葬儀が終わって、少し息がつけたところで「次は何をすればいいのか」と手が止まる方は少なくありません。役所、年金、銀行、税金と、窓口も期限もばらばらだからです。
この記事は、愛知県で家族を亡くした方に向けて、葬儀のあとにすることを期限の近い順に一覧にしたものです。名古屋市・豊田市・岡崎市・一宮市・豊橋市の窓口の案内と、申請しないともらえない葬祭費の手続きも、各市の公式ページで確かめた範囲でまとめました。最後に、手続きが落ち着いてから決めればよいこと(実家・遺品・お墓・お金の置き場所)も整理しています(2026年10月時点)。
先に結論:葬儀のあとは「2週間」「3〜4か月」「10か月」の3つの区切りで進めます
この記事の結論
- 2週間まで:健康保険・介護保険をやめる手続き、世帯主の変更(必要な家だけ)、年金を止める手続き。市役所・区役所でまとめて済ませます。名古屋市・豊田市・一宮市・豊橋市には、予約して手続きの案内を受けられる窓口があります。
- 3〜4か月まで:借金が多いかもしれないなら相続放棄の判断(3か月)。亡くなった人に所得があれば準確定申告(4か月)。それまでは亡くなった人の預金を使わないでおきます。
- 10か月まで:相続税の申告が必要な家は申告と納税。葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療は多くの市で5万円)は、2年以内に自分で申請しないと受け取れません。
死亡届と火葬の許可は、葬儀の前に済んでいるのがふつうです。名古屋市は、死亡届を「死亡の事実を知った日から数えて7日以内」に出すと案内しています。葬儀社が代わりに窓口へ持って行くことも多いため、家族が役所に行くのは、葬儀のあとの保険証の返却などが最初になることがあります。火葬のあとに戻ってくる埋葬許可証は、納骨のときに使うので、骨つぼと一緒にしまっておきます(埋葬許可証とは)。
葬儀のあとにすること一覧表(期限順・愛知版)
期限の近いものから並べました。窓口は愛知県内での一般的な行き先です。くわしいやり方は、右の列の記事で説明しています。全国共通の一覧と印刷用のチェックリストは、死亡後の手続き一覧表にあります。
この表のうち、一番後回しにされやすいのは「自分から申請しないともらえないお金」です。葬祭費、未支給年金、高額療養費は、黙っていても振り込まれません。反対に、年金を止める手続きが遅れて多く受け取った分は、あとで返すことになります。
手続きと同じころに気にしておきたい:残された親の預金
亡くなった親の口座の手続きを進めていると、残ったお母さま・お父さまの預金のことも気になってきます。その親が認知症などで本人の意思を確かめられなくなると、本人の定期預金でも家族は下ろせなくなることがあります。元気なうちにできる備えをまとめました。
親の定期預金を普通預金に移す方法名古屋市・豊田市・岡崎市・一宮市・豊橋市の窓口:予約して案内を受けられる市があります
健康保険や介護保険をやめる手続き、葬祭費の申請、世帯主の変更などは、亡くなった人が住んでいた市町村の窓口で行います。愛知県内には、死亡届のあとの手続きをまとめて案内する窓口を置く市があります。主な市の案内を、各市の公式ページで確かめた範囲で並べました。
名古屋市のおくやみコーナーは、区役所・支所で行う手続きの申請書をまとめて作り、各窓口へ案内してくれる場所です。コーナーを使っても各窓口で優先されるわけではなく、内容によっては1回で終わらないこともある、と市は案内しています。コーナーを使わずに、各窓口へ直接行くこともできます。
窓口に持って行くと話が早いもの
- 亡くなった人の保険証や資格確認書など(国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険)
- 窓口に行く人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 葬儀を行ったことがわかる書類(会葬礼状、葬儀の領収書など)と、喪主の口座がわかる通帳など(葬祭費の申請に使います)
- 死亡診断書のコピー(名古屋市は、出した書類は返却もコピーもできないため、出す前にコピーを取っておくよう案内しています。死亡診断書とは)
持ち物は市や手続きで変わります。名古屋市は区ごとの「おくやみパンフレット」に、主な持ち物を載せています。
葬祭費・埋葬料の申請:愛知の主な市は5万円、2年を過ぎるともらえません
亡くなった人が入っていた健康保険から、葬儀をした人に一時金が出ます。国民健康保険と後期高齢者医療(75歳以上)では「葬祭費」、会社の健康保険では「埋葬料」と呼びます。どちらも、申請しないと受け取れません。
75歳以上で後期高齢者医療に入っていた人も、葬祭費は5万円です。名古屋市と豊田市の案内で確かめました。名古屋市は電子申請もでき、会葬礼状など葬儀を行ったことがわかる書類と、葬儀を行った人の口座がわかるものを用意するよう案内しています。豊田市は、福祉医療課(東庁舎1階)と支所・出張所で受け付けています。
会社員などで全国健康保険協会(協会けんぽ)に入っていた人が亡くなった場合は、その人に生計の一部でも支えられていた人(家族など)に、埋葬料として5万円が出ます。申請先は市役所ではなく、加入していた健康保険です。勤め先の健康保険組合に入っていた場合は、その組合に金額と申請のしかたを聞きます。
年金と相続の期限で、あとから困りやすいところ
年金:止める手続きと、もらい忘れの両方に気をつける
日本年金機構は、年金を受けている人が亡くなったら、すみやかに「年金受給権者死亡届」を出すよう案内しています。遅れると年金を多く受け取ることになり、あとで返す場合があります。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、この届は原則として省略できます。
一方で、亡くなった月までの年金で、まだ振り込まれていない分(未支給年金)は、生計を同じくしていた家族が請求して受け取ります。残された親が遺族年金を受け取れるかもあわせて、年金事務所で確かめます(年金の停止手続きと振込月の早見表)。
相続放棄を考えるなら、3か月の間は預金を使わない
亡くなった人に借金があるかもしれないときは、相続するか放棄するかを、相続が始まったことを知ってから3か月以内に決めます。この間に亡くなった人の預金を引き出して使ったり、家財を処分したりすると、相続を受け入れたとみなされ、放棄できなくなることがあります。葬儀代の支払いでも、どこまでなら大丈夫かは状況で変わるため、心配なときは家庭裁判所や弁護士・司法書士に確かめてから動きます(相続放棄の期限3か月はいつから)。
準確定申告と相続税は、必要かどうかを先に確かめる
準確定申告は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。公的年金の収入が一定額以下で、ほかの所得も少なかった人など、申告がいらない場合もあります。相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。財産が基礎控除の額を超えなければ、原則として申告はいりません。どちらも、必要かどうかは亡くなった人の住所地の税務署(電話相談・予約制の面接相談)か、税理士に確かめてください(相続税の申告は必要か)。
家の名義と固定資産税
相続で家や土地を受け継いだら、その取得を知った日から3年以内に相続登記をします。2024年4月1日より前に始まった相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。登記が終わるまでは、家を売ることもできません。亡くなった人あてに固定資産税の納税通知書が届いたときの対応は、亡くなった親あてに固定資産税の通知が届いたらにまとめています。
落ち着いたら決めること:実家・遺品・お墓・お金の置き場所
ここまでの手続きと違い、次の4つには決まった期限がありません。四十九日や一周忌のあと、家族がそろったときに話し合えば十分なことも多いです。ただ、放っておくと費用がかさんだり、選べる方法が減ったりするものもあります。
親を亡くしたあとは、残されたお母さま・お父さまのこれからを考える時期でもあります。手続きが落ち着いたら、残された親の預金や家のことを、元気なうちにどう決めておくか整理したい方は、30分の無料相談でお話をうかがえます。愛知県内はご自宅への訪問もできます。当社は役所や年金の手続きの代行はしていません。その場で何かをお決めいただく必要もありません。
今日できる一歩
- 亡くなった人の保険証・年金証書・通帳を一か所に集める
- 住んでいた市町村のおくやみ窓口を予約するか、窓口の受付時間を確かめる
- 会葬礼状か葬儀の領収書を1枚、葬祭費の申請用に取り分けておく
葬儀のあとの手続きについてよくある質問
葬儀のあと、最初に行く窓口はどこですか?
多くの場合、亡くなった人が住んでいた市町村の役所です。健康保険・介護保険をやめる手続きと世帯主の変更は14日以内が目安なので、葬儀のあとの最初の平日から2週間のうちに行きます。名古屋市・豊田市・一宮市・豊橋市は、予約するとまとめて案内を受けられる窓口があります。
葬祭費は誰が申請しますか?
葬儀を行った人(喪主)が申請するのが基本です。名古屋市の国民健康保険では、世帯主も申請できます。振込先は、申請する人の口座にするのが基本です。喪主以外の口座にしたいときは、委任状などが要る市があります。
家族葬で会葬礼状がないときは、葬祭費をどう申請しますか?
葬儀の領収書でも申請できる市が多いです。豊橋市は葬儀施行証明書も挙げています。喪主の名前が書かれた書類を、葬儀社に頼んで用意してもらうと安心です。
平日に役所へ行けません。どうすればいいですか?
名古屋市の国民健康保険の葬祭費、一宮市の葬祭費(喪主の口座に振り込む場合)などは、オンラインで申請できます。郵送で受け付ける手続きもあります。家族が代わりに行く場合は、委任状が要るかを先に市に確かめます。
亡くなった親の口座から葬儀代を払ってもいいですか?
相続放棄を考えているなら、決めるまでは亡くなった人の預金に手をつけないのが安全です。相続する前提でも、ほかの相続人と後でもめないように、使った金額と領収書を残しておきます。口座が止まったあとの払い戻しの仕組みは親が亡くなった後の預金引き出しで説明しています。
愛知県外に住んでいた親の手続きはどうなりますか?
市町村の手続きは、亡くなった人が住んでいた市町村で行います。子が愛知県に住んでいても、窓口は親の住所地です。郵送やオンラインで受け付けているかを、その市町村のページで確かめます。税務署も、亡くなった人の住所地を担当する税務署です。
参考にした公的情報
- 名古屋市「出生・死亡届」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007825/1007826.html - 名古屋市瑞穂区「死亡後の主な手続き」
https://www.city.nagoya.jp/mizuho/page/0000120542.html - 名古屋市「おくやみコーナーの設置」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007851/1034702/1008118.html - 名古屋市「さまざまな給付」(国民健康保険の葬祭費)
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/hoken/1011736/1011758/1011763/1011764.html - 名古屋市「【電子申請】国民健康保険における葬祭費の支給申請」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/hoken/1011736/1011815/1034707/1033733.html - 名古屋市「療養費などの支給内容(後期高齢者医療制度)」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/10-14-1-5-0-0-0-0-0-0.html - 豊田市「おくやみコーナー」
https://www.city.toyota.aichi.jp/lifeevent/1046141/1046133.html - 豊田市「国民健康保険 葬祭費」
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/koukikourei/1009088/1009124/1002916.html - 豊田市「後期高齢者医療 葬祭費」
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/koukikourei/koureishairyou/1003286.html - 岡崎市「おくやみ」
https://www.city.okazaki.lg.jp/1550/1552/1585/p021067.html - 岡崎市「国民健康保険 葬祭費」
https://www.city.okazaki.lg.jp/1100/1107/1147/p001852.html - 一宮市「おくやみ窓口を開設しています」
https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/shiminkenkou/shimin/1043968/1005645/1000133/1068807.html - 一宮市「死亡したとき(葬祭費)」
https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/shiminkenkou/hokennenkin/hoken/1000137/1000819.html - 豊橋市「おくやみコーナー(死亡届後の各種手続きご案内)」
https://www.city.toyohashi.lg.jp/41728.htm - 豊橋市「国保の被保険者が死亡したとき(葬祭費)」
https://www.city.toyohashi.lg.jp/6542.htm - 全国健康保険協会(協会けんぽ)「ご本人・ご家族が亡くなったとき」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3100/r149/ - 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140731-01.html - 日本年金機構「年金の時効」(未支給年金・遺族年金の5年)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/shikyu/20140421-01.html - 国税庁 タックスアンサー No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm - 国税庁 タックスアンサー No.4205「相続税の申告と納税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm - e-Gov法令検索「住民基本台帳法」(第25条 世帯変更届)
https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000081
※本記事は2026年10月時点の法令、各市・日本年金機構・国税庁・協会けんぽの公式情報をもとにした一般的な整理です。窓口の場所・受付時間・予約の方法・持ち物は変わることがあります。手続きの前に、亡くなった方が住んでいた市町村や各機関の案内をご確認ください。税金の申告が必要かどうかは税務署または税理士に、年金は年金事務所に、相続放棄や登記は家庭裁判所・法務局または弁護士・司法書士にご確認ください。当社は手続きの代行は行っていません。
