生前贈与はいくらまで非課税?年110万円を正しく使うやり方(振込・契約書・7年加算)

相続した愛知の実家を、この先どうするか考えている方へ

住む人がいなくなった家にも、固定資産税は毎年かかります。名古屋市で空き家の税金が上がる仕組みと、愛知の市町村の空き家バンクで家を貸す・売るときの順番をまとめました。

名古屋市の空き家の固定資産税:勧告で何倍になるか

愛知の空き家バンク一覧と、相続した実家を出す順番

形見の品やブランド品を、手放すか迷ったら

相続放棄を考えている間に遺品を売ったり処分したりすると、相続を受け入れたとみなされることがあります。手放す前の仕分けの順番と、品物ごとの手放し方をまとめました。

遺品整理を自分でする手順:仕分けと手放し方

亡くなった方の車を、引き継ぐか手放すか決める前に

乗り続ける・売る・廃車にする、どの場合も相続人が手続きをします。窓口は普通車が運輸支局、軽自動車が軽自動車検査協会です。必要な書類と期限をまとめました。

車の名義変更(死亡・相続)の必要書類と期限

お墓をこの先どうするか、家族で話し合う前に

管理料が払われないままのお墓は、使用許可の取り消しや官報公告などを経て、無縁墓として改葬されることがあります。そうなるまでの流れと家族の選択肢をまとめました。名古屋市営の八事霊園・愛宕霊園の墓じまいは、返還と改葬の申し込みの流れを別にまとめています。

お墓を放置するとどうなる?無縁墓になるまでの流れ

八事霊園・愛宕霊園の墓じまい(名古屋市営墓地の返還)

留守にしている実家や、一人暮らしの親の家の防犯が気になる方へ

警察の分析では、住宅に入られる手口は鍵のかけ忘れと窓ガラス破りが多くを占めます。誰も住んでいない家と、親が一人で住む家とでは備え方が違うため、分けてまとめました。

空き家の防犯対策:お金をかけずにできることと警備会社の費用

一人暮らしの親が住む実家の防犯対策

相続した家・土地を、売るか持ち続けるか迷っている方へ

売る・貸す・住み続けるで、かかる費用と税金が変わります。亡くなった親が一人で住んでいた家を売るときは、条件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例もあります。

実家を売る・貸す・住み続けるの比べ方

相続した空き家を売るときの税金と3,000万円控除

手続きが落ち着いたら、残された親御さんの預金のことも

親が認知症と診断されると、本人名義の定期預金は家族でも解約できなくなることがあります。いまのうちにできる備えと、本人以外が解約するときの手順をまとめました。

親の定期預金を動かせなくなる前に読む

預金・退職金の置き場所は、目的で分けると迷いません

すぐ使うお金、しばらく使わないお金。目的ごとに向く置き場所と、銀行の窓口で勧められたときに確かめたい点を整理しました。

お金の置き場所を目的別に見る

受け取ったお金を、窓口で勧められるまま預け替える前に

相続の手続きで金融機関の窓口に行くと、受け取ったお金の預け先として商品を勧められることがあります。早く解約すると払った額を下回る期間があるものもあります。契約の前に確かめたい点をまとめました。

契約する前に確かめる点を見る

死亡保険金は、分ける遺産とは別に扱われます

死亡保険金は受取人のものとして、遺産分割の対象から外れるのが原則です。かかる税金も、契約者・被保険者・受取人の組み合わせで変わります。手元の保険証券で確かめられる早見表です。

組み合わせ別の早見表を見る

「毎年110万円までなら贈与税はかからない」。ここまではご存じの方が多いところです。ところが実際に相続が起きたとき、税務署から「これは贈与ではなく、亡くなった方の預金です」と指摘され、10年分渡してきたお金がまとめて相続財産に戻されることがあります。渡した金額は正しくても、渡し方が抜けていたからです。

この記事は、親から子や孫へ毎年お金を渡している(これから渡そうとしている)ご家族に向けたものです。110万円の非課税を後から否定されない形で使う手順を、口座・記録・契約書の3点にしぼって書きます。あわせて、2024年(令和6年)1月から始まった相続開始前7年加算と、相続時精算課税の年110万円との使い分けも、時点を明記して整理します。先に答えを書くと、ふつうの贈与(暦年課税)で贈与税がかからないのは、受け取る人1人あたり年間110万円までです。税金がかかるのは111万円からで、親から300万円を受け取った年なら19万円が目安です。

目次

先に結論:110万円の贈与が認められる3つの条件と、7年の壁

「110万円の贈与」が贈与として認められる3条件
🤝
あげる・もらうの合意
渡す側の「あげます」と、受け取る側の「もらいます」が両方そろっている
🏦
本人名義の口座に入る
手渡しではなく振込。渡す人の口座から、もらう人名義の口座へ
🔑
本人が管理している
通帳・印鑑・カード・ネットバンキングは、もらう人が持っている
↓
3条件をみたしても、相続の直前の贈与は相続財産に戻る
4年分
合計100万円を引いた額を加算
3年分
全額を加算
🗓️
相続開始
さかのぼる期間は 3年 から 7年 へ段階的に延長中
※2026年10月確認。加算されるのは、相続や遺贈(生命保険金の受け取りを含む)で財産を取得した人への贈与です。何も取得しない孫などへの贈与は対象外です(国税庁タックスアンサーNo.4161)。

やることは単純です。もらう人名義の口座に振り込み、その口座はもらう人が管理し、毎回かんたんな贈与契約書を残す。この3点がそろっていれば、あとから「名義を借りていただけの親の預金」と言われる余地が小さくなります。そのうえで、相続が近い時期の贈与は相続財産に戻る(加算される)ことを前提に、いつから始めるかを考えることになります。

渡す額を決める前に、ご自分のお金を分けておく

毎年の贈与は、ご自分が使うお金を残したうえで続けるものです。手元のお金を、すぐ使う・数年内に使う・当面使わないに分けておくと、贈与に回せる額が見えてきます。

お金の置き場所の分け方を見る

生前贈与はいくらまで非課税?年間110万円の数え方と対象者

暦年課税の基礎控除110万円は、もらった人1人につき、その年の1月1日から12月31日までの合計で判定します。渡す人ごとに110万円ではありません。ここを取り違えると、いきなり課税になります。

この110万円の対象者に、受け取る側の条件はありません。子や孫だけでなく、子の配偶者や親族以外の人でも、年齢に関係なく受け取った人ごとに年110万円です。ただし、会社などの法人から受け取った財産は、贈与税ではなく所得税の対象になります(国税庁タックスアンサーNo.4402)。一方、相続時精算課税の年110万円は対象者が決まっていて、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与に限られます(同No.4103)。

⭕ 課税なし
父 → 長男に110万円
父 → 長女に110万円
合計220万円を渡しても、もらう人ごとに110万円以内なので贈与税はかかりません。
❌ 課税あり
父 → 長男に110万円
母 → 長男に110万円
長男は同じ年に220万円もらったことになり、110万円を超えた110万円に贈与税がかかります。

110万円を超えた場合の税額は、下の速算表で計算します。父母・祖父母から18歳以上(贈与を受けた年の1月1日時点)の子や孫へ渡す場合は、税率の低い「特例税率」を使えます。

110万円を引いたあとの金額 特例税率(親・祖父母から18歳以上へ) 一般税率(それ以外)
200万円以下 10% 10%
400万円以下 15% − 10万円 300万円以下15%−10万円/400万円以下20%−25万円
600万円以下 20% − 30万円 30% − 65万円
1,000万円以下 30% − 90万円 40% − 125万円
1,500万円以下 40% − 190万円 45% − 175万円
※2026年9月時点。国税庁タックスアンサーNo.4408より抜粋。1,500万円超の区分は同ページをご確認ください。

たとえば親から510万円をもらった年は、510万円 − 110万円 = 400万円が計算のもとになり、特例税率なら400万円×15% − 10万円 = 50万円が贈与税です。同じ400万円でも、親族以外からの贈与(一般税率)なら400万円×20% − 25万円 = 55万円になります。申告の手順と、現金以外の不動産や株を渡すときの方法は、生前贈与の方法と手続きに財産別でまとめています。

生前贈与の税金はいくらから?受け取った額別の贈与税早見表

結論から書くと、ふつうの贈与(暦年課税)で贈与税がかかるのは、1人が1年に受け取った合計が110万円を超えたときからです。111万円なら税金は1,000円です。受け取った額ごとに、税額の目安を一覧にしました。

1年に受け取った合計親・祖父母から18歳以上の子・孫へ(特例税率)それ以外(一般税率)
110万円まで0円(申告不要)0円(申告不要)
120万円1万円1万円
150万円4万円4万円
200万円9万円9万円
300万円19万円19万円
400万円33.5万円33.5万円
500万円48.5万円53万円
700万円88万円112万円
1,000万円177万円231万円

(2026年10月時点/国税庁タックスアンサーNo.4408の速算表で計算した目安。受け取った合計から110万円を引き、税率をかけて控除額を引いています。年齢はその年の1月1日時点です)

表から分かるのは、受け取った額が400万円までなら、親からでも親以外からでも税額は同じだという点です。差がつくのは、それより多い額を受け取ったときです。1,000万円を一度に受け取ると、親からでも177万円、受け取った額の2割近くが税金になります。

同じ500万円でも、渡し方で税額は変わる

親から子へ500万円を渡す場合で比べます。1年でまとめて渡すと、税額は48.5万円です。2年に分けて250万円ずつ渡すと、1年あたり(250万円−110万円)×10%=14万円で、2年で28万円になります。5年に分けて100万円ずつなら、毎年110万円以内なので税金はかかりません。

ただし、分けて渡すときは2つ気をつけます。1つは、初めから「500万円を5年で渡す」と約束すると、最初の年に500万円の贈与を約束したと見られることがある点です。契約書は年ごとに作ります。もう1つは、亡くなる前の一定期間の贈与は、110万円以内でも相続財産に足し戻される点です(後の7年加算の章)。

税金を払うのは誰か、いつ払うか

贈与税を申告して払うのは、受け取った人です。受け取った年の翌年2月1日から3月15日までに、受け取った人の住所地の税務署に申告し、同じ期限までに納めます。渡した親が払うものではありません。親が代わりに払うと、その分も贈与として扱われることがあります。

相続時精算課税を選んだ場合は、計算がまったく違います。年110万円を超えた分は累計2,500万円まで贈与税がかからず、超えた分は一律20%です。2,500万円の枠がいつまで使えるかと計算例は、生前贈与の非課税2,500万円はいつまで?にまとめています。

名義預金にしないための4ステップ

相続税の調査で指摘されやすいのが、この「名義預金」です。子や孫の名前の口座に入っているけれど、実質は親のお金のままだった、という状態を指します。次の4つを守れば、その指摘を受けにくくなります。

1
もらう人が、自分で口座をつくる
親が子の名前で勝手に開設した口座は、子のものと認められにくくなります。届出印も、もらう人が自分で使っている印鑑にします。
2
通帳・カード・印鑑は、もらう人が持つ
親が保管したままだと、いつでも引き出せる=親のお金と見られます。渡した以上は、使い道も本人が決められる状態にします。
3
現金手渡しではなく、振込で記録を残す
渡す人の口座から、もらう人の口座へ。両方の通帳に日付と金額が残ります。手渡しは、いつ誰からいくら渡ったかを後から示せません。
4
贈与契約書を、贈与のたびに作る
1枚に何年分もまとめず、その年の分をその年に作ります。日付・金額・振込先・双方の署名の4点があれば足ります。

贈与契約書の書き方(A4・1枚で足ります)

贈 与 契 約 書
贈与者 ○○ ○○(以下「甲」という。)と、受贈者 ○○ ○○(以下「乙」という。)は、次のとおり贈与契約を締結した。
第1条 甲は、乙に対し、金1,100,000円を贈与するものとし、乙はこれを受諾した。
第2条 甲は、前条の金員を、2026年○月○日までに、乙が指定する下記預金口座に振り込む方法により引き渡す。
○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○○ 名義 ○○ ○○
本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通を保有する。
2026年○月○日
 甲(贈与者) 住所          氏名         ㊞
 乙(受贈者) 住所          氏名         ㊞
※受贈者が未成年の場合は、親権者が法定代理人として署名します(親権者が贈与者本人であるときの取り扱いは、税理士にご確認ください)。

「毎年3月1日に110万円」のように、金額も日付も何年も同じだと、はじめから決まった総額を分割で渡す約束(定期金の贈与)だったと見られることがあります。契約書を毎年作り直す、金額や時期に幅を持たせる、といった対応で避けられます。

相続開始前7年加算——いつからの贈与が戻されるのか

相続や遺贈で財産を取得した人が、亡くなった方から生前に受けた贈与は、一定期間さかのぼって相続財産に加算されます。2024年(令和6年)1月1日以後の贈与から、この期間が3年から7年へ段階的に延ばされています。

相続が開始した日 加算される贈与の範囲
2026年12月31日まで
(令和8年12月31日まで)
相続開始前3年以内の贈与
2027年1月1日〜2030年12月31日
(令和9年〜令和12年)
2024年1月1日から亡くなった日までの贈与(結果として3年超7年未満)
2031年1月1日以後
(令和13年1月1日以後)
相続開始前7年以内の贈与
※2026年9月時点・国税庁タックスアンサーNo.4161。延長された4年分(相続開始前3年より前の期間)については、その合計額から100万円を控除した残額が加算されます。

押さえておきたい点が3つあります。

  • 加算されるのは、相続や遺贈で財産を取得した人への贈与です。相続人でない孫や子の配偶者が、遺言でも保険金でも何も受け取らないのであれば、その人への贈与は加算されません。
  • 加算されるのは贈与時の価額です。110万円以内で贈与税がかからなかった分も、期間内なら加算されます。
  • 加算された贈与について払った贈与税は、相続税から差し引けます。二重に取られるわけではありません。

つまり、暦年贈与は「早く始めるほど効く」制度になりました。80代で始めるより、60代・70代で始めたほうが、加算の外に出る年が増えます。今の資産で相続税がかかるのかどうかが分からない方は、相続税・生前対策かんたん診断(無料・登録不要・1分)で目安を確認してから、贈与を始めるかどうかを決めても遅くありません。

相続時精算課税の年110万円と、どちらを使うか

2024年からは、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除ができました。名前が似ていて紛らわしいのですが、性質はまったく違います。

  暦年課税(ふつうの贈与) 相続時精算課税
使える人 誰でも(相手も自由) 60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫へ(年齢はその年の1月1日時点)
年110万円の枠 もらう人ごとに年110万円 もらう人ごとに年110万円(精算課税を選んだ贈与者が同じ年に2人以上いるときは、110万円を贈与額で按分)
枠の外の扱い 超えた分に10〜55%の贈与税 累計2,500万円までは贈与税なし。超えた分は一律20%
相続のときの加算 直近3〜7年分は加算される 年110万円以内の分は何年前でも加算されない。超えた分は全期間が加算
手続き 110万円以内なら申告不要 最初の年に「相続時精算課税選択届出書」。以後、年110万円以内なら申告不要
戻せるか — 一度選ぶと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません
※2026年9月時点・国税庁タックスアンサーNo.4103/No.4161。

ざっくりした使い分けは次のとおりです。相続まで年数がありそうで、相続人でない孫にも渡したいなら暦年課税。年齢や健康の事情で年数が読みにくく、子に確実に年110万円を残したいなら相続時精算課税。後者は7年加算の影響を受けないため、始めるのが遅くなった場合に効きます。ただし一度選ぶと戻せないので、値上がりしそうな財産を持っている場合などは、選ぶ前に税理士に確認してください。お金ではなく実家そのものを生前に子へ移す場合は、精算課税を選んでも登録免許税は相続の5倍で不動産取得税もかかり、小規模宅地等の特例は使えなくなります。実家の場合の比較は実家を親が生きているうちに名義変更・売却するとどうなるにまとめています。

比べたうえで、それでも生前に不動産を贈与すると決めた場合は、法務局での名義変更(登記)が必要です。必要書類や費用、自分で申請するときの順番は生前贈与で不動産の名義変更を自分でする手順で説明しています。

110万円のほかに、贈与税がかからない枠

生活費・教育費は、必要な都度渡せば非課税

親子や祖父母と孫のように扶養義務のある間柄では、生活費や教育費にあてるために渡したお金で、通常必要と認められるものには贈与税がかかりません。110万円とは別枠です。仕送り、学費、入院費などが該当します。

条件は「必要な都度、直接それに充てること」です。学費として渡したお金が使われずに預金として残っていたり、株や投資信託の購入にまわされたりすると、その部分は贈与税の対象になります。学費なら学校へ直接振り込む、生活費なら毎月渡す、という形が確実です。

まとまった額を非課税で渡せる特例(2026年9月時点の状況)

🏫 教育資金の一括贈与(1,500万円)→ 終了しました
令和8年(2026年)3月31日をもって適用期限が延長されずに終了。同日までに拠出された資金については、引き続きこの制度が適用されます。これから新しく契約を結ぶことはできません。
💒 結婚・子育て資金の一括贈与(1,000万円)→ 2027年3月31日まで
18歳以上50歳未満の子や孫へ。前年の合計所得金額が1,000万円を超える人は使えません。金融機関で専用口座を作り、非課税申告書を提出します。
🏠 住宅取得等資金の贈与 → 2026年12月31日まで
省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外は500万円まで非課税。18歳以上・その年の合計所得金額2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満は1,000万円以下)で、翌年3月15日までに取得して住むことが条件です。
💑 夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与・2,000万円)
婚姻期間20年以上の夫婦が、住むための家やその購入資金を贈与するとき、基礎控除110万円とあわせて2,110万円まで控除できます。同じ配偶者からは一生に一度だけ。申告が必要です。
※2026年9月時点。国税庁タックスアンサーNo.4508・No.4511・No.4452、財務省「令和8年度税制改正の大綱」より。期限や要件は改正されることがあります。

贈与税の申告が要るのはどんなときか

申告と納税をするのは、もらった人です。もらった年の翌年2月1日から3月15日までに、その人の住所地の税務署へ提出します。

  • 申告が必要:その年にもらった財産の合計が110万円を超えたとき。
  • 税額が0でも申告が必要:住宅取得等資金の非課税、おしどり贈与、相続時精算課税の特別控除2,500万円を使うとき。期限内に申告しないと特例が使えません。
  • 申告は不要:110万円以内の暦年贈与。相続時精算課税を選んだあと、その贈与者からの贈与が年110万円以内におさまった年。

なお、110万円以内でも贈与契約書と振込記録は必ず残してください。申告書という「公の記録」がない分、家族が作った記録が唯一の証拠になります。

よくある質問

あえて111万円を渡して1,000円の贈与税を払えば、証拠になりますか?

申告書という記録は残りますが、それだけで名義預金の指摘を防げるわけではありません。口座を本人が管理していなければ、贈与税を払っていても親の預金と判断されることがあります。順番としては、口座と管理の実態を整えるほうが先です。

子ども名義の口座に、子どもに知らせずに積み立てています。どうすればよいですか。

その状態では贈与が成立していません。もらう側が知らないので、合意がないためです。今からできるのは、口座の存在を本人に伝え、通帳と印鑑を渡し、その時点で改めて贈与契約書を作ることです。過去の積立分をその年の贈与としてまとめると110万円を超えることが多いので、金額と進め方は税理士に相談してください。

親が認知症になったら、贈与は続けられますか。

できません。贈与は契約なので、渡す側に判断能力が必要です。判断能力が落ちたあとは、預金の引き出しそのものが止まることもあります(認知症による口座凍結)。贈与を含めた生前対策は、元気なうちにしか選べません。

生前贈与の税金は、いくらからかかりますか。

暦年課税なら、1人が1年(1月1日〜12月31日)に受け取った合計が110万円を超えた分からかかります。親から18歳以上の子へ200万円なら9万円、500万円なら48.5万円が目安です。数えるのは受け取った人ごとで、父と母から110万円ずつ受け取ると合計220万円として計算します。

年110万円の対象者は子や孫だけですか。子の配偶者に渡しても非課税ですか。

暦年課税の110万円は、受け取った人ごとに使えるので、子の配偶者でも、受け取った合計が年110万円以内なら贈与税はかかりません。ただし110万円を超えたときの税率は、父母・祖父母から18歳以上の子や孫への贈与なら特例税率、子の配偶者のように直系の関係でない人への贈与は一般税率になります。同じ金額でも税額が変わる点に気をつけてください。

毎年渡してきたお金が、贈与として認められるか不安な方へ
通帳が親の手元にある、契約書がない、いつから始めたか分からない——この状態のまま相続を迎えると、家族が説明を求められます。30分の無料相談では、通帳の記録をもとに、今から整えられること(口座の管理、契約書の作り直し、精算課税に切り替えるべきか)を整理してお渡しします。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

あわせて読みたい

参考にした公式情報(2026年10月確認)

本記事の制度・数値は2026年9月時点のもので、国税庁タックスアンサー(No.4103/No.4161/No.4408/No.4429/No.4452/No.4508/No.4511)および財務省「令和8年度税制改正の大綱」を確認して作成しています。税制は改正されることがあり、また同じ贈与でも家族の状況によって扱いが変わります。実際の申告や制度の選択にあたっては、税理士など専門家にご確認ください。

本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー) 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

親の預金のこと、元気なうちに決めておくこと。30分無料で相談できます052-766-5650無料相談を申し込む
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

目次