豊橋で暮らしていた親が亡くなり、借金がありそうなので相続放棄を考えている。実家の整理をしていたら、封のされた遺言書が出てきた。東三河でこうした手続きを受け付けるのが、豊橋市大国町にある名古屋家庭裁判所豊橋支部です。
この記事では、豊橋支部の所在地・電話と、どの市町村の事件を扱うかを表にまとめます。相続放棄の郵送のしかた、遺言書の検認と成年後見の窓口、収入印紙と切手の額も、2026年10月時点の裁判所の公式案内で整理します。
先に結論:東三河の5市と北設楽郡は豊橋支部です
この記事の結論
- どこへ:亡くなった人の最後の住所が豊橋市・豊川市・蒲郡市・田原市・新城市・設楽町・東栄町・豊根村なら、相続放棄と検認は豊橋支部です。
- 窓口:相続放棄と検認は2階の家裁書記官室(0532-52-3237)、成年後見は同じ書記官室の後見担当(0532-52-3251)です。
- 郵送できる:相続放棄は収入印紙800円と切手550円分(110円×5枚)を付けて郵送で出せます。即日審判は本庁だけで、豊橋支部ではしていません。
豊橋支部の所在地・電話・受付時間
所在地は〒440-0884 愛知県豊橋市大国町110です。JR・名鉄「豊橋」駅から歩いて15分です。家庭裁判所の窓口はどれも2階にあり、用件ごとに電話番号が分かれています。
出典:名古屋家庭裁判所「窓口一覧」(2026年10月確認)。
本庁のように「家事受付センター」「後見センター」と分かれておらず、家裁書記官室が窓口です。名古屋家裁の案内では、書類の書き方などの手続案内は電話では受けておらず、本庁か各支部へ行く必要があります。日中の受付は午前9時〜11時45分と午後1時〜4時で、1件20分ほどが目安です。支部に行く前に、家裁書記官室へ電話で混み具合を聞いておくと安心です。
豊橋支部が扱う市町村の早見表
相続放棄と検認は、手続きをする人ではなく、亡くなった人の最後の住所で行き先が決まります。成年後見は、支援を受ける本人の住所で決まります。
たとえば名古屋市に住む子が、蒲郡市で暮らしていた親の相続を放棄するなら、出す先は豊橋支部です。最後の住所は、住民票の除票か戸籍の附票で確かめます。本庁や他の支部の窓口は名古屋家庭裁判所(本庁)の記事にまとめています。
相続放棄の申述:必要書類と郵送のしかた
相続放棄の申述(裁判所に「相続しません」と申し出ること)は、相続人が1人ずつ行います。未成年の子の分は、親などの法定代理人が出します。
必要書類チェックリスト
- □ 相続放棄の申述書(裁判所のホームページに書式と記載例があります)
- □ 亡くなった人の住民票除票、または戸籍の附票
- □ 放棄する人の戸籍謄本
- □ 配偶者・子が放棄する場合:亡くなった人の死亡が載った戸籍(除籍)謄本
- □ 親・兄弟姉妹が放棄する場合:亡くなった人の出生から死亡までの戸籍など(先の順位の人が提出済みなら不要)
- □ 収入印紙800円分(1人につき)と郵便切手550円分(110円×5枚)
郵送で出す手順
- 出す先を確かめる。上の早見表で、亡くなった人の最後の住所が豊橋支部の地域か確認します。
- 戸籍などを取り寄せる。本籍地の役所で取ります。郵送でも請求できます。
- 申述書を書き、印紙と切手をそろえる。収入印紙と切手は郵便局などで買います。
- 送る。あて先は「〒440-0884 愛知県豊橋市大国町110 名古屋家庭裁判所豊橋支部」です。送る前に全部のコピーを取っておきます。
- 裁判所からの照会に答える。書面で事情を聞かれることがあります。届いた書類には期限内に答えます。
本庁には、窓口に出したその日に手続きが終わる「即日審判」がありますが、支部では行っていません。豊橋支部へ出すときは、照会への回答なども含めて日数がかかる前提で、早めに出します。放棄の前にしてはいけないことは相続放棄の期限3か月はいつから?で詳しく扱っています。
遺言書の検認と成年後見の申立て
遺言書の検認(家裁書記官室)
検認は、見つかった遺言書の状態を裁判所で記録する手続きです。有効か無効かを決めるものではありません。公正証書遺言と、法務局に預けた自筆の遺言は検認がいりません。申し立てるのは遺言書を預かっている人か、見つけた相続人です。封のある遺言書は開けずに持って行き、検認の日に相続人の立会いのもとで開けます。
必要なのは申立書、遺言した人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍謄本などです。検認のあとに「検認済証明書」(1通150円分の収入印紙)をもらい、預金や登記の手続きに使います。
成年後見の申立て(後見担当 0532-52-3251)
本人の住所が豊橋支部の地域なら、申立先は豊橋支部です。本庁の「後見センター」とは窓口も電話も別なので、本庁の予約方法をそのまま当てはめないでください。名古屋家裁の案内では、書類がそろったら申立先の裁判所に面接の予約をし、内容によっては面接をしない場合もあるとされています。豊橋支部での面接の有無や日程は、後見担当に電話で確かめます。
親の預金や自宅のことも、元気なうちに整理しておきたい方は、3分でできる相続対策診断で確かめられます。
申立ての全体の流れと書類は、成年後見の申立ての手順をご覧ください。
手数料の早見表(収入印紙・郵便切手)
出典:名古屋家庭裁判所「郵便切手及び予納金一覧(令和8年4月1日~)」、裁判所「相続の放棄の申述」「遺言書の検認」(2026年10月確認)。
期限と、損しやすい点
相続放棄は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内です(民法915条)。過ぎると原則として放棄できず、借金も含めて引き継ぐことになります。間に合わないときは、3か月のうちに「期間の伸長」(期限を延ばす申立て)ができます。検認は「遅滞なく」とされ、日数の期限はありません。ただ、検認済証明書がないと遺言書で預金や登記の手続きが進みません。
- 即日審判のつもりで豊橋支部へ行く。即日審判は本庁だけです。豊橋支部では郵送か窓口で出し、結果を待ちます。
- 古い切手の額で送ってしまう。ネット上には相続放棄の切手を「470円分」「650円分」とする以前の額が残っています。今は550円分です。
- 法務局の管轄と混同する。名古屋法務局豊橋支局が登記を受け持つのは豊橋市と田原市だけです。家裁の豊橋支部は、豊川市や新城市なども含む東三河全体を扱います。
- 自分の住所の裁判所に出してしまう。基準は亡くなった人の最後の住所です。
- 放棄の前に遺産を使ってしまう。預金を引き出して使う、家財を売るなどすると、放棄が認められないことがあります。
ご家族の構成や財産で答えが変わるところは、30分の無料相談で、書類を見ながら一緒に整理できます。愛知県内はご自宅への訪問もできます。その場で何かをお決めいただく必要はありません。
今日できる一歩
亡くなった人の最後の住所(市町村名)を紙に書き、この記事の早見表で豊橋支部の地域か確かめましょう。あわせて、亡くなったことを知った日をカレンダーに書き、3か月後の日付に印を付けておきます。
よくある質問
豊川市や新城市の人も豊橋支部ですか
はい。相続放棄・検認・成年後見などの家庭裁判所の手続きは、豊川市・蒲郡市・田原市・新城市と北設楽郡の3町村も豊橋支部が受け持ちます。
電話で書き方を教えてもらえますか
名古屋家裁の案内では、手続案内は電話では受けておらず、窓口へ行く必要があります。法律相談ではないため、どうするのが得かの助言は受けられません。
相続放棄は郵送だけで終わりますか
申述書は郵送で出せます。そのあと裁判所から書面の照会が届いたり、呼び出しがあったりすることがあります。届いた書類には期限内に答えます。
相続放棄が受理された証明書はもらえますか
受理した裁判所(豊橋支部)に申請します。手数料は1件150円分の収入印紙です。郵送で頼むときは返信用の切手を入れます。
本庁に出してしまったらどうなりますか
管轄の違う裁判所に出すと、手続きが遅れるおそれがあります。期限が近いときほど、出す前に早見表で確かめ、分からなければ豊橋支部の家裁書記官室に問い合わせます。
参考にした公的情報
- 名古屋家庭裁判所「窓口一覧」
https://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/vcmsFolder_687/vcms_687.html - 裁判所「名古屋家庭裁判所及び管内の支部 申立書提出先一覧」
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/moushitatesaki/18_02teisyutusaki.pdf - 名古屋家庭裁判所「郵便切手及び予納金一覧(令和8年4月1日~)」
https://www.courts.go.jp/nagoya-f/vc-files/nagoya-f/R8.4yuubinkitteoyobiyonoukinichiran.pdf - 名古屋家庭裁判所「相続の放棄の申述」
https://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/souzoku1/index.html - 名古屋家庭裁判所「家事手続案内」
https://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/tetuzukiannai/index.html - 裁判所「遺言書の検認」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_17/index.html
※本記事は2026年10月時点の裁判所の公開情報をもとにした一般的な整理です。窓口・受付時間・郵便切手の額は変わることがあります。申し立てる前に、名古屋家庭裁判所豊橋支部の最新の案内か窓口でご確認ください。地図・写真は裁判所のホームページでご覧ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。
