相続した実家を取り壊すことに決め、工事を年内に終えるか、年明けにするかで迷っている方に向けて、1月1日の状態で決まる固定資産税・都市計画税の仕組みと、名古屋市の税率で計算した例をまとめました。
名古屋市の固定資産税の案内(よくある質問と令和8年度の冊子「わたしの家と税」)、国税庁の空き家の3,000万円特別控除の案内、名古屋市の建設リサイクル法の届出の手引きを、2026年11月5日に確かめた内容です。
年内か年明けかを決める前に
- 固定資産税・都市計画税は、1月1日の状態で1年分が決まります。1月1日に建っている家と、その土地の状態をもとに、4月から始まる年度の1年分がかかります。年の途中で壊しても、その年度の分は減りません。
- 12月中に解体が終わると、翌年度(2027年度)から土地の税金が上がります。住宅の建っている土地の特例が外れるためです。1月2日以降に終われば、上がるのはその次の年度(2028年度)からです。
- 2023年に親が亡くなった家を、空き家の3,000万円特別控除を使って売るなら、期限は2026年12月31日までに売ることです。この場合、年内に要るのは解体ではなく売買です。
1月1日に家が建っているかで、翌年度の税金が決まる
名古屋市は、固定資産税・都市計画税を、毎年1月1日に建っている家の持ち主に、その年の4月から始まる年度の1年分をかける税金だと案内しています。年の途中で家を取り壊しても、その年度の分は1年分を納めます。逆に、12月中に取り壊し終えた家には、翌年度の家の税金はかかりません。
土地も同じ1月1日で判定されます。住宅が建っている土地は「住宅用地」として税金を軽くする特例があり、名古屋市は、1月1日に住宅が建設中の土地は住宅用地にならないとしています。1月1日に家がなければ、その年度は住宅のない土地として計算されます。
つまり、壊す日が12月31日の前か後かで、土地の特例が外れる年度が1年ずれます。
名古屋市の計算例:家のある土地と更地で、税金はいくら変わるか
土地の価格(評価額)が1,500万円、広さ150㎡の土地に、評価額100万円の古い木造の家が建っている場合で計算します。150㎡はすべて小規模住宅用地です。
この例では、更地になると1年で約11万円増えます。古い家ほど評価額が低いので、家の税金がなくなる分は小さく、土地の増え方のほうが大きく出ます。
自分の家で確かめるときは、毎年4月に届く納税通知書の課税明細書で、土地の「価格」と「課税標準額」を見ます。更地になったあとの課税標準額は、価格の70%が目安です。今の課税標準額と見比べると、増え方の見当がつきます。正確な額は、土地のある区を担当する市税事務所の土地担当で聞けます。空き家のままでも、市から勧告を受けると特例が外れる仕組みは名古屋市の空き家の固定資産税で説明しています。
解体が終わる日ごとの早見表(2026年12月〜2027年1月)
税金だけを見れば、年明けに壊すほうが土地の特例が1年長く続きます。上の計算例なら、その差は約11万円です。一方、年内に壊せば、翌年度の家の税金はかかりません。どちらが少なく済むかは、家と土地の評価額の差で決まります。
建て替える場合の申告書は「住宅の建替えに係る固定資産税・都市計画税特例土地継続申告書」です。名古屋市はeLTAX(地方税の電子申告)での申告にも対応しています。要件は、土地のある区を担当する市税事務所の土地担当に確かめてください。
年内に壊したほうがよい家、年明けでかまわない家
税金の差よりも大事な期限や事情がある家もあります。次の表で、自分の家に近い行を見てください。
3,000万円特別控除の条件と手順は相続した空き家の税金と売却、名古屋市で申請する確認書は被相続人居住用家屋等確認書 名古屋市、取り壊しの補助は空き家の解体補助金 名古屋・愛知にまとめています。
壊すかどうかを決める前に、古家付きのままと更地にしたあとで、それぞれいくらで売れそうかを聞いておくと、解体費をかける意味があるかどうかが分かります。
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壊してから売るか、古家付きのまま売るかを、値段を見てから決めたい場合
「不動産SHOPナカジツ」(愛知県を中心に店舗のある不動産会社。当サイトから頼める査定の対象は愛知・岐阜・静岡・埼玉・千葉・福岡・熊本の7県)が無料で査定します。この7県以外の家は対象外です。申し込むときに、取り壊しを考えていることと、古家付きと更地の両方の値段を知りたいことを伝えておきます。申し込むと、物件のことを確かめるためにナカジツから電話かメールで連絡があります。売らずに持ち続けると決めている方や、家が店舗の対応地域の外にある方は、申し込む必要はありません。近くの不動産会社に直接聞く方法もあります。
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口コミと、査定のあとの連絡についての声は不動産SHOPナカジツの評判・口コミに、不動産会社2〜3社に査定を頼む方法は名古屋・愛知で相続した実家を売る手順にまとめています。
取り壊すときと、取り壊したあとの届出
解体の前と後に、届出が3つあります。名古屋市の家なら、次の表のとおりです。
登記されていない家は、滅失登記がいらず、市税事務所への連絡で済みます。登記の有無の確かめ方は未登記の家を相続したらで説明しています。
12月中に終えたいときは、見積もり、契約、届出(着工の7日前まで)、工事の順に日数がかかります。工事の日数は家の大きさや前の道の広さで変わるので、見積もりのときに「何日までに終わるか」を書面で確かめておきます。家の中の荷物を先に片付ける順番は実家を売る前の片付けはどこまで?にまとめています。
解体の時期についてよくある質問
12月31日までに壊し終わらなかったら、どうなりますか
1月1日に家が残っていれば、その年度は家の税金が1年分かかり、土地は住宅用地の特例が続きます。家の一部だけが残っている場合の扱いは、家のある区を担当する市税事務所の家屋担当に確かめてください。
解体した翌月から、税金は上がりますか
上がりません。固定資産税は1月1日の状態で年度ごとに決まるので、上がるのは、1月1日に家がなかった年の4月から始まる年度の分です。名古屋市では、納税通知書は毎年4月に届きます。
3,000万円特別控除を使うには、年内に解体まで済ませないといけませんか
国税庁の案内では、2024年1月1日以後の売却なら、売ったあと翌年2月15日までに家を取り壊す形でも要件を満たせるとされています。期限で大事なのは、売る日です。ほかにも条件があるため、使えるかどうかは税務署か税理士に確かめてください。
名古屋市以外の家でも、同じ考え方ですか
1月1日の状態で決まる仕組みと住宅用地の特例は、全国の市町村で同じです。税率や届出の窓口、補助の有無は市町村ごとに違うので、家のある市町村の固定資産税の担当課に確かめてください。
参考にした公的情報
- 名古屋市「年の途中で家屋を取り壊した場合、固定資産税・都市計画税はいつまで支払う必要があるか知りたい。」(2025年10月17日更新)
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/zeikin/1035069/1012012/1012042/1033985/1012045.html - 名古屋市「住宅を新築した場合や建て替えた場合に住宅用地に対する課税標準の特例措置が適用されるかどうか知りたい。」(2025年12月22日更新)
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/zeikin/1035069/1012012/1012042/1033984/1012070.html - 名古屋市「駐車場の税金が宅地より高いのはなぜか知りたい。」(2025年10月17日更新)
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/zeikin/1035069/1012012/1012042/1033984/1012075.html - 名古屋市「わたしの家と税」(令和8年度)
https://www.city.nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/943/myhomeandtaxr8.pdf - 名古屋市「都市計画税」(2026年4月1日更新)
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/zeikin/1037356/1011931/1011964.html - 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm - 名古屋市「建設リサイクル法 届出の手引き」
https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/cmsfiles/contents/0000009/9495/todokedetebiki2025.4.pdf - 金沢地方法務局「倒壊等建物の職権滅失登記のお知らせ」(不動産登記法57条の条文の引用)
https://houmukyoku.moj.go.jp/kanazawa/content/001424009.pdf
※本記事は2026年11月5日時点の名古屋市・国税庁などの公式情報をもとにした一般的な情報です。計算例は目安で、実際の税額は市町村からの通知で確かめてください。当社は税額の計算や申告、登記の申請、解体工事の請負や不動産の売買の仲介は行いません。税金は税務署・税理士、登記は土地家屋調査士・司法書士、固定資産税は家のある市町村の担当課にご確認ください。
