親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い福島県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、福島県の59市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。郵送の案内を公式サイトで確認できたのは55市町村で、泉崎村・磐梯町・猪苗代町・川内村の4町村は案内を読み取れず、公式サイトへのリンクだけにしています。
- 手数料は、金額を確認できた54市町村のすべてで、戸籍謄本が1通450円、除籍・改製原戸籍が1通750円でした。平田村は金額を確認できず「確認中」としています。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。福島市・須賀川市・喜多方市・本宮市などは、手数料に切手を使えないと案内しています。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは12市町、マイナンバーカードを使うオンライン請求を確認できたのは6市町です。富岡町・大熊町・双葉町・浪江町・飯舘村などは、避難先の住所への返送にも応じると案内しています。
福島県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。本籍が合併前の旧町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先欄に「役場・担当課の所在地です」と添えた町村は、公式ページに郵送専用の宛先が見当たらず、役場や担当課の所在地を載せています。浅川町・三春町・南会津町は、公式ページに郵便番号と宛名だけが載っています(南会津町は郵便番号と係名だけで届くと案内)。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(13市)
町村(31町15村)
取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、請求書の様式を載せている市町村が多くあります。本宮市・天栄村・小野町・中島村・棚倉町・塙町・柳津町・三島町などは、便せんに同じ内容を書いたものや、ほかの市区町村の請求書も使えると案内しています。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。会津若松市・いわき市・中島村・会津美里町は、郵送の請求ではパスポートの写しは使えないと案内しています。亡くなった方の戸籍を相続人が請求するときは、続柄が分かる戸籍の写しを求められることもあります。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。為替には何も記入しないよう案内する市町村が多くあります。福島市・喜多方市・本宮市・桑折町・楢葉町・双葉町・浪江町などは発行から6か月以内のものを求めています。郡山市・白河市・伊達市・三春町・只見町・南会津町などは現金書留も使えると案内しています。大熊町・双葉町は、郵送請求の手数料をクレジットカードで払う方法も設けています。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所や、本人確認書類に書かれた住所に限る、と案内する市町村が多くあります。通数が多いときは、大きめの封筒と多めの切手を入れるよう案内する市町村もあります。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、1週間から2週間ほどと案内する市町村が多くあります。急ぐときは、返信用封筒に速達分の切手を貼り「速達」と書くよう案内する市町村が多くあります。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。福島市・郡山市・いわき市・白河市・須賀川市・喜多方市・相馬市・二本松市・田村市・南相馬市・伊達市・国見町・西郷村・塙町・矢祭町・下郷町・楢葉町・富岡町・双葉町・南会津町などは、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、59市町村のうち12市町(福島市・郡山市・いわき市・白河市・喜多方市・伊達市・本宮市・三春町・矢吹町・楢葉町・富岡町・大熊町)が「コンビニ」欄で○です。福島県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 福島市・郡山市・喜多方市・本宮市・矢吹町・楢葉町・大熊町は、本籍がその市町にあれば、住所が市町外でも事前の利用登録をすると戸籍証明書を取れる
- いわき市は、戸籍証明書をコンビニで取れるのは住民票の住所がいわき市にある人に限ると案内している
- 郡山市・本宮市・楢葉町・富岡町・大熊町は、除籍・改製原戸籍はコンビニでは取れないと案内している
- 会津美里町は、戸籍のコンビニ交付は現在行っていないと案内している
オンラインは、マイナンバーカードで電子申請をする形が一般的です。福島県では、福島市(戸籍・除籍・改製原戸籍、本人・配偶者・直系の親族など、スマホ決済またはクレジットカード)、郡山市(戸籍は本人と同じ戸籍の人、除籍・改製原戸籍は本人・配偶者・直系の親族、クレジットカードのみ)、田村市(本籍が田村市の戸籍謄抄本。除籍はオンライン不可)、伊達市(戸籍・除籍・改製原戸籍、クレジットカード)、鏡石町(戸籍・除籍・改製原戸籍、スマホ決済またはクレジットカード)、富岡町(町の公式LINEとマイナンバーカード、クレジットカードまたはPayPay)が、公式ページでオンライン請求を案内しています。請求できる人や戸籍の範囲に条件があるので、使う前に各市町のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。福島市・会津若松市・白河市・石川町は、出生から死亡までの戸籍や、通数が分からないときの目安として3,000円程度を挙げています。浅川町は3,000〜4,000円前後、会津美里町は4,000円程度かかる場合があるとしています。多めに入れた分は、定額小為替などで返すと案内する市町村が多くあります。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。福島県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。郡山市は、直系の親をさかのぼる請求は事前に相談するよう案内しています。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
原発事故の避難先に住んでいます。避難先に送ってもらえますか
返送先は、原則として住民登録をしている住所です。そのうえで、富岡町・大熊町・双葉町・浪江町・飯舘村は、避難先の住所への返送にも応じると案内しています(浪江町・飯舘村は、役場に届け出た・登録した避難先)。南相馬市は、避難中の人は避難先で受け取れる場合があるとしています。葛尾村は、村外の人が避難先への送付を希望するときは、届出避難場所証明書のコピーを付けるよう案内しています。扱いは市町村ごとに違うので、送る前に「公式」リンクの先で確かめてください。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月17日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県
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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。