引き出しを探しても、年金証書が見つからない。年金事務所で「年金証書をお持ちですか」と聞かれて困った。年金を受けている方やその家族が戸惑いやすい場面です。
年金証書は再交付(再発行)を申し込めます。この記事では、申込先と出し方、再交付申請書の欄ごとの書き方、家族が代わりに出すときの注意、親が亡くなったときの扱いを整理します。内容は2026年11月1日に日本年金機構の公式ページで確認したものです。
先に結論:年金事務所に再交付申請書を出せば、郵送で届く
この記事の結論
- 申込先は年金事務所:「年金証書・改定通知書・振込通知書 再交付申請書」(ハガキの形の様式)を出します。用紙は年金事務所・街角の年金相談センターにあり、ねんきんダイヤルで送ってもらうこともできます。
- 届くのは自宅:原則として、日本年金機構に登録されている住所へ郵送されます。窓口でその場で受け取れるのは急ぎの事情がある場合に限られます。
- 手元の書類で番号は分かる:基礎年金番号は、年金額改定通知書・年金振込通知書・マイナポータルなどでも確かめられます。証書が届くのを待たずに進められる手続きもあります。
- 亡くなった方の年金証書は再交付されません:見つからないときは、死亡の届出の際に年金事務所へ事情を伝えて相談します。
年金証書とは:何が書いてあり、どんなときに使うか
年金証書は、年金を受ける権利があることの証明として交付される書類です。年金は条件がそろえば自動で振り込まれるわけではなく、請求の手続きをして国が権利を確認したあとに支払われます。そのときに届くのが年金証書です(日本年金機構「年金証書」用語解説)。
年金証書は、年金を受け始めたあとの届出で求められることがあります。日本年金機構も、受給者であることを示す大切な書類として保管するよう案内しています。毎年届く年金額改定通知書や、年金の源泉徴収票とは別の書類です。源泉徴収票をなくした場合は年金の源泉徴収票の見方となくしたときの再発行を見てください。
再交付の申込先と出し方:証書と通知書で方法が違う
同じ「再交付」でも、年金証書と、毎年届く通知書(年金額改定通知書・年金振込通知書)では申し込める方法が違います。年金証書は申請書を年金事務所に出す方法だけです。
ねんきんダイヤルは0570-05-1165(050で始まる電話からは03-6700-1165)です。受付は月曜8:30〜19:00、火〜金曜8:30〜17:15、第2土曜9:30〜16:00です(日本年金機構、2026年10月1日更新)。年金事務所の窓口は予約して行くこともできます。予約の手順は年金事務所の予約方法にまとめています。
再交付申請書の書き方:欄ごとの記入例
申請書の正式な名前は「年金証書・改定通知書・振込通知書 再交付申請書」です。1枚で3つの書類に使えるので、どれを頼むかを選ぶ欄があります。日本年金機構の記入例にそって、上から順に書く内容を整理しました。
マイナンバーを書いた場合は、次のどちらかを用意します。郵送で出すときはコピーを添えます(様式の注記)。
- マイナンバーカード
- 番号が分かる書類(マイナンバーが書かれた住民票か通知カード)と、身元が分かる書類(運転免許証・パスポートなど)を1つずつ
基礎年金番号が分かるなら、基礎年金番号を書けばこの書類は要りません。番号の確かめ方は、このあとの見出しで説明します。
家族が代わりに出すとき・受け取るとき
高齢の親の代わりに子が申し込む場面も多いはずです。再交付した書類の送り先は、日本年金機構に登録されている本人の住所と氏名です。本人以外が受け取るには、委任状と、窓口に来た人の本人確認書類を持って年金事務所へ行く必要があります(日本年金機構)。
家族が年金事務所へ行く前に確かめること
- 親の住所が、日本年金機構に登録されている住所と同じか(施設に移ったあと住所の届出をしていない場合は届く先が違う)
- 委任状を親に書いてもらえるか(書けない場合の扱いは、年金事務所に事前に相談)
- 行く人の運転免許証などの本人確認書類
- 手元にある親の年金の書類(改定通知書・振込通知書など)。番号が分かると話が早い
親が認知症で委任状を書けないときは、年金の受け取りや手続きそのものをどうするかが先の問題になります。家族ができることの範囲は認知症の親の年金は家族が受け取れるかで整理しています。親の書類や口座の管理を、どこから手をつければよいか迷う場合は、当社の30分無料相談で順番を一緒に整理できます。
年金証書が届くまでに:基礎年金番号を確かめる方法
年金事務所への問い合わせで先に聞かれるのは、たいてい基礎年金番号です。証書がなくても、次の書類や画面で確かめられます(日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」2026年2月3日更新)。
マイナポータルで年金の情報を見る手順はマイナポータルで年金を確認する方法にまとめています。年金額改定通知書の見方は2026年度の年金の変更点まとめもあわせて読むと、金額が変わった理由まで分かります。
親が亡くなったときの年金証書:再交付はされない
亡くなった方の年金証書は再交付されません(日本年金機構)。年金を受けていた方が亡くなったときに出す「年金受給権者死亡届(報告書)」には、亡くなった方の年金証書を添える書類として挙げられています。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則としてこの死亡届そのものを省略できます(日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」2026年4月1日更新)。
年金証書が見つからないまま死亡の届出をする場合は、年金事務所に「証書が見つからない」と伝えて、代わりに何を出せばよいかを確かめます。届出が遅れると、亡くなったあとの分まで振り込まれ、あとで返すことになる場合があります。証書を探すより先に、まず連絡を入れてください。届出の流れは死亡による年金の停止手続き、まだ受け取っていない分を家族が請求する方法は未支給年金の請求方法で説明しています。
なお、亡くなった方の年金額改定通知書は、未支給年金を請求する方と財産管理人に限って再交付を受けられます。電話では受け付けていないため、郵送か年金事務所への来所で申し込みます。財産管理人の場合は、そのことが分かる書類が要ります(日本年金機構)。
よくある質問
年金証書をなくすと、年金は止まりますか
年金証書は受ける権利の証明として交付される書類で、なくしたときは再交付を申し込めると案内されています(日本年金機構)。証書をなくしたことで年金が止まるという案内は、公式ページには見当たりません。届出で証書を求められたときに困らないよう、早めに申し込んでおくと安心です。
再交付に手数料はかかりますか
日本年金機構の再交付の案内(2026年6月3日更新)に、手数料の記載はありません。気になるときは、申し込む前にねんきんダイヤルで確かめてください。
施設に入った親の分は、どこに届きますか
日本年金機構が管理している本人の住所へ郵送されます。施設へ住所を移しているのに年金の住所が古いままなら、先に住所の変更を確かめます。住所の届出が済んでいるかは、年金事務所かねんきんダイヤルで確かめられます。
年金手帳や基礎年金番号通知書もなくしました
基礎年金番号通知書の再交付は、年金証書とは別の手続きです。年金事務所の窓口かねんきんダイヤルで相談できます(日本年金機構)。年金証書の再交付と同じ日に年金事務所で相談すると、一度で済みます。
参考にした公的情報
- 日本年金機構「年金証書・年金額改定通知書・年金振込通知書の再交付を希望するとき」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140627-01.html - 日本年金機構「年金証書・改定通知書・振込通知書 再交付申請書」(様式・記入例)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/kyotsu/20140421-02.html - 日本年金機構「年金証書をなくしました。どうすればいいですか。」
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/uketori/tsuchisho/shosho/20140421-01-01.html - 日本年金機構「年金コードとは何ですか。」
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/uketori/tsuchisho/shosho/20140425.html - 日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」
https://www.nenkin.go.jp/section/faq/seidozenpan/kisoban/kisonenkinbango/kakuninhoho.html - 日本年金機構「ねんきんネットによる通知書再交付申請」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/utilization/reissue.html - 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140731-01.html - 日本年金機構「ねんきんダイヤル」
https://www.nenkin.go.jp/section/tel/toiawase_ippan.html
※本記事は2026年11月1日に確認した日本年金機構の公開情報をもとにした一般的な整理です。様式や受付方法は変わることがあります。手続きの前に、年金事務所またはねんきんダイヤルでご確認ください。当社は年金の請求書・届書の作成や提出の代わりはお受けしていません。
本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー) 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
