高山市内で「そろそろ遺言を公正証書にしておきたい」と考えたとき、多くの方が最初に迷うのは「どこの公証役場に行けばいいのか」ではなく、「本当に自分たちだけで手続きを進められるのか」という点です。高山市には公証役場が1か所ありますが、証人2名の手配や、認知症で判断能力が低下する前に間に合わせられるかどうかなど、電話をかける前に決めておかないと当日になって慌てる論点がいくつもあります。
✅ この記事の結論(30秒まとめ)
- 高山市内の公証役場は高山公証役場(高山市花岡町2-55-25 エルオービル2階・電話0577-32-4148)の1か所
- 公正証書遺言を来所して作成する場合、住所地の制限は一切ない。高山公証役場でも、県外の役場でも自由に選べる
- 公証人による出張(自宅・病院・老人ホームへの訪問)を頼む場合のみ、その公証人が所属する法務局の管轄区域内(=岐阜県内)に出張先が限定される
- 体が不自由・入院中などで来所が難しい高齢の家族でも、岐阜県内であれば公証人に来てもらえる。出張費用(日当・旅費)は別途かかる
- 費用は財産の価額によって数千円〜変わる。目安と手数料表は本編で解説する
高山公証役場の基本情報(先に結論)
高山公証役場で公正証書遺言を作るときに後悔しやすい7つの落とし穴
ここからは、高山市で公正証書遺言を作るときに、「気づいたときには手遅れだった」となりやすい7つの落とし穴を整理しました。必要書類の一覧や手数料表といった実務的な情報は、この後の章にまとめてあります。
1. 証人選びを後回しにする ─ 利害関係者は証人になれない
公正証書遺言の作成には、証人2名の立ち会いが必須です。ただし誰でも証人になれるわけではありません。推定相続人・受遺者やその配偶者・直系血族など、遺言の内容に利害関係を持つ人は証人になれないと法律で定められています。
「身近な人に頼みたいが、ほとんどが相続人にあたってしまう」というケースは珍しくありません。適任者が見つからない場合は、高山公証役場や提携する行政書士・司法書士などの士業事務所を通じて証人を紹介してもらうこともできます。この場合、証人への日当など別途手数料がかかるのが一般的です。電話予約の段階で、証人の手配についてもあわせて確認しておくとスムーズです。
2. 定期預金に資産を集中させたまま安心してしまう ─ 遺言があっても、生きている間の資金は凍結される
「最近、物忘れが増えてきた」「判断能力が衰える前に済ませておきたい」という理由で、公証役場に相談される方が少なくありません。この危機感そのものは、とても正しい判断です。
ただし、ここで見落とされがちな点があります。遺言は、あくまで「亡くなった後、財産を誰にどう分けるか」を決めるものであり、本人が生きている間の生活費・介護費用・医療費といった資金繰りの問題は、遺言では一切解決できません。とくに注意したいのが、資産を定期預金に集中させているケースです。定期預金は、名義人本人の判断能力が低下したと金融機関に判断された時点で、たとえ本人がまだ存命であっても、原則として解約・引き出しができなくなります。凍結されてしまえば、名義人本人であっても、家族であっても、誰も引き出すことができなくなります。
3. 遺留分を無視した内容にしてしまい、かえって家族がもめる
遺言によって「特定の子にすべて相続させる」といった内容を定めても、配偶者や子など一定の相続人には、法律上最低限保障された取り分(遺留分)があります。遺留分を大きく侵害する内容の遺言を残すと、相続発生後に遺留分侵害額請求を受け、かえって家族間の争いを招くことがあります。
「特定の家族に多く残したい」という希望自体は自由に定められますが、遺留分を侵害する部分については、請求された場合に備えて代償金の準備方法まで考えておくと安心です。遺留分・代償金・納税資金までまとめて対策したい方は、公正証書遺言を作る前に知っておきたい4つの盲点|遺留分・代償金・納税も参考になります。
4. 「公証人の出張を頼めば県外でも呼べる」と誤解する ─ 実際は岐阜県内に限られる
公正証書遺言の作成には、「住所地による管轄の制限がない」という基本ルールがあります。来所して作成する場合、全国どこの公証役場でも自由に選べます。この基本ルールと混同して、「出張も同じように県外まで自由に頼めるはずだ」と誤解してしまう方が少なくありません。
来所して作成する場合
○ 全国どこの公証役場でも自由に選べる
○ 住所地による制限は一切ない
公証人に出張してもらう場合
✕ 高山公証役場が所属する法務局の管内(岐阜県内)に限られる
✕ 県外の施設・実家などへは依頼できない
足腰が弱って長時間の移動がつらい、すでに入院中や施設に入っている——こうした事情で来所が難しい方のために、公証人が自宅・病院・老人ホームまで出向いて遺言公正証書を作成する制度があります。ただし出張できるのは、その公証人が所属する法務局の管轄区域内、つまり岐阜県内に限られます。県外に住む子の家まで呼びたい、遠方の入所施設まで来てほしいといった希望は原則としてかなわないため、出張を検討し始めた段階で早めに確認しておく必要があります。
5. 予約を後回しにして直前で慌てる
高山公証役場は1人ずつ丁寧に対応するため、来所には事前の電話予約が必要です。年度末や年末など相談が集中する時期は、初回の相談日から作成完了まで数週間待つことも珍しくありません。「まだ大丈夫」と先延ばしにするうちに、判断能力の低下や体調の変化で間に合わなくなるケースもあるため、思い立った時点でまず電話をかけてみることをおすすめします。
6. 財産目録の記載漏れ・不備で手続きがやり直しになる
遺言の内容を決める前提として、自分の財産をもれなく正確に把握しておくことが欠かせません。不動産については登記事項証明書と固定資産評価証明書を取得し、正確な所在地・面積・評価額を確認します。預貯金は金融機関名・支店・おおよその残高が分かる資料をそろえておきましょう。財産目録があいまいなまま作成を進めると、「実は把握していなかった不動産があった」「手数料の計算が来所当日になってやり直しになった」といった手戻りが発生しやすくなります。
7. 遺言執行者を指定し忘れる
遺言執行者とは、遺言の内容にしたがって、預貯金の解約・不動産の名義変更など実際の相続手続きを進める役割の人です。遺言執行者を指定していなくても遺言自体は有効ですが、指定がない場合、相続人全員の協力が得られなければ手続きが進まなかったり、家庭裁判所に選任の申立てが必要になったりすることがあります。相続人の中に連絡が取りづらい人がいる、遠方に住んでいるといった事情がある場合は、あらかじめ指定しておくことで相続発生後の手続きが格段にスムーズになります。
管轄の家庭裁判所・法務局(高山市)
遺言そのものは公証役場で作りますが、相続が実際に発生した後の相続放棄・遺産分割調停は家庭裁判所、相続登記は法務局が窓口になります。高山市にお住まいの場合、次の機関が管轄です。
出典:岐阜地方法務局公式サイト・裁判所公式サイト(2026年8月確認)。相続税の申告は高山税務署が窓口です。詳しくは岐阜県南部の相続相談先マップもあわせてご覧ください(飛騨・高山エリアの個別記事は当社では現時点で未公開です)。
必要書類・出張サービス・作成の流れ
必要書類の準備
公正証書遺言の作成には、遺言者本人の印鑑証明書、戸籍謄本(相続人との続柄が分かるもの)、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書、預貯金の通帳の写しなど財産が分かる資料が一般的に求められます。実際に必要な書類は財産の内容や相続させたい相手によって変わるため、最終的には高山公証役場に直接ご確認ください。
公証人の出張サービスの詳細(岐阜県内限定)
- 対象となる場所…自宅、入院先の病院、入所中の老人ホーム・介護施設など
- 出張できる範囲…その公証人が所属する法務局の管轄区域内(岐阜県内)
- 費用…通常の作成手数料に加えて、日当(1日2万円、4時間以内は1万円)と、公証役場から現地までの交通費(旅費)が別途かかります。病床での作成の場合、基本手数料自体が1.5倍になる取り扱いもあります
- 証人2名の同行…出張の場合も証人2名の立ち会いは必須です
公正証書遺言の作り方の基本的な流れ
- 電話・メールで事前相談の予約…財産の内容や、誰に何を残したいかをおおまかに伝える
- 必要書類の準備…印鑑証明書・戸籍謄本・財産を渡す相手の住民票など
- 公証人との文案すり合わせ…遺言内容の案を公証人が作成し、1〜2回のやり取りで確認
- 証人2名の手配…利害関係者は証人になれないため、早めに依頼先を確定
- 作成当日:高山公証役場へ来所…証人立ち会いのもと読み合わせ・署名押印(所要30分〜1時間)。正本・謄本を受け取って完了
手数料の目安(2025年10月改定後)
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超〜100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 49,000円 |
| 1億円超〜3億円以下 | 49,000円に、超過額5,000万円までごとに15,000円を加算 |
遺言加算(目的の価額1億円以下のとき13,000円加算)・正本謄本1枚300円・出張時の日当(1日20,000円、4時間以内10,000円)は別途。出典:e-Gov法令検索「公証人手数料令」(第9条・別表ほか/2026年8月確認)。ご家庭の当てはめは公証役場でご確認ください。
よくある質問
高山市以外に住んでいますが、高山公証役場を使えますか?
はい、構いません。来所して作成する場合、公証役場の選択に住所地の制限はなく、全国どこの公証役場でも自由に選べます。飛騨市・下呂市・白川村にお住まいの方も同様です。
まだ元気なので、遺言を考えるのは早すぎるでしょうか?
早すぎることはありません。公正証書遺言は、判断能力がしっかりしているときにしか作成できません。認知症などで判断能力が低下してからでは、有効な遺言を作ること自体が難しくなります。
証人2名が見つかりません。どうすればいいですか?
推定相続人や受遺者、その配偶者・直系血族は証人になれないため、身近な方に頼みにくいケースは珍しくありません。高山公証役場や提携する行政書士・司法書士などの士業事務所を通じて、証人を紹介してもらえることもあります。
遺言をつくる前の準備|印刷して持っていける持ち物チェック
最新の金額・取扱いは、必ず公証役場へご確認ください。
まとめ
高山市で公正証書遺言を作成する場合、来所であれば公証役場の選択に住所地の制限はなく、高山公証役場(高山市花岡町2-55-25・0577-32-4148)が最寄りです。体が不自由・入院中などで来所が難しい場合は、岐阜県内であれば公証人に自宅や病院まで出張してもらう制度もあります。手数料は財産の価額に応じて数千円〜数万円程度、出張の場合は日当と旅費が別途加算されます。最初の一歩は、高山公証役場に電話で予約を入れることです。
公証役場に行く前に、引っかかっていることはありませんか
「証人2人を誰に頼むか」「文案に何を書けばいいか」「遺言だけで本当に足りるのか(代償金・遺留分・納税の現金)」。当社では、この3点を30分で一緒に整理します。作る必要がなければ、そうお伝えします。
遺言を作る前の30分無料相談(来所・オンライン)→お電話でも承ります:052-766-5650(相談中は折り返しになります)。愛知県内・岐阜県南部は来所・訪問、それ以遠はオンラインで対応します。
本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。高山公証役場の所在地・電話番号は2026年8月時点の岐阜地方法務局公式サイトにより確認したものですが、変更される場合があるため、来所前に必ず電話でご確認ください。手数料は公証人手数料令(2025年10月1日施行の改正後)にもとづく目安であり、実際の金額は財産の内容と分け方により異なります。