終活とは?やること15項目と始める順番|費用の目安も解説

「終活を始めたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」——これは、終活を意識し始めた多くの方が最初にぶつかる疑問です。終活と一口に言っても、モノの整理からお金、医療・介護、相続、葬儀・お墓まで、範囲はとても広いからです。「相続」よりも心理的なハードルが低い一方で、やることが多く、迷いやすいテーマでもあります。

この記事では、愛知県内で相続・生前対策のご相談を受けている当窓口の視点から、終活とは何か、何から始めればよいかを、全体像と優先順位に沿って中立の立場で整理します。自分でできることと、専門家に相談したほうがよいことを見分けながら、無理なく進めるためのガイドとしてお使いください。

目次

終活とは

終活とは、人生の終わりに向けて、身の回りのことや財産、医療・介護、死後のことなどを整理し、自分と家族が困らないように備える活動のことです。「縁起でもない」と感じる方もいますが、実際には、残りの人生をより自分らしく、安心して過ごすための前向きな準備です。元気なうちに整理しておくことで、判断能力が低下したときや、万一のときに、家族の負担を大きく減らせます。

終活で取り組む6つの領域

終活の全体像は、次の6つの領域に整理するとわかりやすくなります。すべてを一度にやる必要はありません。

領域 主な内容
モノの整理 不用品の整理、生前整理、実家の片付け
お金・資産 財産の把握、口座・保険の整理、老後資金の見直し
医療・介護 受けたい医療・介護の希望、終末期の意思表示
相続 遺言書、生前贈与、家族信託などの生前対策
葬儀・お墓・供養 葬儀の希望、墓じまい、樹木葬・散骨などの検討
デジタル SNS・サブスク・ネット口座・暗号資産の整理

何から始めればいいか(優先順位)

迷ったら、次の順序で始めるのがおすすめです。

  1. エンディングノートを書き始める——財産・連絡先・希望などを一箇所にまとめる出発点
  2. 財産の全体像を把握する——どこに何があるかを整理する
  3. モノの生前整理を進める——少しずつ、無理のない範囲で
  4. 医療・介護・葬儀の希望を整理する
  5. 相続の生前対策(遺言など)を検討する
終活の進め方(迷ったらこの順番で)
1
エンディングノートを書き始める
財産・連絡先・希望などを一箇所にまとめる出発点。
2
財産の全体像を把握する
どこに何があるかを整理し、抜け漏れを防ぐ。
3
モノの生前整理を進める
少しずつ、無理のない範囲で進める。
4
医療・介護・葬儀の希望を整理する
受けたい医療・介護や葬儀の希望を書き残す。
5
相続の生前対策(遺言など)を検討する
遺言・家族信託など。専門家に相談しながら進めると安心。

最初の一歩に最適なのがエンディングノートです。書き進めるうちに、「何が整理できていて、何が手つかずか」が見えてきます。モノの整理は生前整理のやり方、お墓・供養はお墓・供養の生前準備、デジタルの整理はデジタル終活で、それぞれ詳しく解説しています。

「終活」と「生前対策」は何が違うのか

ここが、終活を進めるうえで最も大切なポイントです。終活は「人生の締めくくりの準備全般」、生前対策は「相続・認知症に法的・実務的に備えること(遺言・家族信託・生前贈与など)」を指し、範囲が異なります。終活の一環として生前対策があるとイメージするとわかりやすいでしょう。この違いを理解しておくと、「気持ちの整理」で終わらせず、本当に必要な法的準備まで進められます。詳しくは終活と生前対策(遺言・信託)の違いとはで解説していますので、必ずご覧ください。

「終活」と「生前対策」の違い
終活人生の締めくくりの準備 全般
● モノの整理・お金・資産
● 医療・介護・葬儀・お墓
● デジタル、そして生前対策
生前対策相続・認知症への法的・実務的な備え
● 遺言書
● 家族信託
● 生前贈与 など
▶ 生前対策は終活の一環。範囲が異なる点を押さえておくと、「気持ちの整理」で終わらせず、必要な法的準備まで進められます。

終活でやること15項目チェックリスト

終活でやることを、15項目に分けました。全部を一度にやる必要はありません。「済んだ」「まだ」の目安に使ってください。

分野やること
モノ1. 通帳・保険証券・権利書をひとまとめにする 2. 衣類や日用品から少しずつ減らす 3. 思い出の品は写真に残して手放す
お金4. 銀行・保険・不動産・借入の一覧を作る 5. 使っていない口座や保険を整理する 6. 老後に使えるお金の見通しを立てる
医療・介護7. かかりつけ医・持病・薬を書き出す 8. 介護が必要になったときの希望を書く 9. 延命治療についての考えを家族に話す
相続・契約10. 遺言書を作るか考える 11. 認知症に備える契約(任意後見など)を調べる
葬儀・お墓12. 葬儀の形と呼ぶ人の希望を書く 13. お墓の方針(承継・墓じまい・樹木葬など)を決める
デジタル・家族14. ネット口座・サブスク・SNSの一覧を作る 15. エンディングノートの場所を家族に伝える

終活にかかるお金の目安

終活そのものは、エンディングノートや整理なら費用がほとんどかかりません。お金がかかるのは、葬儀・お墓・遺言などを実際に形にするときです。下の金額は公的機関や調査での目安で、地域や内容で大きく変わります。

項目金額の目安出典
葬儀全国平均 約119万円(家族葬が50.0%)鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」2024年
お墓(購入価格)樹木葬 71.7万円、納骨堂 81.5万円、一般墓 152.0万円鎌倉新書「第17回お墓の消費者全国実態調査」2026年
公正証書遺言手数料5,000円〜(財産の額で決まる)。全体の財産が1億円以下なら、遺言加算11,000円日本公証人連合会
自筆の遺言を法務局に保管3,900円法務局

葬儀費用とお墓の調査は、調査会社に登録した人の回答にもとづく平均です。あくまで目安として、実際には複数の見積もりを取って比べてください。お墓の費用は墓じまい・樹木葬・散骨の違いと費用で詳しく説明しています。

終活をしないと、家族が困りやすいこと

  • 預貯金や保険の場所がわからず、探すのに時間がかかる
  • 葬儀やお墓の希望がわからず、家族が迷って決められない
  • 延命治療などの希望を聞いていないため、家族が重い判断を迫られる
  • ネット口座やサブスクが見つからず、解約できないまま引き落としが続く
  • 遺言がなく、相続人の話し合いが長引く

どれも、「書いておく」「話しておく」だけで軽くできます。終活の相談先は終活の相談先はどこ?愛知県で頼れる窓口と相談の流れで整理しています。

年代別・終活の始め方

終活に「早すぎる」ということはありません。50〜60代なら、まずは財産の把握とエンディングノートから。70代以降は、判断能力があるうちに遺言・任意後見といった生前対策まで踏み込んでおくと安心です。大切なのは、完璧を目指さず、できるところから少しずつ進めることです。

よくある質問(FAQ)

終活は何歳から始めればいいですか?

決まりはありません。体力・気力があるうちのほうが進めやすいため、50〜60代から少しずつ始める方が増えています。まずはエンディングノートや財産の把握といった、負担の軽いことから始めるのがおすすめです。

終活は自分だけでできますか?

モノの整理やエンディングノートは自分で進められます。一方、遺言書・家族信託・任意後見といった法的な備えは、要件や設計が複雑なため、専門家に相談しながら進めると安心です。自分でできることと、相談すべきことを見分けるのがコツです。

エンディングノートと遺言書は同じですか?

いいえ。エンディングノートは希望や情報を自由に書き残すもので、法的な効力はありません。財産を誰に遺すかを法的に定めたいなら、遺言書が必要です。両者は役割が異なり、併用するのが理想です。

終活にはお金がかかりますか?

エンディングノートや持ち物の整理なら、ほとんど費用はかかりません。葬儀・お墓・遺言など、実際に形にする段階で費用が出ます。上の表のように目安を知り、見積もりを取ってから決めると、後悔が少なくなります。

家族がいれば、終活は必要ないですか?

家族がいるからこそ、必要です。家族は、財産の場所も、あなたの希望も、聞かなければわかりません。終活は「家族の迷いを減らすための準備」なので、家族がいる方ほど効果があります。

参考にした公的情報

  • 日本公証人連合会「遺言」(公正証書遺言の手数料、遺言加算)
  • 法務省・法務局「自筆証書遺言書保管制度」(保管の手数料)
  • 生命保険文化センター「葬儀にかかる費用」「お墓にかかる費用」(鎌倉新書の調査の引用。2026年10月に確認)

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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。複数の提携行政書士による監修体制で運営しており、特定個人の士業を推奨するものではありません。

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この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

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