夜、LINEに家族の名前でメッセージが届く。「今ちょっといい?」と聞かれて返事をすると、「コンビニでギフトカードを買ってきてほしい。番号を写真で送って」と続く。お金の話なので急ぎたくなりますが、ここで一度止まります。そんな場面で何を確かめ、どう動けばよいかをまとめました。
内容は2026年10月8日時点の、LINE公式のヘルプ、国民生活センター、県警の公開情報にもとづきます。
この記事の結論
- 「電子マネー(ギフトカード)を買って、番号を送って」と頼まれたら、相手が家族や友だちの名前でも、まず疑います。電子マネーの番号を教えさせる方法は詐欺だと、国民生活センターが呼びかけています。
- 返信はせず、LINE以外の方法、たとえば電話で本人に確かめます(奈良県警・鹿児島県警の呼びかけ)。
- 自分のLINEが乗っ取られたかもしれないときは、LINEのヘルプの手順で対処し、友だちにはLINE以外の方法で知らせます。困ったら警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188へ。
どんな手口なのか
手口は大きく2つあります。ひとつは、犯人が本物のアカウントに入り込み、その本人になりすまして友だちに頼む形(乗っ取り)です。もうひとつは、本人に似せた別のアカウントから連絡してくる形です。LINEは、怪しいアカウントを「なりすまし」や「詐欺」の理由で通報するよう案内しています。
乗っ取りの入り口として、奈良県警は次の3つを挙げています。
- 友人を装い、「データが消えた」などと偽って、メールに付けた偽サイトからLINEに入らせる。
- 「電話番号を教えて」と言って番号を聞き出し、届いた認証コードを伝えさせる。
- 知人を装い、Google PlayカードやApple Gift Cardなどのプリペイドカードの購入を求める。
鹿児島県警の説明では、犯人は何らかの方法でアカウントを手に入れ、本人になりすまして、友だちに電子マネーなどの番号を送らせようとします。流れは次のとおりです。
「あれ?」と思う目印
次のような特徴があれば、返事をする前にいったん止まります。
- 現金ではなく、「電子マネー」「ギフトカード」「Google Play」「Apple Gift Card」を指定してくる。
- カードの番号を、メッセージや写真で送るよう求める。
- 「急いで」「今日中に」と急がせる。
- 電話に出られない、通話はできないと言う。
- 言葉づかいや呼び方が、いつもと少し違う。
文面や名前は、本人そっくりに見えることがあります。「本人らしいかどうか」で判断せず、頼まれた中身で判断します。電子マネーを買って番号を送るという頼みごと自体が、疑うきっかけになります。
頼まれたときの返し方と文例
確かめる方法は、LINEの外で本人とつながることです。電話をかける相手の番号は、LINEで送られてきた番号ではなく、自分の携帯の連絡先に入っている番号にします。そのまま使える返信を3つ挙げます。
- 家族に(短め):「いま電話するね。出られる?」
- 友人に(丁寧め):「ごめんなさい、カードのことは電話でお話しさせてください。あとでお電話しますね。」
- 電話がつながらないとき:「電話がつながらないので、今日は対応できません。会ったときに話しましょう。」
返事をしない、という選択もあります。そのうえで、本人と思われる家族や友人には、別の手段で「こんなメッセージが来たけれど、本当に送ったの?」と確かめます。
番号を送ってしまった・自分のLINEが乗っ取られたとき
LINEのヘルプでは、乗っ取りの疑いがあり、いまの端末でまだメッセージを送受信できるときは、次の順に対処するよう案内しています。
- パスワードを変更する。
- 「ログイン許可」をオフにする。
- ログイン中の端末を確認し、身に覚えのない端末をログアウトする。
- 意図せず送られたメッセージは、送信取消をする。
「アカウントからログアウトされました」と表示されたら、まず再ログインを試します。誤って削除をタップしたときは、LINEに登録した電話番号とパスワードで引き継ぎを試します。それでも復旧できないときは、ヘルプ下部の問い合わせフォームから連絡します。問い合わせができるのは被害に遭った本人だけで、家族や友人による代理は原則できません。
友だちへの連絡は、LINEの外で行います。鹿児島県警は、LINE以外の方法で「乗っ取られた」ことを知らせ、電子マネーの購入や銀行振込の頼みごとに応じないよう伝えることを勧めています。
乗っ取られにくくする設定
LINEの「みんなの使い方ガイド」は、次の3つの確認を挙げています。画面の名前は、アプリの更新で変わることがあります。
- 「ログイン許可」をオフにする:設定の「アカウント」にあります。オフにすると、パソコンなどスマートフォン以外の端末からのログインを制限できます。初期状態ではオンです。
- ログイン通知を確認する:LINEは、ログインしていない端末からのログインを見つけると、スマートフォンに知らせます。心当たりのない通知は見過ごさないようにします。
- 「ログイン中の端末」を確認する:設定の「アカウント」で一覧を見られます。見覚えのない端末があれば、ログアウトしてパスワードを変えます。
ほかに、次の点も県警やLINEが勧めています。
- パスワードは、生年月日など推測されやすいものを避け、ほかのサービスと使い回さない。
- 届いた4桁の認証番号は、他人に教えない。
- パソコンなどのWebログインには、「Webログインの2要素認証」をオンにする(ホーム、設定、アカウントの順)。
- 知らない人からのトークやグループ招待を受け取りたくないときは、「プライバシー管理」の「メッセージ受信拒否」をオンにする。
家族で決めておくこと
乗っ取りは、自分が気をつけていても、友だちや家族の側で起きることがあります。そのとき届いたメッセージを見分けるのは、受け取った側です。家族で次の約束をしておくと、迷いが減ります。
- お金、カード、番号の頼みごとは、LINEだけで済ませず、必ず電話で確かめる。
- 本人からに見えても、おかしいと思ったら「電話するね」と返す。
- コンビニで何かを買ってほしいと頼まれたら、買う前に家族に相談する。
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今日できる一歩
- LINEの設定にある「アカウント」の画面を開き、知らない端末が並んでいないか見てみる。
- 家族と「お金やカードの頼みごとは、必ず電話で確かめる」と約束する。
よくある質問
知らない人が友だちに表示されます。乗っ取られたのでしょうか
LINEのヘルプでは、端末の電話帳に登録された番号の人が自動で表示されることがあり、必ずしも乗っ取りではないとしています。身に覚えのないメッセージの送信やログイン通知がないかも、あわせて確認します。
家族がLINEで被害に遭いました。代わりに問い合わせできますか
LINEのヘルプでは、問い合わせは被害に遭っている本人のみ受け付けています。家族や友人による代理の問い合わせは、原則できません。本人が操作できないときは、警察相談専用電話#9110などの窓口にも相談できます。
乗っ取りが確認されると、アカウントはどうなりますか
LINEのヘルプでは、悪用を防ぐため、アカウントは削除されるとしています。有料アイテムやコインは、新しいアカウントへ移行されます。
怪しいアカウントから連絡が来たらどうしますか
LINEは、トークルームでは発言せず、トーク画面右上のメニューから、「なりすまし」または「詐欺」の理由で通報するよう案内しています。
被害の相談はどこにできますか
110番、警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188です。LINEの案内でも、この3つが連絡先として挙げられています。
参考にした情報
- LINEヘルプ「LINEアカウントを乗っ取られた/乗っ取られた可能性がある」https://help.line.me/line/smartphone/pc?lang=ja&contentId=20000437
- LINEヘルプ「LINEの不正ログイン(乗っ取り)の防止と対処」https://help.line.me/line/smartphone/pc?lang=ja&contentId=20000438
- LINEみんなの使い方ガイド「LINEの乗っ取り被害を防ぐために!確認しておきたい3つのこと」https://guide.line.me/ja/features-and-columns/line-security.html
- LINE「LINEを悪用した詐欺にご注意下さい」https://fraud-alert.landpress.line.me/fraud_alert/
- 鹿児島県警察「不正アクセス(LINE乗っ取り)」https://www.pref.kagoshima.jp/ja13/cyber_teguchi08.html
- 奈良県警察「サイバーニュース」令和5年6月号https://www.police.pref.nara.jp/cmsfiles/contents/0000006/6309/cybernews_R5_6.pdf
- 国民生活センター「覚えのない未納料金を請求する詐欺に注意!」(2024年4月24日)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240424_2.html
※本記事は2026年10月8日時点の公開情報にもとづく一般的な整理です。画面の表示や手順は、アプリの更新で変わることがあります。個別の被害のご相談は、110番、#9110、188などの窓口にお問い合わせください。
本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
