後期高齢者医療の保険料2026|愛知・岐阜の金額と計算・軽減・年金天引き

10月の年金の振込通知を開いたら、天引きされる保険料が8月より増えていた。机の引き出しには、7月に市役所から届いた「後期高齢者医療保険料額決定通知書」が封を切ったまま入っている。数字は並んでいるのに、なぜこの金額なのかが分からない。そんな方に向けて、2026年度と2027年度の愛知県・岐阜県の保険料の決まり方を整理します。

後期高齢者医療は、75歳になると加入する公的な医療保険です。保険料は県ごとに決まり、2年ごとに見直されます。2026年度はその見直しの年で、さらに「子ども・子育て支援金」の分が新しく加わりました。

この記事の結論
1. 保険料は「均等割(全員同じ額)+所得割(所得に応じた額)」の合計です。2026・2027年度の医療分は、愛知が56,130円+所得の10.48%、岐阜が55,385円+所得の9.71%です。
2. 2026年度から「子ども分」が上乗せされました。均等割は愛知1,362円、岐阜1,374円と小さな額です。
3. 所得の低い世帯は均等割が7割・5割・2割軽くなります。納め方は年金天引きが基本で、市区町村の窓口で口座振替に切り替えられます。
※2026年10月時点。出典:愛知県後期高齢者医療広域連合、土岐市(岐阜県後期高齢者医療広域連合の保険料率を掲載)
目次

2026・2027年度の保険料率|愛知と岐阜の早見表

保険料の「率」は、県単位の広域連合(県内の市町村が共同でつくる運営組織)が決めます。同じ県内なら、名古屋市でも豊橋市でも、岐阜市でも高山市でも同じ率です。

2026年度からの保険料は「医療分」と「子ども分」の2つに分かれています。医療分は2026・2027年度の2年間の率、子ども分は2026年度だけの率です。

項目愛知県岐阜県
医療分(2026・2027年度)
均等割(1人あたり年額)56,130円
前回 53,438円
55,385円
前回 49,412円
所得割率10.48%
前回 11.13%
9.71%
前回 9.56%
上限(賦課限度額)85万円
前回 80万円
85万円
子ども分(2026年度)
均等割(1人あたり年額)1,362円1,374円
所得割率0.25%0.25%
上限(賦課限度額)2万1千円2万1千円
「前回」は2024・2025年度。出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「保険料の計算方法(令和8・9年度)」「賦課限度額」、土岐市「後期高齢者医療制度」(2026年8月1日更新)、厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」(2026年10月時点)

愛知県は所得割率が0.65ポイント下がり、均等割が2,692円上がりました。広域連合の説明では、1人あたりの年間保険料は前回より5,163円増える見込みです。岐阜県は均等割・所得割率とも上がっています。

子ども分は、国の子ども・子育て支援金のために、高齢者を含む全世代が負担するものです。2026年度から2028年度にかけて、段階的に引き上げられます。そのため2027年度の子ども分の率は、2026年10月時点でまだ公表されていません。愛知県の広域連合も「令和8年度の保険料率のみ算定」と説明しています。

保険料の決まり方|均等割と所得割の計算式

保険料は世帯ではなく、1人ずつ計算します。夫婦2人とも75歳以上なら、通知書も2人分届きます。式は医療分・子ども分とも同じ形です。

年間保険料 = 均等割 + 所得割
所得割 =(前年の所得 − 基礎控除43万円)× 所得割率
医療分・子ども分それぞれ100円未満を切り捨てて合計します。年度の途中で加入・脱退した場合は月割です。

ここでいう「所得」は、年金なら収入そのものではありません。年金収入から公的年金等控除を引いた額です。愛知県の広域連合の計算例を見てみます。ほかに所得のない65歳以上の人なら、年金収入168万円で所得58万円、240万円で所得130万円です。つまり、年金収入から110万円を引いた額です(年金収入が330万円未満の場合)。

引けるのは基礎控除の43万円だけです。医療費控除や社会保険料控除、配偶者控除などは、この計算では使いません。確定申告の「所得」とは少し違う、と覚えておくと通知書が読みやすくなります。

計算のもとになるのは前年1年間の所得です。2026年度の保険料は2025年の所得で決まります。そのため、年度の保険料が確定するのは前年の所得が分かったあとの夏、7月(市町村によっては8月)になります。

年金収入別のおおよその保険料

愛知県の広域連合は、年金収入別の2026年度の保険料の例を出しています。前提は、ひとり暮らしで、収入は年金だけ、65歳以上というものです。岐阜県の欄は、同じ前提で当社が上の式に当てはめて計算した目安です。

年金収入(年額)均等割の軽減愛知県 2026年度
(広域連合の例)
参考:2025年度岐阜県 2026年度
(当社試算)
153万円7割16,100円16,000円約15,900円
168万円7割32,100円32,700円約30,700円
185万円5割63,000円62,300円約60,100円
224万円2割122,100円121,700円約116,000円
300万円なし215,100円217,000円約203,100円
愛知県の数字は医療分+子ども分の年額。出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「年金収入別にみた令和8・9年度保険料率改定の影響」。岐阜県は当社の試算で、所得=年金収入−110万円、軽減の判定は所得からさらに15万円を引いて行い、軽減後の均等割の円未満と、医療分・子ども分それぞれの100円未満を切り捨てて計算しました。同じ方法で愛知県を計算すると広域連合の例と一致します。実際の額は通知書で確認してください。

年金収入153万円までなら、所得割はかからず、軽減後の均等割だけになります。年金収入が増えると、所得割と軽減の段階が変わり、保険料が大きく上がっていきます。夫婦の場合は、世帯の所得の合計で軽減が決まるため、ひとり暮らしとは額が変わります。愛知県の例では、夫の年金収入168万円・妻125万円の夫婦は、夫32,100円、妻16,100円です。

保険料が軽くなる人|7割・5割・2割軽減と元被扶養者

所得の低い世帯は、均等割が軽くなります。所得割は軽くなりません。判定は、世帯主と、同じ世帯の75歳以上の人全員の所得を合計して行います。世帯主が75歳未満でも、その人の所得は合計に入ります。

軽減世帯の所得の合計がこの額以下軽減後の均等割(愛知・医療分)
7割
(2026年度の医療分は7.2割)
43万円15,716円
5割43万円+31万円×世帯の75歳以上の人数28,065円
2割43万円+57万円×世帯の75歳以上の人数44,904円
世帯に給与や年金の収入が一定額を超える人が2人以上いる場合は、各基準に「10万円×(その人数−1)」を加えます。子ども分の軽減後の均等割(愛知)は7割408円・5割681円・2割1,089円。出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「所得の低い世帯の方の軽減(令和8年度)」(2026年10月時点)

判定には2つの特例があります。ひとつは、65歳以上の人の年金所得から、さらに15万円を引いて判定することです。もうひとつは、2026年度は7割軽減の人の医療分の均等割が、さらに0.2割軽くなることです。基準の考え方は岐阜県も同じです。

75歳になる前日まで、子どもの会社の健康保険などで「扶養家族」だった人にも軽減があります。所得割は当分の間かかりません。均等割は、加入から2年を経過する月まで5割軽くなります。所得による軽減のほうが大きい場合は、そちらが使われます。75歳の前日に国民健康保険に入っていた人は対象外です。

納め方|年金天引き・口座振替と、7月の通知書

年額18万円以上の年金を受け取っている人は、原則として年金から天引きされます(特別徴収)。ただし、介護保険料と合わせた額が年金の2分の1を超える場合は、天引きになりません。75歳になって半年ほどや、年度の途中で転居したときも、一時的に納付書か口座振替になります。

時期年金天引きの人納付書・口座振替の人
4月・6月・8月仮の額を天引き(仮徴収)―
7月(市町村により8月)その年度の保険料が決まり、通知書が届く
7月〜翌3月―市町村が決めた納期ごとに納める
10月・12月・翌2月年間の額から仮徴収分を引いた残りを3回で天引き(本徴収)―
出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「保険料の納め方」「よくある質問」(2026年10月時点)。納期の回数や日付は市町村ごとに異なります。

10月に天引き額が変わるのは、この仕組みのためです。4・6・8月は仮の額で、10月からは確定した年額との差を調整します。料率が上がった年は、10月以降の天引き額が増えやすくなります。

年金天引きの人も、お住まいの市区町村の窓口で手続きをすれば、口座振替に切り替えられます。引き落とす口座は、本人のほか、世帯主や配偶者などの名義でもかまいません。ただし、確実な納付が見込めない場合は認められないことがあります。

家族が払うときの社会保険料控除

口座振替を考えるきっかけのひとつが、家族の税金の控除です。所得税には、払った社会保険料を所得から引ける「社会保険料控除」があります。国税庁の案内では、生計を一にする(暮らしのお金を一緒にしている)家族の保険料を口座振替で払った場合、払った人の控除の対象になるとされています。後期高齢者医療の保険料も、これに当たります。

一方、年金から天引きされた保険料は、年金を受け取っている本人が払ったものとして扱われます。たとえば親の保険料が親の年金から引かれている場合、子が自分の控除に入れることはできません。

ただ、切り替えれば得、とは限りません。親の側の控除が減ることもあり、家族の所得の組み合わせで結果が変わります。どちらが有利か、自分の場合に控除できるかは、提携の税理士が確認します。

亡くなったときの保険料|精算と相続人への還付

加入している人が亡くなると、保険料は亡くなった月の前月分までで計算し直されます。月の末日に亡くなった場合は、その月の分までかかります。亡くなった月の翌月か翌々月に、計算し直した決定(変更)通知書が届くのが一般的な流れです。

すでに納めた額が多ければ、納めすぎた分は相続人に返されます(還付)。市町村の窓口で「保険料還付請求書」を出し、相続人の振込先口座を届けます。郵送でも手続きできる市町村があります。反対に足りない場合は、相続人に納付をお願いする案内が届きます。

同じ窓口で、葬儀を行った人に支給される「葬祭費」の申請もあわせて案内されることがあります。必要な書類や様式は市町村ごとに違うため、死亡の届出のあとに担当窓口で確認してください。なお、役所の還付は郵送の請求書や窓口で行うものです。電話でATMへ行くよう言われたら、いったん切って市町村に確かめてください。

今日できる一歩

1. 7月に届いた通知書を出してみる。「保険料額決定通知書」の年間保険料と、軽減の欄に何割と書いてあるかを確かめます。夫婦なら2人分を並べて見ます。

2. 10月の年金振込通知書と見比べる。天引き額が変わっていたら、上の「仮徴収」と「本徴収」の表のとおりかを確認します。

3. 分からない点は公的な窓口へ。愛知県は、あいち後期高齢者医療コールセンター(0570-011-558、平日8時45分〜17時15分)です。岐阜県は、岐阜県後期高齢者医療広域連合(058-387-6368)です。どちらも、お住まいの市町村の担当窓口でも聞けます。口座振替への切り替えも、市町村の窓口で受け付けています。

相談現場から

よく伺うのは「10月から急に天引きが増えた。間違いではないか」というお話です。多くは仮徴収と本徴収の調整によるもので、通知書の年額を見ると理由が分かります。また、親の保険料を子が払っているつもりでいたら、実際は親の年金から引かれていた、ということも珍しくありません。年金・預金・保険料の流れを一度紙に書き出すと、相続の準備にもそのまま役立ちます。

この話、うちの場合はどうなるか知りたい方へ
通知書を手元に、年金と預金、毎月の出ていくお金、親の保険料を誰がどう払うかを、30分の無料相談で一緒に整理します。税の判断が必要な点は、提携の税理士が確認します。愛知県内は対面・ご自宅への訪問も可能、それ以外はオンラインです。
※お電話は、相談中のときは折り返しになります。
LINEで通知書の写真を送って相談する(返信は2営業日以内(土日祝を除く))

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参考にした公的情報

※本記事は2026年10月時点の公開情報にもとづく一般的な説明です。岐阜県の年金収入別の金額は当社の試算で、実際の保険料は世帯の構成やほかの所得によって変わります。ご自身の保険料はお手元の通知書と市町村の窓口で、税の控除の判断は税理士にご確認ください。

本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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