四十九日の法要を終えたばかりの週末、名古屋市内の実家を片付けていると、みずほ銀行のキャッシュカードと通帳が一緒に出てきました。名義は昨年亡くなった父のまま。近くの支店に電話をかけてみると、「相続のお手続きですね、書類をご案内します」と言われ、後日届いた分厚い案内書類の束を前に、何から手をつければいいのか手が止まってしまいました。
✅ この記事の結論(30秒まとめ)
- 相続手続きは予約なしで始められる。最初の連絡はWEB受付フォーム(平日5時〜19時)か電話0120-324-876(平日9時〜17時)。店舗へ行くときだけ「来店予約サービス」で「相続手続」を予約する
- 連絡を受けた時点で、亡くなった方の口座の入出金は止まる。書類は郵送で出すのが基本で、提出から約2週間程度で完了する
- 必要書類は遺言書・遺産分割協議書の有無など相続の形態によって異なり、死亡時までの連続した戸籍謄本(みずほ銀行の案内では16歳の誕生日以降分)が基本となる
- みずほ銀行の本店は東京都千代田区大手町にあり、名古屋支店・名古屋駅前支店など愛知県内の店舗はあくまで支店という位置づけ
- 手続きが複雑・煩雑なケースでは、グループ会社のみずほ信託銀行が提供する有料の「遺産整理業務」を利用する選択肢もある
- 口座があるかの照会、相続用の残高証明書、貸金庫の解約は店舗での手続き。ローンや貸金庫など預金以外の取引があると、来店が必要になることがある
また、預金の名義変更手続きの窓口で一時払い終身保険を案内されることもあります。その場で契約を決めず、契約前に確認しておきたい判断基準を銀行で勧められた一時払い終身保険は入るべき?後悔しないための7つの判断基準にまとめていますので、あわせてご確認ください。
手続きが面倒というより、本当に不安なのは「大手銀行の窓口で書類の不備を指摘され、何度も足を運ぶ羽目になるのではないか」「愛知県内の支店だけで手続きが完結するのか、本店とのやり取りが発生して時間がかかるのではないか」という点かもしれません。だから、この記事では、愛知県内の支店でみずほ銀行の相続手続きを進める具体的な流れ・必要書類・窓口の確認方法から、口座凍結の仕組みと凍結前にできる備えまで、分かる範囲で正直に整理しました。先に結論を言うと、最初の連絡に予約はいらず、WEB受付か電話で連絡すれば手続きの資料が郵送で届きます(2026年10月時点の公式案内)。
みずほ銀行の相続手続きの予約方法|連絡はWEB受付か電話、来店は予約サービスで
「予約」と聞くと、まず店舗の予約を考えがちです。ただ、みずほ銀行の相続手続きは、最初の連絡に予約はいりません。WEB受付フォームか電話で連絡すると、手続きの資料が指定の住所に郵送されます。店舗へ行く用事があるときだけ、「来店予約サービス」で予約します。
| やりたいこと | 方法 | 受付時間・ポイント(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| 亡くなったことを伝え、手続きの資料を取り寄せる | WEB受付フォーム | 平日5時〜19時。受付後、指定した住所に資料が届く |
| 同じ内容を電話で伝える | 電話 0120-324-876 | 平日9時〜17時。通帳やキャッシュカードを手元に置いてかける |
| 店舗で手続き・相談をする | 来店予約サービス(Web) | 来店日の前営業日15時まで。「各種手続き」から「相続手続」を選ぶ |
| 来店予約の照会・受付を電話でする | 来店予約専用ダイヤル 0120-324-337 | 平日9時〜17時 |
電話とWEB受付は、土日・祝日・振替休日と12月31日〜1月3日は使えません。週末に書類を見つけたときは、平日にまとめて連絡するか、平日の早朝・夜でも使えるWEB受付が便利です。
来店予約の取り方(3ステップ)
- みずほ銀行の「来店予約サービス」を開き、行きたい店舗を選びます。予約できる店舗は「来店予約が可能な店舗を探す」で確かめられます。
- メニューで「各種手続き」から「相続手続」を選びます。メニューは店舗ごとに違い、当てはまるものがないときは店舗へ電話で問い合わせます。
- 日時を選んで予約します。締め切りは来店日の前営業日15時です。当日の予約はできません。
予約なしでも来店はできます。ただ、予約した人が先に案内されるため、待ち時間が長くなることがあります。相続の手続きは時間がかかると公式FAQでも案内されているので、来店するなら予約しておくほうが確実です。予約の確認・変更・キャンセルは、来店予約サービスの専用ページからできます。
来店が必要になるのはこんなとき
| 場面 | みずほ銀行の案内 |
|---|---|
| 亡くなった方の口座があるか、残高はいくらかを知りたい | 電話では受け付けず、近くのみずほ銀行へ書類を持って来店。来店予約サービスの利用が案内されている |
| 相続用の残高証明書がほしい | 近くのみずほ銀行で申し込む。手続き後、約1〜2週間で郵送 |
| 貸金庫を借りていた | 契約している店舗へ来店。事前の予約をお願いしますと案内されている |
| ローン・融資など預金以外の取引がある | 来店での手続きが必要になる場合がある |
預金だけなら、郵送のやり取りで終わることもあります。どちらになるかは取引の内容で決まるため、最初の連絡のときに「預金以外の取引もあるか分からない」と伝えておくと、案内を受けやすくなります。
愛知県内の店舗で手続きするときの注意
公式FAQでは、相続手続きは原則どの店舗でもできるとされています。口座のある支店が東京や大阪でも、名古屋など近くの店舗へ相談に行けます。ただし、貸金庫の解約だけは契約している店舗への来店が必要です。また、予約メニューは店舗ごとに違うため、行く前に予約画面で「相続手続」が選べるかを確かめてください。
みずほ銀行の相続手続きの流れ(書類は郵送が基本)
みずほ銀行の相続手続きは、他の多くの銀行と同様に、死亡の連絡から始まり、必要書類の案内・提出・内容確認を経て、払戻または名義変更に至るという流れで進みます。公式FAQによれば、原則としてどの店舗でも相続手続きに対応できますが、取引内容によっては郵送のみで完結するケースと、取引店(口座のある支店)への来店が必要なケースがあり、詳細は個別に案内されます。
相続発生の連絡
WEB受付フォームか電話(0120-324-876)で、亡くなったことを伝えます。連絡を受けた時点で、亡くなった方の口座の入出金は止まります。
必要書類のご案内
相続手続きの案内と、みずほ銀行所定の「相続関係届書」が郵送で届きます。必要な書類は、遺言書や遺産分割協議書があるかどうかで変わります。
必要書類の準備・提出
書類は原本を、返信用封筒で郵送します。原本を返してほしいときは提出のときに申し出ると、コピーを取ったうえで返却されます。ローン・融資や貸金庫など預金以外の取引があると、来店が必要になることがあります。
内容確認
提出された書類に不備がないか、銀行側が確認します。不足があると追加のやり取りが発生し、その分手続きが延びます。
払戻・名義変更(完了)
払戻しや名義変更が行われます。公式案内では、書類の提出後、約2週間程度で完了します。
今日の一歩:WEB受付か電話で連絡し、仮払いが必要かも伝える
連絡先は、WEB受付フォーム(平日5時〜19時)か、電話0120-324-876(平日9時〜17時)です。電話のときは、通帳やキャッシュカードを手元に置いてかけます。来店が必要かどうかも、このとき確かめます。
電話で伝える3点は、①名義人(故人)の氏名・生年月日、②死亡日、③電話をかけているご自身の続柄です。この連絡を受けた時点で、口座の入出金は止まります。
葬儀費用などですぐに現金が必要な場合は、法律上の仮払い制度(民法909条の2)を使えば、遺産分割協議書がなくても、他の相続人の同意がなくても一部を先に引き出せます。引き出せる上限は「口座残高×3分の1×あなたの法定相続分」と、同一金融機関では150万円のいずれか低い方です。電話の時点で「仮払いの手続きをしたい」と伝えておくと、来店時や郵送での書類不足を防げます。
電話で聞くことは、①必要書類一覧(戸籍謄本一式か法定相続情報一覧図か)、②来店が必要か郵送のみで完結するか、③仮払いを使う場合に別途必要な書類です。分からない点はその場で聞き直して構いません。
使う前に2点だけ注意してください。仮払いで受け取った分は、後の遺産分割協議で相続分から差し引かれます(もらい得にはなりません)。また相続放棄を考えている場合、仮払いの利用が単純承認とみなされ、放棄できなくなることがあります。期限の目安:相続放棄は3か月、相続税の申告・納税は10か月、相続登記は3年以内です。いちばん短い3か月がまず来ます。
相続手続きに必要な書類
みずほ銀行の相続手続きでは、一般的に以下のような書類が必要とされています。実際に必要な書類は、遺言書の有無・遺産分割協議書の有無・調停や審判に至ったかどうかなど、相続の形態によって異なるため、最終的には口座のある取引店に必ずご確認ください。
なお、相続人の中に海外居住者がいる場合は、印鑑証明書に代えて現地の日本大使館・領事館が発行する在留証明書や署名(サイン)証明書が利用できるケースがあります。未成年者や認知症等で判断能力が十分でない相続人がいる場合は、家庭裁判所での特別代理人や成年後見人の選任が必要になることもあるため、早めに口座のある支店へ相談することをおすすめします。戸籍謄本に不足があると、追加の取り寄せだけで1~2週間、遠方の役所とのやり取りが加わるとさらに日数がかかることもあり、書類の実費(戸籍謄本1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円程度が目安)もそのつど発生します。
遺言書・遺産分割協議書・法定相続情報一覧図で変わる書類(公式の区分)
みずほ銀行の公式ページでは、必要書類を「遺言書も遺産分割協議書もない」「遺産分割協議書がある」「遺言書がある」の3つに分けて案内しています。自分がどれに当たるかを先に決めると、集める書類がはっきりします。
| 区分 | 公式ページに載っている主な書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 遺言書も遺産分割協議書もない | 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し | 戸籍は、亡くなった方の16歳の誕生日以降から亡くなった時までの連続したもので、相続人全員を確認できるもの |
| 遺産分割協議書がある | 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し、遺産分割協議書 | 協議書には相続人全員の署名と捺印が必要(公式の基礎知識ページ) |
| 遺言書がある | 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し、遺言書、検認調書または検認済証明書、遺言執行者審判書(家庭裁判所で選任された場合)、受遺者・遺言執行者の印鑑証明書、実印・取引印、亡くなった方の通帳・証書等、所定の「相続関係届書」 | 公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認が不要。公正証書遺言は紙で交付された正本または謄本 |
| 法定相続情報一覧図の写しを使う | 戸籍謄本の代わりに出せる | 一覧図の写しを出せば、戸籍謄本の提出は原則不要 |
印鑑証明書は、発行日から6か月以内のもの(融資取引がある場合は3か月以内)が求められます。戸籍の束を何度も出すのが大変なときは、法務局で法定相続情報一覧図を作っておくと、ほかの銀行の手続きにも使えます。細かな書類の組み合わせは、郵送で届く案内で自分の区分の欄を確かめてください。
戸籍謄本の収集を含め、相続全体で何を・いつまでに進めればよいかは、相続でやることチェックリストで期限順に整理しています。あわせてご確認ください。
残高証明書の取り方と手数料|引き落としはどうなるか
相続手続きに入る前に、まず「どの口座にいくら残っているか」を確認したい方は多いはずです。みずほ銀行の公式FAQによると、相続預金の残高証明書は、相続人・遺言執行者・相続財産管理人などの相続権利者のうち1名の依頼で発行され、手続き後およそ1〜2週間で郵送されます。「来店予約サービス」を使うと、案内がスムーズになります。
| 項目 | 内容(みずほ銀行の公式FAQ) |
|---|---|
| 残高証明書の手数料 | 業務分野単位ごと1通あたり880円(税込)。既経過利息証明が必要な場合は、別に1通あたり2,200円(税込) |
| 発行までの目安 | 手続き後、約1〜2週間で郵送 |
| 来店者が用意するもの | 被相続人が亡くなったことを確認できる戸籍謄本等、来店者が相続権利者であることを示す戸籍謄本等、実印と印鑑証明書(発行日から6か月以内)、銀行所定の「(相続用)残高証明・既経過利息証明依頼書」 |
| 法定相続情報一覧図を使う場合 | 法務局発行の「法定相続情報一覧図の写し」を出せば、上記の戸籍謄本は原則不要 |
| 海外在住の相続人 | 印鑑証明書の代わりに、大使館・領事館や海外の公証人役場などが発行する「サイン証明書」が必要 |
もう1つ、見落とされやすいのが引き落としです。公式FAQでは、口座名義人が亡くなったことを銀行に伝えた時点で口座は利用できなくなり、公共料金や家賃などの引き落としは継続できないとされています。公共料金は、変更後の口座名義人が契約会社に引落口座の変更を依頼します。家賃などの引き落としは引落主(管理会社など)に、家賃などの振込は振込先の変更を相手に依頼します。連絡を入れる前に、どの料金がこの口座から引き落とされているかを通帳で確認しておくと、慌てずに済みます。
出典:みずほ銀行「相続手続きの基礎知識」、同行「よくあるご質問(相続)」(2026年10月時点で確認)。手数料や必要書類は変更されることがあるため、手続きの前に口座のある店舗へご確認ください。
手続きにかかる日数の目安と、貸金庫・投資信託がある場合
みずほ銀行の公式ページに載っている日数の目安は、次のとおりです。いずれも「書類を出してから」の日数で、戸籍集めや遺産分割の話し合いにかかる時間は入っていません。
| 手続き | 日数の目安(公式) |
|---|---|
| 預金の払戻し・名義変更 | 書類の提出後、約2週間程度で完了 |
| 相続用の残高証明書 | 手続き後、約1〜2週間で郵送 |
| 来店予約 | 来店日の前営業日15時までに予約(当日予約は不可) |
書類に不足があると、やり取りがもう一往復増えます。残高証明書をとってから遺産の分け方を決め、そのあと払戻しの書類を出す、という順番になることが多いため、全体では銀行の日数より長めに見ておくと落ち着いて進められます。残高証明書の取り方は、銀行の残高証明書の取り方でも銀行ごとに比べています。
貸金庫を借りていた場合
貸金庫は、預金とは別に手続きします。公式FAQの案内をまとめると、次のとおりです。
- 先に相続手続きの連絡(WEB受付か電話)と書類の確認を済ませてから、解約の手続きに進みます。
- 解約は、貸金庫を契約している店舗への来店が必要です。時間がかかるため事前の予約が求められ、予約がないと後日の案内になることがあります。
- 持ち物は、相続人の実印、貸金庫の鍵、貸金庫カード(貸金庫室に入るタイプの場合)、所定の「相続関係届書」です。
- 開けるのも解約するのも、原則として相続人全員の同意が必要です。同意は「相続関係届書」への署名・押印で示します。
- 中身をすべて引き取ってから鍵を返します。年払いの手数料は、解約月の翌月から期間満了月までの分が月割で返されます。
貸金庫に遺言書が入っている可能性もあります。相続人全員の同意がそろわないと開けられないため、誰が立ち会うかを早めに相談しておくと手間が減ります。引き続き使いたい場合は、契約している店舗に相談します。
投資信託・外貨預金など、預金以外の取引がある場合
みずほ銀行の相続の案内ページでは、投資信託などの細かな手順は見当たりませんでした(2026年10月時点)。案内にあるのは、「ローン・融資や貸金庫等の預金以外のお取引がある場合等、来店でのお手続きが必要となる場合がございます」という一文です。最初の連絡のときに、預金以外の取引がありそうだと伝え、届いた案内に沿って進めてください。証券会社に口座がある場合は、銀行とは別の会社なので、その証券会社にも別に連絡します。
みずほ銀行の相続に関する窓口・お問い合わせ先(愛知県内)
株式会社みずほ銀行は、みずほフィナンシャルグループ傘下のメガバンクで、本店は東京都千代田区大手町にあります。愛知県内にも名古屋支店・名古屋駅前支店・名古屋法人支店をはじめとする店舗網がありますが、いずれも本店機能を持たない支店という位置づけです。愛知県内の正確な店舗数は情報源によって数値にばらつきがあるため断定を避けます。最新の店舗一覧は公式サイトの「店舗・ATM検索」でご確認ください。
- 正式名称:株式会社みずほ銀行
- 本店所在地:東京都千代田区大手町一丁目5番5号(大手町タワー・〒100-8176)
- 公式サイト:https://www.mizuhobank.co.jp/
- 相続手続きに関する基礎知識(案内ページ):https://www.mizuhobank.co.jp/tetsuduki/souzoku/knowledge.html
- 相続に関するFAQ(よくあるご質問):https://www.faq.mizuhobank.co.jp/category/show/112
- 相続の連絡(電話):0120-324-876(平日9時〜17時)
- 相続の連絡(WEB受付フォーム):平日5時〜19時。案内ページ「大切な方が亡くなられたら」から入る
- 来店予約専用ダイヤル:0120-324-337(平日9時〜17時)
2026年10月時点の公式サイトでは、相続の最初の連絡を上の電話番号とWEB受付フォームで受け付けています(土日・祝日・振替休日と12月31日〜1月3日は休み)。FAQによれば、相続手続きは原則としてどの店舗でも対応可能で、取引内容によっては郵送のみで完結する場合と、来店が必要な場合があるとされています。まずはWEB受付か電話で連絡し、届いた案内に沿って進めるのが確実です。
なお、みずほ銀行以外も含めた愛知県内の相続相談先については、愛知県の相続相談先マップ|市区町村別ガイド【尾張・知多・西三河・東三河】で詳しく解説しています。
手続きを先延ばしにするとどうなるか
金融機関は、名義人の死亡を知った時点(遺族からの連絡が一般的なきっかけです)で、その口座を凍結する取り扱いが一般的です。みずほ銀行についても、死亡の連絡が入った時点で口座が凍結されるとみられます。凍結後は、正式な相続手続きが完了するまで、原則として入出金・引き落としのいずれもできなくなります。
「まだ大丈夫」と手続きを先延ばしにすると、負担は静かに積み上がっていきます。たとえば相続税の申告・納付期限は相続開始を知った日の翌日から10か月、相続放棄の申述期限は原則3か月です。2024年からは相続登記も義務化され、正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。みずほ銀行の預金だけの問題ではなく、不動産や他の金融資産も含めた全体のスケジュールに影響してくる点に注意してください。
⚠️ 注意:連絡前に引き出した場合のリスク
口座凍結前に故人の口座から現金を引き出すこと自体は、法律上直ちに禁止されているわけではありませんが、他の相続人から使途を疑われ、遺産分割協議が難航する原因になりやすい点に注意が必要です。引き出した金銭は、後日の相続税申告や遺産分割の際に「使途不明金」として説明を求められることがあります。葬儀費用などやむを得ず引き出す場合は、領収書を必ず保管し、他の相続人にも事前に共有しておきましょう。
相続手続きを何もしないまま放置した場合に具体的に何が起こるのかは、相続手続きをしなかったらどうなる?対処法と起こりうるリスクについて徹底解説で詳しく解説しています。
みずほ信託銀行の遺産整理業務という選択肢(複雑なケース向け)
みずほ銀行はメガバンクの一角として、グループ内に信託銀行(みずほ信託銀行)を持つ点が、地域の信用金庫やJAとは異なる特徴です。相続手続きが大変・時間的余裕がない・相続人が多い、または遠方に住んでいるといった事情がある場合、グループ会社のみずほ信託銀行が提供する有料の「相続手続きのお手伝い(遺産整理業務)」を利用する選択肢があります。財産の調査から遺産分割協議のサポート、名義変更・解約までを一括して依頼できるサービスです。
手数料は相続財産の内容・評価額や依頼する業務範囲によって個別に見積もられる仕組みで、具体的な料率や金額は本記事では断定しません。別途、戸籍謄本の取得費用や登記費用などは実費負担になります。高く感じるかもしれませんが、「平日に何度も窓口へ行く時間が取れない」「相続人同士が離れて住んでいて調整だけで疲弊する」場合には、時間と労力を買う選択肢として検討の価値があります。まずは自分で進められるところまで進め、負担が大きいと感じた時点で相談する、という順番でも遅くはありません。
家族の財産状況を日頃からどう把握し、管理していくかという視点では、親のお金の管理はどうする?認知症になる前に家族で決めておくべき5つのこともあわせて参考にしてください。
口座凍結前にできる生前対策
相続が発生してからでは、口座凍結を止めることはできません。しかし家族が元気なうちに対策をとっておくことで、「必要なときにお金が引き出せず困る」という事態を大きく減らせます。
定期預金の普通預金化定期預金は満期前解約の手続きが煩雑になりがちで、相続発生後は名義人本人の同意も得られないため、相続人全員の書類がそろうまで実質的に動かせません。当面使う予定のない範囲で、生前のうちに普通預金へ組み替えておくと流動性を確保しやすくなります。
生活費超過分の普通預金化高齢の親などが日常的に使う金額を大きく超える資金を定期預金や他の金融商品に置いたままにしていると、判断能力低下や死亡時に家族が必要な資金をすぐ引き出せなくなりがちです。生活費の1~2年分を目安に、普通預金へ移しておくと安心です。
代理人カード(家族カード)の登録金融機関によっては、家族名義の代理人カードを発行できる場合があり、本人が窓口に行けなくなった際の備えとして有効です。ただし死亡後は使用できなくなる点に注意し、取り扱いの有無や条件はみずほ銀行の窓口へ事前に確認しておきましょう。
家族信託の活用財産管理を家族に託す契約を結んでおけば、認知症等で本人の判断能力が低下した後も、受託者となった家族が口座の管理や資金の引き出しを継続できます。金融機関により信託口口座の取り扱いが異なるため、利用を検討する際は事前に取引店へ相談しておきましょう。
生命保険の非課税枠の活用生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、受取人をあらかじめ指定しておけば、遺産分割協議の完了を待たずに比較的短期間で保険金を受け取れる場合があります。葬儀費用や当面の生活費の確保に役立つほか、特定の家族に確実に資金を残したい場合の対策にもなります。実際にどの対策が適しているかは財産状況や家族構成によって異なるため、税額に関わる判断は税理士など専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
生命保険と相続の関係については、生命保険と相続に関する完全ガイドで詳しく解説しています。
実務知見:養子縁組と相続人拡大
💡 【当社の相談から】
祖父の相続対策として、同居していた息子の配偶者(お嫁さん)と養子縁組を結んでいたことが、相続が始まってから他の親族との間でこじれる原因になった、というご相談をいただくことがあります。孫や子の配偶者と養子縁組を結ぶと法定相続人が1人増えるため、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や生命保険金・死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が広がり、結果として相続税の負担を軽くできる場合があります。ただし、実子がいる場合、相続税の計算上カウントできる養子の数は1人まで(実子がいない場合は2人まで)という制限があり、養子を何人迎えても無制限に非課税枠が増えるわけではありません。また、法定相続分そのものは養子も実子と同じ割合で認められるため、「自分の取り分が薄まった」と感じる他の相続人との間で関係がこじれやすい点にも注意が必要です。養子縁組を検討する場合は、税務上のメリットだけでなく、家族関係への影響も含めて専門家に相談しながら判断することをおすすめします。(当社に寄せられた相談をもとに再構成した典型例です)
この記事が「不要」な方
相続人がご自身おひとりだけで、かつ戸籍謄本などの書類収集に慣れている方は、本記事で紹介する手順どおりに進めるだけで、みずほ銀行の相続手続きをご自身で完結できる可能性が高く、専門家への依頼は必ずしも必要ではありません。まずはご自身で口座のある支店に必要書類を確認し、進めてみることをおすすめします。
セルフチェック:今のご自身の状況を確認する
✅ 以下のうち、当てはまるものにチェックしてみてください
- □ 相続人が3人以上いる
- □ 遺産の中に不動産(自宅や田畑など)が含まれている
- □ 相続人の中に、音信不通・連絡が取りづらい人・未成年者・海外在住者がいる
- □ 遺言書の有無や内容がはっきり分からない
- □ 定期預金など、すぐには動かせない金融資産がまとまった額である
該当0~1個:自力で進められます。専門家に依頼しなくても、ご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。
該当2~3個:判断が必要な論点があります。下記の無料相談で、ご自身の状況を整理することをおすすめします。
該当4個以上:専門家と整理した方が早い状況です。下記の無料相談で、ご自身の状況を整理したうえで、必要に応じて手続きのご相談も承ります。
上のチェックで該当が0~1個だった方は、専門家に依頼しなくてもご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。無理に相談される必要はありません。
よくある質問
みずほ銀行の相続手続きは予約が必要ですか?
最初の連絡に予約はいりません。WEB受付フォーム(平日5時〜19時)か電話0120-324-876(平日9時〜17時)で連絡すると、手続きの資料が郵送で届きます。口座の照会、残高証明書、貸金庫の解約などで店舗に行くときは、来店予約サービスで「各種手続き」→「相続手続」を予約します。締め切りは来店日の前営業日15時です。
みずほ銀行の本店はどこにありますか?愛知県内の支店との違いはありますか?
本店は東京都千代田区大手町一丁目5番5号(大手町タワー)にあります。愛知県内には名古屋支店・名古屋駅前支店などの店舗がありますが、いずれも本店機能を持たない支店という位置づけで、相続の連絡はWEB受付か電話で行い、店舗は来店が必要なときに使います。相続手続きは原則どの店舗でもできます(貸金庫の解約は契約している店舗)。
通帳とキャッシュカード、印鑑を持参すれば、相続手続きはできますか?
いいえ、それだけでは相続手続きはできません。相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書、遺産分割協議書(または遺言書)、みずほ銀行所定の「相続関係届書」など、相続関係を証明する書類一式が必要です。まずは口座のある支店に連絡し、必要書類の案内を受けることから始めます。
相談すると必ず費用がかかりますか?断られるくらいなら、と心配です。
本記事のセルフチェックや生前対策診断は、ご利用時点で費用は発生しません。個別相談・依頼に進む場合も、正式にご依頼いただく段階まで費用は発生しないのが一般的です。まずは情報を整理する目的でご利用いただいて構いません。
まだ相続は発生していませんが、口座凍結の心配をするのは早すぎますか?
早すぎることはありません。口座凍結は相続が発生してからでは止められず、対策の選択肢も大きく減ってしまいます。定期預金の見直しや代理人カードの検討、家族信託の活用は、家族が元気で判断能力がしっかりしている今だからこそできる備えです。
家族に「そろそろ相続の話を」と切り出しにくいのですが、どうすればいいですか?
いきなり「相続」を切り出すのではなく、「みずほ銀行の口座、名義変更ってどうなるんだろうね」といった、この記事のような客観的な情報をきっかけにするご家庭が多いようです。まず「口座凍結の仕組みを知っておこう」という情報共有から始めると、話しやすくなることがあります。
まとめ
みずほ銀行の相続手続きは、死亡の連絡をきっかけに口座が凍結され、案内に沿って戸籍謄本一式・印鑑証明書・遺産分割協議書(または遺言書)・所定の「相続関係届書」などをそろえて進める流れです。本店は東京都千代田区大手町にあり、愛知県内の店舗はあくまで支店としての利用になる点、また手続きが煩雑なケースではグループ会社のみずほ信託銀行による有料の遺産整理業務という選択肢もある点は、地域の信用金庫やJAとやや異なる特徴です。最新の必要書類・受付状況は、口座のある支店に直接確認しながら準備を進めることが近道です。口座凍結は起きてから慌てて対応するものではなく、生前のうちに普通預金化や生命保険の非課税枠の活用を検討しておくことで、家族の負担を大きく減らせるものでもあります。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。連絡先・予約方法・必要書類・日数は、2026年10月にみずほ銀行の公式ページで確認した内容です。最新の受付状況は、みずほ銀行の案内でご確認ください。
