ケアマネジャー・介護事業者の方へ|ご家族からの「お金・相続の質問」対応早見表

このページは、ケアマネジャー・地域包括支援センター・介護事業所の皆さまのための実務用ページです。ご利用者のご家族から受ける「お金・相続・法律」の質問について、専門職として案内してよい一般情報の範囲と、そのまま使える返し文例ご家族に渡せる先を10の質問別にまとめました。ブックマークして、担当者会議や家族対応の前にご確認ください。

このページの使い方(30秒)
①ご家族から質問を受けたら、下の一覧から該当する質問を開く。②「返し文例」をそのまま使う(言い回しは調整自由)。③必要に応じて「渡し先」をご家族に案内する(スマホでこのページを見せる形でも、URLを伝える形でも構いません。紙で渡したい場合は、印刷用のPDFシートを該当する質問の「渡し先」とページ末尾の一覧に置いています)。
※本ページの内容は一般的な情報提供であり、個別事案への法的助言ではありません。ケアマネジャーの皆さまが個別の法的判断・税務判断を代行しないで済むように作られています。
目次

よくある10の質問(ジャンプできます)

  1. 「親の口座からお金が下ろせない(下ろせなくなりそう)」
  2. 「介護のお金は誰が払うの?きょうだいで分担すべき?」
  3. 「成年後見制度って使ったほうがいいの?」
  4. 「親に遺言を書いてもらいたい」
  5. 「施設の費用を払い続けられるか不安」
  6. 「亡くなったあと、何をすればいいの?」
  7. 「介護で立て替えたお金は戻ってくるの?」
  8. 「身寄りのない方・ご家族が遠方の場合はどうなるの?」
  9. 「生前贈与しておいたほうがいい?税金は?」
  10. 「家族で意見が割れて、話が進まない」

Q1「親の口座からお金が下ろせない(下ろせなくなりそう)」

案内してよい一般情報:認知症などで判断能力が低下すると、ご本人の口座からの出金や定期解約が金融機関の判断で制限されることがある、という事実。判断能力が低下した後の手段は成年後見制度が中心になること、元気なうちなら代理人カード・任意後見・家族信託など複数の選択肢があること。

気をつけたい点:「どの方法にすべきか」の判断は財産構成・家族関係に踏み込むため、専門職(行政書士・司法書士・弁護士等)へつなぐのが安全です。特定の金融機関の運用を断定しないこと。

返し文例:「認知症が進むと口座のお手続きが難しくなることがあるんです。お元気なうちなら選べる備えがいくつかあるので、早めに知っておくと安心ですよ。無料で使える確認ページがあるのでお渡ししますね。」

渡し先:印刷して渡せるシート「『口座が動かせない』になる前に」(PDF・A4一枚)——4つの備え方の比較と「今日できる確認」がまとまっています/Webなら1分の生前対策診断(家族構成と財産額を選ぶだけで、今やるべき備えが出ます)

Q2「介護のお金は誰が払うの?きょうだいで分担すべき?」

案内してよい一般情報:介護費用はご本人の資産・年金から支出するのが原則という一般的な考え方。使える軽減制度(高額介護サービス費など)があること。分担で揉めやすいのは「記録がない立替」であること。

気をつけたい点:きょうだい間の負担割合の「あるべき論」への言及は家族間対立に巻き込まれる入口になります。仕組みの説明にとどめ、割合の判断には入らないのが安全です。

返し文例:「介護の費用はご本人の年金や資産から出すのが基本の考え方です。どなたかが立て替えるときは、あとで揉めないように日付と金額の記録を残しておくのが大事なんです。詳しくまとまったページがあるのでご覧になってみてください。」

渡し先:これからお金の全体像を把握する段階ならエンディングノート(無料PDF)の財産ページ(お金のありかをご本人と一緒に整理する土台になります)/すでに立替が始まっているご家庭には、印刷して渡せる「介護のお金 立替記録シート」(PDF・A4一枚)——日付・内容・金額を書き込むだけの記入式です

Q3「成年後見制度って使ったほうがいいの?」

案内してよい一般情報:制度の存在と大枠(判断能力が不十分な方の財産と権利を守る制度。家庭裁判所が後見人を選任する法定後見と、元気なうちに本人が後見人を選んでおく任意後見がある)。申立ての一般的な相談先(家庭裁判所、市区町村の中核機関=「成年後見センター」「権利擁護支援センター」等)。

気をつけたい点:「使うべき/使わないべき」の判断助言は避け、制度案内にとどめること。費用や後見人の選任見込みを断定しないこと。利用の要否はご家族と専門職・裁判所の判断領域です。

返し文例:「ご本人の判断が難しくなったときに財産を守る公的な制度です。ただ、向き不向きや費用面もあるので、使うかどうかは市の成年後見センターなど公的な窓口で相談して決めるのがおすすめです。まだお元気な段階なら、別の備え方も含めて比べられますよ。」

渡し先:市区町村の成年後見の中核機関(名称は「成年後見センター」「権利擁護支援センター」など市により異なり、多くは社会福祉協議会内。窓口名は市役所で確認できます)/家庭裁判所(申立て手続きの案内)/申立て書類の作成支援や後見人候補の相談は司法書士・弁護士。まだお元気な段階のご家族には、法定後見と他の備えの違いをまとめた比較シート(PDF・A4一枚)も渡せます

Q4「親に遺言を書いてもらいたい」

案内してよい一般情報:遺言は判断能力があるうちにしか作れないこと。自筆と公正証書の2つの方式が広く使われていること。不動産がある・再婚・お子さんがいない等のご家庭では、遺言の有無で残されたご家族の負担が大きく変わること。

気をつけたい点:内容面(誰に何を残すか)への関与は絶対に避けること。ご本人の意思が最優先であり、ご家族の意向を代弁する形での働きかけはトラブルの火種になります。「書かせたい」というご家族には、ご本人の意思確認を促す返しが安全です。

返し文例:「遺言はお元気なうちにしか作れないので、気になっているなら早めが良いのは確かです。ただ、中身はご本人の意思がいちばん大事なので、まずはご本人がどう考えているかを聞くところからですね。作り方の相談ができる無料の窓口をお伝えしておきます。」

渡し先:公正証書遺言=公証役場(愛知県内に11か所。作成前の相談は無料でできます)/自筆の遺言書=法務局の「自筆証書遺言書保管制度」(形式のチェックと保管をしてくれる公的制度)

Q5「施設の費用を払い続けられるか不安」

案内してよい一般情報:負担軽減の制度(高額介護サービス費、所得に応じた負担限度額認定など)の存在と、申請窓口が市役所であること。「どこにいくら資産があるか」をご家族が把握できていないと資金計画が立たないこと。

気をつけたい点:制度の適用可否・金額の断定は避け、「市の窓口で確認を」と添えること。資産の中身を聞き出す立場に立たないこと(把握はご家族自身にやってもらう)。

返し文例:「負担を軽くする制度がいくつかあるので、まず市役所の窓口で確認してみてください。あわせて、ご本人の年金や口座がどこにあるかをご家族で一覧にしておくと、先の見通しが立てやすくなりますよ。無料で使える記入式のノートがあります。」

渡し先エンディングノート(無料PDF)/市役所の介護保険担当窓口

Q6「亡くなったあと、何をすればいいの?」

案内してよい一般情報:死亡届・葬祭費・年金・保険・相続と、手続きが複数の窓口にまたがること。期限があるもの(相続放棄は原則3か月、相続税の申告は10か月など)が存在すること。

気をつけたい点:個別の手続き代行や書類作成の指南には入らないこと。期限のある判断(相続放棄など)が絡む場合は、早めに専門職へつなぐのが安全です。

返し文例:「お手続きは市役所・年金・銀行・相続と分かれていて、期限があるものも一部あります。まずは市役所のおくやみ窓口で全体の流れを聞くと整理しやすいですよ。相続放棄のような期限のあるものが心配なときだけは、早めに司法書士さんか弁護士さんに相談してくださいね。」

渡し先:印刷して渡せる「亡くなったあとの主な手続き 早見シート」(PDF・A4一枚)——12の手続きを期限つきのチェック式にしたもので、ご家族がそのまま使えます/窓口は市役所のおくやみ窓口(設置している市が増えています。ない市でも市民課が起点になります)と年金事務所。相続放棄など期限のある判断が絡む場合のみ、早めに司法書士・弁護士へ

Q7「介護で立て替えたお金は戻ってくるの?」

案内してよい一般情報:介護を多く担った相続人の貢献を考慮する「寄与分」(民法904条の2)や、相続人でない親族(例:長男の妻)のための「特別寄与料」(民法1050条)という制度が存在すること。特別寄与料には相続開始と相続人を知ってから6か月、または相続開始から1年という短い請求期限があること。いずれも記録(レシート・日付・金額)が事実上の前提になること。

気をつけたい点:「戻ってくる/こない」の見込みの断定は避けること。認められるかは個別事情によります。すでに家族間で対立がある場合は、紛争性のある法律相談=弁護士の領域です。

返し文例:「そうした貢献を考慮する制度自体はあります。ただ、認められるかは状況によるので、いちばん確実なのは今から記録を残しておくことなんです。レシートと日付・金額のメモだけで十分ですよ。」

渡し先:印刷して渡せる「介護のお金 立替記録シート」(PDF・A4一枚)——「私が払ってばかりで…」という話が出たその場で渡せる記入式の記録表です。シートがなくても、ノートや家計簿アプリに「日付・内容・金額」の3点を並べ、レシートを月ごとに封筒にまとめれば足ります。立替をご本人の口座への振込で行うと、通帳そのものが記録になります

Q8「身寄りのない方・ご家族が遠方の場合はどうなるの?」

案内してよい一般情報:おひとりの方の備えとして、任意後見契約・死後事務委任契約・遺言などを元気なうちに組み合わせておく方法があること。市や社会福祉協議会に相談窓口があること。

気をつけたい点:身元保証サービス等の民間事業者を特定して推薦しないこと(トラブル事例が多い領域です)。契約型の備えは必ず行政書士・司法書士・弁護士といった資格者を介す形で案内するのが安全です。

返し文例:「おひとりの方向けに、将来の手続きやお金の管理を元気なうちに決めておく仕組みがいくつかあります。組み合わせ方は状況によるので、市や社会福祉協議会の窓口で一度整理してもらうのがおすすめです。」

渡し先:印刷して渡せる「おひとりの方の備え 早見シート」(PDF・A4一枚)——「日常・判断できなくなった後・亡くなった後・財産」の4場面で備えを整理したものです/相談窓口は市・社会福祉協議会(日常的なお金の管理には社協の「日常生活自立支援事業」という公的サービスもあります)/任意後見・死後事務委任などの契約型の備えは公証役場(契約書の作成)や行政書士・司法書士・弁護士へ

Q9「生前贈与しておいたほうがいい?税金は?」

案内してよい一般情報:贈与には税制上のルールがあり、やり方によって有利にも不利にもなること。税額の計算・個別の税務判断は税理士の専門領域であること。

気をつけたい点:ここは最も踏み込んではいけない領域です。非課税枠の金額や「やったほうが得」といった言及は、古い制度知識のまま話すと誤案内になります。金額・可否には一切触れず、税理士・税務署へ振ってください。

返し文例:「贈与は税金のルールが複雑で、やり方次第で結果が変わる分野なんです。金額のことは税理士さんか税務署に確認するのが確実ですよ。」

渡し先税務署の相談窓口税理士(各地の税理士会が無料相談会を実施しています)

Q10「家族で意見が割れて、話が進まない」

案内してよい一般情報:介護方針・お金の話は「決め方」を先に決めると進みやすいこと(主担当・情報共有の方法・費用の記録ルール)。第三者が入ると整理されやすいこと。

気をつけたい点:どちらかの側に立たないこと。すでに対立が深い場合(財産の使い込みの疑い等)は、紛争性のある案件=弁護士の領域です。ケアマネジャーが調整役を背負い込む必要はありません。

返し文例:「ご家族だけで話すと、どうしても感情が先に立ちやすいんです。『誰が窓口になるか』『費用の記録をどう残すか』の2つだけでも決まると前に進みますよ。」

渡し先:対立がすでに深い場合=弁護士会の法律相談・法テラス。まだ話し合いの段階なら、まずは「窓口役」と「記録ルール」の2点を家族内で決めるところからで十分です。その2点をそのまま書き込める「家族会議シート」(PDF・A4一枚)を渡せば、30分の話し合いでご家族だけで決められます

つなぎ先の使い分け(早見)

内容つなぎ先
税金の計算・個別の税務相談税理士・税務署
不動産の名義変更(相続登記)司法書士・法務局
すでに家族間で争いがある・使い込みの疑い弁護士(法テラス含む)
成年後見の申立て相談市区町村の中核機関(成年後見センター等)・家庭裁判所・司法書士・弁護士
遺言など生前の備えの相談公証役場(公正証書遺言)・法務局(自筆証書遺言書保管制度)・行政書士・司法書士

ご家族にそのまま渡せる無料ツール

本ページについて

本ページは、相続・生前対策の情報メディア「いまから相続」(行政書士法人運営・愛知県)が、介護の現場で働く皆さまへの情報提供として作成・更新しています。「この質問も載せてほしい」「この表現は現場の実感と違う」といったご意見はお問い合わせフォームからお寄せください。次回の更新に反映します。ご家族から民間の相談先を尋ねられた場合には、当メディアの無料相談(30分・契約の勧誘はありません)をご案内いただくこともできます。

※提携事業者をご紹介する場合、当社が紹介料を受け取ることがあります。

本ページは一般的な情報提供を目的として作成しています(2026年8月時点)。個別事案の法的判断・税務判断は各専門職にご確認ください。制度・法令は改正されることがあります。なお、提携事業者をご紹介する場合、当社が紹介料を受け取ることがあります。

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この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

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