本籍地は遠い県にあり、役所に行く時間もない。マイナンバーカードも手元にない。そういうときは、郵送で戸籍謄本を請求します。ただ、同封するものが一つ欠けるだけで、問い合わせや返送で日数がのびます。
この記事では、請求書の書き方、定額小為替の買い方、返信用封筒、本人確認書類、届くまでの日数を、2026年10月8日時点の公式な案内で整理します。ほかの方法との比較は戸籍謄本の取り方にあります。
先に結論:4点をそろえて本籍地へ送る
この記事の結論
- 送るのは、請求書、本人確認書類の写し、手数料の定額小為替、切手を貼った返信用封筒の4点です。代理の場合などは、委任状や続柄のわかる書類が加わります。
- 戸籍謄本1通は450円です。450円の定額小為替を1枚買うと、郵便局での発行手数料が別に200円かかります。
- 届くまでは、投函から1週間から10日ほどが目安です。連休の前後は2〜3週間以上かかることがあります。
郵送請求の流れ
- 本籍地と筆頭者を確かめる。わからないときは本籍の調べ方を先に見てください。
- 本籍地の市区町村のホームページで、請求書と案内を入手する。様式をダウンロードできないときは、便箋に必要事項を書いても受け付ける自治体があります(名古屋市、浜松市)。
- 請求書に書く。
- 郵便局かゆうちょ銀行で、定額小為替を買う。
- 封筒に入れて、請求先に郵送する。
- 返信を受け取る。内容に不明な点があると、電話で連絡が来ます。為替が足りないときは追加を求められ、多いときは差額が証明書と一緒に返ってきます(柏市)。
封筒に入れるもの
本人確認書類は、マイナンバーカードや運転免許証のほか、在留カード、健康保険の被保険者証、介護保険の被保険者証、国民年金手帳なども例にあがっています。保険証の写しは、記号・番号を黒く塗ってから送る自治体があります(名古屋市)。
請求書の書き方
様式は自治体ごとに違いますが、書く内容は共通しています。
- 本籍と筆頭者の氏名:戸籍を探す手がかりです。番地まで正確に書きます。
- 証明書の種類と通数:戸籍謄本(全部事項証明書)か戸籍抄本(個人事項証明書)か、除籍や改製原戸籍かを選びます。抄本のときは、必要な人の氏名も書きます。
- 請求する人の住所と氏名:住民票に載っている住所を書きます。浜松市は自署と認印を求め、スタンプ式の印鑑は使えないとしています。
- 昼間につながる電話番号:内容の確認で連絡が来ることがあります。
- 請求の理由:本人・配偶者・直系の親族以外が請求するときは、理由を詳しく書き、疎明の資料をつけます(名古屋市、法務省)。
請求できるのは、戸籍に載っている本人、配偶者、直系の親族です。除籍謄本や改製原戸籍が必要なときは除籍謄本・改製原戸籍の取り方に請求の考え方があります。
定額小為替の買い方と金額
手数料は、現金や切手ではなく定額小為替で送ります。現金を普通郵便で送ることは、郵便法で禁じられています(名古屋市)。柏市は切手や収入印紙を受け付けないとしており、浜松市は現金書留か郵便小為替としています。送る前に、請求先の案内で払い方を確かめてください。
定額小為替は、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で買います。ゆうちょ銀行の案内では、券種は50円から1,000円までの12種類、発行手数料は1枚につき200円、有効期間は発行から6か月です(ゆうちょ銀行)。柏市は、到着が遅れることを考えて、買ってから5か月以内のものを送るよう案内しています。
通数や種類がわからないときは、450円と750円の為替を多めに送る方法があります。余った分は、証明書と一緒に返ってきます(柏市)。受取人の欄は、名古屋市と柏市が空欄のまま送るよう案内しています。ゆうちょ銀行の一般的な案内では受取人の名前を書くことになっているため、請求先の案内に従ってください。
返信用封筒と切手
- 宛先:自分の住所と氏名を書きます。返送先は、本人確認書類で確認できる住民登録の住所に限る自治体があります(柏市、浜松市、名古屋市)。
- 大きさ:証明書はA4やA3の大きさです。小さい封筒だと折りたたまれて届きます。折り目をつけたくないときは、大きめの封筒にします(名古屋市)。
- 切手の額:証明書の枚数や重さで変わります。日本郵便の料金表で確かめてください。足りないときは、受取人が不足分を払う形で届くことがあります(柏市、浜松市)。
- 速達にしたいとき:往きも返りも速達にします。返信用封筒には、速達や書留にする旨を書き、その分の切手を足します(柏市)。
送り先と、届くまでの日数
送り先は、本籍地の市区町村です。郵送の専用窓口を置く市もあり、名古屋市は証明書交付センター、浜松市は戸籍・住民票郵送センターが受け付けます。請求先以外に送ると転送されて、発送が遅れます(名古屋市)。戸籍関係の申請書は信書にあたるため、宅配便ではなく郵便か信書便で送ります。
急ぐときは、往きも返りも速達で請求します。それでも間に合わないなら、窓口やコンビニに切り替えるほうが早く済みます。選び方は戸籍謄本の取り方で、コンビニの手順は戸籍謄本をコンビニで取る方法で説明しています。
郵送でできないこと、つまずきやすい点
広域交付は郵送では使えません
本籍地以外の窓口でまとめて請求できる広域交付は、窓口に出向く必要があり、郵送や代理人による請求はできません(法務省)。郵送で請求するときは、戸籍のある市区町村にそれぞれ送ります。
- 本籍が何か所にも分かれているときは、それぞれの市区町村に請求書を送ります。窓口に行けるなら戸籍の広域交付で、1か所でまとめて請求できる場合があります。
- 引っ越した直後は、返送先の住所と本人確認書類の住所が合っているかを確かめます。
- 亡くなった親の本籍がわからないときは、亡くなった親の本籍地がわからない時の調べ方で先に調べます。
よくある質問
定額小為替が足りなかった、多すぎたときは
足りないときは、市区町村から連絡が来るので、不足分を追って送ります。多かったときは、差額が証明書と一緒に返送されます(柏市の案内)。
親の戸籍謄本を子が請求できますか
直系の親族なので、請求できます。請求する戸籍に自分の名前が載っていないときは、親子関係がわかる戸籍謄本の写しをつける自治体があります(柏市)。親が亡くなっていて、出生までの戸籍を集めるときは、除籍謄本・改製原戸籍の取り方が参考になります。
請求書を便箋に書いてもよいですか
様式をダウンロードできないときは、必要事項を便箋に書いて代わりにできる自治体があります(名古屋市、浜松市)。ただし自治体ごとの取り扱いなので、本籍地の市区町村のホームページか電話で確かめてから送ると、やり直しになりません。
あわせて読みたい
参考にした公的情報
- 名古屋市「請求に必要な書類〈戸籍〉」https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007851/1007863/1034699.html
- 柏市「戸籍謄本等を郵送で請求したいとき」https://www.city.kashiwa.lg.jp/shimin/todokede/kosekishoumei/yuubin/chokkeshinzoku.html
- 浜松市「戸籍の郵送請求」https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/siminkj/shomei/koseki_yuso.html
- ゆうちょ銀行「定額小為替」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/hikoza/kj_sk_hkz_kogawase.html
- 法務省「戸籍の窓口での『本人確認』が法律上のルールになりました」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji150.html
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
※本記事は2026年10月時点の公的機関の公開情報にもとづく一般的な整理です。必要な書類・払い方・日数は市区町村で異なります。実際に送る前に、本籍地の市区町村の案内をご確認ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。
