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11月に入って朝晩が冷え込むと、脱衣所の床が急に冷たく感じられます。暖かい居間から、寒い脱衣所、熱い湯船へ。この移り変わりが体に負担をかける、と聞いたことのある方は多いと思います。
この記事では、冬のお風呂で気をつけたいことを、入る前にできることを中心に整理します。消費者庁と東京消防庁の公表資料にもとづき、医療の話には立ち入りません。
この記事の結論
- 入る前に、脱衣所と浴室を暖めて、温度の差をなくします。湯は41度以下、浸かる時間は10分までが目安です(消費者庁)。
- 高齢者の浴槽でのおぼれは、東京消防庁の救急搬送だけで、令和2年から6年の5年間に2,481人。12月から3月に多くなっています。
- 家族は、入る前に一声かけ、入る時刻を知っておくだけでも役に立ちます。長くなったら、ためらわず声をかけます。
冬のお風呂で、何が起きているのか
「ヒートショック」は、温度の差が大きい場所を行き来して、体に負担がかかることをさして使われる言葉です。国の資料では、多くの場合「入浴中の事故」という名前で注意が呼びかけられています。
消費者庁は、入浴中の事故は持病や前兆がない場合でも起こりうると説明しています。そのため、本人の努力だけでなく、家族など周りの人が一緒に防ぐことが大切だとしています。まず、公表されている数字を見てみます。
消費者庁の資料には、65歳以上の「不慮の溺死及び溺水」で亡くなった人のうち約7割が、自宅などの浴槽での事故だとあります。高齢者では、平成23年以降、浴槽で亡くなった人の数が交通事故で亡くなった人の数を上回っているとも書かれています(2018年11月公表)。
入る前に、脱衣所と浴室を暖める
消費者庁が最初に挙げているのは、入浴前に脱衣所と浴室を暖めて、温度の差をなくすことです。暖房が付いていない浴室でも、できる工夫があります。
- 浴槽に湯を張るとき、シャワーから給湯する。湯気で浴室が暖まります。
- 湯が沸いたら、十分にかき混ぜて湯気を立たせ、浴槽のふたを外しておく。
- 脱衣所に暖房器具があるなら、入る少し前から付けておく。
脱衣所で暖房器具を使うときは、タオルや衣類など燃えやすいものを近くに置かないようにしてください。
湯の温度、時間、出るときの動き
消費者庁は、入浴中の事故を防ぐ目安を6つ挙げています。入る前から出るときまで、順に並べました。
41度というと、熱めの湯が好きな方には物足りなく感じるかもしれません。それでも、熱い湯と長風呂は危険が増すと、東京消防庁も注意を呼びかけています。「今日はいつもより短く」と決めておくだけで、無理が減ります。
入る前の5分を、順番に並べると
ここまでの目安を、お風呂に入る前の流れにしてみます。毎回すべてをやる必要はありません。一つでも続けられれば十分です。
- 湯を張るときに、シャワーから給湯して浴室を暖める。
- 脱衣所に暖房器具があれば、少し前から付けておく。
- 食事やお酒のあとでないか、体調はどうかを自分に聞く。
- 家族に「入るよ」と声をかける。
- 湯は41度以下で、浸かるのは10分まで。出るときは、手すりを持ってゆっくり立つ。
お風呂は、毎日のことだからこそ、慣れで流れてしまいがちです。「寒くなってきたから、今年は少し手順を変える」と決めておくと、続けやすくなります。
家族にできること。同居でも、離れていても
消費者庁の資料は、同居している家族に、次のことを勧めています。
- 入浴する人から、入る前に声をかけてもらう。
- 入浴を始めた時刻を把握しておく。
- 「時間が長い」「音がまったくしない」「突然大きな音がした」ときは、ためらわず声をかける。
東京消防庁が紹介する令和6年の事例には、入浴時間が長いので家族が様子を見に行ったところ、80代の方が浴槽の中で水没していた、というものがあります。長く感じたときに、声をかけるかどうか迷う気持ちは分かります。それでも、声をかけて何事もなければ笑い話で済みます。
浴槽で反応のない人を見つけたときは、浴槽の栓を抜き、助けを呼んで、救急車を要請します(消費者庁)。
離れて暮らす親の場合は、同じことはできません。そこで、例えば「入る前にひとこと電話かLINEをもらう」「お風呂の前に、脱衣所を暖めてあるか聞く」など、できる形を親子で決めておく方法があります。これは公的な資料にある決まりではなく、できることを考える一例です。帰省のときに話すきっかけは、年末年始の帰省で親とお金の話でも触れています。
一人暮らしの親の場合、浴室で倒れても、すぐに気づく人がいません。電話に出ない日が続いたときに様子を見てもらえる近所の人や、見守りの仕組みを用意しておくと、もしものときに発見が早くなります。電話・センサー・郵便局などの見守りの比べ方は離れて暮らす親の見守り方法、市区町村の緊急通報装置の対象と申し込み先は緊急通報装置の市区町村サービスにまとめています。帰省したときに浴室の寒さを一緒に確かめるなら、帰省で確かめる親の暮らしチェックリストも使えます。
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一人暮らしの親が家で倒れたときに、人が駆けつける備えを考えるなら
警備会社ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」は、ボタンを押すと警備員が駆けつける見守りサービスです。料金や、ボタンを押せないときの備えを記事にまとめています。
合わない人:家族が近くに住んでいてすぐ様子を見に行ける、親がボタンを身につけたがらない。
公的な方法:上で紹介した市区町村の緊急通報装置もあります。対象は市区町村で違うので、先に条件を確かめてください。
ALSOK株式会社の「HOME ALSOK みまもりサポート」の内容です。当サイト(いまから相続)が見守りや警備をするものではありません。料金は2026年10月29日に公式サイトで確認したものです。
家そのものが寒くて、浴室や脱衣所の工事も気になる場合は、暮らし続けるか住み替えるかの話にもつながります。費用の目安は高齢者の住み替え費用で整理しています。
今日できる一歩
今夜のお風呂は、湯を張るときにシャワーから給湯して、浴槽のふたを外してみる。入る前に、浴室と脱衣所の寒さを確かめるだけでも十分です。離れて暮らす親には、「お風呂の前に、脱衣所は暖めてる?」と一言聞いてみてください。
よくある質問
ヒートショックは、持病がなければ心配いりませんか
消費者庁は、持病や前兆がない場合でも入浴中の事故は起こりうると説明しています。心配が先に立つ場合や、体調に不安がある場合は、入浴の仕方をかかりつけ医に相談してください。
夜中や早朝に、お風呂に入るのは避けたほうがよいですか
消費者庁や東京消防庁の資料には、入浴する時間帯の目安は示されていません。示されているのは、家の中の温度の差をなくすことと、家族に声をかけてから入ることです。冷え込む時間帯に入るときは、いつもより念入りに脱衣所と浴室を暖めておきます。
一人暮らしの親が、家族に言われるのを嫌がります
「危ないから気をつけて」と言うより、「寒くなったから、脱衣所を暖める方法を調べてみた」と、自分の話として切り出すと受け取られやすいことがあります。親の暮らし方を変えるのではなく、一つだけ試してもらう気持ちで十分です。
銭湯や温泉でも、同じように気をつけますか
東京消防庁の令和6年の事例には、公衆浴場で起きたものも載っています。脱衣所と浴室の温度の差、熱い湯と長風呂、お酒を飲んだあとの入浴は、場所を問わず気をつけたい点です。広い浴場では、一緒に行った人に入る前後で声をかけ合っておくと安心です。
参考にした公的情報
- 消費者庁「みんなで防ごう高齢者の事故!」(2019年12月18日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/consumer_safety_cms204_191218_01.pdf
- 消費者庁「冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください!」(2018年11月21日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_181121_0001.pdf
- 消費者庁「高齢者の入浴中の事故に関する注意喚起」ページhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/
- 東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」(2026年3月5日更新)https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/nichijo/kkhansoudeta.html
※本記事は2026年11月2日時点で確認できた公的機関の公開情報にもとづく一般的な整理です。医療に関する診断や治療の助言ではありません。体調や持病が気になる方は、かかりつけ医や自治体の相談窓口にご相談ください。
