年末が近づき、お正月に集まる孫たちへのお年玉を、そろそろ考えはじめる時期です。去年と同じ額でよいのか、中学生や高校生になったら増やすのか、いつまで渡すのか。毎年のように迷う方は少なくありません。
この記事では、年齢別の目安、何歳まで渡すか、お札の用意、贈与税との関係を順に整理しました。金額に決まりはなく、地域や家の考え方で違います。2026年10月時点の一般的な目安として読んでください。
この記事の結論
- 祖父母から孫への目安は、幼児で500〜1,000円ほど、小学生で1,000〜5,000円、中学生・高校生で5,000円〜1万円です。ただし決まりはなく、地域や家で違います。
- 何歳までという決まりもありません。高校を卒業するまで、または就職するまでで区切る家が多いようです。孫の間で差がつかないよう、先に線を引いておくと安心です。
- ふつうの範囲のお年玉は、贈与税がかからない「年末年始の贈答」の考え方に当てはまります。国税庁は、社会通念上相当と認められるものを、贈与税がかからない財産に挙げています。
年齢別の目安:祖父母から孫へ
お年玉の金額を決める国の基準はありません。情報サイトの紹介例を見ると、祖父母から孫へは、次の幅に収まることが多いようです。
子どもたちは、実際にいくらもらっている?
金融広報中央委員会の「子どものくらしとお金に関する調査(第3回・2015年度)」では、小学生から高校生の約5万人に、お年玉をもらった相手と金額を聞いています。もらった相手は、祖父母が最も多い結果でした。
ここで気をつけたいのは、この金額が「全員からもらった合計」だということです。合計が1万円前後なら、祖父母1人あたりは数千円ほど、という計算になりやすいでしょう。上の年齢別の表と、同じ物差しで比べないでください。調査は2015年度のもので、今の物価とも違います。
何歳まで渡す?やめどきの考え方
何歳までという決まりはありません。「高校を卒業するまで」「就職するまで」で区切る家が多いようです(楽天カードの解説)。大学生になっても渡す家もあります。
- 高校を卒業するまで渡す。
- 就職するまで渡す。学生のあいだは続ける。
- 孫の親(お子さんやそのお連れ合い)と話して決める。
迷いやすいのは、孫が何人かいる場合です。年が離れていると就職の時期もずれます。「上の子は高校でやめたのに、下の子には続けた」と差がつかないよう、先に自分の中で線を引いておくと安心です。
やめると決めたら、孫本人より先に、孫の親に伝えておくと、お互いに気まずくなりません。お金の代わりに、本や好きなものを贈る形に変える、という方法もあります。
金額を決めるときの考え方
お年玉をいくら渡しているかは、ほかの家からは見えにくいものです。周りと比べすぎず、ご自分の収入の中で、無理なく続けられる額から決めてください。
- 総額を先に出す:たとえば孫が小学生2人と中学生1人なら、3,000円×2人+5,000円=11,000円です。年末のほかの出費と合わせて、無理のない額かを見ておきます。
- 年齢でルールを作る:学年が上がるごとの額を決めておくと、毎年迷いません。孫の間の差も出にくくなります。
- 孫の親に聞いておく:ほかの祖父母が渡す額を聞いておくと、揃えやすくなります。
- 数字の縁起:4,000円や9,000円を避ける人もいます。気にするかどうかは、家しだいです。
お札の用意:新札・きれいなお札の選び方
お年玉には、折り目のないきれいなお札を入れる家が多くあります。ただし、新札でなければ失礼、という決まりはありません。
ここで一つ、言葉の違いに気をつけてください。「新札」には、折り目のないきれいなお札という意味と、2024年7月3日に発行が始まった新しい日本銀行券(新紙幣)という意味があります。お年玉で選ぶのは前者で、新紙幣でなくても構いません。日本銀行は、従来のお札も新券の発行後に引き続き使えるとしています。
きれいなお札は、銀行の窓口や両替機で用意します。日本銀行そのものは、両替や新券への単純な交換を行っていません。新券は、準備が整った金融機関の窓口やATMで順次手に入るようになりました(日本銀行)。
年末は窓口が混みやすい時期です。12月に入る前に、必要な枚数を数えて、用意しておくと落ち着いて渡せます。
お年玉に贈与税はかかる?
孫へのお年玉に税金がかかるのでは、と心配する声があります。国税庁は、贈与税がかからない財産として、次のようなものを挙げています(タックスアンサーNo.4405、令和8年4月1日現在の法令等)。
- 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの。祖父母と孫のような直系の血縁も、民法では互いに扶養義務者とされます。
- 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの。
お年玉は、このうちの「年末年始の贈答」にあたる贈り物と考えるのが一般的です。ふつうの範囲の金額であれば、この考え方の中に収まります。
気をつけたいのは、まとまった金額です。生活費や教育費の名目で渡しても、預金したまま使わなかったり、株式や不動産の購入に回したりすると、贈与税がかかると国税庁は説明しています。
1年間に受けた贈与の合計が110万円までは、基礎控除があります(タックスアンサーNo.4408)。これは一般的な仕組みの説明です。個別のケースで課税されるかどうかは、税務署や税理士に確認してください。孫への大きな贈与については、孫への贈与の非課税2026にまとめています。
よくある質問
生まれたばかりの孫にも、お年玉は渡しますか
決まりはありません。0〜2歳はまだお金を使わない年齢なので、渡さない家もあります。渡す場合は、500〜1,000円ほどの例が紹介されています。
孫が多くて、負担が重くなってきました
年齢ごとの額を決めて総額を先に出し、無理のない範囲に収めてください。金額より、渡す気持ちが伝わることのほうが大切です。孫の親に事情を話して、額を見直す家もあります。
孫の親から「もらいすぎるのでやめてほしい」と言われました
お子さんの家の考え方を尊重するのが、後々まで気持ちよく付き合うコツです。額を下げる、図書カードなど別の形にする、など、相談して決めてください。
新札でないと失礼ですか
決まりではありません。きれいなお札を選ぶ家が多いですが、手に入らなければ、折り目の少ないお札でも気持ちは伝わります。
今日できる一歩
去年渡した額を思い出して、孫の名前と学年を並べたメモを作ってみましょう。学年が上がる孫の額が決まれば、あとは12月に入る前に、銀行でお札を用意するだけです。
参考にした公的情報
- 国税庁 タックスアンサー No.4405「贈与税がかからない場合」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4405.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
- 日本銀行「新券発行開始後の引換えに関する留意事項について」https://www.boj.or.jp/about/services/bn/hikikae2.htm
- 金融広報中央委員会(知るぽると)「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」https://www.shiruporuto.jp/public/data/lecture/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf
- 三井住友銀行「新しい日本銀行券の発行に関するお知らせ」(2024年6月)https://www.smbc.co.jp/notice/letter_20240619_01.pdf
- 楽天カード「みんなのマネ活」孫へのお年玉の解説(相場の目安として参照)https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/topic/article_2402_00127/
※本記事は2026年10月時点の公的機関などの公開情報にもとづく、一般的な整理です。お年玉の金額に決まりはなく、地域や家で違います。税金の個別の判断は、税務署や税理士にご確認ください。
