相続した実家を売ると決めたものの、家財が残っていて「全部片付けないと売れないのか」「どこまでやればいいのか」で手が止まっている方に向けた記事です。
売り方ごとの片付けの範囲、売却の流れに合わせた順番、業者に頼む場合の間取り別の費用の目安、名古屋市の粗大ごみと大量のごみの出し方、すぐに決められない物の預け方を、環境省・名古屋市などの公式情報で確かめてまとめました(2026年11月時点)。
片付けの範囲は「売り方」で決まる。全部終えてから査定しなくてよい
片付けで迷ったら、ここから
- 仲介で売るなら、引き渡しまでに家を空にするのが基本です。ただし、査定の前に全部を片付ける必要はありません。査定前には書類と貴重品、内覧前には見た目、引き渡しまでに残り全部、と段階を分けます。
- 不動産会社の買取なら、家財が残ったままの条件もあります。その分、価格は仲介より下がるのが一般的です。片付けの手間と価格を比べて選びます。
- 処分は、市町村の方法か許可のある業者で。すぐに決められない写真や衣類は、いったん預ける方法もあります。相続放棄を考えているときは、処分の前に立ち止まります。
片付けの範囲は売り方で変わる:仲介・買取・解体の比較表
家財をどこまで片付けるかは、売買の契約で決まります。売り方ごとの目安を並べました。
解体するかどうか迷っているときは、空き家の解体補助金(名古屋・愛知)と更地か古家付きかの比べ方もあわせてご覧ください。
片付けの順番:売却の流れに合わせて7つに分ける
家を売る流れは、おおむね「相続登記 → 片付け → 査定 → 媒介契約 → 売却活動(内覧)→ 売買契約 → 引き渡し」です。片付けを一度に終えようとすると大変なので、この流れに合わせて分けます。
- 書類と貴重品を探す:権利証(登記識別情報)、固定資産税の通知書、家を買ったときの契約書、通帳、印鑑。売るときの税金の計算に使う書類もあります(遺品整理で捨ててはいけないものチェックリスト)。
- 相続放棄を考えているなら、処分の前に確かめる:遺品を売ったり捨てたりすると、相続を受け入れたとみなされ、放棄できなくなることがあります(相続放棄できないケース)。
- 家族で形見分けをする:兄弟や親戚に「欲しい物があればいつまでに」と期限を決めて伝えます。
- 4つに分ける:「残す」「売る・譲る」「預ける」「処分する」の箱や場所を作り、迷った物は「預ける」に入れます。
- 査定の前に、部屋と通路を見えるようにする:査定では雨漏りのあとや壁、床を見ます。全部を片付けなくても、各部屋に入れて窓や押し入れが開けられれば十分です。
- 内覧の前に、見た目を整える:生活感の強い物、仏壇まわり、水まわりを先に片付けると、買い手が部屋の広さをつかみやすくなります。
- 引き渡しまでに残りを全部出す:契約で決めた物以外をすべて運び出し、電気・水道・ガスを止める日も決めます(空き家の電気・水道・ガスは止める?残す?)。
空き家の3,000万円特別控除を使うつもりなら、売る期限があります。片付けに時間をかけすぎて期限に間に合わない、ということのないよう、先に期限を確かめてから日程を組みます(相続した空き家の税金と売却)。
家財の処分の方法と、気をつけたいこと
家財の処分にはいくつかの方法があり、物によって決まった出し方があります。
環境省は、市区町村の許可や委託を受けずに家庭のごみを回収する業者を使わないよう呼びかけています。町なかを大きな音で回る、チラシやネット広告で集めるといった例があり、回収した物の不法投棄や高額な料金の請求につながることがあります。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」だけでは、家庭のごみは回収できません。
業者に頼む場合の費用の目安や選び方は実家の片付けと実家じまいの費用の目安で、自分で進めるときの手順は遺品整理を自分でする手順で、名古屋市など愛知の粗大ごみの出し方は愛知の遺品整理で紹介しています。
業者に頼むといくらかかるか:間取り別の目安
家財の量が多く、自分たちで運び出せないときは、片付けや遺品整理の業者に頼むことになります。日本郵便が掲載している遺品整理のコラム(執筆:キーパーズ有限会社)では、間取りごとの目安を次のように示しています。
親が長く住んだ一軒家は、表のいちばん下の行にあたることが多く、作業が数日に分かれることもあります。先に家族で書類・貴重品・形見を抜いておくと、業者に任せる量が減り、見積も下がりやすくなります。
名古屋市で自分たちで出す場合:粗大ごみと大量のごみ
- 粗大ごみ:2026年10月から、45リットルの指定袋に入らない物が粗大ごみになりました。粗大ごみ受付センターにインターネットか電話で申し込み、手数料は大きさや種類で250円・500円・1,000円・1,500円・2,000円・2,500円に分かれます。収集は月1回、地域ごとに決まった日です。
- 片付けで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ):自分で焼却工場などの処理施設へ運ぶと、10キログラムごとに270円です。運べないときは、名古屋市の一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に頼み、「一時多量ごみ等処理申込書」を出します。許可業者の一覧は区ごとに市が公開しています。
- 問い合わせ先:家のある区の環境事業所、または環境局 作業課(052-972-2394)・廃棄物指導課(052-972-2683)。名古屋市の外にある家は、その市町村の案内を確かめます。
すぐに決められない物は、預けてから売る
親の写真や手紙、着ていた服は、売却の日程に追われて決めると後悔が残りやすい物です。自分の家に置き場がないときは、箱ごと宅配で預け、四十九日や一周忌のあとに家族で決めるという方法もあります。
たとえば寺田倉庫の「minikura」は、専用の箱(縦横高さ38cm・20kgまでなど)に詰めて送ると、倉庫で保管してくれます。公式の料金表では、箱ごと預ける「HAKO」が1箱月320円から、初期費用は0円です。取り出しは1箱1,100円から、1年以上預けた箱は取り出しの送料が無料です。
- 預けられない物がある:現金、通帳、印鑑、重要書類、貴金属、着物、仏壇などは預けられません。貴重品や書類は家族が手元で保管します。
- すぐ取り出す物は入れない:預けてから3か月たたないうちに箱ごと取り出すと、通常の料金に加えて早期取り出しの料金がかかります。
- 箱の数と期限を先に決める:「とりあえず」が長引くと保管料が積み上がります。「箱5つまで、一周忌までに決める」などと区切ります。
家が愛知にあって、売る前に相場を知りたいときは、地元の不動産会社の一つについて不動産SHOPナカジツの評判・口コミにまとめています。査定だけ頼んで売らないときの伝え方も載せています。売る手順の全体は名古屋・愛知で相続した実家を売る手順です。
売ると決めたら、最初にやる3つ
- 権利証、固定資産税の通知書、家を買ったときの契約書を探して、一つの袋にまとめる
- 兄弟や親戚に、形見分けの期限を伝える
- 家のある市町村の粗大ごみの申し込み方法を調べる
実家の片付けは、兄弟の分け方や残された親の住まいの話と一緒に動くことが多いです。何から決めるかを整理したい方は、30分の無料相談でお話をうかがえます。全国どこからでもオンラインでご利用いただけます。
実家を売る前の片付けについてよくある質問
家財が残ったままで、査定を頼んでもいいですか?
かまいません。査定では建物の状態や広さを見るため、各部屋に入れて窓や押し入れを開けられれば十分です。片付けの範囲も、そのときに聞けます。
エアコンや照明は、外してから売るべきですか?
買い手が残してほしいと言うこともあるため、先に外さずに不動産会社と相談します。残す場合も、壊れているかどうかを含めて、契約のときに書面で伝えておきます。
「無料で回収します」という業者に頼んでも大丈夫ですか?
家庭のごみを運ぶには、市区町村の許可か委託が要ります。環境省は、無許可の業者に頼むと不法投棄や高額な請求につながるおそれがあるとしています。頼む前に許可を確かめ、処分方法が分からなければ市町村に問い合わせます。
仏壇はどうすればいいですか?
家族の誰かが引き取るか、お寺や仏壇店に相談して、供養と引き取りを頼む方法があります。仏壇の中に通帳や書類をしまっていることもあるので、動かす前に引き出しの中を確かめます。処分の方法と費用の目安は仏壇の処分方法と費用で比べています。
片付けの費用は、誰が払いますか?
家を引き継ぐ人や、売ったお金を分ける人どうしで決めるのが一般的です。立て替えた人は領収書を残し、売ったお金を分けるときに精算すると、あとでもめずに済みます。
参考にした情報
- 環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html - 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm - 三井のリハウス「実家の売却時に片付けは必要?」(売却の流れと片付けの時期)
https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0307/ - 三井のリハウス「実家じまいとは?」(買取の価格の目安)
https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0396/ - minikura「プラン比較」(料金・箱の大きさ)
https://minikura.com/lineup/planlist.html - 日本郵便 遺品整理のコラム(執筆:キーパーズ有限会社。間取り別の費用の目安)
https://www.post.japanpost.jp/life/inheriting/column7/ - 名古屋市「粗大ごみの分け方・出し方について」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1035058/1012184/1033988.html - 名古屋市「引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理」
https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012410/1012415.html
※本記事は2026年11月時点の公式情報と各社の公表内容をもとにした一般的な整理です。売買のときの家財の扱いは、不動産会社との契約で決まります。ごみの出し方は家のある市町村に、相続放棄や税金の個別の判断は弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。
