四十九日の法要を終えた週末、名古屋市内の実家で書斎を片付けていると、東海東京証券からの取引残高報告書と株主総会の招集通知が何通も出てきました。預金と違って「株や投資信託はどうやって相続すればいいのか」見当がつかず、名義はすべて亡くなった父のまま。証券会社に電話をかけてみると「相続のお手続きですね」と言われたものの、銀行の相続とは勝手が違うようで、何を準備すればいいのか手が止まってしまいました。
✅ この記事の結論(30秒まとめ)
- 東海東京証券の相続手続きは、預金の払戻とは異なり、株式・投資信託・債券などの資産を相続人名義の証券口座へ「移管」するのが原則。現金化して払い戻すわけではない
- 相続人が東海東京証券に口座を持っていない場合、移管を受けるためには新たに口座開設が必要になることが多い
- 必要書類は遺言書・遺産分割協議書の有無などによって異なり、戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図)が基本となる
- 相続の連絡・お問い合わせは口座のある支店、または一般のお問い合わせ窓口「カスタマーサポートセンター」(0120-746-104)へ。相続専用の独立したダイヤルは公式サイト上で確認できなかったため、まずは支店へ連絡するのが確実
- 東海東京証券以外の証券会社へ移管する場合、移管手数料がかかることがある。金額は変更される場合があるため、窓口で直接ご確認を
手続きが面倒というより、本当に不安なのは「株や投資信託をどう扱えばいいのか分からないまま、知らずに損をしてしまうのではないか」という点かもしれません。預金の相続なら払い戻せば終わりですが、証券の相続はしくみが違います。株価が日々変動する資産を、現金化せずそのまま「移管」で引き継ぐため、いつ・誰の名義にするかで評価額や後々の税務処理まで変わってきます。だから、この記事では、愛知県内で東海東京証券の相続手続きを進める具体的な流れ・必要書類・窓口の確認方法から、「移管」という仕組みの基本、手続きを先延ばしにした場合のリスクまで、分かる範囲で正直に整理しました。
東海東京証券(愛知県内支店)での相続手続きの流れ
東海東京証券の相続手続きは、被相続人(故人)が保有していた株式・投資信託・債券などを、相続人名義の証券口座へ移管することで完了します。銀行のように解約して現金を払い戻すのではなく、銘柄・数量をそのまま引き継ぐ点が最大の違いです。おおまかな流れは次の5ステップで進みます。
死亡の連絡
故人の口座がある支店、または一般のお問い合わせ窓口「カスタマーサポートセンター」へ連絡します。この連絡が入った時点で口座は凍結され、以後の売買・出金指示はできなくなります。
取引残高報告書の取得
死亡日時点でどの銘柄をどれだけ保有していたかを確認するため、取引残高報告書(残高証明書)の発行を依頼します。遺産分割協議や相続税申告の資料としても必要になります。
相続人名義の証券口座開設
相続人が東海東京証券に口座を持っていない場合、移管を受け取るための口座を新たに開設する必要があります。書類準備と並行して進めておくと、手続き全体の時間を短縮できます。
必要書類の準備・提出
戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図)・遺産分割協議書または遺言書・東海東京証券所定の相続届出書などをそろえ、支店窓口または郵送で提出します。
移管手続き完了
内容確認後、株式・投資信託・債券などの資産が相続人名義の口座へ移管され、手続きが完了します。現金化されるのではなく、銘柄・数量がそのまま引き継がれる点が預金の相続と異なります。
なお、東海東京証券以外の証券会社に相続人がすでに口座を持っている場合、その口座へ移管することも可能ですが、銘柄ごとに移管手数料がかかる場合があります。具体的な金額は変更されることがあるため、窓口で直接ご確認ください。相続全体で何を・いつまでに進めればよいかは、相続でやることチェックリストで期限順に整理しています。あわせてご確認ください。
相続手続きに必要な書類
東海東京証券の相続手続きでは、一般的に以下のような書類が必要とされています。実際に必要な書類は、遺言書の有無・遺産分割協議書の有無・相続人の人数など、相続の形態によって異なるため、最終的には口座のある支店またはカスタマーサポートセンターに必ずご確認ください。
なお、相続人の中に海外居住者がいる場合は、印鑑証明書に代えて現地の日本大使館・領事館が発行する在留証明書や署名(サイン)証明書が利用できるケースがあります。未成年者や認知症等で判断能力が十分でない相続人がいる場合は、家庭裁判所での特別代理人や成年後見人の選任が必要になることもあるため、早めに口座のある支店へ相談することをおすすめします。戸籍謄本に不足があると、追加の取り寄せだけで1~2週間、遠方の役所とのやり取りが加わるとさらに日数がかかることもあります。日頃から家族の財産をどう把握し、共有していくかという視点では、親のお金の管理はどうする?認知症になる前に家族で決めておくべき5つのこともあわせて参考にしてください。
東海東京証券の相続に関する窓口・お問い合わせ先(愛知県内)
東海東京証券株式会社の本店は、愛知県名古屋市中村区名駅七丁目1番にあります。東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社の完全子会社(グループの中核証券会社)であり、愛知県・名古屋が地盤の一つです。愛知県内には名古屋支店(名古屋市中区栄)をはじめ、一宮・春日井・瀬戸・豊田・岡崎・安城・刈谷・半田など、県内各地に多数の店舗を展開しています。正確な店舗数・最新の所在地は変更される場合があるため、公式サイトの店舗案内でご確認ください。
- 本店所在地:〒450-6212 愛知県名古屋市中村区名駅七丁目1番、代表電話 052-527-1111
- 公式サイト:https://www.tokaitokyo.co.jp/
- 相続のお手続きご案内ページ:https://www.tokaitokyo.co.jp/support/procedure/inheritance/index.html
- カスタマーサポートセンター(一般のお問い合わせ窓口):0120-746-104(平日8:00~18:00、土日9:00~15:00 ※時間は変更される場合があるため窓口へご確認ください)。相続専用の独立したダイヤルは公式サイト上で確認できなかったため、まずは口座のある支店、または上記窓口へお問い合わせください
- 名古屋支店:〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄3-6-1 ドルフィン栄ビルディング(ルネシック)9階、電話 052-264-1911
相続の相談は、まず口座のある支店、または上記のカスタマーサポートセンターへ連絡するのが確実です。東海東京証券以外も含めた愛知県内の相続相談先については、愛知県の相続相談先マップ|市区町村別ガイド【尾張・知多・西三河・東三河】で詳しく解説しています。
手続きを先延ばしにするとどうなるか
証券会社は、名義人の死亡を知った時点(遺族からの連絡が一般的なきっかけです)で口座を凍結する取り扱いが一般的です。東海東京証券についても、支店またはカスタマーサポートセンターへ死亡の連絡が入った時点で口座が凍結され、以後は売買や出金の指示ができなくなるとみられます。
「まだ大丈夫」と手続きを先延ばしにすると、負担は静かに積み上がっていきます。相続税の申告・納付期限は相続開始を知った日の翌日から10か月、相続放棄の申述期限は原則3か月です。2024年からは相続登記も義務化され、正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。東海東京証券の資産だけの問題ではなく、預貯金や不動産も含めた全体のスケジュールに影響してくる点に注意してください。
⚠️ 注意:株価変動で分割協議がこじれやすくなる
預金と違い、株式や投資信託は評価額が日々変動します。相続税の申告では原則として死亡日前後の価格を基準に評価しますが、遺産分割協議そのものが長引くと、実際に移管・売却するタイミングの時価が協議開始時と大きくずれてしまうことがあります。「あの時決めていれば」という不公平感から再協議になるケースも少なくありません。評価が動く資産だからこそ、先延ばしにせず早めに方向性を決めておくことが大切です。
相続手続きを何もしないまま放置した場合に具体的に何が起こるのかは、相続手続きをしなかったらどうなる?対処法と起こりうるリスクについて徹底解説で詳しく解説しています。
相続前にできる備え
相続が発生してからでは、口座凍結を止めることはできません。しかし家族が元気なうちに対策をとっておくことで、「何を持っているか分からない」「評価額でもめる」といった事態を大きく減らせます。
保有株式・投資信託の一覧化取引残高報告書を定期的に確認し、どの証券会社にどの銘柄をどれだけ保有しているかを家族にも共有しておきましょう。急な相続発生時に「何を持っているか分からない」という事態を防げます。
生前贈与や売却によるシンプル化証券会社や銘柄数が多いほど、相続時の移管手続きは煩雑になりがちです。生前のうちに整理し、証券会社や銘柄数を絞っておくと、相続人の負担を減らせます。
遺言による分割方法の指定株式や投資信託は評価額が変動するため、「誰にどの銘柄を渡すか」を遺言であらかじめ決めておくと、相続開始後に評価額をめぐって対立するリスクを避けやすくなります。
家族信託の活用財産管理を家族に託す契約を結んでおけば、認知症等で本人の判断能力が低下した後も、受託者となった家族が証券口座に関する一定の手続きを継続できる場合があります。証券会社により信託口口座の取り扱いが異なるため、利用を検討する際は事前に取引店へ相談しておきましょう。
生命保険の非課税枠の活用相続税の納税は原則として現金で行う必要がありますが、株式や投資信託のまま相続すると、すぐに現金化しづらく納税資金が不足しがちです。生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、受取人をあらかじめ指定しておけば、遺産分割協議の完了を待たずに比較的短期間で保険金を受け取れる場合があります。実際にどの対策が適しているかは財産状況や家族構成によって異なるため、税額に関わる判断は税理士など専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
生命保険と相続の関係については、生命保険と相続に関する完全ガイドで詳しく解説しています。
実務知見:財産調査は「名寄帳・生命保険・信用情報」の3点セットに証券会社を忘れずに
💡 意外と知られていないポイント
相続が発生すると、まず「何を、どれだけ持っていたか」を漏れなく洗い出す財産調査が欠かせません。実務では、不動産は市区町村役場で取得できる名寄帳、生命保険は生命保険協会の生命保険契約照会制度、負債(借金)の有無は信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への開示請求という3点セットで調べるのが基本とされています。証券口座がある場合は、これに加えて、口座のある証券会社(東海東京証券であれば、口座のある支店またはカスタマーサポートセンター)へ「残高証明書」の発行を依頼することが欠かせません。相続開始日(死亡日)時点の残高証明書がないと、遺産分割協議で「誰が何をどれだけ相続するか」を確定できず、相続税申告での評価額も定まりません。銀行預金の残高証明書だけを取り寄せて証券口座の存在を見落としてしまうケースは珍しくないため、通帳や取引残高報告書が自宅から見つかった証券会社にはすべて、他の金融機関と同様に早めに残高証明書を請求しておくことをおすすめします。
この記事が「不要」な方
相続人がご自身おひとりだけで、かつ東海東京証券の口座に投資信託や国内上場株式など評価額の分かりやすい資産のみが入っている方は、本記事で紹介する手順どおりに進めるだけで、ご自身で移管手続きを完結できる可能性が高く、専門家への依頼は必ずしも必要ではありません。まずはご自身で口座のある支店またはカスタマーサポートセンターに必要書類を確認し、進めてみることをおすすめします。
セルフチェック:今のご自身の状況を確認する
✅ 以下のうち、当てはまるものにチェックしてみてください
- □ 相続人が3人以上いる
- □ 遺産の中に複数銘柄の株式・投資信託・債券が含まれている
- □ 被相続人がどの証券会社に口座を持っていたか、正確に把握できていない
- □ 相続人自身は株を持ったことがなく、証券口座を開設したことがない
- □ 遺言書の有無や内容がはっきり分からない
該当0~1個:自力で進められます。専門家に依頼しなくても、ご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。
該当2~3個:判断が必要な論点があります。下記の生前対策診断で、ご自身の状況を整理することをおすすめします。
該当4個以上:専門家と整理した方が早い状況です。下記の生前対策診断から、ご自身の状況を整理したうえで、必要に応じて個別相談のご案内も確認できます。
上のチェックで該当が0~1個だった方は、専門家に依頼しなくてもご自身で手続きを完了できる可能性が高い状況です。無理に相談される必要はありません。
よくある質問
東海東京証券の本店はどこにありますか?愛知県内に支店はありますか?
本店は愛知県名古屋市中村区名駅七丁目1番にあります。愛知県内には名古屋支店(名古屋市中区栄)をはじめ、一宮・春日井・瀬戸・豊田・岡崎・安城・刈谷・半田など多数の店舗があり、愛知・名古屋は東海東京証券の地盤の一つです。正確な店舗数・最新の所在地は公式サイトの店舗案内でご確認いただけます。
株を持ったことがなく、証券口座が何かも分かりません。それでも東海東京証券の株式を相続できますか?
はい、相続できます。証券口座とは、株式や投資信託などの有価証券を管理するための口座で、銀行口座とは別のものです。相続人がまだ証券口座を持っていない場合は、資産の移管先として新たに口座を開設することになります。口座がないこと自体は相続を諦める理由にはなりません。分からないことは口座のある支店やカスタマーサポートセンターに率直に質問して問題ありません。
相続した株式はすぐに現金化できますか?移管とは違うのですか?
相続手続きそのものは、株式・投資信託などを相続人名義の口座へ「移管」する手続きであり、その場で現金化されるわけではありません。移管が完了して相続人名義の口座に資産が引き継がれたあとであれば、通常の取引と同じように売却して現金化することも、そのまま保有を続けることも選べます。現金がすぐ必要な場合は、移管完了後にご自身の判断で売却の要否を検討することになります。
相談すると必ず費用がかかりますか?断られるくらいなら、と心配です。
本記事のセルフチェックや生前対策診断は、ご利用時点で費用は発生しません。個別相談・依頼に進む場合も、正式にご依頼いただく段階まで費用は発生しないのが一般的です。まずは情報を整理する目的でご利用いただいて構いません。
まだ相続は発生していませんが、証券口座の相続について調べるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。株式や投資信託は評価額が変動する資産のため、口座凍結・移管の仕組みを知らないまま相続が発生すると、分割方法や評価額をめぐって家族間の調整が難航しやすくなります。保有銘柄の一覧化や遺言による分割方法の指定は、家族が元気で判断能力がしっかりしている今だからこそできる備えです。
まとめ
東海東京証券の相続手続きは、死亡の連絡をきっかけに口座が凍結され、取引残高報告書の取得・相続人名義の証券口座開設・必要書類の提出を経て、資産を相続人名義の口座へ「移管」することで完了します。銀行預金のように解約・払戻を受けるのではなく、銘柄・数量をそのまま引き継ぐ点、相続人が東海東京証券に口座を持っていない場合は新規開設が必要になる点が、預金の相続と大きく異なる特徴です。相続の連絡・相談は、口座のある支店、または一般のお問い合わせ窓口であるカスタマーサポートセンター(0120-746-104)へ。愛知県内では名古屋支店をはじめ、一宮・春日井・瀬戸・豊田・岡崎・安城・刈谷・半田など県内各地の店舗で相談できます。最新の必要書類・受付状況は、口座のある支店に直接確認しながら準備を進めることが近道です。口座凍結は起きてから慌てて対応するものではなく、生前のうちに保有銘柄の一覧化や遺言での分割方法の指定を検討しておくことで、家族の負担を大きく減らせるものでもあります。
🛡️ 生前にこれをしておけば防げた、ということもあります
有価証券の移管手続きで相続人が実際に困るのは、多くの場合「今すぐ使える現金」が足りないときです。株式や投資信託は移管を受けても、すぐに現金化できるとは限らず、葬儀費用や当面の生活費、相続税の納税資金をどう用意するかは、生前贈与・預貯金の取り分け・生命保険の非課税枠など、いくつかの方法を比較しながら考える必要があります。とくに生命保険は、遺産分割協議を待たずに受取人へ資金が渡る点で有効な選択肢の一つです。相続に詳しい保険の相談先をお探しの場合は、複数社を比較できる提携代理店をご紹介することも可能です。
※ご紹介にあたり、当社が提携代理店から紹介料を受け取る場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税額計算や特定の保険商品の推奨を行うものではありません。税務・法的な判断が必要な場合は、税理士・弁護士など専門家にご確認ください。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。掲載情報は作成時点(2026年7月)の公開情報に基づきます。東海東京証券の本店所在地・電話番号・受付時間・手数料等は変更される場合があります。最新の必要書類・手数料・受付状況は、口座のある支店またはカスタマーサポートセンターに直接ご確認ください。なお、提携保険代理店をご紹介する場合、当社が紹介料を受け取ることがあります。
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この先どうするか、決めかねている方へ
当社は手続きそのものをお受けしていないため、「いまは何もしなくて大丈夫です」という結論をお伝えしても困りません。ご相談を無料にしているのは、そのためです。実際の手続きをご依頼になる場合は、提携先の専門家が有償で承ります。ご希望に応じて提携先をご紹介した際に紹介料を受け取る場合がありますが、紹介料の有無でご提案の内容は変えません。