住民票と戸籍謄本の違いって?どちらを出せばいいかの早見表

パスポートの申請、年金の手続き、亡くなった親の相続。案内書に「住民票の写しまたは戸籍謄本を」と書かれていて、役所でどちらを取ればいいのか迷った。そんな場面は珍しくありません。

住民票と戸籍謄本は、名前が似ていて、どちらも役所で取れますが、別の書類です。住民票は「いま、どこで誰と暮らしているか」、戸籍謄本は「誰と誰が親子や夫婦か」を証明します。この記事では違いを表で比べ、手続き別に「どちらを出すか」の早見表を付けました。戸籍謄本の中身は戸籍謄本の読み方で、欄ごとに説明しています。

この記事の結論

  1. 住民票は住所と世帯(居住関係)を、戸籍謄本は親子や夫婦などの身分関係を証明します。請求先も、住民票は住所地、戸籍謄本は本籍地の市区町村が原則です。
  2. 親子・結婚・相続人を示すなら戸籍謄本、住所や同居を示すなら住民票です。手続きによっては両方を求められます。
  3. 住民票に本籍を載せることはできますが、家族の関係までは載りません。提出先がどちらを求めているか、先に案内で確かめてください。
目次

住民票と戸籍謄本は、証明するものが違う

まず、2つを並べて比べます。岡山市の案内では、戸籍は親族関係を証明するもので本籍地に置かれ、住民票は住居関係を証明するもので住所地に置かれる、と整理されています。

住民票と戸籍謄本の違い

比べるところ 住民票 戸籍謄本
証明すること 居住関係(どこに住んでいるか) 身分関係(親子、夫婦など)
置かれている場所 住所地の市区町村 本籍地の市区町村
代表になる人 世帯主。いなくなると変わります 筆頭者。亡くなっても変わりません
同じ書類に載る範囲 同じ世帯の人 同じ戸籍に入っている人
引っ越したとき 住所が変わり、新しい住所地の住民票になります 本籍を移さなければ、変わりません
手数料(名古屋市の例) 1通300円 1通450円

たとえば、結婚して別の家に住んでいる子は、親の住民票には載りません。住所が別で、世帯が別だからです。一方、子が結婚前なら、別に暮らしていても親の戸籍に入っていることがあります。住んでいる場所と戸籍は、別々に決まります(岡山市の案内)。

載っている内容の違い

住民票に載っているもの

住民票の写しには、世帯主、住所、世帯の人ごとの氏名、生年月日、性別、世帯主との続柄、住民となった年月日、転入前の住所などが載ります(総務省の様式)。本籍・筆頭者とマイナンバー(個人番号)は、請求のときに載せるかどうかを選ぶ項目です。何も指定しないと載らない市区町村があります。

本籍を載せたいときの指定の仕方は、住民票に本籍を載せる方法にまとめています。

戸籍謄本に載っているもの

戸籍謄本には、本籍、筆頭者、載っている人ごとの生年月日、父母、続柄、出生や婚姻などの出来事が載ります。戸籍には、いまの住所を書く欄はありません。住所の移り変わりは、本籍地が保管している「戸籍の附票」に載ります(総務省の資料)。附票の写しは、名古屋市で1通300円です。必要な場面は戸籍の附票の取り方をご覧ください。

どちらで何が分かるか

知りたいこと 分かる書類
いまの住所、同居している家族 住民票
前の住所、住民になった日 住民票(転入前の住所が載ります)
親は誰か、子が何人いるか 戸籍謄本(父母の欄、続柄)
結婚した日、離婚した日 戸籍謄本(身分事項欄)
本籍はどこか 住民票(本籍あり)、戸籍謄本、マイナポータルなど

本籍の調べ方は、本籍地の調べ方・確認方法4つに整理しています。

手続き別の早見表:どちらを出すか

提出先ごとに、求められる書類は違います。公式の案内で確かめられたものを表にしました。

手続き別の早見表

場面 求められやすい書類 補足
パスポートの新規申請(国内) 戸籍謄本(全部事項証明書)1通 住民票の写しは、住基ネットを使わない場合や、住民登録のない都道府県で申請する場合に必要です。切替は原則、戸籍謄本が要りません(外務省)
結婚(婚姻届)を本籍地以外の市区町村に出す 戸籍の証明書は、原則として添付が要りません 令和6年(2024年)3月1日から。提出先の職員が本籍地の戸籍を確認できる場合です(法務省)
相続の不動産登記 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍 登記上の住所と本籍が違うときは、亡くなった方の住民票の除票か戸籍の附票の写しも要ります。不動産を相続する人は、住民票か戸籍の附票の写しが要ります(東京法務局)
遺族厚生年金の請求 戸籍謄本(続柄の確認)と、世帯全員の住民票の写し(生計維持の確認) 配偶者または子が、請求書にマイナンバーを書けば、省略できる場合があります(日本年金機構)
住所や同居だけを示したいとき 住民票 提出先が「現住所の確認」を求める場合です
親子や夫婦であることを示したいとき 戸籍謄本 住民票の続柄では足りないこともあります。提出先に確かめてください

遺族厚生年金のように、2つの書類で別のことを確かめる手続きもあります。戸籍は亡くなった方との続柄を、住民票は生計を維持されていた関係を確かめるためです。

発行日から何か月以内、という期限が付くこともあります。遺族厚生年金は、提出日から6カ月以内に交付されたものです。期限の考え方は戸籍謄本の有効期限は?をご覧ください。パスポートの場合はパスポート申請に戸籍謄本はいる?、結婚は婚姻届に戸籍謄本は必要?で、くわしく書いています。

請求先・請求できる人・手数料の違い

住民票の写しと戸籍謄本の請求

住民票の写し 戸籍謄本(全部事項証明書)
請求先 住所地の市区町村が原則 本籍地の市区町村が原則
請求できる人 本人、同じ世帯の人。別の世帯の家族は委任状が要ります 本人、配偶者、父母・祖父母など、子・孫など。使いの人は委任状が要ります
それ以外の人 正当な理由を示す資料が要ります 請求の理由を書く必要があります
手数料(名古屋市の例) 1通300円 1通450円(除籍・改製原戸籍は750円)
住所地・本籍地以外の窓口 広域交付があります。手数料は、窓口の市区町村の額です(文京区の案内) 広域交付があります。窓口に直接行く必要があり、きょうだいの分は請求できません(法務省)

住民票の請求できる人は名古屋市の案内、戸籍の請求できる人は法務省の案内によります。窓口では、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が要ります。

広域交付の戸籍は、郵送や代理人の請求ができません。コンピュータ化されていない一部の戸籍も取れません。使い方は戸籍の広域交付の使い方にあります。

亡くなった方の場合は、呼び名が変わる

相続の手続きでは、書類の名前が変わります。住民票は「住民票の除票」、戸籍は「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」です。

亡くなった方の書類

生きている人 亡くなった方の場合 ひとこと
住民票 住民票の除票 転出や死亡で住民登録が消された住民票。消された日から150年保存されます(総務省)
戸籍謄本 除籍謄本 戸籍に載る人が全員抜けた戸籍です
戸籍謄本 改製原戸籍謄本 戸籍が作り替えられる前の戸籍です

除票は、住所地の窓口か郵送で請求します。取り方は住民票の除票とはに、親の本籍が分からない場合の調べ方は亡くなった親の本籍地がわからない時の調べ方に書いています。除籍や改製原戸籍の取り方は除籍謄本・改製原戸籍の取り方です。

迷ったときの決め方

どちらを出すか迷ったときは、次の順で確かめてください。

  1. 提出先の案内で、書類の名前を確かめる(「住民票の写し」か「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)」か)
  2. 「本籍記載のもの」「世帯全員」「続柄入り」など、条件の指定がないか見る
  3. 発行日の期限(「3か月以内」「6か月以内」など)がないか見る
  4. 分からなければ、提出先に「住民票と戸籍謄本のどちらですか」と電話で聞く

請求書の書き方は、市区町村の窓口で聞けば、その場で直してもらえます。請求のあとで書類を取り直すと、手数料がもう一度かかります。請求の前に、提出先に聞いておくほうが安上がりです。

よくある質問

Q1 住民票は、戸籍謄本の代わりになりますか。

原則、代わりにはなりません。住民票は住所と世帯の証明で、戸籍は親子や夫婦などの関係の証明だからです。住民票に本籍と筆頭者を載せても、家族の関係までは載りません。代わりに使えるかどうかは、提出先の案内で確かめてください。

Q2 本籍地と住所地が同じ市区町村なら、窓口は同じですか。

同じ市区町村なら、同じ役所で両方を請求できます。名古屋市のように区ごとに窓口がある市では、戸籍は本籍地の区役所、住民票は住所地の区役所が原則です(名古屋市の案内)。

Q3 コンビニで、両方とも取れますか。

対応している市区町村では、マイナンバーカードを使ってコンビニで取れます。ただし、市区町村ごとに対象が違います。戸籍は、全部事項証明書と個人事項証明書が対象で、本籍がその区にある人に限る例があります(世田谷区の案内)。住民票の除票は、練馬区の案内では、コンビニ交付も広域交付も使えません。くわしくは戸籍謄本をコンビニで取る方法をご覧ください。

Q4 別に住む親の分も、まとめて請求できますか。

戸籍は、子が親の戸籍謄本を請求できます。委任状は要りませんが、本人確認書類は必要です(法務省)。住民票は、同じ世帯の人なら委任状が要りません。別の世帯の親の住民票は、委任状が要ります(名古屋市の案内)。


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参考にした公的情報

※本記事は2026年10月8日時点の、国と市区町村の公開情報にもとづく一般的な情報です。手数料、必要書類、対応する窓口は市区町村や手続き先によって異なります。個別の手続きに何が必要かは、手続き先に確認してください。

本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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