誕生月に届いたねんきん定期便のハガキを、机の上に広げてみる。数字は並んでいるが、いつ時点の記録なのかがつかみにくい。年に一度のハガキとは別に、スマホで好きなときに確かめる方法があります。
ハガキそのものの見方は、ねんきん定期便の見方にまとめました。この記事では、マイナンバーカードを使って、マイナポータルから年金の記録や見込額を見る方法を説明します。内容は2026年10月8日時点の、日本年金機構とマイナポータルの案内にもとづきます。
この記事の結論
- 年金の記録や将来の見込額は、日本年金機構の「ねんきんネット」で見られます。マイナンバーカードがあれば、マイナポータルからつないで登録できます(ユーザIDは要りません)。
- 手順は、マイナポータルにログインし、「年金」から「連携をはじめる」を選び、利用規約に同意して、メールアドレスを登録します。初回は平日の午前8時から午後11時の間に行います。
- 昭和61年4月以前に年金を受け取る権利が生じた老齢年金の受給者など、ねんきんネットを使えない人もいます。うまくいかないときは、専用ダイヤル(0570-058-555)に聞けます。
マイナポータルとねんきんネットの関係
年金の中身を見せてくれるのは、日本年金機構のサービス「ねんきんネット」です。マイナポータルは、そこへ入るための入口と考えると分かりやすくなります。マイナポータルから「年金」を選ぶと、ねんきんネットの画面につながります。
ねんきんネットを使うには、はじめに登録が要ります。登録の方法は二つあります。ほかに、登録しなくても毎年届く、ハガキや封書のねんきん定期便もあります。
マイナポータルから入る方法なら、ねんきんネット専用の登録情報を新しく覚える必要がありません。ふだんから暗証番号を使っている人には、こちらが手軽です。
ねんきんネットで見られる内容
日本年金機構の案内では、ねんきんネットで次のようなことができます。
見込額は、あくまで目安です。計算の前提によって変わるため、ハガキの金額と画面の金額が一致しないこともあります。年金をすでに受け取っている人は、画面で見られるのは年金の支払いに関する通知書などです。額の確認には、年金証書や年金振込通知書を見る方法もあります。
準備するもの
- マイナンバーカード:暗証番号が使える状態のものを用意します。おもて面の右下に「顔認証」と書かれたカードは、暗証番号が必要なマイナポータルのサービスが使えません。
- 利用者証明用の暗証番号:4桁の数字です。3回続けて間違えるとロックされ、住民登録のある市区町村の窓口で再設定が必要になります。
- スマートフォン:マイナポータルのアプリを入れたものを使います。パソコンの画面から入るときも、スマホでカードを読み取って二次元コードでログインする方法があります。
- メールアドレス:初回の登録で、ワンタイムパスワードの確認に使います。すでにほかのねんきんネットの利用者が登録しているアドレスは使えません。家族と共用しているアドレスも同じです。
スマホでの連携手順
スマートフォンでマイナポータルのアプリから登録する流れです。はじめて連携するときは、次の順に進みます。
- マイナポータルのアプリを開き、「登録・ログイン」を押します。
- 利用者証明用の暗証番号(4桁の数字)を入力します。
- マイナンバーカードをスマホにかざし、「読み取り開始」を押します。カードを当てる位置は、機種によって違います。
- ログインできたら、トップページを下へ進み、「年金」を押します。
- 「年金」のページで、「連携をはじめる」を押します。
- ねんきんネットの利用規約を読み、「同意して次へ」を押します。
- 連携の処理が終わるのを待ちます。初回の連携は、平日の午前8時から午後11時の間に処理されます。それ以外の時間は、翌平日の午前10時10分に処理されます。
- ねんきんネットが使える画面になったら、初回だけワンタイムパスワードの確認があります。メールアドレスを入力し、届いた番号を入れて登録します。
- 最後に、お知らせメールの受け取りと、紙の通知を電子にする設定を選ぶと、登録は終わりです。
2回目以降は、マイナポータルにログインして「年金」を押すと、ねんきんネットの画面に進めます。連携の設定は、初回だけです。
使えない人・うまくいかないとき
ねんきんネットは、誰でも使えるわけではありません。基礎年金番号が必要です。また、昭和61年4月以前に年金を受け取る権利が生じた老齢年金の受給者は、利用できません(日本年金機構)。
日本年金機構を装った迷惑メールがあるとして、公式サイトでも注意が呼びかけられています。メールに書かれたリンクから入るのではなく、マイナポータルのアプリや、自分で開いた公式サイトから入るようにしてください。
親の年金を、子が確認したいとき
子の立場で、親の年金の記録を見ておきたいと思うことがあります。ただ、マイナポータルの連携は、本人のマイナンバーカードと暗証番号を使う仕組みです。
暗証番号について、厚生労働省は、原則として法定代理人以外の人に知らせるのは適当ではないとしています(マイナ保険証に関する資料)。子が番号を預かって一人で操作するより、親の手元で、親と一緒に画面を見る形が向いています。
親が操作に自信がないときは、年金事務所や専用ダイヤルに相談すると、記録の確かめ方を案内してもらえます。子などの家族が代わりに確認できるかどうかは、そこで確かめてください。
年金の受取口座についても、よくある誤解があります。公金受取口座を登録しても、年金の受取口座は自動では変わりません。受取口座を変えたいときは、管轄の年金事務所に問い合わせるよう案内されています(マイナポータルのよくある質問)。
よくある質問
ねんきんネットとマイナポータル、どちらに登録するのですか
マイナンバーカードがあれば、マイナポータルからつなぐ方法が使えます。カードがない人や、使いたくない人は、基礎年金番号とメールアドレスで登録する方法を使います。どちらで登録しても、見られるのはねんきんネットの画面です。
紙のねんきん定期便は、電子版を見たらもう届きませんか
日本年金機構のページには、電子版が紙に置き換わるとは書かれていません。電子版は、紙の定期便とは別に、ねんきんネットで見られるものとして案内されています。登録の最後に、紙の通知を電子にする設定を選べます。選ぶ前に、何が紙で届かなくなるのかを画面で確かめてください。
年金の額が、ハガキと違って見えるのはなぜですか
見込額は、加入を続けるか、いつから受け取るかなど、計算の前提で変わります。ねんきんネットでは条件を変えて試算できるため、ハガキの金額と一致しないことがあります。ハガキの金額の意味は、ねんきん定期便の見方で説明しています。
暗証番号を忘れたときは、どうすればよいですか
住民登録のある市区町村の窓口で、再設定できます。3回続けて間違えるとロックされるため、思い出せないときは試さずに窓口へ行ってください。
今日できる一歩
1. 手元のねんきん定期便を1通出す。いつ届いたハガキかを確かめ、気になる欄に印をつけておきます。
2. マイナンバーカードの暗証番号(4桁)を思い出せるか確かめる。思い出せないときは、何度も入力せず、市区町村の窓口で再設定します。
3. 平日の午前8時から午後11時の間に、連携を試す。初回の連携はこの時間に処理されます。親の分は、親の手元で一緒に行います。
参考にした公的情報
- 日本年金機構「マイナポータルとの連携」https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/registration/mynaportal.html
- 日本年金機構「ねんきんネットの登録方法」https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/registration/summary.html
- 日本年金機構「ねんきんネットとは」https://www.nenkin.go.jp/n_net/introduction/summary.html
- 日本年金機構「スマートフォンでマイナポータルからねんきんネットに登録する手順」https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/n_net.files/MPSP.pdf
- マイナポータルよくある質問「年金・ねんきんネット」https://faq.myna.go.jp/category/show/358
- 厚生労働省「高齢者・障害者等の要配慮者の方々におけるマイナンバーカードの健康保険証利用について」https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001321214.pdf
※本記事は2026年10月8日時点の公的機関の公開情報にもとづく一般的な整理です。画面の表示や機能、受付時間は変わることがあります。年金記録の内容や年金額については、お近くの年金事務所または日本年金機構の専用ダイヤルへご確認ください。
本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
