相続手続きがめんどくさい!簡単に進めるための5つのポイント

相続手続きを個人でやるのは非常にめんどくさいですよね。普段あまり見ることのない膨大な書類を準備し、役所を訪れたり、法務局に足を運んだりと、多くの手間がかかります。

ただ、めんどくささの中身は分解できます。制度で減らせる部分と、自分でやったほうが早い部分と、頼んだほうが早い部分は、はっきり分かれています。

この記事では、実際に手間を減らす5つのポイントと、手続き全体の流れ・必要書類・期限をまとめます。

目次

先に結論:めんどくささの正体は3つ、それぞれ潰せます

🏃
役所を何度も回る
↓ 広域交付を使えば
1か所
最寄りの窓口でまとめて請求
📚
戸籍の束を各社に出す
↓ 法定相続情報一覧図なら
無料
A4一枚を必要枚数もらえる
期限が読めない
↓ 本当に守るのは
3つだけ
下の3つ以外に罰則はない
相続放棄 3か月 相続税の申告 10か月 相続登記 3年
※広域交付は2024年3月開始。本人・配偶者・直系の親族の戸籍が対象で、郵送や代理人による請求はできません。法定相続情報一覧図の交付手数料は無料です(2026年8月時点)。

相続手続きが重いのは、量が多いからではなく「取りに行く回数」と「同じ書類を何度も出す回数」が多いからです。この2つは制度で減らせます。以下、手間を実際に減らす5つのポイントを挙げます。

1. 戸籍は「広域交付」で1か所にまとめて取る

2024年3月から、本人・配偶者・親・子・孫といった直系の親族の戸籍は、本籍地でなくても最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を、転籍した先の役所へ一つずつ郵送請求する必要がなくなります。窓口で本人確認書類の提示が必要で、郵送・代理人請求はできません。兄弟姉妹の戸籍も対象外なので、相続人が兄弟姉妹のケースでは従来どおり個別請求になります。もう一つ、コンピュータ化されていない古い戸籍は広域交付では出せません。その分だけは本籍地の役所へ郵送で請求することになります。

2. 「法定相続情報一覧図」を作って戸籍の束を持ち回らない

集めた戸籍と相続関係図を法務局に一度出すと、相続人が誰かを公的に証明するA4一枚の写しを交付してもらえます。交付は無料で、必要な枚数をまとめて受け取れます。以降は銀行・証券会社・法務局・税務署にこの一枚を出せばよく、戸籍の束を提出しては返してもらう往復がなくなります。口座が3行以上ある方はこれだけで日数が変わります。

3. 相続税がかかるかを最初に判定する

基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。財産の合計がこれ以下なら相続税の申告は不要で、10か月の期限も気にしなくてよくなります。判定に使うのは不動産の固定資産評価額と預貯金残高の概算で足ります。ここを先に決めておくと、後の作業量が半分近く変わります。

4. 平日に動けないなら郵送請求とオンライン申請を使う

戸籍や住民票は郵送で請求できます(定額小為替を同封)。相続登記も法務局へオンラインで申請でき、登記事項証明書もオンラインで取得できます。金融機関も相続手続きの書類を郵送でやり取りできるところが増えています。窓口に行かないと進まない工程は、実際にはそれほど多くありません。

5. 詰まる工程だけを頼む

全部を任せる必要はありません。手が止まりやすいのは「戸籍の読み取りと相続人の確定」「遺産分割協議書の作成」「相続登記」「相続税の申告」の4つです。逆に、預貯金の解約や公共料金の名義変更は書類さえそろえば自分で終わります。どこで止まったかが分かった時点で、その工程だけ相談するのが結果的にいちばん軽く済みます。

相続手続きの基本的な流れ

1

遺言書の確認

公正証書遺言ならすぐに手続きを開始できる。自筆証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが必要

2

財産目録の作成

不動産・預貯金・有価証券・動産など全ての財産をリストアップし、評価額を算出する

3

相続人の確定

被相続人の戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本を取得し、法定相続人が誰かを確認する

4

相続放棄や限定承認の検討

負債が多い場合などに検討。相続放棄は相続の開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する

5

相続税の申告と納税

相続の開始を知ってから10ヶ月以内に相続税申告書を作成して税務署に提出し、納付する

6

不動産や預貯金の名義変更

不動産は法務局で相続登記、預貯金は各金融機関で手続きを行い、相続財産が正式に相続人の名義になる

相続に関する必要書類一覧

相続手続きに必要な基本書類

相続手続きには、以下の基本書類が必要です。

被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの全て)
被相続人の住民票の除票
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の住民票

特定の財産に必要な書類

財産の種類に応じて、以下の書類が必要となります。

不動産:登記事項証明書、固定資産評価証明書
預貯金:通帳、取引明細書
有価証券:証券会社の取引報告書

追加で必要になる可能性のある書類

状況によっては、以下の書類も必要になることがあります。

遺言書(検認済みのもの)
遺産分割協議書
相続税申告書

相続手続きの期限と注意点

手続き 期限
相続放棄 相続の開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述
相続税の申告・納税 相続の開始を知ってから10ヶ月以内に税務署へ申告・納付
不動産の名義変更(相続登記) 取得を知った日から3年以内に申請(2024年4月1日から義務化)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
預貯金の名義変更・解約 法的な期限はないが、放置すると相続人が増えて全員の実印が必要になるため早めが望ましい

⚠️ 期限を過ぎた場合のリスク

相続放棄は3ヶ月の期間を過ぎると、原則として相続を承認したとみなされます。相続税は10ヶ月の申告期限を過ぎると延滞税や加算税が上乗せされます。相続登記は3年を過ぎ、法務局からの催告にも正当な理由なく応じないと10万円以下の過料の対象です。まずはこの3つの期限だけカレンダーに入れてください。

どうしてもめんどくさい場合は専門家を上手に活用

誰に何を頼めるか

戸籍の収集と遺産分割協議書の作成は、行政書士・司法書士・弁護士のいずれでも扱えます。不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人どうしで主張がぶつかっている場合の交渉は弁護士と、そこから先は担当が分かれます。最初にどの窓口へ行くかで迷ったときは、財産の中身(不動産があるか、相続税がかかるか、もめているか)で判断すると外しません。

専門家の選び方

見るべきは、相続の取扱件数と、見積もりの内訳を先に書面で出してくれるかどうかです。初回相談で「何をいくらで、どこまでやるのか」を紙にしてもらい、2〜3か所を並べて比べてください。金額だけでなく、連絡の返しが早いかも実務では効いてきます。

部分的なサポートの依頼方法

相続手続き全体を専門家に依頼するのではなく、部分的なサポートを依頼することで費用を抑えることができます。例えば、遺産分割協議書の作成や相続税申告のみを依頼するなど、自分でできる部分は自分で行い、専門的な部分だけを依頼する方法があります。

全部やらない、が正解

相続手続きが重く感じるのは、最初に全体量が見えないからです。広域交付で戸籍を一度に取り、法定相続情報一覧図を作り、相続税がかかるかを判定する。この3つを先に済ませると、残りの作業が具体的な「やることリスト」に変わります。

そのうえで、止まった工程だけを人に頼んでください。全部を任せる前提で見積もると重く感じますが、実際に外注が必要な範囲はもっと狭いことがほとんどです。

「どこまで自分でやれるか」を切り分けたい方へ
戸籍が何通になるか、遺産分割協議書が必要か、相続税の申告がいるか。この3点が決まれば、自分でやる範囲と頼む範囲は自然に決まります。30分の無料相談では、財産と家族構成を伺って、その場で切り分けた一覧をお渡しします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

あわせて読みたい

▶ あわせて読みたい:相続手続きをしなかったらどうなる?対処法と起こりうるリスク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

相続事務所にてマーケティング、広報、人事、新規事業等を行いウェブ経由の月間売上を更新する傍ら経営にも参画する。主にウェブマーケティングを通じて業界特有の「見せ方」やずる賢い手法をたくさん目撃していく。お客さんにとっては幾度とない大事な機会なのに半ば騙すようなマーケティングや営業で受任している事業者がいることを問題視し、業界についての正確な情報を発信したいと考え「相続事務所のホンネとタテマエ」を運営中。

目次