【2026年最新】相続の統計データ完全版|相続税・遺産分割・相続放棄・遺言・認知症・口座凍結(全国+愛知県)

本ページは、相続にまつわる公的統計・公表データを網羅的に整理したデータ集です(2026年7月更新)。相続税・遺産分割・相続放棄・遺言・認知症・成年後見・空き家問題まで、全国データと愛知県のデータを併記しています。士業・金融・介護・メディア関係者の方の記事執筆・資料作成にご自由にご引用ください(出典として本ページへのリンクをお願いします)。各数値の一次出典は末尾に一覧で記載しています。

目次

1. 相続の発生件数: 全国で年間約160万件、愛知県で約8.4万件

相続は人の死亡によって開始するため、死亡数はそのまま相続の発生件数を意味します。全国の年間死亡数は約160万人と歴史的な高水準にあり、いわゆる「大相続時代」に入っています。2024年の愛知県の死亡数は8万4,311人。県内では毎日約230件の相続が新たに発生している計算です。愛知県の総人口は約745万人(全国4位)、高齢化率は25.8%(約193万人)です。

2. 相続税: 課税割合は全国10.4%、名古屋国税局管内は13.0%

令和6年分の申告事績によると、亡くなった方のうち相続税の課税対象となった割合(課税割合)は全国平均で10.4%。名古屋国税局管内(愛知・岐阜・三重・静岡)は13.0%と、東京国税局(16.2%)に次ぐ全国トップクラスで、大阪国税局(10.5%)を上回ります。愛知県ではおおよそ8人に1人の相続で課税が発生している計算です。2015年の基礎控除引き下げ(3,000万円+600万円×法定相続人数へ)以降、課税割合は改正前(4%台)の2倍以上の水準が続いています。

国税局課税割合(令和6年分)
東京国税局16.2%
名古屋国税局(愛知県を含む)13.0%
大阪国税局10.5%
全国平均10.4%

3. 遺産分割トラブル: 約77%は遺産5,000万円以下の家庭で発生

裁判所の司法統計(令和6年)によると、家庭裁判所で扱われた遺産分割事件のうち遺産額が判明している7,234件の内訳は下表のとおり。全体の約77.6%が遺産5,000万円以下、1,000万円以下だけで約3割を占めます。「財産が少ない家ほどもめない」とは言いませんが、「財産が少なければもめない」とも言えないことを明確に示すデータです。

遺産の価額件数(令和6年)構成比
1,000万円以下2,448件約33.8%
1,000万円超、5,000万円以下3,166件約43.8%
5,000万円超、1億円以下863件約11.9%
その他(1億円超など)757件約10.5%

4. 相続放棄: 年鎄30万件を突破し過去最多を更新中

家庭裁判所における相続放棄の受理件数は、2022年に約26.0万件、2023年に約28.3万件、2024年には約30.9万件と毎年過去最多を更新しています。この20年で約3倍の水準です。背景には、空き家となった実家や管理困難な不動産を相続したくないという事情、疎遠な親族の相続を辞退するケースの増加があり、「相続するかどうかを選ぶ時代」に入ったことを示しています。

5. 遺言の作成状況: 公正証書遺言は年間12.8万件で増加傾向

日本公証人連合会によると、令和6年(2024年)の遺言公正証書の作成件数は全国で12万8,378件。また2020年7月に始まった法務局の自筆証書遺言書保管制度は、制度開始から約5年で累計10万件を突破(2025年6月末時点で10万137件・法務省)しました。増加傾向にはあるものの、年間約160万件の相続発生数と比べれば、遺言を残して亡くなる人は依然として少数派です。遺産分割トラブルの大半は「遺言がない相続」で起きています。

6. 認知症の統計: 高齢者の約3人に1人が認知症またはMCIの時代へ

厚生労働省研究班の推計(2024年公表)によると、認知症の高齢者は2025年に約471.6万人、2040年には約584.2万人に達する見通しです。軽度認知障害(MCI)は2025年に約564万人、2040年に約613万人と推計され、両者を合わせると高齢者の約3人に1人が該当する計算になります。2050年には合計で約1,200万人規模に達するとされます。愛知県の高齢者約193万人にこの比率を当てはめれば、県内だけで数十万人規模が「口座凍結予備軍」という計算です。

7. 「口座凍結」のデータ: 公式統計は存在しないが、代替指標が実態を示す

認知症による預金口座の凍結件数そのものは、各金融機関が公表していないため公式の統計は存在しません。ただし実態を示す代替指標が3つあります。第一に、成年後見関係事件の申立ては2025年に約4.3万件(前年比+3.2%)、制度利用者は約26万人と増加を続けており、申立ての動機で最も多いのは例年「預貯金等の管理・解約」です。つまり後見制度の利用の多くが、実質的に「凍結された口座を動かすため」に行われています。第二に、第一生命経済研究所の試算では認知症高齢者が保有する金融資産は2030年度に約215兆円、家計金融資産の約1割に達する見通しです。第三に、全国銀行協会は2021年に親族による代理取引への考え方を示す指針を公表しており、この問題が金融界全体の課題となっていることを裏付けています。凍結の仕組みと対策は認知症による口座凍結とは?防ぐ7つの対策をご覧ください。

8. 空き家・相続登記: 空き家は過去最多の約900万戸、登記は義務化へ

総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、全国の空き家は約900万戸と過去最多を更新。相続した家の放置が主因の一つとされ、2024年4月からは相続登記が義務化(相続を知った日から3年以内、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象)されました。相続した不動産を「そのままにしておく」選択肢は制度的に封じられつつあります。

9. 愛知県の相続データまとめ

指標数値出典年
年間死亡数(=相続発生数)84,311人2024年確定数
総人口約745万人(全国4位)2024年
高齢化率25.8%(約193万人)2024年
相続税課税割合(名古屋国税局管内)13.0%令和6年分
家庭裁判所の管轄名古屋本庁/一宮/半田/岡崎/豊橋の5ブロック
公証役場県内11ヶ所(名古屋市内3・市外8)

10. データから読み取れる3つの結論

  1. 相続トラブルは「普通の家庭」の問題: 遺産分割事件の約77%が遺産5,000万円以下で発生している
  2. 「生前の備え」の有無が二極化している: 遺言作成や相続放棄は過去最多を更新する一方、大半の相続は今も備えなしで発生している
  3. これからの相続対策は「死後」より「認知症」が先に来る: 高齢者の約3人に1人が認知症またはMCIとなる時代、資産凍結対策は相続対策より前に必要になる

データの引用について

本ページの数値・表は、出典として本ページ(いまから相続「相続の統計データ完全版」)へのリンクを明記いただければ、記事・資料・セミナー等で自由にご利用いただけます。事前連絡は不要です。

  • 国税庁・名古屋国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
  • 裁判所「司法統計年報(家事編)」遺産分割事件・相続放棄受理件数
  • 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況(令和7年)」
  • 日本公証人連合会「令和6年の遺言公正証書作成件数」・法務省「遺言書保管制度の利用状況」
  • 厚生労働省研究班「認知症及び軽度認知障害の有病率調査と将来推計」(2024年公表)
  • 第一生命経済研究所 認知症高齢者が保有する金融資産の試算(2030年度 約215兆円)
  • 総務省「住宅・土地統計調査(2023年)」
  • 愛知県「2024年愛知県の人口動態統計(確定数)の概況」「愛知県人口動向調査」

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本ページは提携行政書士監修のもと、公表統計の整理・情報提供を目的として作成しています。数値は各公表時点のもので、最新値は一次出典をご確認ください。個別の税額計算は税理士にご相談ください。

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