知人や親戚の訃報が届き、葬儀に参列することになった。通夜と告別式のどちらに行けばいいのか、受付で何と言えばいいのか、焼香の順番が来たらどう動くのか。久しぶりの葬儀で、流れを思い出せない方も多いと思います。
この記事では、葬儀に参列する側の流れとマナーを、会場に着いてから帰るまでの順番でまとめました。故人との関係ごとに「通夜・告別式のどちらに行くか」「火葬場まで行くか」の早見表を作り、受付・焼香・遺族への言葉を場面ごとに並べています。家族葬と言われたときの判断、遅刻や途中退席のしかたも書きました。喪主として葬儀を出す側の流れは、葬儀の流れと喪主がやることで整理しています(2026年10月時点)。
先に結論:参列者は「受付・焼香・あいさつ」の3つを押さえれば迷わない
この記事の結論
- どちらに行くか:都合のつくほうに行けば十分です。親しい間柄なら両方、仕事関係なら通夜だけ、という形もよく見られます。
- 当日の流れ:開式の少し前に着いて受付で記帳と香典 → 着席 → 読経の間に焼香 → 閉式後に退出、が基本です。
- 言葉:受付も遺族へのあいさつも「このたびはご愁傷さまでございます」の一言で足ります。長く話し込まないことが、いちばんの気づかいです。
通夜は亡くなった日の翌日ごろの夜に、葬儀・告別式はその翌日の日中に行うことが多い式です。いまは葬儀と告別式を続けて1つの式として行うのが一般的です。マナーは宗教・宗派・地域で違うところがあるため、迷ったら周りの参列者や会場の係の人に合わせれば失礼にはなりません。
通夜と告別式、どちらに行く?火葬場までは?関係別の早見表
参列する前にいちばん迷うのが「どこまで出るか」です。故人や遺族との関係ごとに、よく見られる出方を表にしました。決まりではないので、遺族からの案内があればそちらを優先します。
通夜と告別式の両方に出る場合、香典は最初に出る式で一度だけ渡します。両方で渡すと「不幸が重なる」と受け取られることがあるためです。
参列者の流れ:到着から帰宅まで(時間の目安つき)
参列者の動きは、通夜も告別式もほぼ同じです。通夜の開式は夏は19時ごろ、冬は18時ごろが目安とされます。下の表は、18時開式の通夜に参列する場合の例です。告別式なら、開式の時刻に合わせて同じように読み替えてください。
告別式の場合は、閉式のあと出棺(棺を霊柩車に運ぶこと)があります。火葬場へ行かない参列者は、外で出棺を見送り、霊柩車が出たら合掌して一礼し、そこで帰ります。芳名帳の書き方(代理・夫婦・会社名)は葬儀の芳名帳の書き方にまとめています。
受付・焼香・遺族へのあいさつ:場面ごとの言葉の例
葬儀の場では、言葉は短いほど丁寧に聞こえます。声は小さめに、語尾をはっきり言い切らない話し方でも構いません。場面ごとに、そのまま使える言葉を並べました。
死因や亡くなったときの様子をたずねるのは控えます。「重ね重ね」「たびたび」のような重ね言葉も避けます。宗教によって使わない言葉もあるため、迷ったら「このたびはご愁傷さまでございます」だけにしておくと安心です。
焼香のしかた(立って行う焼香)
- 順番が来たら祭壇の前に進み、遺族に一礼、遺影に一礼する
- 右手の親指・人差し指・中指で抹香をつまみ、香炉に落とす
- 遺影に合掌して一礼し、数歩下がって遺族に一礼して席に戻る
抹香をつまむ回数や、額の前に押しいただくかどうかは、宗派によって違います。参列者が相手の宗派に合わせる必要はなく、前の人の動きに合わせれば十分です。会場が混んでいるときは、回数を減らすよう係から案内されることもあります。
「家族葬で行います」と言われたら:行く・行かないの判断
家族葬は、遺族が呼ぶ人を絞って行う葬儀です。知らせを受けても、「参列してほしい」という意味かどうかは文面で判断します。迷ったときの目安を表にしました。
参列しない場合でも、気持ちを伝える方法はあります。弔電やお悔やみの手紙は、遺族の負担が小さい方法です。後日自宅へ弔問したいときは、「落ち着かれたころに、お線香をあげにうかがってもよろしいでしょうか」と先に都合を聞きます。弔電の送り方は弔電の送り方と文例、メールでのお悔やみは葬儀参列のメール例文にまとめています。
遅刻・途中退席・子ども連れ・香典を後日渡すとき
当日は予定どおりにいかないこともあります。困りやすい場面ごとの対応をまとめました。
- 遅れて着いた:式の途中でも、受付が開いていれば記帳と香典を済ませ、係の案内で後ろの席に座ります。通夜は閉式後も弔問を受けていることが多いので、焼香に間に合わなくても一礼だけでもして帰れます。
- 途中で帰らなければならない:受付で「本日は途中で失礼いたします」と伝え、焼香を済ませたあと、後ろの席から静かに退出します。
- 小さな子どもを連れていく:出入り口に近い後ろの席に座り、ぐずったらすぐ外に出られるようにします。子どもの服は、黒や紺など落ち着いた色なら制服や普段着でも構いません。
- 香典を後日渡す:参列できず後から渡すときは、表書きの時期に注意します。四十九日を過ぎてからなら「御仏前」とするのが一般的です。郵送するときは現金書留を使います。
香典袋の書き方(御霊前・御仏前の使い分け、中袋の金額)は葬儀ののし袋(香典袋)の書き方に、四十九日以降に持っていく場合は四十九日の香典袋の書き方にまとめています。
服装と持ち物のチェックリスト
- □ 喪服(ブラックスーツ・ブラックフォーマル)。通夜に急いで駆けつける場合は、黒・紺・グレーの地味な服でも構わないとされる
- □ 黒い靴と黒い靴下(女性は黒のストッキング)。光る金具は避ける
- □ 香典(袱紗に包む)
- □ 数珠
- □ 白か黒の無地のハンカチ
- □ 会場の場所と開式時刻のメモ(訃報の連絡を保存しておく)
アクセサリーは結婚指輪のほかは外すか、つけるなら一連の真珠程度にとどめるのが一般的です。四十九日など、葬儀のあとの法事の服装は法事の服装はどこまで黒?で整理しています。
参列をきっかけに、自分の親のことが気になった方は、3分でできる相続対策診断で今のうちに確かめておけることを整理できます。家族で話す前に専門家の話を聞いてみたいときは、30分の無料相談もご利用いただけます。
今日できる一歩
- 訃報の連絡を見直し、「家族葬」「香典辞退」の記載がないか確かめる
- 早見表で、通夜・告別式・火葬場のどこまで出るかを決める
- 香典袋・袱紗・数珠をそろえ、会場までの所要時間を調べておく
葬儀の流れとマナーでよくある質問
通夜と告別式の両方に出るとき、香典は2回渡しますか?
渡すのは1回です。最初に参列した式の受付で渡し、もう一方の式では記帳だけをします。2回渡すのは避けるのが一般的です。
焼香のやり方が宗派によって違うと聞きました。間違えたら失礼ですか?
失礼にはなりません。参列者は自分の分かる作法で、心を込めて行えば十分です。迷ったら、前の人の動きに合わせます。
通夜ぶるまいは断ってもいいですか?
断っても構いません。ただ、通夜ぶるまいは故人をしのぶ場でもあるので、勧められたら一口だけでも箸をつけて、早めに退出する形がよく見られます。断るときは、遺族か係の人に一言かけてから帰ります。
家族葬のあとに訃報を知りました。自宅へ弔問してもいいですか?
突然訪ねるのは避け、先に電話や手紙で都合を聞きます。「香典や弔問はご遠慮します」と伝えられていれば、それに従います。気持ちは、お悔やみの手紙で伝えることもできます。
仕事で通夜にも告別式にも行けません。どうすればいいですか?
弔電を送るか、香典を現金書留で送る方法があります。代理の人に参列を頼むこともできます。代理の人は、芳名帳に依頼した人の名前を書き、その下に小さく「代」と書き添えるのが一般的です。
受付で「ご愁傷さまです」以外に言ったほうがいいことはありますか?
ありません。受付は遺族の代わりに親族や知人が手伝っていることも多く、長いあいさつは不要です。香典を渡し、記帳を済ませれば十分です。
参考にした公的情報・解説
- 浄土真宗本願寺派「仏事・行事Q&A(金封の表書き)」
https://www.hongwanji.or.jp/faq/list.html - 鎌倉新書「いい葬儀」「お通夜のマナーを参列者・遺族別に解説」
https://www.e-sogi.com/guide/588/ - 鎌倉新書「いい葬儀」「家族葬とはどんな葬儀?参列者はどこまで?」
https://www.e-sogi.com/guide/14632/ - ファミーユ「お葬式のマナー|通夜・葬儀・火葬の礼儀作法を参列者と喪主・遺族別に解説」
https://www.famille-kazokusou.com/magazine/manner/685 - 日本郵便「現金書留」
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/
※本記事は2026年10月時点の、公開されている葬儀の解説や宗派の公式情報にもとづく一般的な整理です。葬儀の流れやマナーは、宗教・宗派・地域・遺族の考え方によって異なります。迷うときは、遺族や会場の係の人、親族の年長者にご確認ください。
本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
