離れて暮らす親の見守り方法|電話・センサー・自治体・郵便局の費用の目安と選び方

盆休みも正月も、今年は帰れそうにない。電話をしても、母は「元気よ、心配しないで」としか言わない。声は変わらないのに、冷蔵庫の中や郵便受けの様子が気になってくる。離れて暮らす親のことを、ふと考える場面は多いはずです。

この記事では、離れて暮らす親の見守り方法を、費用の目安つきで比べます。特定の会社の商品はすすめず、自治体や郵便局など公的・公共のサービスを中心にまとめました。内容は2026年10月時点の公的機関の案内によります。

この記事の結論

  1. 見守りは、1つに決めなくて大丈夫です。「家族の電話」を土台に、自治体の見守りや郵便局のサービス、センサーを組み合わせると、無料から月数千円で形にできます。
  2. 最初に調べたいのは、親が住む市区町村の高齢福祉の窓口と、地域包括支援センターです。名古屋市の案内では、地域包括支援センター(いきいき支援センター)の相談は無料です。
  3. 機器やサービスは、親本人の了解が先です。契約の前に、総額と解約の条件、異変が出たときに誰が駆けつけるかを確かめてください。
目次

見守りの方法を並べて比べる

見守りには、「今日、元気か」を知る安否確認、「倒れたとき」の緊急対応、「話し相手がいない」ことへの対策の3つがあります。1つの方法で全部をカバーするのは難しいので、親の状態に合わせて組み合わせます。

方法内容費用の目安向いている場面
家族の電話・LINE決めた曜日や時間に連絡する。「おはよう」のスタンプだけでも続けやすい。通話料のみまだ自立していて、家族と話すのを楽しみにしている親
自治体の見守り民生委員の訪問、見守り電話、配食、消防への情報登録など。内容は市区町村で違う。無料のものから、所得に応じて月額がかかるものまで一人暮らしで、まず公的な窓口とつながりたいとき
緊急通報装置(自治体)ボタンを押すと通報できる。コールセンターに24時間相談できる市もある。名古屋市の例:前年の所得が169万5000円以上の場合、月額2,145円(所得で変わる)持病があり、急に具合が悪くなるのが心配な親
郵便局のみまもりサービス局員の訪問(月1回30分)や、自動音声の毎日の電話。訪問は月2,500円、電話は固定1,070円・携帯1,280円、セットで3,460円(いずれも税込)近くに頼れる人が少なく、第三者の目が欲しいとき
民間のセンサーなど動きや扉の開閉がないとき、家族に知らせる。神奈川県の事業者一覧で費用が載っている会社は、月額0円〜2,750円(税込)。初期費用や通信費は会社で違う生活のリズムを、毎日の電話なしで知りたいとき
※名古屋市は「ひとり暮らし高齢者などの支援」、日本郵便は「郵便局のみまもりサービス」、神奈川県は見守りサービス事業者一覧の公開情報(2026年10月時点で確認)にもとづきます。金額は変わることがあります。

どの方法でも、土台になるのは家族の連絡です。電話のしかたや、お金の話の切り出し方は、年末年始の帰省で親とお金の話も参考になります。

まず調べたいのは、自治体の見守り

親が住む市区町村には、高齢者の見守りの仕組みがあります。窓口は、役所の高齢福祉の担当と、地域包括支援センターです。地域包括支援センターは、保健師や社会福祉士などがいる高齢者の総合相談窓口で、すべての市町村にあります(厚生労働省、2025年4月末時点で5,487か所)。

内容は市区町村で違います。名古屋市と岐阜市の案内から、例を挙げます。

  • 名古屋市:民生委員の訪問、老人クラブの友愛訪問、福祉電話の貸与(ボランティアが週2回電話する。条件あり)、消防あんしん情報登録制度(救急搬送のとき話せなくても、登録した緊急連絡先へ消防局が連絡する。65歳以上で身体障害がある人、または70歳以上のひとり暮らしが対象)など。
  • 名古屋市守山区:定期的に電話で見守る「いきいきコール」、新聞販売店と協力する「見守りあんしんプラス」。申し込みは、いきいき支援センターです。
  • 岐阜市:自宅にセンサーを置き、異常があると協力員に連絡が行く「安否確認サービス」。センサーの設置は原則無料ですが、所得の条件と、協力員の確保が必要です。

新聞や郵便物がたまっているなど、配達の人が異変に気づいたら役所に連絡する「見守り協力事業者」の仕組みを持つ区もあります(名古屋市守山区)。

遠くに住む子が、親に代わって申し込めるかどうかは、窓口で違います。まず親が住む地域の窓口に電話で確かめてください。親本人の同意や状況の確認が必要になることもあるので、先に本人と話しておくと進みます。

郵便局のみまもりサービス

郵便局のサービスは、訪問と電話の2本立てです。日本郵便の案内(2026年10月時点)では、次の内容です。

  • みまもり訪問サービス:月額2,500円(税込)。局員が月1回、30分ほど訪問し、10項目(基本7項目+選択3項目)を確認。写真つきの報告書が、家族など指定先に届きます。
  • みまもりでんわサービス:固定電話は月額1,070円、携帯電話は月額1,280円(税込)。自動音声で毎日体調を確認し、報告先は最大4名まで設定できます。
  • セット:訪問とでんわで月額3,460円(税込)。
  • 駆けつけ(オプション):警備会社との別契約が必要で、追加料金は月額880円(税込)から、駆けつけ1回5,500円(税込)。

訪問は月1回なので、毎日の安否は電話やセンサーで補う形になります。申し込みや内容の確認は、日本郵便のお客様サービス相談センター(0120-23-28-86、平日9時〜19時、土日祝9時〜17時)です。

センサーなど民間サービスを選ぶときの確認点

民間のサービスは種類が多く、会社ごとに仕組みも費用も違います。この記事では特定の会社はすすめません。次の点を比べてください。

確認すること見るポイント
何を知らせるか人の動き、扉の開閉、電気の使用など。トイレや居間など、どこに置くか。
誰に、いつ知らせるか通知を受ける人は誰か。夜間や休日も届くか。
知らせが来たあと、誰が見に行くか遠方の家族には、いちばん大きな課題です。近所の知人、自治体、駆けつけの有料オプションなど、先に決めておく。
費用の総額初期費用、月額、通信費、機器の買い取りか貸与か、解約したときの費用。
親の気持ち家の中を映すカメラは、抵抗を感じる人が多い。置く場所と目的を親と決める。
※契約の内容がよく分からないときは、その場で決めず、周りの人に相談します。困ったときは消費者ホットライン188です。

親の状態別に、組み合わせの考え方も整理しておきます。

親の状態考えやすい組み合わせ
元気で、自分のことはできる家族の電話やLINE。あわせて、市区町村の見守りの仕組みを調べておく。
持病があり、急な体調の変化が心配自治体の緊急通報装置(条件を確認)と、家族の電話。
一人暮らしで、近くに頼れる人が少ない自治体の見守りや郵便局の訪問に、センサーまたは毎日の電話を足す。
物忘れが気になるまず地域包括支援センターに相談する。診断は、かかりつけ医などの医療機関に任せる。

親への切り出し方と、費用の分担

見守りの話は、「見張られている」と受け取られないことが大切です。「心配だから」より、「私が安心したいから、連絡の約束をしたい」と、自分の気持ちとして伝えるほうが通りやすくなります。

1. 短め(LINEで)

「毎朝、スタンプ1つだけ送り合わない? 返事がなければ、電話するね。」

2. 丁寧め(帰省したとき)

「離れていると、何かあったときにすぐ行けないのが気がかりなの。お母さんの生活は変えなくていいから、私が安心できる方法を一緒に探してほしい。」

3. 公的な仕組みを使う

「市の見守りって、民生委員さんが訪ねてくれるんだって。顔見知りができると、私も安心だよ。話だけ聞きに行ってみない?」

4. 断られたとき

「じゃあ、お試しで1か月だけにしよう。合わなければ、やめていいから。」

費用は、親の預金から払うか、子が出すかで、あとから気持ちのズレが出やすい部分です。きょうだいがいる場合は、誰がいくら出したかをメモに残し、早めに共有してください。

分担の話し合いの進め方は、親の介護で兄弟が不公平…どう話し合う?で詳しく書いています。

今日できる一歩

  1. 親が住む市区町村の名前と「高齢者 見守り」で検索し、見守りの窓口の電話番号を1つメモする。

よくある質問

見守りの話をすると、親が怒りそうです

「年寄り扱いされた」と感じる人は少なくありません。機器を入れる話の前に、電話の約束や、自治体の訪問など、生活を変えない方法から始めるのが無理がありません。「お試し」と期間を決めるのも一つの方法です。

連絡がつかないとき、最初に何をすればいいですか

近所の知人や親しい人に、様子を見てもらえるか頼みます。見守りに登録している場合は、その窓口にも連絡します。倒れている可能性があるなど、命に関わりそうなときは、迷わず119番に連絡してください。

遠くに住んでいても、自治体の見守りを使えますか

見守りの対象は、親が住んでいる市区町村の住民です。子が遠方の場合の扱いや、申し込みの方法は、市区町村で違います。親が住む地域の役所か、地域包括支援センターに電話で確かめてください。

費用は、誰が払うのが一般的ですか

決まりはありません。親の年金や預金から払う家庭も、子が出す家庭もあります。どちらの場合も、金額と払う人を決めてメモに残しておくと、あとで行き違いが起きにくくなります。


あわせて読みたい

参考にした公的情報

※本記事は2026年10月時点の公的機関の公開情報にもとづく一般的な整理です。料金や対象は変わることがあります。実際に申し込む前に、日本郵便、お住まいの市区町村、地域包括支援センターなどの最新の案内をご確認ください。

関連:見守りの相談先になる地域包括支援センターは、市町村ごとにまとめています(例:飛島村、大治町)。離れて暮らす中で介護の負担が重くなってきたときは、介護で気持ちがもたないときの原因と対処も参考になります。

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この記事を書いた人

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