保険証券の「指定代理請求人」が空欄だったら|今日電話して付ける手続きと、誰を書くか迷ったときの決め方

保険証券を出してみたら、「指定代理請求人」の欄が空欄だった。あるいは、もう亡くなった配偶者や、疎遠になった兄弟の名前が入ったままだった。この記事は、そこから「今日、保険会社に電話して直す」までを手順どおりに書いたものです。

指定代理請求人がどういう制度で、認知症になったら保険がどう止まるのかという解説は、認知症になったら保険は家族が動かせる?|指定代理請求特約と契約者代理人特約でできること・できないことにまとめています。ここでは繰り返さず、「空欄をどう埋めるか」だけに絞ります。

目次

先に結論:無料・書類1枚・契約者が元気なうちだけ

空欄を埋める手続きは、この4歩で終わります

📞

1. 保険会社に電話
契約者本人が

✍️

2. 届いた書類に記入
指定する人の名前

📮

3. 返送
本人確認書類を添えて

4. 完了通知が届く
証券と一緒に保管

0円

手数料も保険料の上乗せもなし

1〜2週間

電話から完了通知までの目安

元気なうち

認知症が進んでからは付けられない

※日数・必要書類は保険会社により異なります。

指定代理請求人を付ける・変える手続きは、ほぼすべての保険会社で無料です。契約者が電話をして、届いた用紙に名前を書いて返送すれば終わります。ただし、申し出ができるのは契約者本人だけで、被保険者(保険の対象になっている人)の同意も必要です。親の保険なら、親自身が電話をする必要があります。

電話で何を言えばいいか

証券の右上あたりにあるコールセンターの番号に、契約者本人がかけます。手元に証券番号を用意して、次のように伝えれば通じます。

電話で伝える一言

「証券番号○○○の契約者です。指定代理請求人を指定したいので、書類を送ってください。」

古い名前が入っている場合は、「指定代理請求人を変更したい」と言い換えるだけです。特約がそもそも付いていない古い契約なら「指定代理請求特約を付けたい」と伝えます。

電話口では本人確認のために、生年月日や住所、登録している電話番号を聞かれます。これに答えられれば、その場で書類の発送手配まで進みます。保険会社によっては、契約者向けのWebページや、担当の営業職員経由でも同じ手続きができます。

返送時に添えるもの

届く用紙は「指定代理請求人指定(変更)請求書」といった名前で、契約者の署名と、被保険者の同意欄への署名が必要です。契約者と被保険者が同じ人(自分の保険に自分で入っている)なら、署名は1か所です。添付するのは契約者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードの写し)で、指定される側の書類は原則不要です。

誰の名前を書くか迷ったら

指定できる人の範囲は保険会社ごとに決まっていますが、多くの会社で共通しているのは次の3つです。

💑

戸籍上の配偶者

👨‍👩‍👧

直系の血族
親・子・孫

🏠

同居か生計が同じ
3親等内の親族

🤝

同居のパートナー等
認める会社が増加中

緑=多くの会社で共通の範囲/黄=会社によって可否が分かれる範囲。必ず契約先の約款で確認を。

候補が複数いるときの決め方は単純で、「本人が請求できなくなったとき、実際に病院や保険会社とやり取りをするのは誰か」で選びます。配偶者が同年代なら、配偶者ではなく子を書いたほうが実務は回ります。会社によっては2人まで順位をつけて指定できるので、その場合は「1位=子、2位=配偶者」のように保険をかけておけます。

戸籍上の親族ではない同居のパートナーを書きたい場合は、会社によって認める・認めないが分かれます。電話の段階で「同居のパートナーは指定できますか」と聞いてしまうのが早道です。保険会社から内縁関係の証明を求められたときに何を出せばよいかは内縁関係を証明する書類で整理しています。

古い名前が入っていたときの変更

亡くなった配偶者や、疎遠になった兄弟の名前が残っているケースは珍しくありません。変更の手続きは新規の指定とまったく同じで、電話→書類→返送です。いま名前が入っている人の同意は要りません。変えた相手に通知がいくこともありません。

指定した人が先に亡くなったまま放置すると、いざというときに指定がない状態と同じになります。こうなると、成年後見の申立てをして後見人が請求する道しか残らないことが多く、時間も費用もかかります。名前を見て「この人はもういない」「もう頼めない」と思ったら、その日のうちに電話する価値があります。

同じ電話で一緒に直しておく3つの欄

せっかく契約者本人が電話をするなら、指定代理請求人だけで切らずに、次の3つも同じ通話で確認しておくと二度手間になりません。

1つ目は死亡保険金の受取人。離婚や死別のあとも元のままになっている契約が多く、こちらは相続そのものに直結します。詳しくは受取人を放置する3つの落とし穴に書きました。2つ目は家族登録(ご家族登録制度)。家族が契約の有無や内容を保険会社に問い合わせられるようにする仕組みで、指定代理請求人とは役割が違うため両方あるのが理想です。仕組みは保険会社の家族登録制度とはを参照してください。3つ目は住所と連絡先。転居後に案内が届いていない契約は、更新や請求の案内が本人に届かないままになります。

電話の前に立ち止まったほうがいい3つの場合

親にすでに物忘れの不安がある。指定代理請求人の指定は契約者の意思表示なので、契約内容を理解できない状態では受け付けてもらえません。ただし「診断がついている=即不可」ではなく、会社が本人と話して判断します。迷ったら先に電話で相談し、難しいと言われたらこちらの記事の後半にある、成年後見や家族信託との組み合わせに進みます。

契約者と被保険者が別人。たとえば夫が契約者で妻が被保険者の医療保険では、指定代理請求人は「被保険者(妻)が請求できないときに代わる人」です。電話をするのは契約者の夫ですが、同意欄には妻の署名が要ります。誰が電話し、誰が署名するかを先に整理しておくと、書類の返送が1回で済みます。

共済や勤務先の団体保険。JA共済や県民共済、勤務先経由の団体保険にも同じ趣旨の制度がありますが、名称や範囲が違い、団体保険は勤務先の窓口を通す必要があります。証券に「指定代理請求」の文字がなくても、問い合わせ先に「本人が請求できないときに家族が請求できる仕組みはありますか」と聞けば案内してもらえます。

よくある質問

指定した人に何か通知はいきますか

多くの会社では、指定された本人への通知はありません。だからこそ、指定したことは本人に口頭で伝え、証券のありかも共有しておく必要があります。指定されていることを知らなければ、請求のしようがないからです。

指定代理請求人は死亡保険金も請求できますか

できません。死亡保険金は受取人が別に決まっていて、受取人本人が請求します。指定代理請求人が代わりに請求できるのは、入院給付金や介護保険金、高度障害保険金など「本人が受け取るお金」です。介護保険金の請求の流れは民間の介護保険金はどう受け取る?に書いています。

解約や契約者貸付もできるようになりますか

なりません。指定代理請求人ができるのは「請求」だけです。解約して返戻金を介護費用に充てる計画があるなら、別の備え(契約者代理人特約・任意後見・家族信託など)が必要で、その比較は指定代理請求特約と契約者代理人特約でできること・できないことで整理しています。

相談現場から|相談員メモ

証券を持ってきていただくと、指定代理請求人の欄が空欄のままの方が実際に多くいらっしゃいます。付けるのは無料で、書類1枚。「今日帰ったら保険会社に電話する」で終わる話なので、ご相談の中でも真っ先に確認する項目のひとつです。逆に、名前は入っているのに「その人はもう亡くなっている」というケースも一定数あり、こちらは空欄より見落とされやすい印象です。

まとめ

指定代理請求人の欄が空欄か古いままなら、契約者本人がコールセンターに電話し、届いた書類に名前を書いて返送すれば無料で直せます。書くのは「実際に動いてくれる人」。同じ電話で死亡保険金の受取人・家族登録・住所も確認しておけば、その契約の点検はひと通り終わります。できるのは契約者が元気なうちだけ、という一点だけ忘れないでください。

証券のどこを見ればいいか分からない方へ

指定代理請求人の欄があるか、誰の名前が入っているか、受取人はどうなっているか。証券をお持ちいただければ30分で一緒に確認できます。ご家族だけでのご相談も可能です。

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お電話でも:052-766-5650(相談中の場合は折り返しご連絡します)

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※本記事は制度の一般的な説明です。特約の名称・指定できる範囲・必要書類・所要日数は保険会社ごとに異なります。かならずご契約先の最新の約款・案内でご確認ください。個別の税務・法務のご判断は税理士・弁護士等の専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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