空き家にする前にすべき生前対策|管理・税・売却で困らないために

親が施設に入ったり、亡くなったりして、実家が「空き家」になる——このとき、事前の備えがあるかないかで、その後の負担は大きく変わります。空き家は、放置すると管理の手間・費用がかかるうえ、税負担が増えたり、資産価値が下がったりします。空き家になってから慌てるのではなく、そうなる前の「生前」に手を打っておくことが重要です。

この記事では、愛知県内で相続・生前対策のご相談を受けている当窓口の視点から、実家が空き家になる前にすべき生前対策を、相続が発生する前の段階に焦点を当てて、中立の立場で整理します。

目次

空き家を放置すると起きる問題

まず、なぜ対策が必要かを確認しましょう。空き家を放置すると、次のような問題が生じやすくなります。

  • 建物の老朽化が進み、資産価値が下がる
  • 庭木・雑草・害虫・不法投棄など、近隣トラブルの原因になる
  • 管理のための交通費・光熱費・修繕費が継続的にかかる
  • 管理が著しく不十分だと「特定空家」等に指定され、固定資産税の住宅用地の軽減が外れて税負担が増える可能性がある

特に見落とされがちなのが税負担です。住宅が建つ土地は固定資産税が軽減されていますが、管理不全な状態が続くとこの軽減が受けられなくなる場合があり、結果として「空き家のまま持ち続けるほど損」という事態にもなりかねません。

空き家にする前にすべき生前対策

1. 名義を確認・整理しておく

実家の名義が、すでに亡くなった祖父母のままになっていると、売却や活用の前に相続登記が必要になり、手間と時間がかかります。空き家にする前に名義を確認し、必要なら整理しておきましょう。確認方法は実家の名義、誰のものか確認する方法で解説しています。

2. 認知症で「売れなくなる」リスクに備える

最も重要な対策がこれです。親が認知症などで判断能力を失うと、実家を売却したくても、本人が契約できないため原則として売れなくなります。空き家の維持費だけがかさむ、という事態を避けるには、元気なうちに、柔軟に不動産を管理・処分できる家族信託を設計しておく方法があります。信頼できる家族に管理・処分の権限を託しておけば、親が認知症になっても空き家の売却や活用を進められます。

3. 「売る・貸す・住む」の方向性を決めておく

空き家にする前に、その先どうするのかを家族で話し合っておくと、いざというときに迷いません。売却・賃貸・活用それぞれの判断基準は実家を売る・貸す・住み続ける、判断基準で解説しています。自宅を活かして老後資金を得るリバースモーゲージも選択肢の一つです。

4. 遺言で承継先を明確にしておく

相続が起きたとき、空き家を「誰が引き継ぐか」が決まっていないと、相続人の間で押し付け合いになりがちです。遺言書で承継先を明確にしておくと、相続後の空き家をめぐる争いを防げます。実家じまい全体の進め方は実家じまい、何から始めればいいかをご覧ください。

相続発生後の空き家対応との違い

相続が発生してからの空き家対応は、相続人全員の合意が必要になり、意見が割れると何も進められません。一方、生前であれば、親の意思のもとで方向性を決め、認知症に備える仕組みも作れます。「相続前にできる対策」と「相続後にせざるを得ない対応」では、選択肢の広さがまったく違う——これが、空き家対策を生前に行う最大の意義です。

よくある質問(FAQ)

まだ親が住んでいますが、今から対策すべきですか?

はい。むしろ親が住んで元気なうちが、最も対策の選択肢が広い時期です。認知症になってからでは売却も契約もできなくなります。名義の確認と、認知症に備える仕組み(家族信託など)の検討から始めるのがおすすめです。

空き家のままにしておくと税金が上がるのですか?

管理が著しく不十分で「特定空家」等に指定されると、土地の固定資産税の軽減が外れ、税負担が増える可能性があります。適切に管理するか、売却・活用の方向性を早めに決めることが、余計な負担を避けるポイントです。

認知症になると本当に売れなくなるのですか?

本人に判断能力がないと、不動産の売買契約は原則できません。成年後見制度を使う方法はありますが、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要など制約があります。家族信託を元気なうちに設計しておくと、より柔軟に対応できます。

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本記事は提携行政書士監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。複数の提携行政書士による監修体制で運営しており、特定個人の士業を推奨するものではありません。税・登記の具体的な取扱いは、税理士・司法書士など各分野の専門家にご確認ください。

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