親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い長崎県の市町のまま。島の町が本籍ということもあります。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、長崎県の21市町の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町」です。宛先は市町ごとに違います。長崎市は中央地域センター 証明交付係、佐世保市は戸籍住民窓口課 郵送請求担当、諫早市は市民窓口課が宛先です。21市町すべてで、郵送の案内を公式サイトで確認しました。
- 戸籍謄本の手数料は21市町すべてで1通450円、除籍も21市町すべてで1通750円でした。改製原戸籍は、金額を確認できた市町はすべて750円です。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。長崎市・五島市・南島原市・長与町は普通為替も、長崎市・佐世保市・五島市・長与町・東彼杵町・波佐見町は現金書留も使えると案内しています。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは長崎市・佐世保市・諫早市など8市町、マイナンバーカードを使うオンライン請求を確認できたのは長崎市・佐世保市・島原市・対馬市・五島市・新上五島町の6市町です。
親の相続のために戸籍を取るなら、残された親御さんの預金のことも
認知症などで本人の意思を確かめられなくなると、本人の定期預金でも、家族は下ろせなくなることがあります。戸籍を取り寄せている間に、残された親御さんの預金について、元気なうちにできる備えをまとめました。
親の定期預金を普通預金に移す方法長崎県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町の順で並んでいます。町は郡ごと(西彼杵郡・東彼杵郡・北松浦郡・南松浦郡)にまとめています(長崎県に村はありません)。本籍が合併前の旧町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町の行を見てください。時津町・川棚町は、公式ページに郵送専用の宛名の記載がないため、担当課と役場の所在地を載せて注記しています。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(13市)
町(8町)
表で宛先が分かったら、次の手順で郵送します。本人・配偶者・父母・子などの戸籍なら、近くの市区町村の窓口で取れる「広域交付」も使えます。取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、郵送用の請求書の様式を載せている市町が多くあります。島原市は開庁時間(8時30分~17時15分)に連絡が取れる電話番号を、壱岐市・西海市・時津町は昼間に連絡が取れる電話番号を書くよう求めています。対馬市は最近2週間以内に、壱岐市は1か月以内に戸籍の届出をした人は、その内容を書くよう求めています。小値賀町は、ほかの市区町村の様式でも、必要なことが書かれていれば受け付けるとしています。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。いまの住所が分かるものを求める市町がほとんどで、島原市・南島原市は住所が印字されたものに限り、手書きのものは使えないとしています。長崎市・諫早市・平戸市・松浦市・長与町は、資格確認書などの記号・番号を隠してコピーするよう求めています。長崎市・諫早市・松浦市は、マイナンバーカードは表面だけでよいとしています。佐世保市・島原市・壱岐市は、マイナンバーの通知カードは使えないとしています。大村市・対馬市はパスポートは使えないとし、五島市も住所が印字されていないパスポートは使えないとしています。時津町・小値賀町は、顔写真のない書類なら2点のコピーを求めています。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。受取人の欄などには何も書かずに同封します。島原市は「払渡票」の部分を切り離さないよう、壱岐市は切り取りのない状態で送るよう求めています。長崎市・佐世保市・大村市・平戸市・対馬市・五島市・小値賀町・長与町は、切手では払えないと明記しています。対馬市は、発行から6か月以上たったものは使えないとしています。出生から死亡までの戸籍をまとめて頼むときは、諫早市・対馬市・五島市・小値賀町が3,000円程度を目安に、佐世保市が750円の為替を4、5枚程度送るよう案内しています。現金を受け付ける市町に現金で払うときは、現金書留で送ります。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町がほとんどです。島原市・小値賀町は、職場や実家など別の住所へは送れないとし、雲仙市は請求者の住所と本人確認書類の住所が一致していること(勤務先は不可)を求めています。切手が足りないときは、佐世保市・平戸市・対馬市・西海市が受取人払いで、五島市が不足料金着払いで送るとしています。平戸市は、速達や簡易書留は切手が足りないと受取人払いにできないため、多めに貼るよう求めています。大村市は、特定記録や簡易書留など追跡できる郵便を勧めています。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、佐世保市・島原市が1週間~10日程度、平戸市・松浦市が1週間ほど、西海市が1~2週間程度と案内しています。島の市町では、対馬市が届いてから1~2日程度で発送し1週間程度が目安、五島市が往復で1週間から10日程度としています。壱岐市・小値賀町・新上五島町の公式ページには日数の目安の記載がないので、日数に余裕をもって送ってください。急ぐときは、往復とも速達にするよう案内する市町が多くあります(五島市は速達分300円の切手を追加)。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。小値賀町は、抄本(個人事項証明書)と戸籍の附票も広域交付の対象外と案内しています。長崎市・佐世保市・島原市・大村市・平戸市・対馬市・壱岐市・西海市・雲仙市・南島原市・時津町・新上五島町をはじめ、県内の多くの市町が、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、21市町のうち8市町が「コンビニ」欄で○です。長崎県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 長崎市・佐世保市・諫早市・大村市・平戸市・西海市・波佐見町・長与町は、住所が市外・町外の人も、事前に利用登録をすれば取れるとしている。登録にかかる日数は、佐世保市が3~5営業日程度、大村市が最長5営業日、西海市が5日間程度(土日祝日を除く)、長崎市・平戸市・波佐見町が1週間程度としている
- 取れるのは現在の戸籍だけ、としている市町が多い。長崎市・佐世保市は、本人か本人と同じ戸籍の人の、いまの戸籍に限るとしている。佐世保市・諫早市・平戸市は除籍・改製原戸籍(原戸籍)を、大村市は除籍を、コンビニでは取れないとしている
- 長崎市・諫早市は、コンビニで取る戸籍証明書の手数料を1通350円(窓口は450円)としている。取れる時間は、長崎市・佐世保市・諫早市・大村市・平戸市・波佐見町が6時30分~23時としている
- 松浦市・五島市・雲仙市は、戸籍証明書はコンビニ交付の対象外と明記し、壱岐市はコンビニ交付そのものを行っていないとしている
- 時津町・佐々町のコンビニ交付の案内は、住民票の写しや印鑑登録証明書などだけで、戸籍についての記載がないため、表では「-」にしている。島原市・対馬市・南島原市・東彼杵町・川棚町・小値賀町・新上五島町も、公式ページで戸籍のコンビニ交付の扱いを確認できなかった
オンラインは、マイナンバーカードで電子申請をする形が一般的です。長崎県では、6市町が公式ページで戸籍証明書のオンライン請求を案内しています。長崎市は、長崎市に本籍がある(あった)本人・配偶者・直系の親族が請求でき、証明書は住民票の住所へ送られ、郵送料は請求者の負担です。佐世保市は、佐世保市に本籍がある本人と同じ戸籍の人が対象で、代理人による申請はできません。いまの戸籍だけが対象で、除籍・改製原戸籍は請求できません。支払いはクレジットカードで、手数料のほかに送料がかかります。島原市は、市の電子申請サービスで戸籍謄本・抄本を請求でき、支払いは電子決済だけで、戸籍はレターパックライトで送られます。対馬市は、戸籍謄本・抄本について、本人・配偶者・直系の親族の証明書を請求できるとしています。五島市は、本人・配偶者・同じ戸籍の人のうち、いまその戸籍に残っている人の分が対象で、除籍は発行できません。新上五島町は、町の公式LINEから戸籍謄本・抄本の郵送を申し込める仕組みで、本人の分だけが対象です。五島市・新上五島町の支払いはクレジットカードかPayPayで、送料が加わります。どこも、署名用電子証明書が入ったマイナンバーカードと暗証番号、カードを読み取れるスマートフォンなどが要ります。請求できる人や証明書の範囲は市町ごとに違うので、使う前に各市町のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。波佐見町は、何通になるかは電話で聞かれても答えられないとし、概算で送れば余りは返し、足りなければ追加の為替を送ってもらうとしています。佐世保市・対馬市・小値賀町は、多く送ったぶんは定額小為替で返すとしています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。長崎県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。手数料は、手順の3で紹介したように3,000円前後を目安に多めに送るよう案内する市町があります。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
本籍が合併前の町や村の名前のままです。どこに送ればよいですか
いまその地域を受け持つ市町に送ります。本籍の地名が、いまの市町の名前と違うことがあります。旧町村名でどの市町か分からないときは、表の市町の戸籍担当に電話で確かめてから送ると、行き違いを防げます。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月25日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
全国の一覧は戸籍謄本の郵送請求先 都道府県別一覧にまとめています。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/熊本県/鹿児島県/沖縄県/滋賀県/奈良県/愛媛県/山口県/青森県/岩手県/秋田県/石川県/大分県/宮崎県/山形県/富山県/香川県/和歌山県/山梨県
手続きが落ち着いたら:残ったお父さま・お母さまのこと
片方の親が亡くなった後は、残った親の相続(二次相続)で税金のかかり方や分け方が変わります。預金の置き場所、認知症への備え、遺言、受取人の名義など、元気なうちに確かめておきたい5つをまとめました。
二次相続で確かめる5つを見る
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。