実家の整理をしていて、亡くなった父の机の引き出しから、見覚えのない「りそな銀行」の通帳が出てきました。転勤で大阪に住んでいた30年前に作った口座だと母は言いますが、今は名古屋市内で暮らす家族にとって、りそな銀行の支店がどこにあるのかさえ見当がつきません。スマートフォンで最寄りの支店を検索しても表示される件数は少なく、来店しないと手続きが進まないのではと、通帳を手にしたまま固まってしまいました。
✅ この記事の結論(30秒まとめ)
- りそな銀行は大阪市中央区に本店を置く大手銀行で、愛知県内の有人店舗は名古屋市内の名古屋支店・名古屋駅前支店・赤門通支店・今池支店の4店舗程度に限られ、豊橋市・岡崎市・一宮市など名古屋市以外のエリアでは支店の所在を確認できなかった
- 死亡の連絡が入った時点で口座は凍結され、正式な相続手続きが完了するまで入出金は一切できなくなる
- 必要書類は戸籍謄本一式・印鑑証明書・遺産分割協議書(または遺言書)・りそな銀行所定の「相続手続依頼書」が基本で、相続の形態によって内容が変わる
- 相続の連絡や書類のやり取りは郵送でも対応してもらえる場合があるため、来店の負担を最小限に抑えて進められることがある
- 最新の必要書類・手数料・来店の要否は、口座があった支店またはコミュニケーションダイヤル(0120-24-3989)へ直接確認するのが確実
「支店が見当たらない」という不安の正体は、手続きそのものの難しさより、電話や郵送だけで本当に完結するのか、何度も足を運ばされるのではないかという見通しの立たなさにあるのかもしれません。実際には、りそな銀行に限らず多くの大手銀行は郵送での書類のやり取りに対応しており、来店が必須になる場面はごく一部に限られます。だから、この記事では、りそな銀行の相続手続きの流れ・必要書類・愛知県内の店舗事情・来店の負担を減らす進め方まで、具体的に整理しました。
りそな銀行の相続手続きの流れ(郵送中心)
りそな銀行の相続手続きは、口座があった支店へ死亡の連絡を入れることから始まります。愛知県内に支店がない、または近くにない場合でも、まずは電話で連絡し、必要書類を郵送してもらう形で進められる場合が一般的です。
死亡の連絡
口座があった支店、またはコミュニケーションダイヤル(0120-24-3989)へ電話で連絡します。この時点で口座は凍結されます。
必要書類一式の郵送依頼
電話連絡の際に来店が難しい旨を伝えると、相続手続依頼書などの必要書類一式を自宅へ郵送してもらえる場合があります。対応の可否は支店にご確認ください。
書類の準備・返送
戸籍謄本一式・印鑑証明書・遺産分割協議書(または遺言書)などをそろえ、相続手続依頼書に相続人全員が記入・実印を押印して返送します。
内容の確認・不足書類の照会
提出書類の確認が行われ、不足があれば追加提出を求められます。郵送でのやり取りが続くと、そのぶん日数がかかります。
払戻・名義変更(完了)
内容確認後、解約金は代表相続人の指定口座へ振込まれるのが一般的です。現金を店頭で受け取りたい場合や貸金庫の解約がある場合は、来店が必要になることがあります。
すべて郵送でやり取りする場合、書類が支店との間を往復するだけでも1~2週間、不備の照会が入るとさらに日数がかかることもあります。相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)から逆算し、早めに連絡を入れておくと安心です。なお、相続手続き全体でやるべきことの整理は、相続でやることチェックリストで詳しく解説しています。
相続手続きに必要な書類
りそな銀行の相続手続きでは、一般的に以下のような書類が必要です。実際に必要な書類は遺言書・遺産分割協議書の有無など相続の形態によって異なるため、最終的には必ず口座があった支店にご確認ください。
相続人の中に未成年者や、判断能力が十分でない方がいる場合は、家庭裁判所での特別代理人や成年後見人の選任が必要になることもあります。海外居住の相続人がいる場合は、印鑑証明書に代えて現地大使館・領事館発行の在留証明書やサイン証明書が使えるケースもあります。戸籍謄本に不足があると、追加の取り寄せだけで1~2週間、実費(1通あたり数百円~千円程度)もそのつど発生します。なお、相続手続きを放置した場合に起こりうるリスクについては、相続手続きをしなかったらどうなるかで詳しく解説しています。
愛知県内のりそな銀行の店舗事情とお問い合わせ先
りそな銀行(株式会社りそな銀行)は、大阪市中央区備後町2丁目2番1号に本店を置く、りそなホールディングス傘下の大手銀行です。公式サイトによれば全国に328の有人店舗を展開していますが、店舗網は首都圏・近畿圏が中心で、中部地方における展開は限定的です。
確認できた愛知県内の有人店舗は次の4店舗で、いずれも名古屋市内に集中しています(2026年7月時点)。
- 名古屋支店:愛知県名古屋市中区錦2-14-19(電話:052-201-8511)
- 名古屋駅前支店:愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番3号 JRゲートタワー29階(電話:052-541-2266)。土日祝も営業する店舗とみられます
- 赤門通支店:愛知県名古屋市中区大須(詳細な住所・電話番号は公式の店舗検索でご確認ください)
- 今池支店:愛知県名古屋市内(詳細な住所・電話番号は公式の店舗検索でご確認ください)
豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市など、名古屋市以外のエリアには有人店舗の所在を確認できませんでした。栄・金山駅・大曽根などにATM設置箇所は複数ありますが、ATMでは相続手続きの窓口対応はできません。名古屋市中心部から離れた場所にお住まいの方にとっては、来店そのものが大きなハードルになりやすいのが実情です。
💡 支店探しにこだわりすぎないのがコツ
口座があった支店が県外(大阪・東京など)であっても、相続の連絡自体はコミュニケーションダイヤル(0120-24-3989)や口座開設店への電話で行えます。まずは電話でどこまで郵送対応できるかを確認することをおすすめします。
公式サイト上では、相続手続きの流れ・必要書類を案内するページの存在を確認しましたが、本記事作成時点(2026年7月)で「そうぞくの窓口」のような相続専用の名称を持つ独立したサービスや、相続専用のコールセンターは確認できませんでした。相続に関する問い合わせは、コミュニケーションダイヤルまたは口座があった支店で受け付けている一般的な体制とみられます。なお、りそな銀行以外も含めた愛知県内の相続の相談先については、愛知県の相続相談先マップで詳しく解説しています。
口座凍結はいつから始まるのか
金融機関は、名義人の死亡を知った時点(遺族からの連絡が一般的なきっかけです)で、その口座を凍結する取り扱いが一般的です。りそな銀行についても、死亡の連絡が入った時点で口座が凍結されるとみられます。凍結後は、正式な相続手続きが完了するまで、原則として入出金・引き落としのいずれもできなくなります。
⚠️ 注意:連絡前に引き出した場合のリスク
口座凍結前に故人の口座から現金を引き出すこと自体は、法律上直ちに禁止されているわけではありませんが、他の相続人から使途を疑われ、遺産分割協議が難航する原因になりやすい点に注意が必要です。引き出した金銭は、後日の相続税申告や遺産分割の際に「使途不明金」として説明を求められることがあります。葬儀費用などやむを得ず引き出す場合は、領収書を必ず保管し、他の相続人にも事前に共有しておきましょう。
口座凍結前にできる生前対策
相続が発生してからでは、口座凍結を止めることはできません。しかし家族が元気なうちに対策をとっておくことで、「必要なときにお金が引き出せず困る」という事態を大きく減らせます。
定期預金の普通預金化 定期預金は満期前解約の手続きが煩雑になりがちで、相続発生後は名義人本人の同意も得られないため、相続人全員の書類がそろうまで実質的に動かせません。当面使う予定のない範囲で、生前のうちに普通預金へ組み替えておくと流動性を確保しやすくなります。
生活費超過分の普通預金化 日常的に使う金額を大きく超える資金を定期預金などに置いたままにしていると、死亡時に家族が必要な資金をすぐ引き出せなくなりがちです。生活費の1~2年分を目安に、普通預金へ移しておくと安心です。
代理人カード(家族カード)の登録 家族名義の代理人カードを発行できる場合があり、本人が窓口に行けなくなった際の備えとして有効です。ただし死亡後は使用できなくなる点に注意し、取り扱いの有無はりそな銀行の窓口へ事前に確認しておきましょう。
家族信託の活用 財産管理を家族に託す契約を結んでおけば、認知症等で本人の判断能力が低下した後も、受託者となった家族が口座の管理や資金の引き出しを継続できます。金融機関により信託口口座の取り扱いが異なるため、利用を検討する際は事前に取引店へ相談しておきましょう。
生命保険の非課税枠の活用 生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、受取人をあらかじめ指定しておけば、遺産分割協議の完了を待たずに比較的短期間で保険金を受け取れる場合があります。葬儀費用や当面の生活費の確保に役立つほか、特定の家族に確実に資金を残したい場合の対策にもなります。実際にどの対策が適しているかは財産状況や家族構成によって異なるため、税額に関わる判断は税理士など専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
なお、認知症になる前に家族で話し合っておきたいお金の管理については、親のお金の管理はどうするで詳しく解説しています。
実務知見:自宅のみの遺産分割で選択肢になる3つの方法
💡 実務知見:当窓口の相談をもとに再構成した典型例
【当窓口の相談から】遺産が自宅(不動産)だけで、預金がほとんど残っていないというご相談を受けることがあります(当窓口に寄せられた相談をもとに再構成した典型例です)。相続人が複数いる場合、自宅をそのまま共有名義にする「現物分割」は、将来の売却や修繕で意見がまとまらずトラブルの火種になりがちです。実務でよく使われるのは、(1)自宅を1人が単独で相続し、他の相続人に代わりの現金を支払う「代償分割」、(2)自宅を売却して代金を分ける「換価分割」の2つです。代償分割は現金の用意が最大の壁になるため、生前贈与・預貯金の取り分け・生命保険の受取人指定など、それぞれ向き・不向きがある選択肢を税理士など専門家と一緒に整理することをおすすめします。
この記事が「不要」な方
相続人がご自身おひとりだけで、りそな銀行の口座以外に大きな財産もなく、戸籍謄本などの書類収集に抵抗がない方であれば、本記事で紹介した流れどおりに進めるだけで、りそな銀行の相続手続きをご自身で完結できる可能性が高く、専門家への依頼は必ずしも必要ではありません。まずは口座があった支店、またはコミュニケーションダイヤルに問い合わせて、必要書類を確認するところから始めてみてください。
セルフチェック:今のご自身の状況を確認する
✅ 以下のうち、当てはまるものにチェックしてみてください
- □ 相続人が3人以上いる
- □ 遺産の中に不動産(自宅など)が含まれている
- □ りそな銀行のほかにも、複数の金融機関に口座がある
- □ 相続人の中に、音信不通・連絡が取りづらい人・未成年者・海外在住者がいる
- □ 遺言書の有無や内容がはっきり分からない
該当0~1個:自力で進められます。専門家に依頼しなくても、ご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。
該当2~3個:判断が必要な論点があります。下記の生前対策診断で、ご自身の状況を整理することをおすすめします。
該当4個以上:専門家と整理した方が早い状況です。下記の生前対策診断から、ご自身の状況を整理したうえで、必要に応じて個別相談のご案内も確認できます。
上のチェックで該当が0~1個だった方は、専門家に依頼しなくてもご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。無理に相談される必要はありません。
よくある質問
愛知県内に支店がない場合、来店しなくても相続手続きはできますか?
必要書類の提出は郵送で対応してもらえる場合が一般的ですが、内容や口座の状況によっては来店が必要になることもあります。まずは口座があった支店、またはコミュニケーションダイヤル(0120-24-3989)に電話で相談し、郵送でどこまで進められるかを確認するとよいでしょう。
相談すると必ず費用がかかりますか?断られるくらいなら、と心配です。
本記事のセルフチェックは無料でご利用いただけ、費用は発生しません。個別相談・依頼に進む場合も、正式にご依頼いただく段階まで費用は発生しないのが一般的です。まずは状況を整理する目的でご利用いただいて構いません。
まだ相続は発生していませんが、生前対策を考えるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。口座凍結は相続が発生してからでは止められないため、定期預金の見直しや家族信託の検討は、家族が元気で判断能力がしっかりしている今だからこそできる備えです。
家族に「そろそろ相続の話を」と切り出しにくいのですが、どうすればいいですか?
いきなり「相続」を切り出すのではなく、「りそな銀行の口座、愛知にはあまり支店がないみたいだよ」といった客観的な情報をきっかけにするご家庭が多いようです。まず情報共有から始めると、話しやすくなることがあります。
残高証明書の発行には、どれくらいの手数料・日数がかかりますか?
一般的に数百円~2,000円程度の手数料と、数日~1週間程度の日数がかかることが多いようです。正確な金額・日数はりそな銀行の窓口に直接ご確認ください。
まとめ
りそな銀行の相続手続きは、死亡の連絡をきっかけに口座が凍結され、戸籍謄本一式・印鑑証明書・遺産分割協議書(または遺言書)・相続手続依頼書などをそろえて進める流れです。愛知県内の有人店舗は名古屋市内の数店舗に限られるため、来店にこだわらず、まずは電話で郵送対応の可否を確認することが近道になります。自宅だけの遺産の場合は代償分割・換価分割といった選択肢を早めに検討しておくと、話し合いがスムーズになります。口座凍結は生前のうちに普通預金化や家族信託、生命保険の活用を検討しておくことで、家族の負担を大きく減らせるものでもあります。まずはご家族の財産状況を整理するところから始めてみましょう。
🛡 生前にこれをしておけば防げた、という声もあります
口座凍結で葬儀費用や当面の生活費がすぐに用意できず困った、というご相談は少なくありません。生命保険は遺産分割の対象外となり、受取人がご自身で請求すれば比較的短期間で保険金を受け取れる場合があるため、こうした「すぐに使えるお金」を用意する選択肢の一つになります。生前贈与や家族信託など他の方法にもそれぞれ向き・不向きがあるため、まずは生前対策診断でご自身の状況を整理したうえで、必要に応じて提携の乗合代理店(複数の保険会社を比較できる代理店)をご紹介することも可能です。
※ご紹介にあたり、当社が提携代理店から紹介料を受け取る場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税額計算や保険商品の推奨を行うものではありません。実際の税務・法的判断は税理士・弁護士など専門家にご確認ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。掲載情報は作成時点(2026年7月)の公開情報に基づきます。最新の必要書類・手数料・受付窓口はりそな銀行に直接ご確認ください。なお、提携保険代理店をご紹介する場合、当社が紹介料を受け取ることがあります。
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この先どうするか、決めかねている方へ
当社は手続きそのものをお受けしていないため、「いまは何もしなくて大丈夫です」という結論をお伝えしても困りません。ご相談を無料にしているのは、そのためです。実際の手続きをご依頼になる場合は、提携先の専門家が有償で承ります。ご希望に応じて提携先をご紹介した際に紹介料を受け取る場合がありますが、紹介料の有無でご提案の内容は変えません。
