相続登記を司法書士に頼むと、司法書士への報酬は全国平均で74,888円です(日本司法書士会連合会の報酬アンケート・2024年3月実施)。これとは別に、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)と戸籍などの実費がかかります。評価額1,000万円の家と土地なら、総額はおよそ12万円が目安です。誰が払うかに法律の決まりはなく、相続人どうしの話し合いで決めます。
報酬は事務所ごとに自由に決められるため、全国共通の料金表はなく、同じ内容でも金額は違います。事務所の料金表は「基本の報酬+条件による加算+実費」に分けて読むと比べられます。このページでは、公的な資料で確かめた数字だけを使って、報酬と実費の内訳、計算例、自分でやる場合との違い、誰がいつ払うか、見積もりで確かめる点を順に整理します(2026年10月時点)。報酬・登録免許税・実費を合わせた相続登記の費用の総額は、評価額別の目安表にもしました。不動産が愛知と岐阜に分かれている、遺言書があるなど、ご家族の条件で見積もりが平均より上がるか下がるかは判定表で確かめられます。
先に結論:報酬は平均7.5万円、総額は「報酬+0.4%+実費」で見ます
この記事の結論
- 報酬の相場:全国平均74,888円。回答の6割強が5万〜8万円台です(土地1筆・建物1棟、評価額1,000万円、相続人3名の例。日司連の報酬アンケート)。
- 報酬のほかに:登録免許税が評価額×0.4%(1,000万円なら4万円)。戸籍・住民票などの実費が数千円かかります。
- 誰が払うか:法律で決まった負担者はいません。家や土地を受け継ぐ人が払うことが多く、遺産から払うなら相続人どうしで決めておきます。
- 期限:相続登記は2024年4月1日から義務です。取得を知った日から3年以内に申請します(法務省)。
このページは金額を扱います。事務所の探し方は相続の司法書士の探し方、良い事務所の見分け方は相続手続きにおける司法書士の選び方、行政書士との違いは司法書士と行政書士どちらに依頼すべきか、距離で選ぶべきかは近くの司法書士に相続を頼むならで説明しています。
相続登記の司法書士費用の相場|日司連の報酬アンケート
相場を知るいちばん確かな資料は、日本司法書士会連合会(日司連)の「報酬に関するアンケート」です。全国の司法書士5,558名を対象に2024年3月に行われ、金額はすべて消費税込みです。相続登記の設問は、次の条件で報酬をたずねています。
- 土地1筆と建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)
- 法定相続人3名のうち1名が単独で相続
- 戸籍謄本など5通の取り寄せ、遺産分割協議書と相続関係説明図の作成、登記申請の代理まで
出典:日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート(2024年(令和6年)3月実施)」。2026年10月時点で公開されている最新の結果です。
5万〜8万円台に、回答の約65%が集まっています。10万円以上と答えた司法書士も約15%います。同じ条件でも事務所によって差が出るのは、次の理由からです。
報酬は自由化されていて、決まった料金表はありません
司法書士の報酬は、司法書士と依頼する人との契約で決まります。全国共通の基準はありません(日司連)。そのかわり司法書士には、引き受ける前に報酬と費用の金額か計算方法をはっきり示し、十分に説明することが求められています。見積もりの内訳を聞くのは、遠慮のいらない当然の確認です。
事務所の料金表の見方:「〇万円〜」は最も簡単な条件の金額
相続の料金表をホームページに載せている司法書士事務所は多くあります。ただ、書き方は事務所ごとにばらばらです。料金表は「基本の報酬+条件による加算+実費」の3つに分けて読むと、比べやすくなります。
| 料金表でよく見る書き方 | 何のお金か | 確かめること |
|---|---|---|
| 相続登記 〇万円〜 | 不動産や相続人が少ない、最も簡単な条件の報酬 | 自分の家の条件(土地の筆数・建物の数・相続人の人数)で総額を出してもらう |
| 不動産1件追加ごとに〇円 | 土地は1筆ごと、建物は1棟ごとに登記簿があるため、その数で加算 | 固定資産税の課税明細で、土地が何筆あるかを先に数えておく |
| 管轄(法務局)が増えるごとに〇円 | 不動産が別の法務局の担当地域にもあると、申請が分かれる | 実家と別の市町村に土地がないか |
| 戸籍の取り寄せ 1通〇円 | 役所に払う手数料とは別の、取り寄せの手間賃 | 役所の手数料(戸籍450円・除籍750円)が別に請求されるか |
| 遺産分割協議書・相続関係説明図の作成 | 基本の報酬に含む事務所と、別料金の事務所がある | 含まれているか |
| 実費別途・立替金 | 登録免許税(評価額×0.4%)や戸籍代など | どの事務所に頼んでも同じ金額。ここで差は出ない |
| 税別表示 | 消費税10%が上乗せされる | 比べるときは税込にそろえる(日司連のアンケートは税込) |
2つの事務所の料金表を見比べるときは、「〇万円〜」の数字どうしを比べても意味がありません。同じ条件を伝えて見積もりを出してもらい、税込の報酬と実費を分けて並べます。実費は同じなので、比べるのは報酬の部分だけです。
手続き別の報酬の目安(相続まわり)
報酬のほかにかかる実費(誰が申請しても同じ金額)
実費は、国や役所に払うお金です。司法書士に頼んでも自分でやっても、金額は変わりません。見積書では「立替金」「実費」と書かれることが多い部分です。
2024年3月からは、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口でまとめて戸籍を請求できるようになりました(広域交付)。請求できるのは本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫で、窓口に行く必要があります。郵送や代理人による請求はできません(法務省)。
登録免許税の計算と、かからない場合
登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」です。評価額は、毎年春に届く固定資産税の納税通知書の課税明細で確かめられます。売ったときの値段(時価)ではありません。
- 評価額500万円 → 2万円
- 評価額1,000万円 → 4万円
- 評価額2,000万円 → 8万円
- 評価額3,000万円 → 12万円
土地については、税がかからない場合が2つあります。どちらも2027年3月31日までの登記が対象です(国税庁 No.7191)。
- 評価額100万円以下の土地:相続による名義変更の登録免許税がかかりません。山林や農地、小さな私道などで当てはまることがあります。
- 名義を変える前に相続人が亡くなった土地:亡くなった相続人の名義にする登記には、登録免許税がかかりません。
計算例:評価額1,000万円の家と土地を1人が相続する場合
日司連アンケートと同じ条件(土地1筆・建物1棟、評価額の合計1,000万円、相続人3名のうち1名が相続)で、総額を試算します。戸籍の通数は家族によって変わるため、一例です。
差額は報酬の分、この例でおよそ7.5万円です。登録免許税は評価額に比例するので、評価額が大きいほど総額に占める割合が大きくなります。
金額が上がりやすいケース
日司連も「相続人や不動産の数などにより大きく左右される」としています。次に当てはまると、平均より高くなりやすいと考えてください。
- 不動産の数が多い:土地が何筆もある、別の市町村にも土地がある。
- 相続人が多い:兄弟姉妹やおい・めいが相続人になる、連絡が取りにくい人がいる。
- 戸籍の通数が多い:亡くなった方が本籍を何度も移している。
- 前の相続が終わっていない:祖父母の名義のまま、などで登記が何代分も必要になる。
- 登記簿に古い記録が残っている:昔の抵当権の抹消や、住所の変更登記が別に必要になる。
相続登記の費用相場(総額)|評価額別の目安
相続登記の費用は、「司法書士の報酬+登録免許税+戸籍などの実費」の合計で見ます。このうち評価額で大きく動くのは登録免許税(評価額×0.4%)です。上の計算例と同じ前提で、評価額別に総額の目安を表にしました。
評価額に端数があるときの登録免許税の計算手順と、もっと細かい評価額別の早見表は相続の実費一覧(登録免許税の計算と早見表)にあります。不動産が何件もある、前の相続の登記が残っているといった場合は、表より高くなりやすいと考えてください。
見積もりは相場より高い?安い?家族の条件で見る判定表
先に結論です。平均の74,888円は「土地1筆と建物1棟、相続人3名、遺産分割協議書を作る、法務局は1か所」という条件の金額です。ご家族の条件がこれとどこが違うかを見ると、見積もりが平均より上か下かの見当がつきます。
下の表は、手続きの決まりとして公的に確かめられる違いだけを並べたものです。報酬がいくら変わるかは事務所ごとに違うため、右の欄の聞き方で見積もりに書いてもらってください。
| ご家族の条件 | 平均の条件と何が違うか | 費用への響き方 | 見積もりで聞くこと |
|---|---|---|---|
| 不動産が別々の法務局の管轄にある(例:名古屋市の自宅と岐阜県内の土地) | 申請書は法務局ごとに分けて作ります。管轄の違う不動産は1通にまとめられません(不動産登記令4条) | 申請が2件になり、郵送料や書類の写しも2件分になります | 「申請が2件になる分の加算はいくらか」 |
| 同じ法務局の管轄に土地が何筆もある | 登記の目的・原因・日付が同じなら、1通の申請書にまとめられます(同条ただし書) | 申請は1件で済みます。登録免許税は評価額の合計×0.4%です | 「筆数で報酬が増えるか」 |
| 公正証書遺言、または法務局に預けた自筆証書遺言がある | 遺産分割協議書を作らずに申請します。家庭裁判所の検認も要りません(裁判所) | 協議書の作成と、相続人全員の印鑑証明書集めがなくなります | 「協議書の作成料が外れるか」 |
| 自筆証書遺言を自宅で保管していた | 登記の前に家庭裁判所の検認が要ります(裁判所) | 収入印紙800円(遺言書1通)と連絡用の切手、検認済証明書の150円が加わります | 「検認の申立書の作成は含むか、別料金か」 |
| 祖父母の名義のまま、前の相続の登記も残っている | 登記が何代分も必要になります | 名義を変える前に亡くなった相続人の名義にする土地の登記は、2027年3月31日まで登録免許税がかかりません(国税庁 No.7191) | 「免税を当てはめた税額で計算しているか」 |
| 話し合いがまとまらず、期限が近い | 先に相続人申告登記をして、期限の義務を果たす方法があります(法務省) | 相続人申告登記に登録免許税はかかりません(法務省) | 「相続人申告登記だけ頼むといくらか」 |
愛知と岐阜のどちらの法務局が受け持つかは、愛知県・岐阜県の法務局一覧(市町村別の管轄早見表)で確かめられます。親が自筆の遺言書を法務局に預けていたかどうかで検認の要否が変わる点は、自筆証書遺言の保管制度で説明しています。
遺言書があって協議書が要らない、不動産が同じ法務局の管轄にまとまっている。こうした場合は、平均より下がる余地があります。反対に、法務局が2か所に分かれる、検認や前の相続の登記が加わる場合は、手続きが増える分だけ上がりやすくなります。見積もりを2か所以上で比べるときは、この条件を同じように伝えてから総額を比べてください。
自分でやる場合と司法書士に頼む場合の比較
相続登記は、自分で申請することもできます。違いは「報酬がかからない分、時間と手間を自分で負う」点です。
自分でやる場合は、法務局の「登記手続案内」が使えます。完全予約制で1回20分以内、電話・窓口・ウェブ会議から選べます。ただし申請書を代わりに作ってはもらえません。作成するのは自分です(法務局)。
ご家族の構成や財産で答えが変わるところは、30分の無料相談で、書類を見ながら一緒に整理できます。愛知県内はご自宅への訪問もできます。その場で何かをお決めいただく必要はありません。
相続の司法書士費用は誰が払う?決め方といつ払うか
誰が払うか:決まりはなく、相続人どうしで決めます
先に結論です。相続の司法書士費用を誰が払うかを定めた法律はありません。相続人どうしで話し合って決めます。司法書士との契約では、依頼した人が支払う形になるのが一般的です。よくある分け方は次の3つです。
| 分け方 | 合いやすい場面 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 家や土地を受け継ぐ人が払う | 1人が不動産を相続し、ほかの人は預金などを受け取る | 報酬と登録免許税の両方をその人が負うのか |
| 遺産(預貯金)から払う | 預金があり、手続き費用を全員で負担したい | どの口座から、いつ払うか。協議書に書いておく |
| 相続人で分ける | 法定相続分どおりに共有の名義にする | 持分の割合で分けるのか、頭数で分けるのか |
どの分け方でも、話し合いの前に見積もりの総額を全員に見せておくと、あとで「聞いていない」となりにくくなります。
- 家や土地を受け継ぐ人が払う:名義が自分になる人が、報酬と登録免許税をまとめて負担します。
- 遺産(預貯金)から払う:相続人全員で合意して、遺産分割協議書に「手続き費用は預金から払う」と書いておくと、あとでもめにくくなります。
- 相続人で分ける:法定相続分どおりに名義を入れる場合などに、持分の割合で分けます。
だれか1人が立て替えるときは、領収書を残し、ほかの相続人に金額を見せられるようにしておきます。
立て替えた費用の精算は、遺産分割協議書に書いておく
長男が司法書士費用を立て替え、あとで遺産の預金から返してもらう。よくある形ですが、口約束だと金額や返す時期でもめやすくなります。遺産分割協議書に、精算の方法を1行入れておくと安心です。書き方の一例です。
- 「本件の相続登記の登録免許税、司法書士報酬その他の手続き費用は、相続人○○が立て替え、被相続人名義の△△銀行の預金から精算する。」
- 「上記の預金は、手続き費用を差し引いた残りを、相続人○○と相続人□□が2分の1ずつ取得する。」
文言は家族の分け方に合わせて変えてください。協議書の作成を司法書士に頼むなら、精算の条項も入れてほしいと見積もりの段階で伝えておきます。預金は名義人が亡くなると引き出せなくなることがあります。遺産分割の前でも預金の一部を払い戻せる制度は、親が亡くなったら銀行口座はすぐ止まる?で説明しています。
いつ払うか:登録免許税は申請のとき、報酬は事務所ごとの取り決め
登録免許税は、登記を申請するときに収入印紙などで納めます。司法書士に頼む場合、登録免許税は前もって預けるか、司法書士が立て替えてあとで精算するかのどちらかです。報酬を「依頼時に一部」「完了後にまとめて」のどちらで払うかは事務所ごとに違います。見積もりの段階で、支払いの時期と方法を聞いておいてください。
税金との関係(一般論)
相続した土地や建物をのちに売るとき、相続の際に納めた登録免許税と登記費用は、譲渡所得の計算で「取得費」に含められます。事業や賃貸に使う不動産は扱いが異なります(国税庁 No.3252)。ご自身のケースに当てはまるかは、税務署か税理士にご確認ください。
相続税の計算で遺産から差し引ける債務は、国税庁の案内では「亡くなった時に現にあった、亡くなった方の借入金や未払金など」です。あわせて葬式費用も差し引けます(国税庁 No.4126)。相続登記の費用は、亡くなった後に相続人が手続きをするときにかかるお金で、この債務の説明には当たりません。誰が払っても、相続税の計算で差し引けるものとは考えないでおくのが無難です。迷うときは税理士か税務署に確かめてください。
見積もりで確かめる項目チェックリスト
見積もりは金額だけを並べても比べられません。次の項目を同じ条件にそろえてから、総額を比べてください。
- □ 報酬と実費(登録免許税・戸籍代など)が分けて書かれているか
- □ 登録免許税の計算に使った評価額が書かれているか
- □ 不動産が増えたとき、1件あたりいくら加算されるか
- □ 相続人の人数で報酬が変わるか
- □ 戸籍集めは何通まで含むか、超えたら1通いくらか
- □ 遺産分割協議書・相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成が含まれているか
- □ 住所変更や古い抵当権の抹消など、別の登記が要るか
- □ 日当・交通費・郵送料が別にかかるか
- □ 消費税込みの金額か
- □ 支払いの時期(前払い・完了後)と方法
- □ 完了までのおおよその期間と、登記完了後に受け取る書類(登記識別情報通知など)
今日できる一歩
- 固定資産税の納税通知書(課税明細)を出し、不動産の数と評価額を書き出す。評価額×0.4%で登録免許税の見当をつける。
- 相続人の人数と続柄、遺言書や遺産分割協議書の有無をメモにする。
- 見積もりを頼むときは、上の2つのメモを伝え、「登録免許税を含む総額」を書面で出してもらう。
相続登記の義務化:2024年4月1日から、3年以内に申請
費用を比べている間も、期限は進みます。法務省の案内で確かめた内容は次のとおりです(2026年10月時点)。
- 期限:相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内。遺産分割で取得した場合は、分割の日から3年以内に登記します。
- 2024年4月より前の相続:登記していない不動産も対象です。2027年3月31日までに申請が必要です(取得を知った日が後の場合は、その日から3年以内)。
- 守らなかった場合:正当な理由がないと、10万円以下の過料の対象になります。
- 話し合いが間に合わないとき:「相続人申告登記」で、自分が相続人であることを法務局に申し出れば、その人の義務は果たしたことになります。ただし、売却などには相続登記が必要です。
司法書士費用を安く抑える方法
- 同じ条件で2〜3か所の見積もりをとる:上のチェックリストで範囲をそろえて比べます。安い見積もりは、含む作業が少ないだけのこともあります。
- 戸籍を自分で集める:広域交付を使えば窓口でまとめて取れます。見積もりから戸籍集めの分を外せるか、聞いてみてください。
- 免税の土地を確かめる:評価額100万円以下の土地は、2027年3月31日まで登録免許税がかかりません。
よくある質問
相続登記の費用は、全部でいくらが相場ですか
司法書士に頼む場合、評価額1,000万円の家と土地なら、報酬(全国平均74,888円)と登録免許税4万円、戸籍などの実費を合わせて約12万円が目安です。評価額が2,000万円なら約16万円、3,000万円なら約20万円と、登録免許税の分だけ上がります。自分で申請すれば報酬はかからず、登録免許税と実費だけです。評価額別の表は上の「相続登記の費用相場(総額)」をご覧ください。
見積もりが10万円を超えました。高すぎますか
報酬だけで10万円以上と答えた司法書士は、日司連アンケートで約15%います。不動産や相続人が多い、前の相続が残っているなどの事情があれば、珍しい金額ではありません。まず報酬と実費が分かれているかを確かめ、登録免許税を含んだ総額なのかを見てください。
不動産が名古屋と岐阜にあると、司法書士の費用の相場より高くなりますか
高くなりやすいと考えてください。管轄の違う法務局の不動産は1通の申請書にまとめられず、法務局ごとに申請します(不動産登記令4条)。登録免許税は申請ごとに評価額×0.4%で計算するので、ほとんど変わりません。ただ、申請が2件になる分の報酬や郵送料が加わることがあります。いくら加算されるかは、見積もりで確かめてください。
土地だけを相続する場合も同じくらいかかりますか
報酬の決め方は事務所ごとですが、登録免許税は土地の評価額×0.4%で決まります。評価額100万円以下の土地なら、2027年3月31日までは登録免許税がかかりません。土地が何筆もある場合は、筆数で報酬が変わるかを見積もりで確かめてください。
相続の司法書士費用は誰が払うのですか
法律の決まりはなく、相続人どうしで決めます。家や土地を受け継ぐ人が払う、遺産の預金から払う、相続人で分ける、のどれかが多い形です。1人が立て替える場合は、精算の方法を遺産分割協議書に書いておくと、あとでもめにくくなります。
司法書士の相続の料金表は、どこを比べればいいですか
全国共通の料金表はなく、金額は事務所ごとに決めています。料金表の「〇万円〜」は最も簡単な条件の金額なので、そのまま比べられません。土地の筆数や相続人の人数を伝えて見積もりを取り、税込の報酬だけを比べてください。登録免許税などの実費は、どこに頼んでも同じです。
相続放棄を司法書士に頼むといくらですか
日司連アンケートでは、相続放棄の申述書の作成(戸籍集めを含む・1人分)が平均40,892円です。このほか家庭裁判所に収入印紙800円(1人につき)と、連絡用の郵便切手を納めます。切手の額は裁判所ごとに違います(裁判所)。申述は、相続があったことを知った時から3か月以内です。
司法書士費用は相続税の計算で差し引けますか
相続税で差し引けるのは、亡くなった方の借入金や葬式費用などです。相続登記の費用がこれに当たるかは、税理士か税務署に確かめてください。のちに不動産を売る場合の取得費との関係は、上の「税金との関係」をご覧ください。
30秒セルフチェック:そもそも専門家に頼むべき?どの専門家?
次のうち、当てはまるものはいくつありますか。数えてから、下の「結果の読み方」をご覧ください。
結果の読み方(当てはまった数)
争いや不動産・相続税がなければ、専門家に依頼しなくても手続きを完了できるケースが多くあります。無理にご相談いただく必要はありません。まずは記事内の手順やチェックリストで進めてみてください。そのうえで、判断に迷う点が1つでもあるようでしたら、30分の無料相談でご一緒に確認できます。
ご自身で進められる部分と、専門家に任せた方がよい部分が混在しています。下の「どの専門家に頼む?」で当てはまる領域を確認し、判断に迷う点だけ30分の無料相談で確認することもできます。
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どの専門家に頼む?(当てはまった項目から)
相続人の対立が心配な方は、もめる相続リスク診断でリスクの度合いを確認できます。
※目安を示すものです。30分の無料相談はこの段階で費用が発生しません。受け取った見積書があれば、その場で内訳を一緒に確認します。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。ご自身で完了できる方は、無理にご相談いただく必要はありません。
近くの事務所に頼むべきか迷う方は、近くの司法書士に相続を頼むなら|距離より先に比べる4つのポイントもあわせてご覧ください。
参考にした公的情報
- 日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」(報酬アンケート結果・2024年(令和6年)3月実施、「司法書士の報酬について」)
https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/ - 国税庁 タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm - 国税庁 タックスアンサーNo.3252「取得費となるもの」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm - 国税庁 タックスアンサーNo.4126「相続財産から控除できる債務」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4126.htm - 法務省「相続登記の申請義務化について(Q&A)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html - 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(広域交付)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html - 法務省「登記手数料について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/ - 法務局「登記手続案内」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page_000001_00050.html - 名古屋市「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・住民票の写しなどの証明」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007816/1007817.html - 裁判所「相続の放棄の申述」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html - 裁判所「遺言書の検認」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_17/index.html - 法務省「相続人申告登記について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html - e-Gov法令検索「不動産登記令」(4条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379
※本記事は2026年10月時点の公的機関・日本司法書士会連合会の公開情報をもとにした一般的な整理です。報酬は事務所ごとに異なります。実際の金額は、依頼先の書面の見積もりでご確認ください。
あわせて読みたい
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。
