親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い秋田県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、秋田県の25市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。秋田市は市民課、横手市は市民窓口課、大館市は市民課 市民係が宛先です。五城目町は〒018-1792と「五城目町役場 住民生活課」だけで、住所は書かなくてよいと案内しています。25市町村すべてで、郵送の案内か郵送用の請求書を公式サイトで確認しました。
- 戸籍謄本の手数料は、25市町村すべてで1通450円、除籍も25市町村すべてで1通750円でした。改製原戸籍は、金額を確認できた23市町村すべてで750円です。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。秋田市・由利本荘市・井川町・羽後町は普通為替も、能代市・鹿角市・北秋田市・羽後町は現金書留も使えると案内しています。能代市は、郵送の手数料をクレジットカードでも払えます。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは秋田市・横手市・大館市など16市町村、オンラインで請求できると確認できたのは秋田市・能代市・男鹿市・大仙市の4市です。
親の相続のために戸籍を取るなら、残された親御さんの預金のことも
認知症などで本人の意思を確かめられなくなると、本人の定期預金でも、家族は下ろせなくなることがあります。戸籍を取り寄せている間に、残された親御さんの預金について、元気なうちにできる備えをまとめました。
親の定期預金を普通預金に移す方法秋田県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。町村は郡ごと(鹿角郡・北秋田郡・山本郡・南秋田郡・仙北郡・雄勝郡)にまとめています。本籍が合併前の旧市町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。潟上市・北秋田市・大潟村・東成瀬村は、公式ページに郵送専用の宛名や住所の記載がないため、担当課と役場の所在地を載せて注記しています。北秋田市は郵便請求書の宛名が「北秋田市長」、大潟村は郵便用の申請用紙の宛名が「大潟村長」です。送る前に電話で確かめてください。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(13市)
町村(9町3村)
表で宛先が分かったら、次の手順で郵送します。本人・配偶者・父母・子などの戸籍なら、近くの市区町村の窓口で取れる「広域交付」も使えます。取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、郵送用の請求書の様式を載せている市町村が多くあります。横手市は、様式を印刷できないときは便せんなどに必要なことを書いてもよいとしています。横手市・三種町は電話・ファクス・メールでの請求を、由利本荘市・上小阿仁村は電話での請求を受け付けていません。鹿角市は、日中に連絡がつく電話番号を書くよう求め、連絡がつかないと書類を返すことがあるとしています。男鹿市・東成瀬村も、日中に連絡が取れる電話番号を書くよう求めています。北秋田市・美郷町は、請求の理由がはっきりしないときは、資料の提出を求めることがあるとしています。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。いまの住所が分かるものを求める市町村がほとんどで、能代市・横手市は、パスポートは住所が確認できないため使えないとしています。能代市は通知カードも本人確認書類にならないとし、能代市・鹿角市はマイナンバーカードの表面だけをコピーするよう案内しています。住所が裏面に書かれているときは、裏面もコピーするよう求める市町村が多くあります。横手市・湯沢市・鹿角市・美郷町は、資格確認書などの記号・番号を塗りつぶしてコピーするよう求めています。湯沢市・潟上市・藤里町・八郎潟町・井川町・羽後町は、顔写真のない書類なら2点以上のコピーを求めています。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。受取人の欄などには何も書かずに同封します。能代市・藤里町・三種町・羽後町・東成瀬村は、証書を切り離さずに送るよう求めています。秋田市・大館市・男鹿市・鹿角市・由利本荘市・大仙市・五城目町・井川町・羽後町は、切手や収入印紙では払えないと明記しています。能代市は、専用の受付で取った請求番号を請求書に赤字で書いて送ると、手数料をクレジットカードで払えます。現金を受け付ける市町村に現金で払うときは、現金書留で送ります。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町村がほとんどで、横手市・由利本荘市・大仙市・八郎潟町は勤務先など、仙北市は一時滞在地や会社へは送れないとしています。秋田市は普通郵便なら110円の切手を貼り、記録が残る特定記録郵便(210円を加算)で送るよう案内しています。井川町も普通郵便110円から、速達は300円、特定記録は210円を足すとしています。湯沢市は長形3号以上、男鹿市は角形2号、羽後町はA4の証明書を三つ折りか四つ折りで入れられる大きさの封筒を、と案内しています。大館市は、メール便やゆうパックは使えないとしています。三種町のページは返信用切手を「84円」、速達を「260円」加算と書いていますが、これは2024年9月までの料金です。いまの料金で貼ってください。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、能代市・潟上市が1週間ほど、三種町が1週間前後、井川町が書類が届いてから7日程度(土日祝日を除く)、秋田市が7日から10日程度(土日祝日を除く)、横手市が1週間から10日ほど、男鹿市が約1週間から2週間(土日祝日を除く)、由利本荘市が受け付けから1~2週間前後、鹿角市が普通郵便で10日から2週間程度と案内しています。湯沢市・羽後町は、県外や首都圏から普通郵便で1週間ほどとしています。にかほ市は受け付けてから発送まで5営業日ほど、大仙市は投函から届くまで10日以上かかる場合があるとしています。急ぐときは、往復とも速達にするよう案内する市町村が多くあります。美郷町は、普通郵便の土曜日の配達がなくなって日数がかかることがあるとして、余裕をもった請求を求めています。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。横手市・大館市・男鹿市・湯沢市・鹿角市・由利本荘市・大仙市・三種町・八郎潟町をはじめ、県内の多くの市町村が、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、25市町村のうち16市町村が「コンビニ」欄で○です。秋田県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 秋田市・横手市・大館市・男鹿市・湯沢市・鹿角市・由利本荘市・大仙市・にかほ市・仙北市・三種町・大潟村・美郷町・羽後町は、住所が市外・町村外の人も、事前に利用登録をすれば取れるとしている。登録にかかる日数は、横手市・仙北市が翌開庁日の9時から、湯沢市が3営業日後、大館市・大潟村が交付を受ける日の3開庁日前までに登録、男鹿市が最大5開庁日ほど、鹿角市が5日程度、美郷町が数日程度、羽後町が数日から1週間程度としている。三種町は、登録が済めばすぐに取れるとしている
- コンビニで取れるのは現在の戸籍の証明書で、本人か同じ戸籍の人の分に限るとする市町村が多い。秋田市・横手市・男鹿市・湯沢市・鹿角市・由利本荘市・大仙市・三種町・美郷町は除籍・改製原戸籍を、大館市・大潟村・羽後町は改製原戸籍を、コンビニでは取れないと明記している
- 秋田市・大館市はコンビニで取る戸籍証明書の手数料を1通350円、横手市は1通270円としている(窓口は450円)。戸籍証明書を取れる時間は、横手市が9時~17時、湯沢市が8時30分~17時、大館市・男鹿市・由利本荘市・にかほ市・仙北市が9時~17時15分で、いずれも土日祝日は使えない。大仙市は9時~17時、秋田市は平日9時~19時と土日祝日9時~17時、鹿角市は土日祝日も含めて8時30分~19時、三種町・大潟村・美郷町・羽後町は6時30分~23時としている
- 北秋田市は、コンビニ交付の案内ページの題名に「戸籍の証明」が入っているが、本文を読み取れず、市外に住む人の条件や時間は確認できなかった。東成瀬村は、郵送の案内ページで、本人や同じ戸籍の人の現在の戸籍はコンビニ交付で取れるとし、利用登録の方法を案内している
- 井川町は、各種証明書のコンビニ交付は行っていないと書いている。能代市・潟上市のコンビニ交付の案内は住民票の写しと印鑑登録証明書の2種類だけで、戸籍についての記載がないため、表では「-」にしている。ほかの町村も、公式ページで戸籍のコンビニ交付の扱いを確認できなかった
秋田県では、4市が公式ページで戸籍証明書のオンライン請求を案内しています。秋田市は、マイナンバーカードとスマートフォンのアプリ「マイナアプリ」を使って、戸籍謄本・抄本(1通450円)と、除籍・改製原戸籍の謄抄本(1通750円)を請求できます。除籍・改製原戸籍は、本人・配偶者・直系の親族が、市が保管する戸籍で続柄を確認できる場合に請求できます。支払いはクレジットカードで、証明書は住民登録地へ送られ、速達には対応していません。能代市は、スマートフォンなどから戸籍・除籍・改製原戸籍の証明書を請求でき、本人・配偶者・直系の親族の分が対象です。手数料と郵送料をクレジットカードで払い、証明書は住民登録地へ送られます。男鹿市はLINEで、男鹿市に本籍がある人が、本人分か同じ戸籍の人全員分の現在の戸籍の証明書を請求できます。代理人は使えず、支払いはクレジットカードかPayPayで、マイナンバーカードに登録された住所へ1週間ほどで届きます。除籍・改製原戸籍は対象外です。大仙市は、スマートフォンとマイナンバーカードで戸籍謄本・抄本(1通450円)を請求でき、対象は大仙市に本籍がある本人と同じ戸籍の人の分です。支払いはクレジットカードで、住民登録をしている住所へ送られます。請求できる人や証明書の範囲は市ごとに違うので、使う前に各市のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。秋田市・男鹿市・湯沢市・潟上市・井川町・美郷町は、おつりが出ないように用意するよう求めています。おつりは、能代市・由利本荘市・大仙市が小為替で返すとし、湯沢市は原則として小為替で、場合によっては切手で返すとしています。男鹿市・藤里町・美郷町は、切手で返すことがあるとしています。潟上市は、おつりが出ると発送まで時間がかかることがあるとしています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。秋田県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。由利本荘市は、相続で続いた戸籍を1そろい請求するときの目安を、750円×4通で3,000円としています(通数は人によって変わります)。羽後町は、戸籍が分かれるごとに費用がかかるので、余裕をもった金額を入れるよう求めています。男鹿市は、何通になるかを電話で調べることはできないとしています。小坂町・美郷町は、請求する人との関係が戸籍で確かめられないときは、関係が分かる戸籍の写しなどを付けるよう求めています(美郷町は、町の戸籍で確認できる場合は不要としています)。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
本籍が合併前の市や町の名前のままです。どこに送ればよいですか
いまその地域を受け持つ市町村に送ります。本籍の地名が、いまの市町村の名前と違うことがあります。たとえば本籍が旧大曲市なら大仙市、旧角館町なら仙北市、旧峰浜村なら八峰町が送り先です。旧市町村名でどの市町村か分からないときは、表の市町村の戸籍担当に電話で確かめてから送ると、行き違いを防げます。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月28日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
全国の一覧は戸籍謄本の郵送請求先 都道府県別一覧にまとめています。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/熊本県/鹿児島県/沖縄県/滋賀県/奈良県/愛媛県/山口県/長崎県/青森県/岩手県/石川県/大分県/宮崎県/山形県/富山県/香川県/和歌山県/山梨県
手続きが落ち着いたら:残ったお父さま・お母さまのこと
片方の親が亡くなった後は、残った親の相続(二次相続)で税金のかかり方や分け方が変わります。預金の置き場所、認知症への備え、遺言、受取人の名義など、元気なうちに確かめておきたい5つをまとめました。
二次相続で確かめる5つを見る
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。