年金から天引きされるものって?年金振込通知書の見方【2026年】

偶数月の年金の日に通帳を記帳したら、振込額が前の回より少なかった。手元の「年金振込通知書」を見ても、細かい欄が並んでいて、どれが何の引かれ分なのか分かりにくい。そんなときの見方をまとめました。

内容は、2026年10月8日時点の日本年金機構・国税庁・自治体の公式の案内にもとづきます。

この記事の結論

  1. 年金から引かれる可能性があるのは、介護保険料、後期高齢者医療保険料(または国民健康保険料)、住民税、所得税の4つです。全員が4つとも引かれるわけではありません。
  2. 年金振込通知書では、「年金支払額」から各欄を引いた残りが「控除後振込額」です。通帳に入る金額はこちらです。
  3. 10月・12月・2月は、介護保険料や住民税の額が切り替わる時期です。振込額が前の回と違っても、通知書の欄を順に見れば、たいてい原因が分かります。

引かれる額は、年金の額、年齢、お住まいの市区町村で変わります。下の表で全体を見てから、気になる項目を読んでください。

目次

年金から引かれるものと、引かれる人

年金は、手元に届く前に、保険料や税金が差し引かれることがあります。これを「天引き」と呼びます。役所の言葉では「特別徴収」や「源泉徴収」です。

引かれるもの引かれる主な人金額を確かめるところ
介護保険料65歳以上で、年金が年額18万円以上の人。手続は要らず、準備が整い次第、自動で切り替わります市区町村から届く通知書
後期高齢者医療保険料75歳以上で、次の3つに当てはまる人。①年金が年額18万円以上 ②介護保険料も年金から引かれている ③介護保険料との合計が年金額の2分の1を超えない毎年6月ごろに届く保険料の通知書
国民健康保険料(税)国民健康保険に入っている人のうち、条件に合う人だけ市区町村の通知書
住民税・森林環境税4月1日時点で65歳以上で、老齢基礎年金などが年額18万円以上、介護保険料が年金から引かれている人。障害年金・遺族年金は対象外市区町村の納税通知書
所得税・復興特別所得税年金額が一定の金額以上の人(源泉徴収)年金振込通知書、毎年1月ごろの源泉徴収票
※条件は、柏市・札幌市北区・京都府の案内をもとに整理しました。細かい扱いは市区町村で違うことがあります(2026年10月確認)。

森林環境税は、住民税とあわせて集められる税で、年金振込通知書では住民税と同じ欄に並びます。

2026年度(令和8年度)からは、国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料とあわせて、子ども・子育て支援金も集められています(日本年金機構)。保険料の内訳は、市区町村の通知書で確認してください。

75歳以上の保険料の金額と計算は後期高齢者医療の保険料2026に、65歳以上の介護保険料は65歳以上の介護保険料はいくら?にまとめています。

年金振込通知書の見方:どの欄を見る?

年金振込通知書は、口座で年金を受け取っている人に届くお知らせです。6月から翌年4月まで、2か月に1回の支払いの金額が書かれています。毎年6月に、年金額の見直しを知らせる「年金額改定通知書」と一体になった形で届きます。

振込額や振込先が変わったときは、そのたびに新しい通知書が届きます。

通知書の欄何の金額か
年金支払額天引きする前の、1回分の年金額です
介護保険料額年金から引かれる介護保険料です
後期高齢者医療保険料・国民健康保険料(税)天引きされる人だけ、金額が出ます
所得税額・復興特別所得税額(年金支払額から社会保険料と各種控除を引いた額)に5.105%をかけた額です
個人住民税額・森林環境税額年金から引かれる住民税と森林環境税です
控除後振込額全部引いたあとの、実際に通帳に入る金額です
前回支払額前回の支払月に支払われた金額です
※日本年金機構「年金振込通知書の見方」をもとに作成(2026年10月確認)。

ここでいう「社会保険料」は、天引きされた介護保険料と、後期高齢者医療保険料(または国民健康保険料)の合計のことです。

たとえば、説明用の仮の数字です。年金支払額が20万円、介護保険料が7千円、後期高齢者医療保険料が6千円、住民税が5千円、所得税が0円なら、控除後振込額は18万2千円になります。通帳の金額と合うか、電卓で一度たしかめてみてください。

いつ引かれる?10月に振込額が変わる理由

年金は、2か月に1回(偶数月)支払われます。天引きも、その支払いのたびに行われます。

介護保険料と住民税は、1年分を年金の6回に分けて引きます。前半は「仮」の額、後半で「本」の額に切り替えるのが、一般的な流れです。

月通知書や天引きの動きポイント
6月年金振込通知書・年金額改定通知書が届く新しい年度の年金額と、天引きの予定額が分かります
4月・6月・8月「仮徴収」の時期介護保険料と住民税は、前の年の2月と同じ額が目安です
10月・12月・2月「本徴収」の時期その年度の年額から、すでに引いた分を除いた残りを、3回に分けて引きます
※柏市(介護保険料)、京都府(住民税)の案内にもとづく一般的な流れです。8月から額を調整する市区町村もあります。年金振込通知書の8月以降の額は6月時点の予定額で、確定した額は市区町村の通知書に書かれます(日本年金機構)。

つまり10月は、新しい額に切り替わる回です。住民税は前の年の所得をもとに決まるため、仕事をやめた翌年や、年金の額が変わった年は、特に差が出ます。上がることも、下がることもあります。

所得税が引かれる人・引かれない人(2026年の変更)

所得税は、年金額が一定の金額より少ない人には引かれません。2026年6月の日本年金機構のお知らせでは、その目安が次のように引き上げられたと案内されています。

  • 65歳以上:205万円未満から、214万円未満へ
  • 65歳未満:155万円未満から、164万円未満へ

ただし、2026年11月の支払いまでは、改正前の控除額で源泉徴収をします。12月の支払いのときに、1年分の税額を新しい決まりで計算し直して精算します。多く引かれていた分は、原則として戻ります(日本年金機構)。

年金額が目安より多い人でも、社会保険料や扶養控除などを引いてから税率をかけるため、引かれる額は人によって違います。「自分の場合はいくらになるか」の計算は、税務署や税理士にご確認ください。

なお、公的年金の収入が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、確定申告は不要とされています(国税庁)。毎年1月ごろ届く源泉徴収票の見方は、年金の源泉徴収票の見方を見てください。

天引きされない人は、どうやって払う?

年金が年額18万円未満の人は、介護保険料が年金から引かれません。納付書か口座振替で、自分で納めます(柏市)。そのほかにも、自分で払う形になる場合があります。

  • 年度の途中で65歳になった人や、別の市区町村から引っ越してきた人は、天引きの準備が整うまで半年から1年ほど、納付書や口座振替になることがあります(柏市)。
  • 後期高齢者医療保険料は、介護保険料との合計が年金額の2分の1を超える人は、天引きにならず、原則として口座振替になります(札幌市北区、東京都中央区)。
  • 年金を担保にお金を借りている人や、年金を繰り下げている人など、天引きができない場合も、自分で納めます(柏市)。
  • 後期高齢者医療保険料は、申請すれば天引きから口座振替に変えられる市区町村があります(東京都中央区)。

納め方を変えたいときは、お住まいの市区町村の担当窓口に聞いてください。

振込額が思ったより違うときの確認の順番

  1. 年金振込通知書の「年金支払額」と「控除後振込額」を見て、差がいくらかを出します。
  2. 介護保険料、後期高齢者医療保険料(国民健康保険料)、所得税、住民税の欄を足して、差と合うか確かめます。
  3. 合わないときは、「前回支払額」と見比べます。年金額の見直し、さかのぼって支払われた分、払いすぎた分を引く調整で、金額が変わることがあります(日本年金機構)。
  4. 介護保険料と住民税の額は、市区町村の通知書で確かめます。
  5. 年金の額や調整のことは日本年金機構(24時間のチャット案内、近くの年金事務所)、保険料や住民税のことは市区町村に聞きます。

今日できる一歩

年金振込通知書を出して、「年金支払額」と「控除後振込額」に印をつけ、差額をメモします。その差額が、今回の天引きの合計です。

よくある質問

天引きを、やめることはできますか?

介護保険料や住民税の天引きは、条件に当てはまると、手続なしで自動で始まります。後期高齢者医療保険料は、申請すれば口座振替にできる市区町村があります。納め方を変えたいときは、市区町村に聞いてください。

10月に振込額が減りました。間違いですか?

間違いとは限りません。10月は、介護保険料や住民税が「本徴収」に切り替わる時期です。上の「確認の順番」で、どの欄が変わったかを見てください。それでも分からないときは、市区町村に問い合わせます。

引かれすぎた税金は戻りますか?

所得税は、12月の支払いのときに1年分を計算し直します。2026年は、基準が変わった分の精算もあり、多く引かれていた分は原則として戻ります。それ以外で戻るかどうかは人によって違うため、税務署や税理士に確認してください。

通知書が読めない、手元にないときは?

日本年金機構に、年金額改定通知書と年金振込通知書について24時間答えるチャット案内があります。年金事務所の窓口でも聞けます。住民税や介護保険料の通知書は、市区町村から届きます。

参考にした公的情報

※本記事は2026年10月時点の公的機関の公開情報にもとづく一般的な情報です。天引きの条件や金額は、お住まいの市区町村や個人の状況で異なります。個別の判断は、市区町村・年金事務所・税理士などの専門家にご確認ください。

本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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