葬儀ののし袋(香典袋)の書き方【2026年】御霊前・御仏前と中袋の金額・名前

通夜に行く前にコンビニで香典袋を買ったものの、「御霊前」と「御仏前」のどちらを選べばいいのか、中袋の金額はどう書くのかで手が止まる方は多いと思います。

この記事では、葬儀(通夜・告別式)に持っていく香典袋(不祝儀袋)の書き方を、表書きの選び方、薄墨、名前(夫婦・連名・会社)、中袋の金額と住所、袋の選び方、お札の入れ方、袱紗の順に整理します。内容は2026年10月時点で、宗派の公式サイトや百貨店が案内しているものをもとにしています。作法は宗派や地域で違うため、迷ったときの考え方もあわせて書きます。

目次

先に結論:表は「御香典」か「御霊前」を薄墨で。中袋は「金壱萬圓」のように旧字体で

この記事の結論

  1. 表書き:仏式の葬儀なら「御香典」「御霊前」が一般的です。浄土真宗では「御霊前」を使わず「御仏前」とすると本願寺派が案内しています。
  2. 書き方:表書きと名前は薄墨で書く慣習があります。中袋は表に金額、裏に住所と氏名を書きます。
  3. 袋とお札:黒白か双銀の結び切りの袋を使い、お札は人物のない面を表にして入れます。新札は避けるのが無難とされています。

香典袋を「のし袋」と呼ぶこともありますが、弔事の袋には右上の「のし」の飾りは付けません。三越伊勢丹の案内では、のしは生臭物を忌む考え方にもとづくため、不祝儀には付けないとされています。売り場では「不祝儀袋」「香典袋」「仏金封」などの名前で並んでいます。

表書きの書き方:御霊前・御香典・御仏前の使い分け

表書きは、袋の表の上段に書く言葉です。葬儀の宗教・宗派で選びます。印刷済みの袋を買うときも、この表でどれを選ぶか決めておくと迷いません。

葬儀の形式案内されている表書き気をつけたいこと
仏式(浄土真宗以外)御霊前・御香典・御香料・御香華料忌明け法要までは「御仏前」は使わないと髙島屋は案内
浄土真宗御仏前(ほかに御供・御香典・御香資)金封は故人の霊ではなく仏さまに捧げるものとして、「御霊前」は避ける
神式御玉串料・御霊前・御神饌料・御榊料蓮の花が印刷された袋は仏式用なので使わない
キリスト教(カトリック)御花料・御霊前・御ミサ料十字架などがついた専用袋か白無地の袋
キリスト教(プロテスタント)忌慰料(きいりょう)・御花料蓮の花の印刷がない袋を使う
※浄土真宗本願寺派「仏事・行事Q&A(金封の表書き)」、髙島屋「ギフトのマナー 弔事(仏式・神式・キリスト教)」をもとに整理(2026年10月時点)。本願寺派は、金封に厳密な決まりはなく地域で異なる場合もあるとしています。

宗派が分からないときは

訃報で仏式と分かっていても、宗派までは分からないことが多いものです。「御香典」は、本願寺派も使われる表書きとして挙げています。仏式で宗派が分からないときの選び方の一つです。宗教そのものが分からないときは、訃報をくれた人か葬儀社に確かめるのが確実です。

表書きと名前を書く位置

香典袋の表は、水引の結び目をはさんで上下に分けて使います。上段の中央に表書きを、下段の中央に名前を縦書きで書きます。名前は表書きより少し小さめにすると、全体の釣り合いがとれます。表書きが印刷された袋なら、下段に名前を書くだけで足ります。短冊が付いた袋は、短冊に表書きと名前を書いて水引の下に差し込みます。

薄墨で書く理由と、筆ペンの使い方

浄土宗の公式サイトは、哀悼の気持ちを表すために、香典袋を薄墨(薄墨の筆ペンなど)で書くとよいとする慣習があると紹介しています。文房具店やコンビニでは、薄墨と濃い墨が両端についた筆ペンも売られています。

  • 外袋の表(表書きと名前):薄墨の筆ペンで書く形がよく案内されています。
  • 中袋(金額・住所・氏名):遺族が後で読み取って記録する部分です。字がかすれないよう、丁寧にはっきり書きます。
  • ボールペンしかないとき:表書きが印刷された袋なら、名前だけを書くことになります。会場に向かう途中で筆ペンを買えれば、そのほうが整って見えます。

薄墨を使うかどうかは地域によっても受け止め方が違います。家族や地元の年長者に聞けるときは、その地域のやり方に合わせれば十分です。

名前の書き方:個人・夫婦・連名・会社

名前は、表書きの下の中央に、表書きより少し小さな字で書きます。誰からの香典かを遺族が分かるように、基本はフルネームです。

出す人書き方補足
個人中央にフルネーム家として出すときは姓だけにすることもある
夫婦右に夫のフルネーム、左に妻の名だけ妻の姓は繰り返さない。夫の名前だけで出す形もある
連名(3名まで)全員のフルネームを並べる。立場や年齢が上の人を右に同格なら五十音順に右から
4名以上代表者の名前と、左に小さく「外一同」。または「〇〇部一同」など全員の名前は別の紙に書いて袋の中に入れる
会社として名前を中央に、会社名を右上に小さく。肩書きは名前の上に小さく字の大きさは表書き、名前、会社名、役職の順に小さく
※三越伊勢丹「祝儀・不祝儀やかけ紙の名入れマナー」をもとに整理(2026年10月時点)。

会社の同僚でお金を出し合うときは、別の紙に全員の名前と一人ずつの金額、住所を書いて入れておくと、遺族が香典返しを用意するときに助かります。

中袋の書き方:金額(旧字体)と住所

浄土宗の公式サイトは、お金を外袋に直接入れず、白無地の封筒を中包みにするとより丁寧だとしています。そのうえで、中袋の表に金額、裏に住所と氏名を書くと案内しています。中袋のない袋のときは、外袋の裏の左下に住所・氏名・金額を書く形がよく紹介されます。

金額は、書き足して数字を変えられないよう、旧字体(大字)で書くのが一般的です。頭に「金」を付け、「金壱萬圓」のように書きます。

包む額中袋の書き方(縦書き)
3,000円金参阡圓
5,000円金伍阡圓
1万円金壱萬圓
3万円金参萬圓
5万円金伍萬圓
※浄土宗公式サイト「よくあるご質問」(壱・弐・参・伍・拾・萬の例示)をもとに、阡・圓など一般に使われる字を加えて整理(2026年10月時点)。金額は書き方を示すための例で、香典の目安ではありません。「千」「円」のまま書く例もあります。

旧字体の一覧(壱・弐・参・伍・拾・阡・萬・圓)は、お布施の書き方の記事に表でまとめています。中袋に「金額」「住所」の欄が印刷されているときは、その欄に合わせて書けば足ります。横書きの欄なら算用数字で「¥10,000」と書いても差し支えありません。

住所は、郵便番号から建物名・部屋番号まで省かずに書きます。遺族はこの住所を見て、香典返しやお礼状を送るからです。

袋の選び方:水引の色と、包む額との釣り合い

香典袋にかけられた紙のひもを「水引(みずひき)」といいます。浄土宗の公式サイトは、弔事には黒白や双銀がふさわしく、「二度と起こらないように」という意味から「結び切り」の形を用いるとしています。

  • 水引の色:黒白か双銀。髙島屋の案内では、西日本では黄白も使われ、山陰地方では黒白を使うとされています。
  • 水引の形:結び切り。何度でも結び直せる蝶結びは使いません。
  • 袋の柄:蓮の花の柄は仏式用です。神式やキリスト教の葬儀では、蓮の印刷がない袋や白無地の袋を選びます。
  • のし:付いていない袋を選びます。

袋は、包む額との釣り合いで選びます。水引が印刷された簡単な袋は少なめの額に、本物の水引がかかった袋や厚い和紙の袋は多めの額に合います。中身が少ないのに豪華な袋だと、受け取った側が戻惑います。市販の香典袋は、包装に金額の目安が書かれているものが多いので、買うときに確かめると迷いません。

お札の入れ方と、外袋の包み方

  1. お札をそろえる。新札は「不幸を待っていた」という印象を与えるため、新札以外を使うのが無難と浄土宗は案内しています。手元に新札しかないときは、一度折り目を付けてから入れる人もいます。
  2. 向きをそろえて中袋に入れる。浄土宗は、人物が描かれていない面を表にして入れるとしています。複数枚のときは向きをそろえます。
  3. 中袋を外袋で包む。外袋の裏は、下向きの折り返しが外側になるように包みます(浄土宗)。上側を下へかぶせる形です。
  4. 水引を戻す。水引を外したときは、元の位置に通し直して形を整えます。

お札の表裏の向きは、解説によって書き方が違うことがあります。大切なのは、枚数があるときに向きがそろっていることです。地域のやり方が分かれば、そちらに合わせます。

袱紗に包んで持参し、受付で渡す

香典袋は、袱紗(ふくさ)に包んで持っていきます。髙島屋の案内では、弔事の袱紗は「紫」「紺」「グレー」がふさわしいとされています。紫は慶事にも使えるので、これから買うなら紫が使い回しやすい色です。

  1. 受付で「このたびはご愁傷さまでございます」と短く伝えます。
  2. 袱紗を開いて香典袋を取り出します。
  3. たたんだ袱紗の上に香典袋をのせ、表書きが受付の方から読める向きにして差し出します。

髙島屋は、香典を持参するのは通夜・葬儀・告別式のいずれでもよいとしています。通夜で渡したら、告別式で重ねて渡す必要はありません。受付ではあわせて芳名帳に記帳します。書き方は葬儀の芳名帳の書き方にまとめています。受付から焼香、退出までの参列の流れは、葬儀の流れとマナー(参列者の到着から帰宅まで)で確かめられます。

葬儀の香典袋と、法事・お布施の袋の違い

この記事で扱っているのは、通夜や告別式に参列するときの香典袋です。四十九日より後の法事では、表書きが「御仏前」に変わるなど、書き方が少し違います。法事の香典の表書きと金額は法事の香典の相場と表書きで整理しています。四十九日の香典袋に絞った記入例(濃い墨でよいか、中袋の住所、兄弟の連名)は、四十九日の香典袋の書き方にまとめました。

喪主や施主としてお寺に渡すお金は、香典ではなく「御布施」です。白無地の封筒を使うなど香典袋とは用意の仕方が違うので、お布施の書き方をご覧ください。

今日できる一歩

  1. 訃報の案内で、葬儀の形式(仏式・神式・キリスト教)と、香典辞退の一文がないかを確かめる
  2. 黒白か双銀の結び切りの香典袋と、薄墨の筆ペンを用意する
  3. 新札ではないお札を分けておき、中袋に金額と住所を先に書いておく

葬儀の香典袋の書き方についてよくある質問

通夜に持っていく香典袋は「御霊前」と「御仏前」のどちらですか?

仏式の葬儀では、一般に「御霊前」か「御香典」です。ただし浄土真宗の葬儀では、本願寺派が「御仏前」とするよう案内しています。宗派が分からなければ、「御香典」を選ぶ方法もあります。

中袋に金額を書かないと失礼ですか?

失礼というより、遺族が困ります。香典を記録し、香典返しを用意するときに金額と住所を使うからです。中袋の表に金額、裏に住所と氏名を書いておきましょう。

夫婦で参列するとき、香典袋は別々にしますか?

夫婦で一つの袋にまとめて構いません。名前は夫のフルネームだけか、右に夫のフルネーム、左に妻の名を並べます。夫婦それぞれが故人と深い付き合いがあった場合は、分けることもあります。

薄墨の筆ペンがないときはどうしますか?

薄墨で書くのは慣習で、決まりではありません。コンビニでも買えるので、用意できれば薄墨を使います。間に合わないときは、黒の筆ペンで丁寧に書けば足ります。

上司の代理で香典を持っていくとき、香典袋は誰の名前ですか?

香典袋は、お金を出す人(上司)の名前です。受付の芳名帳には、上司の名前とあわせて自分が代理であることを書き添えます。

「香典は辞退します」と書かれていたら?

持っていかないのが遺族の意向に沿う形です。気持ちを伝えたいときは、弔電やお悔やみの手紙で十分です。供花も辞退されていることがあるので、出す前に葬儀の生花(供花)の相場と辞退の案内の読み方で確かめてください。

参考にした情報

※本記事は2026年10月時点の宗派の公式サイトや百貨店の公開情報をもとにした一般的な整理です。香典袋の書き方や作法は、宗派・地域によって異なります。迷うときは、葬儀社や親族の年長者にご確認ください。

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本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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