パスポートの申請書や、手続き先から渡された案内に「本籍が記載された住民票」とある。役所で住民票を取ってきたのに、本籍の欄がなくて受け付けてもらえなかった。こうしたつまずきは珍しくありません。
住民票は、何も言わずに請求すると本籍が載らないのがふつうです。この記事では、本籍・筆頭者を載せて請求する方法を、窓口・郵送・コンビニ交付に分けて説明します。マイナンバー(個人番号)の記載とどう違うか、本人以外が請求するときの注意も合わせてまとめました。
この記事の結論
- 住民票の写しは、ふつうに請求すると本籍・筆頭者が省略されます。「本籍・筆頭者の記載あり」と指定して請求します。日本人の方のみの項目です。
- 窓口と郵送は請求書の記入欄で、コンビニ交付は端末の「記載事項」の選択画面で指定します。間違えても返金されません。
- マイナンバー(個人番号)は本籍とは別の項目です。個人番号入りの写しは、代理人には渡されません。
住民票に本籍が載らないのはなぜか
住民票の写しは、省略形で出すのが標準です。北区の案内では、日本人住民の本籍・筆頭者のほか、世帯主・続柄、個人番号も、原則として省略して交付されます。必要な場合は、請求のときに記載を求めます。
本籍は戸籍のある場所、筆頭者は戸籍の一番最初に書かれている人のことです。手続き先から「本籍・筆頭者の記載があるもの」と指定されたときだけ、載せて請求します。
刈谷市の案内でも、提出先によっては続柄や本籍が省略された写しを受け付けてもらえないことがあるとされています。請求の前に、提出先に「本籍・筆頭者を載せるのか」「続柄は必要か」「個人番号は必要か」を聞いておくと、取り直しが減ります。筆頭者という言葉の意味は筆頭者とはで説明しています。
請求方法ごとの指定のしかた
請求書の書式や欄の名前は、市区町村によって違います。窓口では、書き方を見ながら係の人に「本籍・筆頭者を載せたい」と伝えれば、その場で直してもらえます。名古屋市のように、広域交付では本籍が載らない市区町村もあります。本籍を載せたいときは、住所地の窓口かコンビニ交付、郵送を使います。
コンビニ交付で本籍・筆頭者を指定する
マイナンバーカード(またはスマホ用電子証明書を入れたスマートフォン)があれば、コンビニのマルチコピー機で住民票の写しを取れます。手順は次のとおりです(地方公共団体情報システム機構の案内)。
- 端末の「行政サービス」から、証明書交付サービスを選ぶ。
- マイナンバーカードなどを読み取らせ、暗証番号を入れる。
- 証明書の種類で「住民票の写し」を選ぶ。
- 記載事項の選択画面で、「本籍・筆頭者」を記載ありにする。
- 「発行内容確認」で選んだ内容を見直し、手数料を入れて受け取る。
選び間違えると、返金されません
静岡市の案内では、証明書の種類や記載事項を誤って指定しても、返金はできません。手数料を入れる前の確認画面で、本籍・筆頭者の欄が「あり」になっているか見てください。
コンビニ交付の注意点が3つあります。
- 本籍・筆頭者を選べるのは日本人の方です。外国人住民の方の写しには、この項目がありません(静岡市の案内)。
- 転出や死亡で消された住民票(除票)は、コンビニでは取れません。詳しくは住民票の除票とはで説明しています。
- 手数料は市区町村で違います。仙台市と静岡市では窓口より100円安い200円ですが、期間を区切った措置です(仙台市は令和6年7月1日から当分の間、静岡市は令和7年4月から5年間)。利用できる時間は、原則として6時30分から23時までです。
マイナンバー(個人番号)の記載との違い
「本籍・筆頭者」と「マイナンバー(個人番号)」は、別の項目です。請求書やコンビニの画面でも、別々に選びます。ここでの話は、住民票の写しにマイナンバーを載せるかどうかです。
個人番号は、むやみに載せなくて構いません。提出先から「個人番号入りで」と指定されたときだけ載せます。なお、コンビニ交付で出る住民票の写しには、住民票コードは記載されません(デジタル庁の案内)。
本人以外が請求するとき
親や兄弟の本籍を知りたいという場合でも、別世帯の人の写しは、委任状か正当な理由がなければ取れません。委任状は、本人が自分で書いたものを求める市区町村があります。亡くなった方については、住民票ではなく除票になるため、住民票の除票とはをご覧ください。
本籍そのものが分からないとき
住民票に本籍を載せるのは、本籍が分かっていなくてもできます。むしろ、本籍を調べる手段のひとつです。ほかにも調べ方はいくつかあり、本籍の調べ方・確認方法4つにまとめています。
本籍が分かったあとに戸籍謄本を取るなら、次の記事が役に立ちます。遠くの市区町村の戸籍をまとめて請求する方法は戸籍の広域交付の使い方、コンビニで戸籍を取れるかは亡くなった人の戸籍謄本はコンビニで取れる?で説明しています。
よくある質問
Q. 本籍なしの住民票を取ってしまいました。取り直しですか。
A. 本籍が載っていない写しは、本籍入りの写しとしては使えないため、あらためて請求することになります。手数料もかかるので、請求の前に提出先へ確認するのが近道です。
Q. 外国籍の家族の本籍は載りますか。
A. 本籍・筆頭者は日本人の項目です。外国人住民の写しには、この欄がありません。
Q. 自分の本籍が分からなくても、住民票で調べられますか。
A. 調べられます。本籍が分からなくても、「本籍・筆頭者の記載あり」と指定して自分の住民票の写しを請求すれば、本籍が載って出てきます。コンビニ交付なら、記載事項の選択画面で指定します。
Q. 住民票を取ったあと、戸籍謄本も必要ですか。
A. 手続き先が求める書類によります。パスポートの申請や相続の手続きのように戸籍の内容が要る場面では、住民票ではなく戸籍謄本を求められます。本籍が分かったあとは、その本籍地で戸籍謄本を請求します。
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- 戸籍の広域交付の使い方
- 亡くなった親の本籍がわからないときの調べ方
参考にした公的情報
- 地方公共団体情報システム機構「コンビニ交付(証明書の取得方法)」
- 静岡市「コンビニ交付サービス」
- 仙台市「コンビニ交付」
- 東京都北区「住民票の写し等の交付」
- 横浜市「住民票の写しを利用する正当な理由のある人による請求(第三者による請求)」
- 名古屋市「住民票の写しの郵送請求」(郵送請求)・「住民票の写しの広域交付」(広域交付)、刈谷市「住民票には何が書いてありますか?」(よくある質問)、デジタル庁ニュース「マイナンバーカードを利用し、コンビニで各種証明書を取得する方法」(2024年10月8日)
※本記事は2026年10月時点の法令・市区町村の公開情報にもとづく一般的な整理です。手数料・必要書類・請求書の書式は市区町村により異なります。個別の判断は、手続き先や専門家にご確認ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事情による判断は、専門家にご確認ください。
