年金の源泉徴収票の見方|いつ届く・どこを見る・なくしたら再発行【2026年分】

1月の半ば、ポストに日本年金機構からのはがきが届きます。端をはがして開くと、細かい欄に数字が並んでいます。「源泉徴収税額が0円って、どういうこと?」「これは取っておくもの?」と、手が止まる方も多い書類です。

この記事では、年金の源泉徴収票(正式には「公的年金等の源泉徴収票」)について、届く時期、欄ごとの見方、なくしたときの再交付、確定申告や亡くなった親の分との関係を順に整理します。2026年分は、2027年1月に届く分です。内容は2026年10月時点で、日本年金機構と国税庁の公表内容を確かめたものです。

この記事の結論

  1. 老齢・退職の年金を受け取った人に、例年1月にはがきで届きます。遺族年金や障害年金だけの人には届きません。
  2. まず見るのは「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料の金額」の3つです。支払金額は天引き前の額なので、通帳の入金額とは合いません。
  3. なくしても、過去5年分まで再交付を頼めます。方法はねんきんネット・電話・年金事務所の窓口の3つです。
目次

年金の源泉徴収票はいつ届く?届く人・届かない人

源泉徴収票は、1年間に受け取った年金の額と、そこから引かれた所得税の額をまとめた書類です。日本年金機構は、前の年に厚生年金や国民年金などの老齢または退職の年金を受け取った人に送っています。

届く時期は例年1月です。2026年1月に届いた2025年分(令和7年分)は、次の日程でした。

受け取り方2025年分の日程(2026年1月)補足
はがき(郵送)1月8日〜15日に順次発送発送から届くまで8日ほどかかる。地域によって発送日が違う
マイナポータル(電子データ)1月6日〜7日に「お知らせ」へ届く1月5日までに電子で受け取る登録をした人が対象
ねんきんネット1月6日から画面で見られるPDFで保存・印刷もできる

(日本年金機構「令和7年分公的年金等の源泉徴収票の送付について」をもとに作成。2026年分の日程は、2026年10月時点ではまだ発表されていません)

例年どおりなら、2026年分は2027年1月の上旬から中旬に届く見込みです。1月の下旬になっても届かないときは、まずねんきんネットで中身を確かめるか、下で説明する再交付を検討します。

届かない年金もあります。遺族年金と障害年金は所得税がかからない年金なので、源泉徴収票は送られません。夫を亡くして遺族年金だけを受け取っている方に届かないのは、このためです。年金生活者支援給付金も対象外です。ご自身の老齢年金と遺族年金の両方を受け取っている方は、老齢年金の分について届きます。

なお、会社の企業年金など、日本年金機構以外から受け取っている年金があれば、その支払元からも別に源泉徴収票が届きます。確定申告では両方を使うので、1枚だけで済ませないよう気をつけます。

どこを見る?欄ごとの見方を表で確認

はがきには多くの欄がありますが、毎年見る欄は限られています。日本年金機構の「見方」の案内(2025年分)をもとに、欄ごとの意味をまとめました。

欄の名前書いてあること見るときのポイント
支払金額その年の2月から12月までに支払われた年金の合計。税金や保険料を引く前の額確定申告で「年金の収入」として使う数字。通帳に入った額より多いのが普通
源泉徴収税額年金から引かれた所得税と復興特別所得税の合計0円の人もいる(理由は次の章)
社会保険料の金額年金から天引きされた介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料の合計住民税は入らない。内訳は「摘要」欄に載る(再交付分には内訳なし)
本人(障害者・寡婦・ひとり親)当てはまる項目に★印扶養親族等申告書で申告した内容。出していなければ空欄
源泉控除対象配偶者の有無等税金の計算で考慮した配偶者がいれば★印(「一般」「老人」)配偶者がいても空欄になることがある
控除対象扶養親族の数・障害者の数など扶養している家族の人数や、障害のある家族の人数これも扶養親族等申告書の内容が反映される
区分・年金の種別受け取っている年金の種類ふだんは確認だけでよい

(日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」の見方、同Q&Aをもとに作成。2026年10月時点)

年金は原則として偶数月の15日に、前の2か月分がまとめて振り込まれます。2月の振込は、前の年の12月分と1月分です。源泉徴収票の「支払金額」は、その年の2月から12月までの振込(通常は年6回)を合計した額です。

年金から引かれる所得税は、日本年金機構の案内では、次の式で計算されています(扶養親族等申告書を出している場合)。

(年金の支給額 − 社会保険料 − 各種の控除額)× 5.105%

5.105%は、所得税5%に復興特別所得税を加えた率です。式の中の「社会保険料」が、源泉徴収票の「社会保険料の金額」欄の数字です。天引きされた保険料の分は、税金の計算ですでに差し引かれています。

よくある疑問|税金0円・介護保険料・通帳と合わない

Q. 源泉徴収税額が0円です。間違いではありませんか。

年金の額が一定より少ない人は、もともと所得税が引かれません。日本年金機構によると、2026年分は税制改正で基準が引き上げられ、65歳以上で年214万円未満、65歳未満で年164万円未満の方は源泉徴収の対象になりません(改正前は205万円未満・155万円未満)。

2026年分は、11月の振込までは改正前の基準で税金が引かれています。12月の振込のときに、新しい基準で1年分を計算し直し、引かれすぎた分は原則として戻されます。2025年分の源泉徴収票も、こうした精算を終えたあとの税額で載っていました。

また、扶養親族等申告書で配偶者などの控除を申告していると、計算の結果、税額が0円になることもあります。

Q. 社会保険料の欄に、介護保険料も入っていますか。

入っています。年金から天引きされた介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料の合計が載ります。一方、口座振替や納付書で自分で払った保険料は、この欄には入りません。その分を税金の計算に入れたいときは確定申告で申告します。

Q. 年金から住民税も引かれているのに、どこにも載っていません。

住民税と森林環境税は、所得税の計算で差し引くものではないため、源泉徴収票には載りません。天引きされた住民税の額は、お住まいの市区町村の税務担当課で確かめられます。

Q. 支払金額から税金と保険料を引いても、通帳に入った額と合いません。

住民税が天引きされている方は、その分が源泉徴収票に載っていないため、計算が合いません。日本年金機構もこの点を案内しています。ずれが住民税の額くらいなら、心配はいりません。

Q. 配偶者がいるのに、配偶者の欄が空欄です。

よくあるのは、扶養親族等申告書を出していないケースです。申告書を出していないと、配偶者や扶養の欄はすべて空欄になります。ほかに、配偶者の所得が一定の額を超えている場合や、ご本人の所得が多い場合も空欄になります。

Q. 一度届いたあとに、もう一度届きました。

失業給付や高年齢雇用継続給付を受けていた方などは、年金額がさかのぼって直ることがあります。その場合は、直した金額の源泉徴収票が2月以降に改めて届きます。最初の分ですでに確定申告をしていたときは、出し直し(修正申告)が要ると日本年金機構は案内しています。

なくしたとき|再交付の3つの方法

はがきを捨ててしまった、汚してしまったという場合も、再交付を頼めます。対象は原則として過去5年分です。

方法用意するもの届くまでの目安
ねんきんネットで申し込むマイナポータルとの連携、またはねんきんネットのID電子データなら3〜5営業日。郵送なら発送まで1週間ほど(そこから配達日数)
電話で申し込む(ねんきん自動音声送付受付サービス 050-3319-3152)基礎年金番号、年金コード、生年月日、郵便番号、電話番号、ほしい年分郵送で2週間ほど
年金事務所・街角の年金相談センターの窓口年金証書や改定通知書など日本年金機構から届いた書類と、マイナンバーカードや運転免許証など本人確認書類受付のあと、登録住所へ郵送

(日本年金機構「公的年金等の源泉徴収票をなくしたとき」をもとに作成。2026年10月時点)

電話の自動音声は、ボタン操作で番号を入れていく方式です。基礎年金番号と年金コードは、年金証書や年金額の改定通知書などに載っています。手元にそろえてからかけると、途中で止まらずに済みます。

家族が代わりに窓口へ行くときは、本人の年金の書類に加えて、本人が書いた委任状と、窓口に行く家族の本人確認書類が要ります。急ぎのときは、年金事務所か街角の年金相談センターに相談するよう案内されています。

ねんきんネットに登録している方は、再交付を待たなくても、画面で源泉徴収票の中身を見て、PDFで印刷できます。2025年分は1月6日から見られました。はがきが届く前に数字を知りたいときにも便利です。登録はマイナポータルからでもできます。

確定申告・扶養親族等申告書との関係

源泉徴収票の出番は、主に確定申告です。申告書を作るときに、「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料の金額」を書き写します。国税庁によると、2019年4月以降は、年金の源泉徴収票を申告書に添えて出す必要はなくなりました。ただ、数字を写すために手元には要ります。

年金を受け取っている方の多くは、条件を満たせば確定申告をしなくてよい仕組みになっています。その条件を確かめるときも、源泉徴収票の「支払金額」を使います。条件や、申告すると税金が戻りやすい場面は年金受給者の確定申告の記事で詳しく説明しています。

配偶者や扶養の欄に何が載るかは、前の年の秋に届く扶養親族等申告書で決まります。2026年分の欄には、2025年秋に出した申告書(2026年分)の内容が反映されます。2027年分の申告書は2026年10月から順次届いています。書き方や出さなくてよい人は扶養親族等申告書2027の記事にまとめました。

申告書を出していなかった、出したあとで家族の状況が変わった、という場合は、源泉徴収票の扶養の欄が実際と違っていることがあります。日本年金機構は、確定申告が必要になる場合があるとして、税務署への相談を案内しています。ご自身が申告したほうがよいかどうかは、収入の内訳や家族の状況で変わります。当社にご相談いただいた場合は、提携の税理士が確認します。

亡くなった親の分|準確定申告用の源泉徴収票

年金を受け取っていた親が年の途中で亡くなったときは、通常の源泉徴収票とは別に、「準確定申告用」の源泉徴収票が発行されます。準確定申告とは、亡くなった方のその年の所得税を、相続人が代わりに申告する手続きです。

  • 届く時期:死亡届や未支給年金の手続きのあと、おおむね2〜3か月で発送されます。死亡届を出していないと発行されません。
  • 発行されない場合:12月の支払日から翌年2月の支払日までの間に亡くなった場合は、準確定申告用ではなく、通常の源泉徴収票が発行されます。
  • なくしたとき:再交付分は、未支給年金を請求した方あてに送られます。ねんきんネットでは申し込めないため、ねんきんダイヤルか年金事務所に連絡します。未支給年金の請求者がいない場合は相続人などにも発行されますが、電話では申し込めません。

国税庁の案内では、準確定申告の期限は、相続が始まったことを知った日の翌日から4か月以内です。出す先は、亡くなった方が住んでいた地域の税務署です。源泉徴収票が届くまでに2〜3か月かかることがあるため、死亡届と未支給年金の手続きを早めに済ませておくと、準備が進めやすくなります。

亡くなった月までの分で受け取っていない年金(未支給年金)の請求については、未支給年金の案内が届いたらの記事で流れを説明しています。準確定申告が必要かどうかは、亡くなった方の収入や支払った医療費などで変わります。迷ったときは税務署か税理士に確かめてください。

今日できる一歩

1. 2026年1月に届いたはがき(2025年分)を探す。見つからなければ、ねんきんネットで中身を確かめられます。来年1月に届く分と見比べる手がかりになります。

2. 3つの数字をメモする。「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料の金額」です。確定申告の要否を考えるときも、家族に相談するときも、この3つがあれば話が早く進みます。

3. 扶養親族等申告書が届いていたら、扶養の欄と見比べる。配偶者の欄が空欄で、申告書も出していなかったときは、今年は出すかどうかを考えるきっかけになります。

相談現場から

よく伺うのは「はがきは届いたけれど、開かずに郵便物の束に入れたままだった」というお話です。親の分をお子さんが探す場面では、年金の書類がまとめて保管されていることは少なく、まず書類を集めるところから始まります。もう一つ多いのが、遺族年金を受け取り始めた方の「今年は源泉徴収票が来ない」というご相談です。遺族年金には所得税がかからないため届かないのが通常で、手続きの漏れではありません。

源泉徴収票の数字、うちの場合はどう読むか知りたい方へ
源泉徴収票を手元に置いて、30分の無料相談で一緒に確かめます。申告が要るか、戻る税金がありそうかといった税の判断は、提携の税理士が確認します。亡くなった親の年金や預金の手続き、年金が入る口座をこの先どう管理していくかも、あわせてご相談いただけます。愛知県内は対面・ご自宅への訪問も可能、それ以外はオンラインです。
※お電話は、相談中の場合は折り返しになります。
LINEで源泉徴収票の写真を送って相談する 返信は2営業日以内(土日祝を除く)

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参考にした公的情報

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報の整理です。2026年分の源泉徴収票の送付日程は、日本年金機構の発表をご確認ください。確定申告が必要かどうか、どの控除が使えるかは、収入の内訳や家族の状況で変わります。個別の判断は、税務署または税理士にご確認ください。

本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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