JA共済・県民共済・こくみん共済の死亡共済金と相続|非課税枠は使える?請求先はどこ?

親がJA共済や県民共済、こくみん共済coop(全労済)に入っていた場合、亡くなったあとの「死亡共済金」はどこに請求すればいいのか、生命保険と同じように相続税の非課税枠が使えるのか、迷う方が多いところです。「共済」という名前が付いているだけで、生命保険とは別物だと思い込んでいる方もいます。

結論から言うと、条件を満たせば死亡共済金にも生命保険と同じ非課税枠が使えます。一方で、請求先は共済の種類ごとにまったく別で、受取人の指定がない場合の順位規定も生命保険とは異なります。この記事では、JA共済・県民共済・こくみん共済coopの3つを軸に、非課税枠の考え方、受取人の定め方、請求先、必要書類を整理します。

目次

先に結論:共済3種の請求先

死亡共済金の請求先はどこ?

🌾

JA共済

加入していた
所属JAの窓口

🏢

都道府県民共済

加入していた
都道府県の生協

🤝

こくみん共済coop

全労済の
窓口・コールセンター

(いずれも証券・共済証書に記載の連絡先からも請求できる。共済の種類により運営団体が異なるため、生命保険協会の契約照会制度は使えない。2026年9月時点)

JA共済・都道府県民共済・こくみん共済coopは、それぞれ運営する協同組合が異なる別の団体です。1つの窓口にまとめて照会できる仕組みはなく、加入していた共済ごとに個別に連絡する必要があります。まずは非課税枠の考え方から確認します。

死亡共済金も相続税の非課税枠の対象になる

相続税法上、被相続人の死亡によって支払われる保険金等のうち、被相続人が保険料(掛金)を負担していたものは「生命保険金等」として、相続税の課税対象(みなし相続財産)になります(国税庁タックスアンサーNo.4114)。共済の掛金も実質的に保険料と同じ性格を持つため、共済契約者と被共済者が同一人で、死亡共済金の受取人がその法定相続人である場合は、生命保険金と同じく非課税枠(500万円×法定相続人の数)の対象になります。

非課税枠の対象になるかどうかは、契約者・被共済者・受取人の関係で変わります。

契約者被共済者受取人課税関係
親(本人)法定相続人相続税(非課税枠の対象)
親(契約者本人)所得税(一時所得)
配偶者贈与税

(契約者=掛金負担者と同一である前提。契約形態により異なるため、個別の判断は税理士に確認。国税庁タックスアンサーNo.4114を参考に整理・2026年9月時点)

実務で多いのは「親が契約者・被共済者、受取人が子(法定相続人)」という一番シンプルな形で、この場合は非課税枠がそのまま使えます。非課税枠の計算方法そのものは生命保険の非課税枠の記事と同じ考え方です。注意したいのは、相続放棄をした人がいる場合です。放棄した人は法定相続人の数には含めて計算しますが、その人自身が受け取った死亡共済金には非課税枠を使えません。この扱いは生命保険と共済で共通しています。

受取人の定め方は生命保険と何が違うのか

生命保険と同じく、共済も受取人をあらかじめ指定できます。指定があれば、指定された受取人が請求します。違いが出るのは「受取人の指定がない、または受取人が先に亡くなっている」場合です。生命保険では約款ごとに個別の規定がありますが、共済ではあらかじめ受取人の順位が共済規約で定められていることが多く、たとえばこくみん共済coopでは、契約者と被共済者が同一人の場合、受取人の指定がなければ次のような順位で決まります(一例)。

  • 配偶者
  • 生計を維持されていた親族(子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順)
  • 生計を維持されていた配偶者の親族(同上の順)
  • 生計維持関係のない親族(同上の順)

この順位はこくみん共済coopの例であり、JA共済・都道府県民共済ではそれぞれの共済規約・約款で順位や範囲が定められています。受取人の指定がない証書が見つかった場合は、まず加入先の共済に「受取人の指定がない場合、誰が受取人になるか」を確認してください。受取人を指定していれば、この順位規定によらず指定された受取人から連絡すればよい点は各共済共通です。

請求先と必要書類

請求先は共済の種類ごとに異なります。

  • JA共済:亡くなった方が加入していた所属JA(地域の農協)の窓口。JA豊橋の相続手続きの記事のように、地域のJAごとに窓口・受付時間の案内がまとまっている場合がある
  • 都道府県民共済:加入していた都道府県の民共済生活協同組合(例:神奈川県民共済生活協同組合、埼玉県民共済生活協同組合など)
  • こくみん共済coop(全労済):全国の窓口またはコールセンター。組合員向けの共済金請求ページから手続きを進められる

必要書類は共済ごとに細部が異なりますが、共通しておおむね次のものを求められます。

  • 共済所定の請求書
  • 死亡を証する書類(死亡診断書のコピー等)
  • 受取人の本人確認書類
  • 受取人が複数いる場合や、受取人の指定がなく順位で決まる場合は、被共済者・受取人の関係が分かる戸籍一式

戸籍の範囲は共済によって案内が異なるため、電話やコールセンターで先に確認してから取得すると二度手間を避けられます。地域によっては、JA共済と都道府県民共済の両方に加入しているご家庭も珍しくありません。証書が複数出てきた場合は、それぞれ別の団体として個別に請求が必要になる点を先に押さえておくと、手続きの計画が立てやすくなります。

今日の一歩:通帳で洗い出してから、窓口に電話する

共済は1つの窓口でまとめて照会できないので、加入先を自分で洗い出すのが最初の作業です。手がかりは3つ。①亡くなった方の通帳を1年分さかのぼり、「JA」「共済」「全労済」「こくみん共済」などの引き落としを拾う(掛金は毎月・毎年のどちらもあります) ②郵便物。年1回届く「ご契約内容のお知らせ」や割戻金の案内が残っていないか ③JAなら貯金通帳と同じ支店、生協なら組合員証や出資金の案内。1件見つかっても通帳は最後まで見てください。同じご家庭でJA共済と県民共済の両方に入っている例は珍しくありません。

見つかったら、その共済の窓口かコールセンターに電話します。伝えるのは①被共済者(亡くなった方)の氏名・生年月日・住所 ②亡くなった日 ③自分は誰か(続柄)と、手元の証書に受取人の記載があるかどうか。そのうえで聞くことは2つだけで足ります。「必要書類の一覧を送ってください」「戸籍はどこからどこまで要りますか」。戸籍の範囲は共済によって案内が違うので、取りに行く前に聞いておくと役所への往復が1回で済みます。あわせて「請求の時効は何年ですか」も確認しておいてください。

たらい回しになったときの次の一手。運営団体が別なので、JA共済は加入していた所属JA(地域の農協)、都道府県民共済は加入していた都道府県の生協、こくみん共済coopは全労済と、電話口で団体名を言って回してもらいます。「共済のことで」だけでは伝わらないことがあります。証書が見つからず引き落としだけが残っている場合は、その引き落とし名義をそのまま読み上げれば、どの団体かを教えてもらえることがあります。

期限の目安:相続税の申告・納付が必要な場合は、相続の開始を知った日の翌日から10か月です。共済金の請求そのものにも時効があり、期間は共済規約によって異なるため、最初の電話で必ず確認してください。

建更(建物更生共済)との違いに注意

JA共済には「建物更生共済(建更)」という、火災保障と積立を組み合わせた共済もあります。建更は人の死亡に対する死亡共済金ではなく、解約返戻金相当額が相続財産として評価される、まったく別の財産です。生命保険の非課税枠は使えず、申告漏れが起きやすい財産としても知られています。建更についてはJAの建物更生共済の記事で詳しく解説しています。「JA共済」とひとくくりにせず、死亡共済金の契約なのか、建更なのかを分けて確認してください。通帳の引き落としに「JA共済」とだけ記載されていても、中身が生命共済なのか建更なのかは、証書や契約内容のお知らせを見ないと判別できません。

相談現場から|相談員メモ

共済の証書を「生命保険とは違うから」と後回しにされる方に出会います。当社では愛知県内で累計約500件の相続相談(保険の相談を含む)を伺ってきましたが、非課税枠が使えるかどうかは契約者・被共済者・受取人の組み合わせ次第で、共済だから特別扱いになるわけではありません。会社・共済により案内や書類は異なるため、証書が複数出てきたら種類ごとに整理することをおすすめします。

複数の共済・保険証書が出てきて整理が追いつかない場合は、相続財産全体の棚卸しから始めるのも一つの方法です。無料の相続 生前対策診断で全体像を整理できます。

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請求先の窓口探しから、非課税枠が使えるかどうかの整理、建更のような別枠の財産の見分け方まで、30分の無料相談でまとめて確認できます。当社も保険募集を行う立場です。比較の結果「今は何もしなくてよい」が答えになることもあります。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

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※本記事は2026年9月時点の一般的な情報の整理です。共済の商品内容・受取人の順位規定・手続きは加入先の共済ごとに異なり、規約改定により変わることもあります。最新情報は加入先の共済に、非課税枠の適用や申告要否など個別の税務判断は税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

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