「そろそろ遺言を書いておこうか」——先週、実家の片付けをしていてふとそう思い立ち、スマートフォンで「名古屋市 公証役場」と検索してみたものの、出てきたのは葵町・熱田・名古屋駅前と3つの名前。自分が住んでいる区に一番近いのはどこなのか、そもそもどこでも同じ手続きができるのか分からず、検索の手を止めてしまった——という方も多いのではないでしょうか。
✅ この記事の結論(30秒まとめ)
- 名古屋市内には葵町公証役場(東区)・熱田公証役場(熱田区)・名古屋駅前公証役場(中村区)の3つがある
- 公正証書遺言を来所して作成する場合、住所地に関係なく全国どこの公証役場でも自由に選べる。名古屋市のどの区に住んでいても、この3役場のどこを選んでも構わない
- 目安として、東区・北区・千種区・守山区・名東区は葵町、熱田区・南区・港区・中川区・瑞穂区は熱田、中村区・中区・西区・昭和区・緑区・天白区は名古屋駅前が比較的行きやすい(あくまで目安)
- 作成には証人2名が必要で、公証人手数料は財産の価額に応じてかかる(目安表は本文参照)
- 公証人の出張(自宅・病院・老人ホームなどに来てもらう場合)を頼むときだけは、愛知県内の公証役場に限られる
「自分の区には公証役場がないから、遺言なんて作れないのでは」——多くの方がそう思い込んでいますが、これは誤解です。本当に確認すべきなのは「役場が近くにあるか」ではなく、「どこでうっかりつまずきやすいか」という点です。この記事では、名古屋市内3つの公証役場で公正証書遺言を作るときに、実際に後悔や手戻りにつながりやすい7つの落とし穴を整理したうえで、必要書類・手数料・作成の流れといった基本情報も別にまとめました。
公正証書遺言を作るときに後悔しやすい7つの落とし穴
名古屋市内で公正証書遺言を作成する方から実際によく聞く「こうしておけばよかった」という後悔のポイントを、7つに絞って整理しました。証人選びや資金繰りの誤解など、事前に知っておけば避けられるものばかりです。順番に確認していきましょう。
1. 証人選びを後回しにする
公正証書遺言の作成には、証人2名の立ち会いが必須です。ただし誰でも証人になれるわけではなく、推定相続人・受遺者やその配偶者・直系血族などの利害関係者は証人になれません。「配偶者や子どもに頼めばいいだろう」と考えて後回しにしていると、いざ作成日が近づいたときに全員が利害関係者で証人になれないことに気づき、直前で慌てて探し直すケースが少なくありません。友人・知人にも頼みにくい、適当な証人が見つからないという場合は、公証役場や提携する行政書士・司法書士事務所に証人を紹介してもらうことも可能です。この場合、証人1人あたり5,000~10,000円程度の日当が別途かかるのが一般的です。誰に頼むかは、事前相談の段階で公証役場に相談しておくとスムーズです。
2. 定期預金に資産を集中させたまま安心してしまう ─ 遺言があっても、生きている間の資金は凍結される
「今のうちに遺言を書いておこう」と思い立つ方の中には、最近物忘れが増えてきた、認知機能の衰えを自覚している、といった理由で、意思能力を失う前に急いで手続きを進めようとするケースが少なくありません。その動機自体はとても大切ですが、ここで一つ整理しておきたい点があります。遺言はあくまで「亡くなった後、財産を誰にどう分けるか」を決めるものであり、ご本人が生きている間の生活費・資金繰りの問題は、遺言では一切解決できません。
実際によくあるのが、資産の大部分を定期預金に集中させたまま遺言だけを整えて安心してしまうケースです。定期預金は、たとえ本人が存命であっても、判断能力の低下が金融機関に把握された時点で凍結されます。ここで注意したいのは、同意の有無は一切関係ないということです。凍結されてしまえば、名義人本人であっても、家族であっても、誰もお金を引き出すことができなくなります。さらに、年配の方は不動産を保有しているケースも多いのですが、判断能力がないと判断されると不動産も同様に売却できなくなります。結果として、資産としては十分あるのに手元の現金だけが用意できないという事態になり、介護費用や入院費など、まとまった出費が必要になったまさにそのタイミングで、家族の誰かが自分のお金を立て替えて対応せざるを得なくなるケースが少なくありません。さらに厄介なのは、この立て替えが後々のトラブルの種になることです。ご本人が亡くなった後、立て替えた人が相続財産からその分を返してもらおうとすると、事情を知らない他の相続人から「あの人だけ多くもらっている」と誤解され、あらぬ疑いをかけられてしまうケースが実際にあります。善意で立て替えただけなのに不当に責められるのは精神的にも大きな負担になるため、立て替えの記録をきちんと残しておく、事前に他の相続人にも状況を共有しておくといった対策をしておくことが望ましいでしょう。「遺言さえ書いておけば安心」という考え方は、亡くなった後の分け方については正しくても、生きている間の資金繰りという別の問題を見落としています。遺言は「死後の話」、生前の資金繰りは「別問題」だと切り分けて、両方に備えておくことが大切です。
認知症になった後の財産管理まで含めて備えておきたい場合は、遺言だけでなく家族信託や任意後見制度、代理人カードの活用などを組み合わせる選択肢もあります。それぞれのメリット・デメリットは家族信託のデメリットと費用|後悔しないための判断基準を中立の立場で解説で比較しています。
3. 遺留分を無視した内容にしてしまい、かえって家族がもめる
公正証書遺言があれば、原則として遺言の内容どおりに財産を分けることができますが、配偶者・子・直系尊属には、法律上最低限保障された取り分である「遺留分」があります。遺留分を大きく下回る内容の遺言を作成すると、相続開始後に遺留分侵害額請求をされ、かえって相続人同士のトラブルに発展することがあります。特定の相続人に多くの財産を残したい事情がある場合も、他の相続人の遺留分がどの程度になるかをあらかじめ計算し、必要であれば代償金の準備や付言事項での説明を添えるなど、配慮した内容にしておくことをおすすめします。遺留分の請求にどう備えるか、代償金や納税資金まで含めた資産家向けの対策の全体像は、公正証書遺言を作る前に知っておきたい4つの盲点|遺留分・代償金・納税で詳しく解説しています。なお、そもそも遺言書を作らずに相続を迎えるとどうなるかは、遺言書がないとどうなるか?子供がいない場合の法定相続とリスクで詳しく解説しています。
4. 「公証人の出張を頼めば県外でも呼べる」と誤解する
公正証書遺言は、公証役場に本人が出向いて作成するのが基本ですが、寝たきりや入院中などの事情で来所が難しい場合は、公証人に自宅・病院・老人ホームまで出張してもらうことも可能です。ここで誤解しやすいのが、「出張を頼めば、実家がある県外の公証役場にも自由に来てもらえる」という思い込みです。体調や移動距離を踏まえ、来所できそうか、出張を依頼すべきかを早めに判断しておきましょう。
来所して作成する場合
○ 全国どこの公証役場でも自由に選べる
○ 住所地による制限は一切ない
公証人に出張してもらう場合
✕ 名古屋市内の公証役場が所属する法務局の管内(愛知県内)に限られる
✕ 県外の施設・実家などへは依頼できない
⚠️ 唯一の例外:公証人の出張を頼む場合
住所地による制限が生じるのは、寝たきりや入院中などの事情で公証人に自宅・病院・老人ホームまで出張してもらう場合だけです。この場合、出張できる公証人は、その公証人が所属する法務局の管轄区域内(=同一都道府県内)に限られます。愛知県内で出張を依頼する場合は、愛知県内11箇所のいずれかの公証役場から選ぶ必要があり、県外の公証役場に出張を頼むことはできません。来所して作成する場合はこの制限を受けません。
5. 予約を後回しにして直前で慌てる
公証役場は、希望する日時に必ず対応してもらえるとは限りません。特に年度末や年末など繁忙期は予約が集中し、事前相談から作成日まで数週間待つことも珍しくありません。「必要書類がすべて揃ってから予約すればいい」と考えていると、繁忙期に希望していた時期に間に合わなくなることがあります。まずは希望する公証役場に電話またはウェブで連絡し、遺言の内容(誰に何を渡したいか)・財産の内容をおおまかに伝えて、予約を確保するところから始めましょう。証人2名の手配についても、この段階で相談できます。
6. 財産目録の記載漏れ・不備で手続きがやり直しになる
公正証書遺言の内容を決めるには、まずご自身の財産を正確に把握しておく必要があります。不動産は登記事項証明書と固定資産評価証明書で所在地・地積・評価額を確認し、私道や共有名義の土地など見落としやすい財産がないかもチェックします。預貯金は金融機関名・支店名・口座種別がわかる通帳の写しを、株式や投資信託などは証券会社の残高報告書を用意します。財産目録が曖昧なまま作成を進めると、遺言の内容と実際の財産にズレが生じ、公証人とのやり取りが何度も往復して作成日程が延びたり、相続開始後に「この財産は遺言に書かれていない」というトラブルの原因になったりしかねません。
7. 遺言執行者を指定し忘れる ─ 相続開始後に手続きが滞る原因になる
遺言の内容を確実に実現するには、遺言執行者を指定しておくことが重要です。遺言執行者とは、遺言の内容にもとづいて預貯金の解約・不動産の名義変更などの手続きを実際に行う人のことで、指定がなくても相続人全員の協力があれば手続きは進められますが、相続人の中に連絡が取りづらい人や非協力的な人がいると、手続きが滞ってしまうことがあります。「指定は必須ではないから」と後回しにしたまま作成を終えてしまうと、いざ相続が始まってから困るのは残された家族です。信頼できる家族を指定することもできますし、行政書士や司法書士などの専門家を指定しておけば、相続人の負担を減らしつつ、確実に遺言の内容を実行してもらえます。公証人との事前相談の際に、あわせて相談しておくとよいでしょう。
公正証書遺言の基本情報
ここからは、落とし穴とは別に知っておきたい基本情報として、名古屋市内の公証役場一覧・必要書類・作成までの流れ・手数料の目安をまとめました。
名古屋市内の公証役場一覧とアクセス
名古屋市内の公証役場は、東区・熱田区・中村区の3箇所です。公正証書遺言を来所して作成する場合、住所地に関係なく全国どこの公証役場でも自由に選べます。「自分の区には公証役場がないから遺言なんて作れないのでは」と思い込んでいる方も多いのですが、これは誤解です。以下は名古屋市16区を目安に振り分けたものですが、あくまで目安であり、実際にはご自身の生活動線(通勤経路・実家の場所など)に合わせて自由に選んで構いません。
いずれの役場も、まずは電話またはウェブで事前相談の予約を取り、必要書類や証人の手配を確認したうえで作成日を決める流れが一般的です。受付時間や予約方法は役場により異なり、変更されることもあるため、来所前に必ず電話または公式サイトで最新の状況をご確認ください。上記の所在地・電話番号は、日本公証人連合会および名古屋法務局の公開情報(2026年7月確認)にもとづいています。名古屋市内で公証役場以外の相続関連の相談先(法務局・家庭裁判所・税務署など)も確認しておきたい方は、名古屋市の相続相談はどこにする?管轄機関の一覧と相談先の選び方【決定版】もあわせてご覧ください。
必要書類の準備
公正証書遺言の作成には、本人確認書類(印鑑登録証明書と実印、または運転免許証等)、遺言者・相続人の関係が分かる戸籍謄本、財産を渡す相手が相続人以外の場合はその方の住民票、そして不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書、預貯金の通帳写しなど財産関係の書類が必要になります。書類に不備があると、作成日程がその分先延ばしになってしまうため、早めにリストアップしてそろえておくことをおすすめします。
作成までの流れと作成後の見直し
📋 名古屋市内の公証役場で公正証書遺言を作るまでの5ステップ
電話・メールで事前相談の予約
財産の内容や、誰に何を残したいかをおおまかに伝える
必要書類の準備
印鑑証明書・戸籍謄本・財産を渡す相手の住民票など
公証人との文案すり合わせ
遺言内容の案を公証人が作成し、1〜2回のやり取りで確認
証人2名の手配
利害関係者は証人になれないため、早めに依頼先を確定
作成当日:公証役場へ来所
証人立ち会いのもと読み合わせ・署名押印(所要30分〜1時間)。正本・謄本を受け取って完了
予約が取れたあとは、公証人が遺言内容にもとづいて文案を作成し、作成当日までに1~2回のやり取りで内容を確認します。作成当日は証人2名の立ち会いのもと、公証人が遺言者に内容を読み聞かせ、遺言者・証人が署名押印して完了です。所要時間はおおむね30分~1時間程度で、原本は公証役場で保管され、遺言者には正本・謄本が交付されます。
また、公正証書遺言は一度作成して終わりではありません。不動産を売却した、新たに財産が増えた、相続人となる家族が増えた(結婚・出産)、あるいは推定相続人が亡くなったなど、財産状況や家族構成に変化があったときは、内容が実情に合っているかを見直す必要があります。公正証書遺言の内容を変更する場合は、新たに遺言を作成し直す(前の遺言を撤回する)手続きが必要です。数年に一度、あるいは大きなライフイベントがあったタイミングで、内容を見直す習慣をつけておくと安心です。
手数料の目安
公証人手数料は、日本公証人連合会が公開している手数料令にもとづき、遺言で渡す財産の価額に応じて決まります。財産を渡す相手が複数いる場合は、相手ごとの財産の価額でそれぞれ手数料を計算し、合算します。
上記に加えて、以下の費用が発生します(いずれも日本公証人連合会の公開情報にもとづく、2026年7月確認時点の金額です)。
- 遺言加算:財産全体の価額が1億円以下の場合、上記手数料に一律13,000円が加算されます
- 正本・謄本の交付手数料:電子データでの交付は1通2,500円、紙での交付は1枚300円
- 用紙代:原本の枚数が3枚を超える場合、超えた1枚ごとに300円加算
- 出張を依頼する場合:上記手数料が50%加算されるほか、公証人の日当(1日20,000円、4時間以内は10,000円)と交通費が別途かかります
たとえば、財産2,000万円を配偶者に、1,000万円を子1人に渡す内容の遺言であれば、2,000万円分の手数料26,000円(1,000万円超3,000万円以下)と、1,000万円分の手数料20,000円(500万円超1,000万円以下)を合算し、さらに遺言加算13,000円と正本謄本代を加えると、おおむね6万円台からが目安になります。正確な金額は財産の内容や相手の人数によって変わるため、事前相談の際に公証役場へ確認するのが確実です。
遺言だけでは解決できない「代償金の現金をどう用意するか」という論点については、生命保険と相続に関する完全ガイドで生命保険の非課税枠の活用方法を詳しく解説しています。
実務知見:子供がいない夫婦こそ「予備的受遺者」を指定する
💡 【当窓口の相談から】
「すべての財産を妻に相続させる」という内容の遺言を作っていたご夫婦から、「もし自分より先に妻が亡くなっていたらどうなるのか」というご相談を受けることがあります。遺言で財産を渡す相手として指定した人が、遺言者より先に亡くなってしまうと、その部分の遺言は効力を失い、指定していなかった相続人との間で遺産分割協議が必要になってしまいます。子供がいないご夫婦の場合、配偶者が先に亡くなると、遺言者の兄弟姉妹や甥・姪が相続人として登場し、協議がまとまりにくくなるケースが少なくありません。こうした事態を避けるため、「配偶者が先に亡くなっていた場合は、財産を〇〇に渡す」という予備的受遺者をあらかじめ指定しておくことをおすすめしています。(当窓口に寄せられた相談をもとに再構成した典型例です)
この記事が「不要」な方
財産が自宅以外にほとんどなく、相続人がお子さん1人だけといったシンプルなご家庭では、必ずしも公正証書遺言でなくても、法務局の自筆証書遺言保管制度を使えば、方式不備や紛失・改ざんのリスクを抑えつつ、比較的低コスト(保管手数料は1件3,900円)で遺言を残せます。公正証書遺言は証人の手配や公証人手数料が発生する分、相続人が複数いて揉めやすい場合や、法定相続人以外に財産を渡したい場合など、より確実性が求められるケースに向いています。ご自身のケースがどちらに近いかは、次のセルフチェックで確認してみてください。
セルフチェック:公正証書遺言が向いているか確認する
✅ 以下のうち、当てはまるものにチェックしてみてください
- □ 相続人が3人以上いる、または相続人同士の関係があまり良くない
- □ 法定相続人以外(内縁のパートナー・お世話になった人など)に財産を渡したい
- □ 子供がいない夫婦で、兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる可能性がある
- □ 不動産や自社株など、分けにくい財産が中心である
- □ 遺言の内容を、相続開始後にできるだけスムーズに実行してほしい
該当0~1個:自筆証書遺言保管制度で足りる可能性が高いです。公証人手数料をかけずに、法務局の保管制度を検討してみてください。
該当2~3個:公正証書遺言を検討する価値があります。下記の生前対策診断で、ご自身の状況を整理することをおすすめします。
該当4個以上:公正証書遺言と専門家の関与を強くおすすめします。下記の生前対策診断から、必要に応じて個別相談のご案内も確認できます。
上のチェックで該当が0~1個だった方は、公証人手数料をかけなくても、ご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。無理に公正証書遺言を選ぶ必要はありません。
よくある質問
名古屋市に住んでいますが、本当にどの区の役場でも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。来所して公正証書遺言を作成する場合、住所地による制限はなく、名古屋市内の葵町・熱田・名古屋駅前の3役場、さらには愛知県外の公証役場を選んでも問題ありません。ご自身の通いやすさで選んでください。制限が生じるのは、公証人に自宅などへ出張してもらう場合のみです。
費用が心配です。手数料以外に何かかかりますか?
本記事のセルフチェックや生前対策診断は無料でご利用いただけます。公正証書遺言の作成自体には、本文の早見表にある公証人手数料に加え、証人を専門家に依頼する場合の証人日当(1人5,000~10,000円程度が目安)がかかることがあります。行政書士・司法書士などに文案作成のサポートを依頼する場合は、別途専門家報酬が発生しますが、事前に見積りを確認できますのでご安心ください。
まだ元気なので、遺言を考えるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。公正証書遺言は、判断能力がしっかりしているうちにしか作成できません。認知症などで判断能力が低下すると、そもそも遺言を作ること自体が難しくなります。「まだ早い」のではなく、「元気なうちにしかできない備え」と捉えていただくのが実情に近いです。
家族に「遺言を書こうと思う」と切り出しにくいのですが、どうすればいいですか?
いきなり「遺言」を切り出すのではなく、「近所に公証役場があるらしいよ」「うちの財産、ちゃんと分かるようにしておきたいな」といった、この記事のような客観的な情報をきっかけにするご家庭が多いようです。まず情報を共有するところから始めると、話しやすくなることがあります。
まとめ
名古屋市内の公証役場は、葵町(東区)・熱田(熱田区)・名古屋駅前(中村区)の3箇所です。公正証書遺言を来所で作成する場合、住所地に関係なくどこでも自由に選べるため、「自分の区に公証役場がないから遺言は無理」と諦める必要はありません。証人選び・定期預金の資金繰り・遺留分・出張の県境制限・予約タイミング・財産目録・遺言執行者という7つの落とし穴を避けたうえで、財産の価額に応じた公証人手数料(目安は数万円台から)を確認し、まずは通いやすい役場に事前相談の予約を入れることから始めてみてください。財産がシンプルで相続人が少ない場合は、公証人手数料のかからない自筆証書遺言保管制度という選択肢もあります。
🛡️ 遺言だけでは解決できないこともあります
公正証書遺言があっても、「実家を1人が相続する代わりに、他の兄弟姉妹へ渡す代償金の現金をどう用意するか」という問題は残ります。この現金をあらかじめ準備する方法として、生前贈与・預貯金の取り分け・生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)などがあり、なかでも生命保険は遺産分割協議を待たずに受取人へ資金が渡る点で有効な選択肢の一つです。相続に詳しい保険の相談先をお探しの場合は、複数社を比較できる提携代理店をご紹介することも可能です。
※ご紹介にあたり、当社が提携代理店から紹介料を受け取る場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税額計算や特定の保険商品の推奨を行うものではありません。税務・法的な判断が必要な場合は、税理士・弁護士など専門家にご確認ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。掲載情報は作成時点(2026年7月)の公開情報にもとづきます。公証役場の所在地・電話番号・受付時間、公証人手数料は変更されることがあるため、来所前に必ず各公証役場または日本公証人連合会の公式サイトで最新の情報をご確認ください。なお、提携保険代理店をご紹介する場合、当社が紹介料を受け取ることがあります。
名古屋の公証役場では「任意後見契約」も作成できます ─ 認知症に備える生前対策
任意後見契約とは(遺言との違い)
公正証書遺言が「亡くなった後」の財産の行き先を定める契約であるのに対し、任意後見契約は「これから先、判断能力が低下した後」の財産管理や身の回りの支援を、信頼できる人にあらかじめ託しておく契約です。任意後見契約に関する法律第3条により、公正証書で作成することが法律上義務づけられており、葵町・熱田・名古屋駅前のいずれの公証役場でも作成できます。
名古屋市内にお住まいならどの公証役場でも相談できます
名古屋市内には葵町・熱田・名古屋駅前の3つの公証役場があります。お住まいの区やお勤め先に近い窓口を選んで差し支えなく、どこで契約しても効力に違いはありません。
3つの契約類型と費用の目安
任意後見契約には、判断能力低下後に効力を持たせる「将来型」、契約と同時に見守り契約などを併用する「移行型」、すでに衰えが見え始めている場合の「即効型」の3類型があります。契約を結んだだけでは効力は生じず、判断能力が低下した後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点で初めて効力が発生する点に注意が必要です。費用は公正証書遺言とは別に、公証人手数料など数万円程度がかかります。詳しい内訳は任意後見制度の費用はいくら?で解説しています。
任意後見契約は、判断能力が十分あるうちにしか結べません。「まだ先でいい」と先延ばしにするほど、選べる備え方は狭くなっていきます。くわしくは任意後見契約を公証役場で作る完全ガイドで解説しています。
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この先どうするか、決めかねている方へ
当社は手続きそのものをお受けしていないため、「いまは何もしなくて大丈夫です」という結論をお伝えしても困りません。ご相談を無料にしているのは、そのためです。実際の手続きをご依頼になる場合は、提携先の専門家が有償で承ります。ご希望に応じて提携先をご紹介した際に紹介料を受け取る場合がありますが、紹介料の有無でご提案の内容は変えません。
