています。本籍が合併前の旧町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。遠野市・滝沢市・葛巻町・矢巾町・野田村・九戸村は、公式ページに郵送専用の宛名の記載がないため、担当課と役場の所在地を載せて注記しています。久慈市・田野畑村は、手数料の金額を公式ページで確認できなかったため「確認中」にしています。送る前に電話で確かめてください。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(14市)
町村(15町4村)
表で宛先が分かったら、次の手順で郵送します。本人・配偶者・父母・子などの戸籍なら、近くの市区町村の窓口で取れる「広域交付」も使えます。取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、郵送用の請求書の様式を載せている市町村が多くあります。宮古市は、日中につながる電話番号が書かれていなかったり連絡がつかなかったりすると、書類を返すことがあるとしています。一関市も、不備があって連絡がつかないときは書類一式を返すとしています。滝沢市は、自宅と日中の電話番号、メールアドレスの記入を求めています。八幡平市・矢巾町・軽米町・葛巻町・普代村なども、日中に連絡が取れる電話番号を書くよう求めています。野田村・九戸村は、決まった様式でなく便箋などに必要なことを書いてもよいとしています。洋野町は、電子メールや電話での請求を受け付けていません。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。いまの住所が分かるものを求める市町村がほとんどで、岩手町・矢巾町・滝沢市・二戸市は、パスポートは現住所が書かれていないため使えないとし、北上市もパスポートとマイナンバーの通知カードは使えないとしています。盛岡市はマイナンバーカードの裏面を送らないよう、北上市・一関市・一戸町は表面だけをコピーするよう案内しています。盛岡市・一関市は、資格確認書などの記号・番号を塗りつぶしてコピーするよう求めています。宮古市・北上市・遠野市・田野畑村・一戸町は、顔写真のない書類なら2点以上のコピーを求めています。陸前高田市は、住民票・戸籍・印鑑登録証明書は本人確認書類として使えないとしています。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。受取人の欄などには何も書かずに同封します。雫石町は、証書と払渡票を切り離さずに送るよう求めています。盛岡市・宮古市・花巻市・陸前高田市・釜石市・西和賀町・大槌町は、切手では払えないと明記しています。釜石市・陸前高田市は、発行から6か月以内のものとしています。山田町は、手数料が分からないときは請求書にその旨を書いてお金を入れずに送れば、町から電話で金額を知らせるとしています。奥州市・紫波町は、専用の受付で取った番号を請求書に書いて送ると、手数料をクレジットカードで払えます。現金を受け付ける市町村に現金で払うときは、現金書留で送ります。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町村がほとんどで、釜石市・雫石町は職場など、二戸市は勤務先や提出先、紫波町は会社などへは送れないとしています。盛岡市は普通郵便なら110円(定形外は140円)の切手を、花巻市は証明書がA4のため長形3号以上の封筒を、と案内しています。北上市は返送をすべて不足料金受取人払いにするとし、陸前高田市・山田町も切手が足りないときは受取人払いで送るとしています。何通も頼むときは、大きめの封筒と余分の切手を入れるよう案内する市町村が多くあります。大槌町のページは返信用切手を「84円または94円」、速達を「290円」と書いていますが、これは2024年9月までの料金です。いまの料金で貼ってください。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、宮古市・一戸町がおおむね1週間、釜石市が配達日数を含めて約1週間、住田町が1週間から10日程度、山田町が投函から10日程度、盛岡市が投函から1~2週間ほど、二戸市が7日から14日ほど、八幡平市・西和賀町が約2週間と案内しています。陸前高田市は、内容に問題がなければ届いた翌日に返送するとしています。釜石市は、数週間以内に戸籍の届出をした場合は、さらに約1週間かかるとしています。急ぐときは、往復とも速達にするよう案内する市町村が多くあります。軽米町は、普通郵便の翌日配達がなくなって日数がかかるようになったとして、速達やレターパックを案内しています。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。盛岡市・宮古市・大船渡市・花巻市・一関市・陸前高田市・釜石市・八幡平市・奥州市・岩手町・矢巾町・金ケ崎町・住田町・山田町・岩泉町・普代村・軽米町・野田村・洋野町をはじめ、県内の多くの市町村が、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、33市町村のうち16市町が「コンビニ」欄で○です。岩手県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 盛岡市・宮古市・大船渡市・花巻市・北上市・久慈市・一関市・釜石市・二戸市・岩手町・矢巾町・平泉町・大槌町・山田町・洋野町は、住所が市外・町外の人も、事前に利用登録をすれば取れるとしている。登録にかかる日数は、盛岡市が3営業日程度(宮古市は3営業日前までに登録)、岩手町・矢巾町が数日、花巻市・一関市が5営業日程度、久慈市が5日程度、北上市が最大5営業日程度、大船渡市・大槌町が1週間程度としている
- 陸前高田市は、コンビニで戸籍の証明書を取れるのは住民登録と本籍がどちらも市内の人だけとしている。市外に住んでいる人は、郵送か広域交付を使う
- コンビニで取れるのは現在の戸籍の証明書で、本人か同じ戸籍の人の分に限るとする市町が多い。盛岡市・大船渡市・花巻市・北上市・久慈市・一関市・釜石市・二戸市・岩手町・矢巾町・平泉町・洋野町は、除籍・改製原戸籍はコンビニでは取れないと明記している
- 大船渡市(2026年7月から)と一関市(2025年6月から)は、コンビニで取る戸籍証明書の手数料を1通350円(窓口は450円)としている。取れる時間は多くの市町が6時30分~23時としているが、花巻市は平日の9時~17時15分、釜石市・陸前高田市は開庁日の8時30分~17時15分に限っている
- 一戸町は「各種証明書のコンビニ交付は対応しておりません」、西和賀町は郵送の申請書で「証明書のコンビニ交付は行っていません」と書いている。奥州市は、コンビニで取れるのは住民票の写し・印鑑登録証明書・税の証明書の6種類で、それ以外は窓口で、としている
- 遠野市・八幡平市・滝沢市のコンビニ交付の案内は、住民票の写しや印鑑登録証明書などだけで、戸籍についての記載がないため、表では「-」にしている。岩泉町は取れる証明書の一覧が画像で読み取れず、紫波町は案内ページを開けなかった。ほかの町村も、公式ページで戸籍のコンビニ交付の扱いを確認できなかった
岩手県では、3市が公式ページで戸籍証明書のオンライン請求を案内しています。花巻市は2025年8月から、マイナンバーカードとスマートフォンのアプリ「マイナサイン」を使って、戸籍全部事項証明書・個人事項証明書(1通450円)を申請できます。本人・同じ戸籍の人・直系の親族の分を請求でき、支払いはクレジットカードかPayPayで、郵送料は別にかかります。証明書はマイナンバーカードに登録された住所へ送られます。奥州市は、マイナンバーカードとクレジットカードがあり、スマートフォンで電子署名ができる人が申請でき、戸籍は本人・配偶者・子・孫・父母・祖父母など直系の人の分を請求できます。支払いはクレジットカードだけで、証明書は登録された住所へ送られます。滝沢市は、スマートフォンとマイナンバーカード、クレジットカードで24時間申請でき、対象は滝沢市に本籍がある申請者本人の戸籍謄本などです。除籍・改製原戸籍も、申請者本人の直系の親族が載っていれば対象になります。花巻市・奥州市は、除籍・改製原戸籍を請求できるかどうかを公式ページに書いていません。請求できる人や証明書の範囲は市ごとに違うので、使う前に各市のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。久慈市・矢巾町・田野畑村・普代村・葛巻町は、おつりが出ないように用意するよう求めています。おつりは、宮古市・陸前高田市・西和賀町が定額小為替で返すとし、平泉町は切手で返すことがある、葛巻町は100円以下なら切手で返すことがあるとしています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。岩手県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。北上市は、出生から死亡までなど何枚にもなると3,000円以上かかることがあり、金額は前もって答えられないので、多めに同封するか、足りないと連絡があったら追加で送るよう案内しています。一関市も合計で3,000円程度になることがあるとし、西和賀町は電話では金額を教えられないので多めに同封するよう求めています。陸前高田市は、請求書の通数の欄を空けて、備考の欄に「出生から死亡までの連続した戸籍を各1通」などと書き、多めの小為替を入れるよう案内しています。一関市・雫石町・大槌町は、請求する人との関係が戸籍で確かめられないときは、関係が分かる戸籍の写しなどを付けるよう求めています。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
本籍が合併前の町や村の名前のままです。どこに送ればよいですか
いまその地域を受け持つ市町村に送ります。本籍の地名が、いまの市町村の名前と違うことがあります。たとえば西和賀町は、町で保管しているのは旧湯田町(湯田村)と旧沢内村の戸籍で、旧和賀町・江釣子村・東和町(いまの北上市・花巻市)の戸籍は扱っていないとしています。洋野町は、本籍が旧種市町の地域なら種市庁舎の町民生活課、旧大野村の地域なら大野庁舎の総合サービス課が送り先です。旧町村名でどの市町村か分からないときは、表の市町村の戸籍担当に電話で確かめてから送ると、行き違いを防げます。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月27日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
全国の一覧は戸籍謄本の郵送請求先 都道府県別一覧にまとめています。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/熊本県/鹿児島県/沖縄県/滋賀県/奈良県/愛媛県/山口県/長崎県/青森県/秋田県/石川県/大分県/宮崎県/山形県/富山県/香川県/和歌山県/山梨県
手続きが落ち着いたら:残ったお父さま・お母さまのこと
片方の親が亡くなった後は、残った親の相続(二次相続)で税金のかかり方や分け方が変わります。預金の置き場所、認知症への備え、遺言、受取人の名義など、元気なうちに確かめておきたい5つをまとめました。
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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。