遺産分割協議書の作成代行と費用【2026年】司法書士・行政書士・税理士の違い

遺産分割協議書を作らなければならない。けれど、書き方が分からない。行政書士に頼むと、いくらかかって、何を任せられるのか。

協議書は、相続人全員が分け方に合意していれば、自分でも作れます。代行を頼むのは、書き方や書類集めを任せたいときです。作成費用は、自分で作れば戸籍代などの実費だけです。司法書士に相続登記とセットで頼むと、協議書の作成込みで全国平均74,888円です(日本司法書士会連合会・2024年3月実施のアンケート)。このページでは、司法書士・行政書士・税理士・弁護士の役割と費用の比べ方、作成を代行してもらうメリットとデメリット、行政書士にできないことを整理します。

✓ 行政書士に頼めること

遺産分割協議書の作成

戸籍を集めての相続人調査

財産目録の作成

預貯金の解約・名義変更に必要な書類の準備

✕ 行政書士には頼めないこと

不動産の相続登記 → 司法書士

相続放棄(家庭裁判所への申述)→ 司法書士・弁護士

相続税の申告 → 税理士

相続人同士の交渉・調停 → 弁護士

▶ 不動産があるか、相続税の申告が要るかで、行政書士だけで完結するかが決まります。まずそこを確認してください。

先に結論:いくらかかるか

愛知県内の公開料金では、遺産分割協議書の作成が16万5,000円〜、相続人調査が5万5,000円〜。預貯金の解約まで含めて一括で頼むと着手金38万5,000円〜+遺産総額の1.1%という料金体系もあります。同じ範囲を司法書士に頼む場合は7万8,000円〜27万5,000円で、こちらは不動産の登記まで含められます。

愛知県内で相続業務の料金を公開している事務所の集計(2026年9月時点・税込/税別は事務所により異なる)。

目次

遺産分割協議書の作成を代行に頼むメリットとデメリット

作成を代行に頼んで得られるのは、書き方の確実さと、手間の節約です。失うのは、費用と、「分け方は決めてもらえない」という限界です。

比べる点 代行に頼む 自分で作る
費用公開料金の例は16万5,000円〜(相続人調査などは別)報酬は0円。戸籍などの実費のみ
書き方の確実さ金融機関や法務局で使える形に整えてもらえる決まった書式はないが、財産の書き方に漏れや誤りがあると、使えないことがある
分け方を決める決めてはもらえない。相続人全員の合意が前提同じ(相続人どうしで決める)
戸籍集め・書類づくり任せられる(どこまで含むかは事務所ごと)平日に役所や銀行を回る必要がある
相続人どうしが揉めている行政書士は引き受けられない。弁護士の領域話し合いがまとまらなければ、協議書は作れない
不動産の登記行政書士は申請を代理できない。司法書士の領域自分で法務局に申請できる

費用は、愛知県内で相続業務の料金を公開している事務所の例(2026年9月時点・税込)。事務所ごとに条件が違うため、必ず書面の見積もりで確認してください。

代行に頼む前に知っておきたい4つのデメリット

  1. 費用が高くなりやすい。協議書の作成だけで16万5,000円〜という公開例があります。戸籍を集めて相続人を調べる費用(5万5,000円〜の例)が別に加わることもあります。自分で作るなら、かかるのは戸籍などの実費だけです。
  2. 分け方は決めてもらえない。誰が何を相続するかは、相続人どうしの話し合いで決めます。行政書士は、決まった内容を文書にする専門家です。相続人の間に入って交渉することはできません。
  3. 登記に使えない協議書になることがある。不動産がある場合、登記に使う前提で作られていない協議書は、作り直しになることがあります。最初の相談で「この協議書は相続登記にも使います」と伝えてください。
  4. 後から財産が見つかると、追加の話し合いが要る。協議書に書いていない財産が見つかったときは、改めて話し合って書面を作ります。見つかった財産の扱いを先に書いておく方法もあるので、依頼先に聞いてみてください。

反対に、平日に動けない、相続人が遠方に散らばっている、金融機関が多くて書類の出し直しが負担、という方には、代行のメリットが大きくなります。相続人が少なく、財産が預貯金と不動産1件ほどで、分け方も決まっているなら、自分で作る選択も現実的です。

司法書士と行政書士のどちらに頼むかは相続手続きは司法書士と行政書士どちらに依頼すべきかで、協議書と登記をまとめて司法書士に頼む場合の報酬は司法書士の料金表(相続)で説明しています。

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遺産分割協議書の作成費用:自分・司法書士・行政書士・税理士・弁護士で比べる

作成費用は「誰に、どこまで頼むか」で決まります。自分で作れば、かかるのは戸籍代などの実費だけです。司法書士に相続登記と一緒に頼む場合は、協議書の作成込みで全国平均74,888円です(日本司法書士会連合会の報酬アンケート・2024年3月実施)。行政書士・税理士・弁護士は、協議書の作成だけの全国平均が公表されていません。そのため下の表には、出典のある目安だけを載せています。

頼む先頼めること作成費用の目安(出典のあるもの)向いている家族
自分で作る書式は自由。法務局の記載例を見ながら作れる報酬0円。戸籍謄本450円・除籍謄本750円などの実費だけ争いがなく、財産が預貯金と自宅くらい
司法書士協議書の作成と、相続登記の申請の代理(司法書士法3条)相続登記とセットで全国平均74,888円。土地1筆・建物1棟、評価額1,000万円、相続人3名、戸籍5通の取り寄せと協議書・相続関係説明図の作成を含む条件。登録免許税は別不動産がある
行政書士協議書の作成、相続人調査、財産目録(行政書士法1条の3)。登記の申請代理と、相続人どうしの交渉はできない全国平均の公表なし。愛知県内の公開料金の例は16万5,000円〜(上の集計)不動産がなく、預貯金の手続きが多い
税理士相続税の申告。分け方による税額の違いの試算協議書だけの全国平均の公表なし。申告の見積もりと一緒に確かめる相続税の申告が要る
弁護士相続人どうしの交渉や調停の代理(報酬を得て代理できるのは弁護士。弁護士法72条)報酬の決め方は事務所ごと。見積もりで確かめる分け方で意見が割れている、話し合いに応じない人がいる
※出典:日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート(2024年3月実施)」、e-Gov法令検索(司法書士法・行政書士法・弁護士法)。2026年10月時点。日本行政書士会連合会が公表している報酬額統計(令和8年1月実施)には、協議書の作成の項目は見当たりませんでした。金額は税込で、実際の報酬は事務所との契約で決まります。

「協議書を司法書士に」と考えたら:登記とセットで見る

司法書士に頼む意味が大きいのは、不動産がある家族です。協議書の不動産の書き方は、登記の記録と一字一句そろえる必要があります。協議書を作った司法書士が、そのまま登記を申請できます。日司連のアンケートも、協議書の作成から登記の申請までを一続きの仕事として報酬を聞いています。

協議書だけを頼む料金は、このアンケートにはありません。単独で頼むなら、事務所の見積もりで確かめてください。登録免許税などの実費と、誰が払うかを含めた総額は、相続登記の費用相場と司法書士報酬で計算例つきで説明しています。

税理士に先に聞いたほうがよい家族

相続税の申告が要る家族は、協議書を固める前に税理士に試算を頼む価値があります。分け方で税額が変わるからです。たとえば配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産をもとに計算し、申告書に協議書の写しと相続人全員の印鑑証明書を付けて受けます(国税庁 No.4158)。押印したあとで「この分け方だと税金が高くなる」と分かると、協議書を作り直すことになります。

誰に頼むかの判定表:3つの質問で決まる

質問「はい」なら「いいえ」なら
①相続人どうしで、分け方がまとまっていますか②へ進む弁護士に相談。行政書士・司法書士は交渉の代理をしません
②不動産(実家・土地)がありますか司法書士に、協議書と登記を一緒に自分で作るか、行政書士に
③遺産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えそうですか税理士にも。協議書を固める前に試算申告は不要の見込み。税理士は必須ではありません

3問の答えを並べると、頼む先は1か所から3か所に絞れます。たとえば「争いなし・実家あり・申告なし」なら司法書士1か所です。「争いなし・実家あり・申告あり」なら、税理士の試算のあとに司法書士で協議書と登記、という並びになります。

頼む順番で、作成費用の二重払いを防ぐ

作成費用がふくらむいちばんの原因は、作り直しです。順番を間違えると、別の専門家の指摘で協議書を作り直し、作成料を2回払うことになります。次の順で進めると、作り直しが起きにくくなります。

  1. 争いがあるなら、最初に弁護士。まとまらないうちに協議書を作っても、全員の判子はそろいません。
  2. 相続税がかかりそうなら、税理士の試算。分け方の候補ごとに税額を比べてから決めます。
  3. 分け方が決まったら協議書。不動産があるなら、登記に使う前提で作ります。行政書士に頼む場合も「登記にも使う」と最初に伝えます。
  4. 協議書ができたら各窓口へ。法務局・銀行・税務署で出し方が違います。原本を返してもらう方法や印鑑証明書の期限は遺産分割協議書の提出先一覧にまとめています。

作成費用は誰が払うか

法律の決まりはなく、相続人どうしで決めます。遺産の預金から払う、不動産を受け継ぐ人が払う、などの形があります。1人が立て替えるなら、精算の方法を協議書に1行書いておくと、あとでもめにくくなります。

1. 相続手続きにおける行政書士の役割

1-1. 行政書士が対応できる手続きの範囲

行政書士は、相続手続きにおいて主に遺産分割協議書の作成や、相続人調査、財産目録の作成といった業務を担当します。遺産分割協議書の作成は、相続人全員が遺産の分割方法に合意したことを法的に証明する重要な文書であり、この作成を行政書士がサポートします。また、相続人が誰であるかを確定する相続人調査や、相続財産を一覧にまとめた財産目録の作成も、行政書士が担うことができます。

ただし、行政書士は法律に基づく登記申請や相続放棄手続きなど、司法書士や弁護士にしかできない業務には対応できません。相続手続き全般を完了するためには、必要に応じてこれらの専門家と連携を取ることが必要です。

1-2. 行政書士に依頼する際の基本的な流れ

行政書士に相続手続き代行を依頼する際は、まず初回相談で遺産の概要や相続人の範囲を確認します。相談の段階で、相続手続き全体の流れや、必要となる書類、費用について説明が行われます。

続いて、行政書士は必要な書類の収集や、遺産分割協議書の作成を進めます。財産目録の作成も並行して行われ、これらの書類を基に相続手続きを進めていきます。行政書士は主に書類作成のプロフェッショナルであり、法的な書類を正確に整えることに長けています。しかし、必要に応じて司法書士や弁護士と連携し、依頼者のニーズに応じた対応を行います。

今日の一歩:相談を予約する前に、頼む順番だけ確かめる

先に切り分ける2つ

①不動産があるか。ある場合、登記そのものは司法書士の仕事です。行政書士に遺産分割協議書だけ作ってもらって後から登記に出すこともできますが、登記に使う前提で作られていない協議書は作り直しになることがあります。最初の相談で「この協議書は相続登記にも使います」と必ず伝えてください。②相続放棄を考えているか。家庭裁判所への申述書類は行政書士では扱えません(司法書士・弁護士の領域)。期限が3か月と短いので、これは一番先に切り分けます。

初回相談に持って行くもの

亡くなった方の死亡が記載された戸籍(除籍)/通帳・キャッシュカード/固定資産税の課税明細書、または市区町村の資産税窓口で取る名寄帳/生命保険の証券/相続人が分かる範囲のメモ/遺言書があれば封を開けずに現物。伝えるのは、亡くなった日、不動産の有無と所在、相続人の人数と話し合いがついているかどうかの3点です。

見積もりで聞く3点

①戸籍の収集がどこまで報酬に含まれるか(通数で加算される料金表が多くあります) ②金融機関1件ごとの加算はいくらか(口座の数だけ増えます) ③登記が必要な場合、司法書士の報酬は見積もりに含まれるのか、紹介だけなのか。3点目を聞かずに契約すると、後から別の見積書が来て総額が想定と変わります。

断られたとき・動いている期限

相続人の間で主張が食い違っている場合、行政書士は受任できません。その場合は弁護士に切り替えます。事務所の探し先としては、各都道府県の行政書士会(愛知県は愛知県行政書士会)の相談窓口があります。期限は相続放棄3か月・相続税の申告10か月・相続登記は取得を知った日から3年(2024年4月1日より前に発生した相続も対象で、その場合は2027年3月31日まで)。戸籍の束を何度も出し直すのが負担なら、法務局で法定相続情報一覧図の写しを作ってください。交付は無料で、必要な通数をまとめて受け取れます。

1-3. 行政書士と他士業の比較(司法書士、弁護士など)

行政書士の相続手続きにおける役割は、他の士業と比較して異なる点が多いです。司法書士は不動産の名義変更や登記申請などの法的手続きを得意としていますが、行政書士は書類作成や行政手続きを専門としています。弁護士は相続紛争の解決や訴訟対応を扱います。担当できる範囲が広いぶん、依頼内容も費用の考え方も他士業とは異なります。

行政書士は、法的な紛争がなく、主に書類作成や行政手続きが必要な場合に、コストパフォーマンス良く対応できる専門家です。特に、相続税申告が不要で、遺産分割協議がスムーズに進む場合には、行政書士が最適な選択肢となります。ただし、登記申請や相続放棄の手続きなど、専門的な法務が必要な場合は、他の士業との連携が不可欠です。

💡 行政書士が最適なケース

相続税申告が不要で、法的な紛争がなく、遺産分割協議がスムーズに進む場合は、行政書士がコストパフォーマンス良く対応できる最適な選択肢となります。ただし、登記申請や相続放棄など専門的な法務が必要な場合は、司法書士や弁護士との連携が不可欠です。

2. 行政書士に相続手続きを代行してもらうメリット

2-1. 必要に応じて良い専門家を紹介してもらえる

行政書士に相続手続きを依頼するメリットの一つは、必要に応じて信頼できる他の専門家を紹介してもらえる点です。相続手続きの中で、税理士や司法書士、場合によっては弁護士が必要になることがありますが、行政書士は信頼性の高い専門家を紹介することができます。これは、依頼者が安心して相続手続きを進められる大きな利点です。ただし、一部の行政書士事務所では、紹介料が発生することがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

2-2. 行政手続きと書類作成を一括して依頼できる

行政書士は、相続手続きに必要な書類作成や行政手続きを一括して行うことができます。特に、遺産分割協議書の作成や、相続人調査、財産目録の作成といった、相続手続きにおいて基本的かつ重要な部分を担当します。ただし、法的な争いや登記に関する手続きは別の専門家に依頼する必要があるため、これらの作業を包括的に任せたい場合は、司法書士や弁護士との連携が求められます。

2-3. 地方や遠方に住んでいる相続人にとっての利便性

相続人が地方や遠方に住んでいる場合、行政書士に依頼することで、現地で必要な手続きを代行してもらうことができます。これは、相続手続きの多くが被相続人が住んでいた地域で行われるため、遠方の相続人にとって大きなメリットです。行政書士が現地での手続きを担当することで、相続人は時間や移動の手間をかけずに、手続きを完了させることが可能です。

3. 行政書士に依頼するデメリット

3-1. 費用が発生すること

行政書士に相続手続きを依頼する際のデメリットとしては、費用が発生することが挙げられます。手続き内容や書類作成の範囲によって異なりますが、数万円から十数万円の費用がかかることがあります。相続手続きが簡素である場合には、自分で手続きを行う方が費用を節約できる場合もあります。

また、行政書士が対応できない手続きに関しては、別の専門家に依頼する必要があるため、その分の費用が追加で発生する可能性もあります。例えば、登記申請や相続放棄が必要な場合は司法書士に依頼する必要があり、費用がかさむことがあります。

3-2. 対応できる範囲が法律上制限されていること

行政書士は、法律上対応できる業務が制限されています。例えば、相続人間での紛争が発生した場合や、不動産の登記申請が必要な場合、行政書士はこれらの手続きを扱うことができません。このような場合には、弁護士や司法書士に依頼する必要が出てきます。

行政書士は主に書類作成と行政手続きを専門としていますが、法的な争いや不動産に関する手続きには対応できないため、すべての相続手続きを一括で行いたい場合には、別の専門家との連携が必要となります。

3-3. 依頼する行政書士の選び方によるサービスの質の違い

行政書士の中でも、サービスの質や専門知識には個人差があります。そのため、依頼する行政書士の選び方によって、手続きの進行やサービスの質に違いが出ることがあります。信頼性や実績、相続手続きに関する専門知識を持つ行政書士を選ぶことが重要です。

また、初回相談時の対応や、過去の依頼者からの評価も重要な指標となります。インターネットの口コミや紹介を活用して、信頼できる行政書士を見つけることが、安心して相続手続きを進めるための鍵となります。

行政書士に依頼するメリット

✓ 必要に応じて信頼できる他の専門家を紹介してもらえる

✓ 遺産分割協議書・相続人調査・財産目録など書類作成と行政手続きを一括依頼できる

✓ 遠方に住む相続人でも現地の手続きを代行してもらえる

行政書士に依頼するデメリット

✕ 数万円から十数万円の費用が発生する

✕ 登記申請や相続放棄など法律上対応できない業務がある

✕ 事務所によってサービスの質や専門知識に個人差がある

4. 行政書士に依頼する際の費用

4-1. 相続手続きにかかる主な費用の内訳

行政書士に相続手続きを依頼する際にかかる主な費用は、以下の通りです。

  1. 遺産分割協議書の作成費用: 相続人全員が合意した分け方を、金融機関や法務局が受け付ける形の文書にする費用です。相続人の人数分の署名・押印を集めるところまで含むかどうかで金額が変わります。
  2. 相続人調査の費用: 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどり、相続人を確定させる費用です。本籍を何度も移していると戸籍の通数が増え、その分だけ上がります。
  3. 財産目録の作成費用: 預貯金・不動産・保険などを一覧にまとめる費用です。金融機関の数や不動産の件数で変わります。
  4. 役所に払う実費: 戸籍謄本1通450円、除籍謄本・改製原戸籍1通750円などの法定額です。専門家の報酬とは別にかかります。

それぞれの実際の金額は、次の項の表にまとめました。

4-2. 行政書士の報酬額の相場(2026年9月・愛知県内の公開料金を集計)

行政書士の報酬は自由設定で、統一基準がありません。そこで、愛知県内で相続業務の料金を公開している事務所を当社で集計しました。比較のために、同じ業務を扱う司法書士事務所の公開料金と、役所に払う実費も並べています。

項目 相場の幅 多い価格帯 備考(加算の条件)
遺産分割協議書の作成 16万5,000円〜 16万円台〜 名古屋市の広域展開事務所の公開料金(税込)。戸籍の収集をどこまで含むかで金額が変わる
相続人調査・相続関係説明図の作成 5万5,000円〜 5万円台 名古屋市の事務所の公開料金(税込)。戸籍の通数が多いほど加算されやすい
相続財産目録の作成 5万5,000円〜 5万円台 同じ事務所の公開料金(税込)。金融機関や不動産の数で変わる
相続手続き代行(一括) 着手金38万5,000円〜
+遺産総額の1.1%
― 名古屋市の広域展開事務所の公開料金(税込)。預貯金の解約・名義変更まで一括で任せる形
(比較)司法書士の遺産整理 7万8,000円〜27万5,000円 18万〜22万円台 固定パッケージ型と、財産額に0.4〜1.2%の料率を掛ける型がある。不動産の登記まで含められる
(比較)預貯金の解約だけ頼む場合 3万3,000円/1行〜 3万円台 不動産を含まない簡易プラン(名古屋市の事務所・税込)。金融機関の数だけ加算される
戸籍の取り寄せ代行 662円〜2,000円/通 1,000円前後 これは専門家に払う報酬。役所に払う下記の実費が別にかかる
【実費】戸籍謄本 450円/通 450円 法定額。除籍謄本・改製原戸籍は750円/通。生まれてから亡くなるまでで10通を超えることもある
【実費】登録免許税(相続登記) 固定資産税評価額×0.4% ― 法定額。行政書士は登記を代理できないため、不動産があれば司法書士の報酬とこの税金が別に必要
【実費】法務局の遺言書保管 3,900円/通 3,900円 法定額・全国一律。自筆証書遺言を法務局に預ける場合の申請手数料

愛知県内で相続業務の料金を公開している行政書士事務所3件と、比較用に司法書士事務所の公開料金をもとに当社が集計(2026年9月時点・税込/税別は事務所により異なる)。行政書士報酬は自由設定で統一基準がなく、単独事務所は「要問い合わせ」としているところも多くあります。事務所ごとに条件が違うため、必ず書面の見積もりで確認してください。

うちはいくらになるかを当てはめるときは、次の3つを数えてください。①戸籍の通数(本籍を何度も移していると通数が増え、取り寄せ代行も実費も増えます)、②金融機関の口座数(1行ごとに加算する事務所があります)、③不動産があるかどうか(あれば司法書士の報酬と登録免許税が別に発生します)。

たとえば預貯金が2行だけで不動産なし、相続人3人という状態なら、遺産分割協議書の作成16万5,000円+相続人調査5万5,000円で22万円前後。ここに戸籍の実費が数千円乗る、という積み上げです。逆に不動産があると、行政書士だけでは完結しません。同じ「相続手続き代行20万円」でも、登記が入っているかどうかで意味がまったく変わります。

見積書を比べるときは、金額の下ではなく「範囲」を横に並べてください。戸籍の収集は含むか、金融機関は何行まで含むか、不動産の登記は誰がやるのか。この3点がそろっていない見積書どうしを比べても、安い高いは判断できません。

4-3. 費用を抑えるためのポイント

行政書士に相続手続きを依頼する際、費用を抑えるためには以下のポイントに注意することが重要です。

  1. 複数の行政書士から見積もりを取る: 複数の事務所から見積もりを取り、料金を比較することで、最もコストパフォーマンスの高い事務所を選ぶことができます。特に、料金の内訳を確認し、追加費用が発生する可能性についても確認しておくことが大切です。
  2. 自分でできる手続きは自分で行う: 戸籍謄本や住民票の取得など、自分で行える手続きは自分で行うことで、費用を抑えることができます。
  3. 簡単な手続きは行政書士に任せ、複雑な手続きは司法書士に依頼する: 特に、相続登記や法務局への申請が必要な場合は司法書士に依頼し、それ以外の簡単な手続きは行政書士に任せることで、全体の費用を抑えることができます。

これらのポイントを押さえることで、無駄な費用をかけずに相続手続きを進めることが可能です。

5. 行政書士と他士業の比較

専門家 主な対応業務 依頼が向いているケース
行政書士 遺産分割協議書の作成、相続人調査、財産目録の作成などの書類作成・行政手続き 法的な紛争がなく、書類作成が中心となる場合
司法書士 不動産の相続登記、法務局への申請、相続放棄の申述書類の作成 登記や複雑な法的手続きが必要な場合
弁護士 相続紛争の解決、訴訟対応、遺言書の有効性を巡る問題への対応 相続人間で争いが生じている場合(報酬体系が他士業と異なるため見積もりで確認)
税理士 相続税の申告、節税対策 相続税の申告が必要な場合や節税対策を検討している場合

5-1. 司法書士との比較:どちらに依頼すべきか

司法書士と行政書士の違いは、主に対応できる業務の範囲と費用にあります。司法書士は、不動産の相続登記や法務局への申請など、法律に関する手続きを専門としていますが、行政書士は主に書類作成や行政手続きが得意です。

報酬はどちらも事務所ごとに異なるため、士業の種類だけで安い高いは決まりません。決め手になるのは、その手続きを扱えるかどうかです。例えば、法的な紛争がなく、書類作成が中心となる場合には行政書士、登記や複雑な法的手続きが必要な場合には司法書士が適しています。

5-2. 弁護士との比較:対応できる手続きの違い

弁護士は、相続に関する紛争や訴訟を専門としているため、相続人間で争いが生じている場合や、遺言書の有効性を巡る問題がある場合には、弁護士に依頼する方が適しています。争いがない相続手続きであれば、代理人を立てる必要はありません。書類作成が中心なら行政書士で足ります。

行政書士は書類作成や行政手続きを専門としているため、相続手続きがスムーズに進む場合には、弁護士を依頼する必要はありません。ただし、法的な争いが予想される場合には、弁護士との連携を検討する必要があります。

5-3. 税理士との連携の必要性

相続税の申告や節税対策に関しては、税理士のサポートが不可欠です。行政書士は相続手続きの書類作成や行政手続きを担当しますが、税務に関しては専門外となります。そのため、相続税の申告が必要な場合や、節税対策を検討している場合には、税理士との連携が重要です。

多くの行政書士事務所では、提携している税理士を紹介してもらうことができるため、必要に応じて税理士と行政書士の両方を活用することで、全体的な相続手続きをスムーズに進めることが可能です。

行政書士に頼める範囲で足りるのか、他にも要るのか決められない方へ
この記事の線引き(書類は行政書士、登記は司法書士、申告は税理士、争いは弁護士)は分かっても、ご自身がどこに当たるかは、財産の中身と相続人の状況を並べてみないと決まりません。30分の無料相談では、いまの状況を伺って、行政書士1か所で済む話なのか、登記や申告も同時に動かす必要があるのか、頼む順番はどれからかを整理してお持ち帰りいただけます。ご自身で進められる見込みであれば、その旨をお伝えします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

6. 行政書士に相続手続きを依頼する際の注意点

6-1. 信頼できる行政書士を見つけるためのポイント

信頼できる行政書士を見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。まず、相続手続きに関する豊富な実績を持つ行政書士を選ぶことが重要です。経験豊富な行政書士は、手続きの進行がスムーズであり、予期せぬトラブルが発生した際にも迅速に対応してくれます。

また、初回相談時の対応や説明のわかりやすさも重要な判断基準です。行政書士とのコミュニケーションが円滑に行えるかどうかは、長期間にわたる相続手続きにおいて非常に重要です。口コミや評判をチェックし、過去の依頼者からの評価も参考にすると良いでしょう。

6-2. 依頼する前に確認すべき事項

行政書士に依頼する前には、いくつかの重要な事項を確認しておくことが必要です。まず、依頼する手続きの内容や範囲を明確にし、行政書士が対応できるかどうかを確認しましょう。また、費用の内訳や支払いのタイミング、追加費用が発生する可能性についても事前に確認しておくことが大切です。

さらに、行政書士が対応できない業務がある場合には、どのように対応するかを事前に話し合っておくと良いでしょう。例えば、司法書士や弁護士との連携が必要な場合には、その点についても確認しておくと、手続きがスムーズに進むでしょう。

6-3. トラブルを避けるための対策

相続手続きにおいてトラブルを避けるためには、事前の準備と情報共有が重要です。特に、相続人間での合意形成が難しい場合や、遺産分割に関する意見が対立する場合には、弁護士に相談しながら慎重に進めることが求められます(相続人どうしの交渉や紛争の代理は弁護士の業務です。弁護士法72条)。

また、行政書士との契約書を作成し、手続きの内容や報酬について明確に記載しておくこともトラブルを避けるための有効な方法です。契約書を作成することで、後々の誤解や不安を防ぐことができます。

30秒セルフチェック:そもそも専門家に頼むべき?どの専門家?

次のうち、当てはまるものはいくつありますか。数えてから、下の「結果の読み方」をご覧ください。

相続財産に不動産(土地・建物)が含まれている
遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそう
相続人の間で意見が対立している/連絡が取れない人がいる
相続人が3人以上、または遠方に暮らす相続人がいる
平日に役所・法務局・銀行を回る時間が取りにくい

結果の読み方(当てはまった数)

0〜1個:ご自身で進められる可能性が高い
争いや不動産・相続税がなければ、専門家に依頼しなくても手続きを完了できるケースが多くあります。無理にご相談いただく必要はありません。まずは記事内の手順やチェックリストで進めてみてください。そのうえで、判断に迷う点が1つでもあるようでしたら、30分の無料相談でご一緒に確認できます。
2〜3個:一部、専門家の力が要る論点があります
ご自身で進められる部分と、専門家に任せた方がよい部分が混在しています。下の「どの専門家に頼む?」で当てはまる領域を確認し、判断に迷う点だけ30分の無料相談で確認することもできます。
4個以上:複数の専門家が関わる状況です
手続きが広範囲に及びます。個別に専門家を探す前に、30分の無料相談で「何を自分でやり、何を誰に頼むか」を先に切り分けると、費用も時間も抑えられます。
重要:当てはまった数に関わらず、「相続人の対立・連絡不能」なら弁護士、「相続税が基礎控除を超える」なら税理士(申告期限は相続開始から10か月)の領域です。この2つはご自身での対応が難しいことが多いため、早めにご相談ください。

どの専門家に頼む?(当てはまった項目から)

不動産の名義変更(相続登記)司法書士
相続税の申告(基礎控除超・期限10か月)税理士
相続人間の対立・交渉・調停弁護士
戸籍収集・書類作成・手続き代行(争いなし)行政書士
迷う・複数に当てはまる30分の無料相談で振り分け
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相続人の対立が心配な方は、もめる相続リスク診断でリスクの度合いを確認できます。

※目安を示すものです。30分の無料相談はこの段階で費用が発生しません。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。ご自身で完了できる方は、無理にご相談いただく必要はありません。

よくある質問

遺産分割協議書の作成だけを司法書士に頼めますか。費用はいくらですか

協議書の作成だけを引き受けるか、料金をいくらにするかは事務所ごとです。日本司法書士会連合会のアンケートには協議書だけの設問がなく、公表されている目安は、相続登記とセット(協議書と相続関係説明図の作成込み)の全国平均74,888円です。不動産があるなら、登記と一緒に頼むほうが作り直しを防げます。

税理士に遺産分割協議書を作ってもらえますか

相続税の申告を頼む税理士に、分け方と協議書の案を相談することはできます。料金は申告の見積もりと一緒に確かめてください。その協議書を相続登記にも使うなら、不動産の書き方を登記の記録とそろえる必要があるので、司法書士にも見てもらうと安心です。

遺産分割協議書の作成費用は誰が払いますか

法律の決まりはなく、相続人どうしで決めます。遺産の預金から払う、不動産を受け継ぐ人が払う、相続人で分ける、などの形があります。1人が立て替えるなら、精算の方法を協議書に書いておくと、あとでもめにくくなります。


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本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

相続事務所にてマーケティング、広報、人事、新規事業等を行いウェブ経由の月間売上を更新する傍ら経営にも参画する。主にウェブマーケティングを通じて業界特有の「見せ方」やずる賢い手法をたくさん目撃していく。お客さんにとっては幾度とない大事な機会なのに半ば騙すようなマーケティングや営業で受任している事業者がいることを問題視し、業界についての正確な情報を発信したいと考え「相続事務所のホンネとタテマエ」を運営中。

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