親しかった方の訃報が届き、通夜や葬儀にお花を出したい。でも、いくらくらいのものを頼めばいいのか、どこに注文するのか、名札に何と書くのかが分からない。そんなときに確かめたいことを、この記事でひととおり整理しました。
葬儀に贈るお花(供花・生花)の金額の目安、誰が出すものか、葬儀社と花屋どちらに頼むか、名札の書き方、辞退されている場合、届けるタイミング、宗教による違いを、2026年10月時点で公開されている百貨店や葬儀情報サイトの案内をもとにまとめています。金額やしきたりは地域・宗派・会場で違うため、最後は葬儀社か遺族に確かめるのが確実です。
先に結論:注文は葬儀社に。1基か1対かで金額が変わり、名札は「贈り主の名前」
この記事の結論
- 金額の目安:鎌倉新書「いい葬儀」の解説では、供花は1基7,500〜15,000円、1対(2基)15,000〜30,000円が目安とされています。全国調査の平均ではありません。
- 頼み先:まず葬儀社(会場)に連絡します。会場によっては、決まった生花店からの供花しか受け付けていません。
- 届ける時期と名札:通夜が始まる3時間ほど前までに届くようにします。名札は個人ならフルネーム、会社なら正式な社名と役職・氏名を書きます。
供花(きょうか・くげ)は、故人をしのび、祭壇のまわりに供えるお花のことです。スタンドに立てる「スタンド花」と、籠に盛った「籠花(かごばな)」がよく使われます。葬儀社の案内では「生花」「供花」「お供えの花」とも呼ばれますが、この記事では同じものとして扱います。
葬儀の生花(供花)の相場:スタンド花・籠花の目安
供花の値段は、会場や葬儀社が用意している価格表で決まることがほとんどです。1基で出すか、左右一組の1対(2基)で出すかで、金額はおおむね倍になります。公開されている目安は次のとおりです。
スタンド花と籠花の違いは、主に大きさと置き方です。スタンド花は祭壇の両脇などに立てる背の高いもので、籠花は籠に盛って台の上や床に置きます。どちらを選べるか、いくらの品があるかは、会場ごとに違います。注文するときに「この会場で出せる供花の種類と値段を教えてください」と聞けば、価格表で案内してもらえます。
1基と1対、どちらで出す?
1対は、祭壇の左右に同じ花を一つずつ置く出し方です。親族が連名で出すときや、会社として出すときに選ばれることがあります。ただ、会場の広さによっては1対を受け付けていないこともあります。個人で出すなら1基でも失礼にはあたりません。迷ったら、ほかの親族がどう出すかを聞いて合わせると、並んだときに釣り合いがとれます。
連名で出すときの負担の分け方
兄弟や孫、友人どうしで1基を出すときは、合計額を人数で割るのが分かりやすい方法です。誰がいくら出したかをメモしておくと、後で精算するときに困りません。いい葬儀の解説では、複数人で供花を贈る場合でも、香典は一人ひとり別に用意するのが一般的とされています。
供花は誰が出す?親族・友人・会社の出し方
供花を出すのは、故人の近い親族や、親しかった友人、仕事で関わりのあった会社などです。必ず出さなければいけないものではありません。参列できないときや、香典を辞退されているときに、気持ちを伝える手段として選ばれることもあります。
喪主や遺族の側が、自分たちの名前で供花を出すこともあります。祭壇の飾りとして葬儀社のプランに花が含まれていることもあるため、遺族側で出すときは、プランの内容と重ならないかを葬儀社に確かめておきます。
供花の手配の方法:葬儀社経由と花屋、それぞれの頼み方
頼み先は、葬儀社(会場)、花屋、インターネットの供花サービスの3つです。いちばん手間が少ないのは葬儀社への注文です。いい葬儀の案内でも、葬儀社が運営する式場などでは、指定された生花店からの供花しか受け付けないことがあるとされています。花屋やネットで頼む場合も、先に会場へ確かめておくと、届いたのに飾れないという行き違いを防げます。
葬儀社に電話で頼むときの伝え方
訃報の案内に葬儀社の名前と電話番号が書かれていれば、そこへ電話します。伝えることは次のとおりです。
- 故人の名前と、喪主の名前(「〇〇家の葬儀に供花を出したい」と伝えます)
- 1基か1対か、選べる種類と値段
- 名札に書く名前(個人名、連名、会社名と役職など)
- 自分の連絡先と、代金の払い方
名札の字は電話だと聞き違いが起きやすいので、漢字を一字ずつ伝えるか、ファクスやメールで送れないかを聞いておくと安心です。
花屋やネットで頼むときに伝えること
葬儀社を通さずに頼むときは、会場に届けるための情報を自分でそろえます。会場が外からの供花を受け付けていると確かめたうえで、次の内容を伝えます。
- 会場の名前、住所、電話番号と、「〇〇家」の葬儀であること
- 通夜と葬儀の日時、会場に届けてよい時間帯
- 宗教・宗派(分かる範囲で)と、白を基調にしてほしいこと
- 名札に書く名前と、1基か1対か
ほかの方の供花と並んだときに、自分の花だけ色や大きさが目立つことがあります。そろえたいときは、葬儀社に頼むほうが確実です。
供花の名札の書き方(個人・夫婦・連名・会社)
名札(芳名札・立札とも呼ばれます)は、誰からの花かを示す札です。葬儀社に頼むと、名前を伝えるだけで札を用意してくれます。書き方の目安は次のとおりです。
会社名を「(株)」と略すと、遺族が後で見たときに分かりにくくなります。正式な名前で伝えるのが基本です。3人程度の連名なら全員の名前を並べられますが、それより多いときは「一同」にまとめると札が読みやすくなります。
供花を辞退された場合の対応
家族葬が増え、訃報の案内に辞退の一文が入っていることも珍しくありません。辞退されているときは、供花は出しません。書き方によって、何を辞退しているかが違います。
辞退されているのに花を送ると、遺族は置き場所やお返しのことで気を使います。気持ちを伝えたいときは、弔電や手紙、落ち着いたころのお悔やみの言葉で十分です。弔電の申し込み方と文例は弔電の送り方と文例にまとめています。
供花を届けるタイミング:通夜の数時間前までに
いい葬儀の解説では、通夜の1〜2日前をめどに手配し、遅くとも通夜開始の3時間前には届くようにするとされています。サライ.jp(公益社監修)も、通夜の当日、3時間ほど前までに届いているのが良いとしています。会場では花を並べ、名札を付ける作業があるため、ぎりぎりだと飾れないことがあります。
- 通夜に間に合う:通夜の数時間前までに会場へ届くよう手配します。
- 通夜に間に合わない:葬儀・告別式に合わせられないか、葬儀社に相談します。
- 葬儀にも間に合わない:葬儀のあと、自宅の後飾り(あとかざり)の祭壇に供えてもらう花を送る方法があります。初七日から四十九日のあいだが目安とされています。
早すぎる手配は、亡くなる前から用意していたように受け取られるとして、良くないとする解説もあります。訃報を受けてから手配すれば、まず問題になりません。四十九日に花やカードを送るときの言葉は四十九日のメッセージ例文が参考になります。
宗教による違い(仏式・神式・キリスト教)
供花は白を基調にするのが一般的ですが、宗教によって使う花や、そもそも供花を飾るかどうかが違います。
仏式でも、宗派やお寺によって祭壇の飾り方に決まりがあることがあります。宗派ごとの細かな違いは、その葬儀を担当している葬儀社がいちばん把握しています。注文のときに「宗派に合わせてお願いします」と伝えれば足ります。
花輪は出せる?
花輪は、会場の外に飾る円い大型の飾りで、造花が多く使われます。三越伊勢丹の案内では、会場の都合や近所への配慮から花輪を受け付けないケースもあるとしています。都市部の斎場や家族葬では出せないことが多いので、花輪を考えているときは必ず先に会場へ確かめます。
今日できる一歩
- 訃報の案内に「供花辞退」「ご厚志辞退」の一文がないか読み返す
- 案内に書かれた葬儀社に電話し、出せる供花の種類と値段、締め切りの時刻を聞く
- 名札に書く名前(連名なら全員の漢字、会社なら正式名称と役職)をメモにまとめる
参列するときの香典袋の書き方は葬儀ののし袋(香典袋)の書き方、受付での記帳は葬儀の芳名帳の書き方にまとめています。
葬儀の生花・供花についてよくある質問
供花を出したら、香典は持っていかなくてもいいですか?
供花と香典は別のものとして考えるのが一般的です。参列するなら香典も持参します。ただ、遺族が香典を辞退しているときは、香典は持っていきません。
家族葬でも供花を出していいですか?
案内に辞退の一文がなければ出せることもありますが、家族葬は会場が小さく、供花を受け付けていない場合があります。葬儀社か親族に「供花をお出ししてもよろしいでしょうか」と確かめてから手配します。
供花の金額は、1基1万円くらいで少なくないですか?
いい葬儀の解説では1基7,500〜15,000円が目安とされていて、1万円はその範囲に入ります。実際には会場の価格表から選ぶことが多いので、表の中から無理のないものを選べば十分です。
供花の代金はいつ、どう払いますか?
葬儀社や花屋によって、後日の請求書払い、振込、当日の支払いなどがあります。注文するときに払い方と、領収書が要るかどうかを伝えておきます。会社として出すときは、経理に回す書類も一緒に確かめます。
名札の名前を間違えて伝えてしまいました
気づいた時点で、すぐ注文先に電話します。通夜が始まる前なら、札を作り直してもらえることがあります。
枕花とは何ですか?供花とどう違いますか?
枕花(まくらばな)は、亡くなってすぐ、故人が安置されている枕元に飾る花です。ごく近い親族や親しい人が贈ることが多いものです。通夜や葬儀の祭壇まわりに飾る供花とは、飾る時期と場所が違います。
参考にした情報
- 鎌倉新書「いい葬儀」「葬儀で贈る供花とは?種類・相場・注文方法・お礼のマナーを解説」
https://www.e-sogi.com/guide/3712/ - 鎌倉新書「いい葬儀」「供花の出し方」
https://www.e-sogi.com/sanretsu/kyouka.html - サライ.jp「葬儀のお花はどうする?|供花についての基礎知識とマナーを解説」(公益社監修)
https://serai.jp/living/1128042 - 三越伊勢丹「お悔やみのマナー」
https://www.mistore.jp/gifts/choji/okuyami/ - 髙島屋「ギフトのマナー 弔事(キリスト教)」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/chouji_03.html
※本記事は2026年10月時点で公開されている百貨店・葬儀情報サイトの案内をもとにした一般的な整理です。供花の金額や飾り方は、地域・宗派・会場によって異なります。手配の前に、葬儀社や遺族にご確認ください。
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本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
