親の相続や年金の手続きで、戸籍謄本を出すように言われた。調べてみると、本籍はいまの住まいから遠い奈良県の市町村のまま。送り先も手数料も分からない。そんなときのために、奈良県の39市町村の郵送請求先と手数料を、1つの表にまとめました。
この記事の結論
- 郵送で頼むのは「本籍地の市町村」です。宛先は市町村ごとに違います。橿原市は分庁舎の市民窓口課「郵送請求担当」が宛先です。五條市は本庁のほか、西吉野支所・大塔支所も送付先に挙げています。黒滝村は、郵便番号を書けば住所を省略できると案内しています。39市町村すべてで郵送の案内を公式サイトで確認しましたが、7市町村は郵送専用の宛先が見当たらず、役場や担当課の所在地を載せています。
- 戸籍謄本の手数料は、39市町村すべてで1通450円でした。除籍・改製原戸籍は、金額を確認できた市町村はすべて1通750円です。支払いは、ゆうちょ銀行や郵便局で買う定額小為替が基本です。天理市・五條市・下北山村・上北山村は普通為替も使えると案内し、三宅町は普通為替を受け付けていません。宇陀市と御杖村は、郵送請求のキャッシュレスサービスも使えます。
- 本人・配偶者・親・祖父母・子・孫の戸籍なら、最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れる「広域交付」もあります。本籍地として戸籍証明書をコンビニで取れると確認できたのは11市町、マイナンバーカードを使うオンライン請求を確認できたのは奈良市・生駒市・葛城市・平群町の4市町です。
奈良県の市区町村別 郵送請求先・手数料一覧
表は市、町村の順で並んでいます。町村は郡ごとにまとめています。本籍が合併前の旧町村名のときは、いまその地域を受け持つ市町村の行を見てください。葛城市・田原本町・広陵町・河合町は、公式ページにある郵送用の請求書(PDF)に書かれた宛先を、表に載せています。
「謄本/除籍」は1通あたりの手数料です。「コンビニ」「オンライン」は、本籍地としての戸籍証明書を取れるかどうかで、○は取れる、×は取れない、-は公式ページで確認できなかったものです。宛先欄に「役場・担当課の所在地です」と添えた7市町村(御所市・三郷町・安堵町・曽爾村・御杖村・上牧町・大淀町)は、公式ページに郵送専用の宛先が見当たらず、担当課や役場の所在地を載せています。宛先は、送る前に「公式」リンクか電話でも確かめてください。
市(12市)
町村(15町12村)
表で宛先が分かったら、次の手順で郵送します。本人・配偶者・父母・子などの戸籍なら、近くの市区町村の窓口で取れる「広域交付」も使えます。取れないケースや窓口での流れは戸籍の広域交付の使い方で説明しています。
郵送で戸籍謄本を請求する手順
郵送での請求は、次の5つをそろえて、表の宛先に送ります。請求書の書き方や日数の目安は、戸籍謄本を郵送で取り寄せる方法で詳しく説明しています。
- 請求書を用意する。表の「公式」リンクの先に、郵送用の請求書の様式を載せている市町村が多くあります。大和郡山市・王寺町は、様式がなくても、同じ項目を書いた便箋などで請求できると案内しています。昼間に連絡がつく電話番号の記入を求める市町村がほとんどで、平群町は自筆での記入を求めています。下北山村は、本籍の地番と筆頭者の名前が書かれていないと発行できないとしています。香芝市は、鉛筆や消せるペンでの記入は受け付けていません。請求する人と必要な人の関係が、その市町村の戸籍で確かめられないときは、関係が分かる戸籍のコピーを付けるよう求める市町村もあります(橿原市・川西町・大淀町・黒滝村・野迫川村など)。
- 本人確認書類の写しを付ける。運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーです。いまの住所が分かるものを求める市町村がほとんどです。桜井市・平群町・川西町・安堵町・田原本町・広陵町・河合町・明日香村・下北山村などは、顔写真付きなら1点、顔写真のない書類なら2点としています。三宅町・明日香村・下北山村・野迫川村は、住所が書かれていないパスポートは、それだけでは使えないとしています。河合町・黒滝村・下北山村・上北山村・野迫川村は、マイナンバーカードは表面(写真面)だけを写すよう求めています。五條市・下北山村・上北山村・野迫川村は、保険証や資格確認書の記号・番号を隠すよう求めています。桜井市・田原本町は、マイナンバーの通知カードは使えないとしています。
- 定額小為替を買う。ゆうちょ銀行や郵便局で、手数料の額面ぶんを買います。受取人の欄などには何も書かずに同封します。奈良市・橿原市・桜井市・生駒市・葛城市・宇陀市・高取町・十津川村などは、切手(市町村によっては収入印紙や現金も)では払えないと明記しています。天理市は発行から6か月以内、川西町は発行後6か月以内、五條市は発行から5か月を超えないものを使うよう求めています。おつりが出ないよう、ちょうどの額を入れるよう案内する市町村が多くあります。
- 返信用封筒を入れる。自分の宛名を書き、切手を貼ります。返送先は住民登録をしている住所に限る、と案内する市町村がほとんどです。橿原市・三宅町・田原本町・広陵町・天川村・下市町は、勤務先などへは送れないとしています。御所市は返信用の切手を110円(速達は410円)としています。三宅町は、相続などで通数が多いときは角2封筒かレターパックを使うよう求めています。切手が足りないときは、川西町は受取人払い、田原本町は着払いで送ると案内しています。
- 表の宛先に送る。本籍地の市町村の行に書かれた宛先に、書類一式を郵送します。届くまでの目安は、天理市・高取町が3日から1週間、川西町が4~5日、川上村が1週間程度、香芝市・広陵町が1週間から10日前後、宇陀市が約2週間と案内しています。大和郡山市は、届いた翌日から遅くとも3日後までに発送し、往復で最長7~10日ほど、橿原市は受け付けてから発送まで5営業日程度としています。急ぐときは、返信用封筒に速達分の切手を貼るよう案内する市町村が多くあります。
本籍地がわからないとき
送り先を探す前に、本籍がどこかを確かめる必要があります。本籍と筆頭者が載った住民票の写しを取る方法のほか、いくつかの調べ方があります。調べ方は本籍の調べ方にまとめました。住民票に本籍を載せる請求のしかたは住民票に本籍を載せる方法で説明しています。
近くの窓口でまとめて取れる「広域交付」
2024年3月1日から、本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書を請求できるようになりました。これが「広域交付」です。対象は、本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍です。
請求できるのは窓口に来た本人だけで、代理人は使えません。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。奈良市は、広域交付は郵送では請求できないと明記しています。奈良市・橿原市・生駒市をはじめ、県内の多くの市町村が、公式サイトに広域交付の案内ページを設けています。使い方は戸籍の広域交付の使い方をご覧ください。
コンビニ・オンラインで取れる人
マイナンバーカードがあり、本籍地の市町村が対応していれば、コンビニのマルチコピー機で戸籍証明書を取れます。この記事の表では、39市町村のうち11市町(奈良市・大和郡山市・天理市・橿原市・桜井市・五條市・生駒市・宇陀市・三郷町・斑鳩町・王寺町)が「コンビニ」欄で○です。奈良県内では、次のような点が公式ページに書かれています。
- 奈良市・大和郡山市・橿原市・桜井市・五條市・生駒市・宇陀市・三郷町・斑鳩町は、本籍がその市町にあれば、住所が市外・町外でも、事前の利用登録をすると戸籍証明書を取れる。登録には、生駒市が3営業日、三郷町が3開庁日以降、奈良市が3~5営業日、大和郡山市が5営業日以降かかると案内している
- 奈良市・桜井市・五條市・宇陀市・三郷町・斑鳩町は、除籍・改製原戸籍はコンビニでは取れないと案内している。取れるのはいまの戸籍の証明書で、古い戸籍は郵送か窓口で請求する
- コンビニでの戸籍謄本の手数料は市町村で違う。生駒市は1通250円、大和郡山市は令和8年4月1日から350円、桜井市はいま400円で令和8年12月1日から250円としている。五條市・宇陀市・三郷町は窓口と同じ450円
- 利用時間は、奈良市・大和郡山市・桜井市・五條市・生駒市が午前6時30分から午後11時までと案内している
- 大和高田市・葛城市は、戸籍のコンビニ交付には対応していないと明記している
オンラインは、マイナンバーカードで電子申請をする形が一般的です。奈良県では、奈良市・生駒市・葛城市・平群町が、公式ページで戸籍証明書のオンライン請求を案内しています。いずれも本籍がその市町にあることが前提で、マイナンバーカードの署名用電子証明書(6~16けたの暗証番号)と、カードを読み取れるスマートフォンなどが要ります。奈良市と生駒市は、本籍がある本人・配偶者・直系の親族が請求でき、手数料はクレジットカードかPayPayで払います。生駒市は除籍・改製原戸籍も請求でき、証明書は住民登録のある住所へ郵送すると案内しています。葛城市は戸籍・除籍・改製原戸籍を請求でき、クレジットカードで払います。平群町は、現在の本籍が平群町にある戸籍謄本・抄本に限られ、申請者本人の戸籍に名前のある人の分を請求できます。請求できる人や証明書の範囲は市町ごとに違うので、使う前に各市町のページで確かめてください。手順の一般的な流れは戸籍謄本をコンビニで取る方法と戸籍謄本のオンライン請求にまとめています。
よくある質問
定額小為替はどこで買えますか
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で買えます。券種は50円から1,000円までの12種類で、450円券と750円券もあります。発行手数料は1枚につき200円で、有効期間は発行から6か月です。謄本1通なら、450円券1枚に手数料200円を足した650円を窓口で払います(ゆうちょ銀行)。為替には何も書かずに同封するよう案内する市町村が多くあります。
何通頼めばよいですか
提出先によって違うので、銀行、年金事務所、法務局など、出す先に必要な種類と通数を先に確かめてください。たとえば謄本1通と除籍2通なら、額面は450円+750円+750円で1,950円です。為替の枚数に応じて、発行手数料も別にかかります。香芝市は、相続用の戸籍は3,000~4,000円程度必要になることがあるとしています。桜井市・河合町は、金額が分からないときは多めに入れれば、おつりを返すと案内しています。
相続で、出生から死亡までの戸籍が必要なときは
いまの戸籍から、除籍、改製原戸籍の順にさかのぼって集めます。本籍を何度か移している場合は、本籍地ごとに請求先が変わります。奈良県内の本籍地は、この記事の表で宛先を探してください。橿原市は、戸籍をコンピュータ化する前に結婚や死亡で戸籍から抜けた人は、いまの戸籍には載っていないと注意しています。さかのぼり方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方で説明しています。
本籍が合併前の町や村の名前のままです。どこに送ればよいですか
いまその地域を受け持つ市町村に送ります。たとえば五條市は、本庁の市民課のほか、西吉野支所・大塔支所の地域市民課も送付先として載せています。旧町村名でどの市町村か分からないときは、表の市町村の戸籍担当に電話で確かめてから送ると、行き違いを防げます。
電話やメールで請求できますか
戸籍の請求は、書類を郵送する形が基本です。明日香村は電話での請求や戸籍の確認には応じず、FAXやEメールでも受け付けていません。高取町・天理市も、電話・メール・FAXでは請求できないとしています。電話は、送る前に宛先や手数料を確かめるときに使ってください。
参考にした公的情報
- 表の出典:各市区町村の公式サイト(表の「公式」リンク)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- コンビニ交付「利用できる市区町村」(地方公共団体情報システム機構)https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
※本記事は2026年10月22日時点の、各市町村の公式ページなどにもとづく一般的な整理です。宛先・手数料は変更されることがあります。送る前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。
全国の一覧は戸籍謄本の郵送請求先 都道府県別一覧にまとめています。
ほかの都道府県の郵送請求先一覧:愛知県/岐阜県/静岡県/三重県/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県/福岡県/北海道/茨城県/広島県/宮城県/新潟県/長野県/栃木県/群馬県/岡山県/福島県/熊本県/鹿児島県/沖縄県/滋賀県/愛媛県
手続きが落ち着いたら:残ったお父さま・お母さまのこと
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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。