親の介護で悩んだら|負担の偏り・気持ち・お金・相続までの総合ガイド

「親の介護」という言葉で検索すると、施設の探し方や介護保険サービスの説明はたくさん出てきます。しかし、実際にご家族から寄せられる相談で多いのは、少し違う悩みです。「介護の負担がきょうだいの中で自分にばかり偏っている」「介護にかかったお金を誰がどう出すのか決まらない」「このままでは、親が亡くなったあとの相続でもめるのではないか」——介護の実務そのものより、お金と家族関係にまたがる悩みのほうが、ずっと根深く残ります。

このページは、親の介護をめぐるそうした悩みを状況別に整理し、それぞれを詳しく解説した記事へご案内する総合ガイドです。介護サービスの選び方は市区町村の地域包括支援センターなど専門の窓口に任せ、当サイトは「介護の負担が、家族関係と将来の相続にどう影響するか」という一歩踏み込んだ部分を専門に扱います。

目次

まず、数字で全体像をつかむ

「うちだけが大変なのではないか」と感じている方にこそ、先に客観的なデータを見ていただきたいと思います。公益財団法人 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2024(令和6)年度・2人以上世帯)」によると、介護に要した期間は平均55.0か月(約4年7か月)で、4年を超えて介護した人は約4割にのぼります。費用は、月々の自己負担が在宅介護で平均5.3万円、施設介護で平均13.8万円。これに加えて、住宅の改修や介護用ベッドの購入といった一時的な費用が平均47.2万円かかっています。

つまり親の介護とは、平均像で見ても「4年以上にわたって、月数万円〜十数万円の負担が続く」出来事です。これだけの期間と金額になるからこそ、「誰が担うか」「誰が払うか」「その貢献は最終的にどう扱われるのか」を曖昧にしたままでは、家族関係に必ずひずみが出ます。逆に言えば、この3点を早めに言葉にしておくだけで、防げるトラブルがかなりあります。

出典:公益財団法人 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」(2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査より)

まず、いまの気持ちを整理したい方へ

介護をめぐる悩みは、実務的な問題である以前に、まず気持ちの問題であることがほとんどです。「なぜ自分ばかりなのか」「介護をしたくないと思う自分はおかしいのか」——そうした感情は、決して珍しいものでも、責められるべきものでもありません。まずご自身の状況に近い記事からお読みください。

きょうだいとの負担の差でもめている方へ

「介護は私だけ、なのに相続は平等に分けろと言われる」——このタイプの不公平感は、ご相談のなかでも特に多いテーマです。知っておいていただきたいのは、法律はこの不公平を放置していない、ということです。介護など特別の貢献をした相続人の取り分を増やす「寄与分」(民法904条の2)に加え、2019年の相続法改正では、長男の妻など相続人でない親族が金銭を請求できる「特別寄与料」(民法1050条)という制度も新設されました。ただし、どちらも相続が始まってから主張するにはハードルがあり、記録と事前の準備がものを言います。詳しくは以下の記事で解説しています。

条文の原文は e-Gov法令検索「民法」(904条の2・1050条)で確認できます。

ご自身の状況に合わせて知りたい方へ

介護の悩み方は、距離や同居の有無、家族構成によっても変わります。ご自身の状況に近い記事をお選びください。

介護と相続のつながりを詳しく知りたい方へ

意外に思われるかもしれませんが、法定相続分の計算式は「誰が介護をしたか」を一切考慮しません。何もしなかった相続人も、何年も介護を担った相続人も、原則として同じ割合です。だからこそ、介護の貢献を相続に反映させるには、寄与分・特別寄与料・遺言・生命保険の受取人指定といった「仕組み」を意図的に使う必要があります。全体像は次の記事にまとめています。

これから起きるお金の問題に備えたい方へ

前述のとおり、介護には月数万円〜十数万円の負担が平均4年以上続きます。ただし、高額介護サービス費や負担限度額認定など、申請すれば使える公的制度は複数あり、知っているかどうかで負担は大きく変わります。もう一つ大切なのは記録です。介護費用を立て替えたら、日付と金額を残しておく——それだけのことが、将来寄与分や特別寄与料を主張する際の証拠になります。当社では、実家で費用や役割の話を切り出すための「家族会議キット」(A4・全5ページ)を無料で配布しています。決めることチェックリスト(誰が・お金・家・もしもの連絡網)と、どこに何があるかを書き出す財産ノートの簡易版が入っています(配布ページから登録不要でダウンロードできます)。

親が元気なうちにできる、3つの備え

介護の負担や相続でのトラブルの多くは、親が元気なうちの3つの行動でかなりの部分を防げます。特別な手続きは必要ありません。

  • 家族会議:誰が何をどこまで担うか、費用はどう分担するかを、感情的にならないうちに一度言葉にしておく。
  • 財産の把握:親の預貯金・不動産・保険などの全体像を、家族があらかじめ把握しておく。介護費用を「親のお金」から出すためにも必須です。
  • 遺言・生命保険の受取人指定:介護の貢献を踏まえた配分を、親自身の意思としてあらかじめ形にしておく。

ご家庭の状況によって、何から手をつければよいかは異なります。当サイトの無料の生前対策診断では、いくつかの質問に答えるだけで、ご家庭で優先すべき備えを整理できます。

介護がこれから始まる方は、まず地域包括支援センターへ

介護がこれから始まる、あるいは始まったばかりという方は、まず親の住所地の地域包括支援センターに電話してください。要介護認定の申請の仕方、ケアマネジャーの紹介、使えるサービスの組み立てまで、ここが入口になります。全国の市区町村に設置された公的な窓口で、相談は無料です(厚生労働省:地域包括ケアシステム)。担当のセンターは親の住所地ごとに決まっているので、「(親の住む市区町村名) 地域包括支援センター」で検索するか、市区町村の高齢福祉の担当課に問い合わせれば分かります。

当サイトは相続・生前対策の情報サイトであり、訪問介護・施設探し・ケアプラン作成といった介護そのものの実務支援は行っていません。ここから先の記事は、その一歩先にある「介護の負担が、家族関係や相続にどう影響するか」を専門に扱っています。

このページについて

本ページは、相続・生前対策の相談窓口を運営する「いまから相続」編集部が、実際のご相談で繰り返し出会う悩みをもとに構成し、継続的に更新しています。統計データは生命保険文化センター、制度の記述は民法および厚生労働省等の一次情報に基づいています。最終更新日:2026年8月18日

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的判断・税務判断を行うものではありません。寄与分・特別寄与料の成否は個別の事情により異なります。当社は保険の販売・紹介を行っており、全社を比較できる提携乗合代理店をご紹介する際に紹介料を受け取る場合がありますが、紹介料の有無でご案内内容を変えることはありません。

すでに相続が始まっている方は、相続が起きたら、まず何をする?期限でわかる「やること」チェックリストもあわせてご覧ください。

親を連れて行かなくても、ご家族だけで相談できます

介護とお金の話は、親本人より先にご家族が動くことがほとんどです。いま何を確認しておくべきか、親への切り出し方も含めて30分で整理します。オンライン・お電話でも可能です。

30分の無料相談を予約する

お電話でも:052-766-5650(相談中の場合は折り返しご連絡します)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

目次