生命保険契約照会制度の使い方|親がどの保険に入っていたか分からないとき

親が亡くなったあと、遺品の中から保険証券が1枚も出てこない。通帳を見ると保険料らしき引き落としの記録はあるのに、どこの会社の何という商品か分からない――相続の現場でよく聞く状況です。認知症が進んだ親についても同じことが起こります。本人に聞けず、家族も契約の全体像を把握できないまま、手続きが止まってしまいます。

こうした場面で使えるのが、一般社団法人生命保険協会が運営する「生命保険契約照会制度」です。ただし、この制度で分かるのは契約の有無だけで、共済は対象外という制約もあります。この記事では、対象になる場合・申請できる人・必要書類・利用料・回答までの日数を、証券以外の探し方とあわせて整理します。

目次

先に結論:契約照会制度は3ステップ、費用は6,000円〜7,000円

生命保険契約照会制度の流れ

📝

①申請

申請書・本人確認書類・戸籍等を提出

💳

②利用料の支払い

WEB申請6,000円/書面申請7,000円

📬

③回答

支払確認後おおむね14営業日で「契約の有無」を通知

6,000〜7,000円
(税込・照会対象者1名あたり。2026年4月改定/出典:一般社団法人生命保険協会、2026年9月時点)

この制度で分かるのは「生命保険協会に加盟する各社に、契約があるかないか」だけです。保険金額や受取人といった契約内容までは教えてもらえず、請求の代行もしてもらえません。共済は生命保険協会の加盟社ではないため、そもそも照会の対象外です。それでも「探す手段が一つもない」状態と「協会に確認する手段がある」状態では、家族の安心感がまったく違います。まずこの範囲を押さえたうえで、対象になる場面・申請できる人・必要書類を順番に見ていきます。

対象になる3つの場面

生命保険契約照会制度が利用できるのは、次の3つの場面に限られます。

  • 死亡:家族が亡くなり、契約の手がかりが見当たらない場合
  • 認知判断能力の低下:本人の判断能力が低下し、契約の確認や手続きが難しい場合
  • 災害:災害救助法が適用された地域で、家屋の流失・焼失等により契約の確認が困難な場合

単に「保険に入っていたか記憶が曖昧」というだけでは対象になりません。死亡の場合は死亡診断書等、認知判断能力低下の場合は生命保険協会所定の診断書等、状況を裏付ける書類が必要です。災害時の利用は手数料がかかりません(2026年9月時点・出典:一般社団法人生命保険協会)。

申請できる人・必要書類

死亡した場合に申請できるのは、法定相続人、遺言執行者、またはこれらの弁護士・司法書士・行政書士等の代理人です。認知判断能力が低下した場合は、成年後見人等の法定代理人、任意後見人、任意代理人、または3親等以内の親族が申請できます(2026年9月時点・出典:一般社団法人生命保険協会)。

死亡した場合の必要書類は、おおむね次のとおりです。

  • 生命保険契約照会依頼申請書兼同意書(生命保険協会所定)
  • 申請者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
  • 照会対象者(亡くなった方)の法定相続情報一覧図、または出生から死亡までの戸籍
  • 死亡診断書等、死亡の事実が分かる書類

戸籍をどこまで集める必要があるかで迷う方は少なくありません。本籍の調べ方は本籍の調べ方の記事で確認できます。認知判断能力低下の場合は、上記に加えて生命保険協会所定の診断書、または後見開始の審判書等が必要になり、死亡の場合とは書類の組み合わせが変わります。事前に協会の案内で最新の必要書類を確認してから動くと、二度手間を避けられます。

利用料と回答までの日数(2026年9月時点)

利用料は2026年4月の改定により、WEB申請6,000円、書面申請7,000円(いずれも税込・照会対象者1名あたり)になりました。改定前は申請方法にかかわらず一律3,000円でしたが、システム関係費や郵送費等の運営コスト増加を理由に見直されています(出典:一般社団法人生命保険協会)。災害救助法適用地域での被災による照会は手数料がかかりません。

時期WEB申請書面申請
2026年3月31日以前の申請3,000円3,000円
2026年4月1日以降の申請6,000円7,000円

(税込・照会対象者1名あたり。出典:一般社団法人生命保険協会「生命保険契約照会制度の利用料金改定について」2026年9月時点)

回答までは、利用料の支払いが確認できてからおおむね14営業日、3週間程度が目安です(出典:一般社団法人生命保険協会)。診断書等の取得費用は別途自己負担になります。急いでいる場合は、この日数を見込んだうえで、後述する証券以外の探し方も並行して進めるのが現実的です。

相続放棄を検討している場合は、この日数と申述期限(原則、相続開始を知った日から3か月)との関係に注意してください。「保険会社は分かっても、他に借金がないか分からない」という状態のまま3か月が近づいているなら、契約照会の結果を待つ前に、まず期限そのものをどうするかを専門家に相談したほうが安全です。

共済(JA共済・県民共済など)は対象外

生命保険契約照会制度が照会するのは、生命保険協会に加盟する生命保険会社の契約だけです。JA共済・都道府県民共済・こくみん共済coop(全労済)などの共済は、生命保険協会の加盟社ではないため、この制度の対象に含まれません。共済に入っていた可能性がある場合は、それぞれの窓口に個別に確認する必要があります。共済の死亡共済金と相続税の関係は共済の死亡共済金と相続の記事で詳しく解説しています。

契約照会制度だけに頼らない、証券以外の探し方

契約照会制度は結果が出るまで日数がかかるうえ、共済は対象外です。並行して、次のような手がかりを確認すると早く見つかることがあります。

  • 通帳の引き落とし記録:保険会社名や「保険料」名目の定期的な引き落としがないか、過去数年分をさかのぼって確認する
  • 保険会社からの郵便物:契約内容のお知らせ、配当金のお知らせなど、年1回程度届く郵便物を自宅の書類の中から探す
  • 勤務先の団体保険:会社員・公務員だった場合、勤務先や共済組合を通じた団体保険に加入していることがあるため、勤務先の総務・人事に確認する

これらで手がかりが見つからない場合に、契約照会制度を申請するという順番で進めると、無駄な待ち時間を減らせます。

相談現場から|相談員メモ

証券が1枚も見当たらない、というご相談は珍しくありません。当社では愛知県内で累計約500件の相続相談(保険の相談を含む)を伺ってきましたが、契約照会制度を使う前に、通帳の引き落としや自宅に届いた郵便物から契約が見つかるケースもよくあります。会社・商品により案内内容が異なるため、まず手元にある書類を一度整理してみることをおすすめします。

契約が見つかったあと、実際に死亡保険金を請求する流れと必要書類は死亡保険金の請求手続きの記事にまとめています。相続財産の全体像を整理したい場合は、無料の相続 生前対策診断も使えます。

親の保険、契約照会だけでは足りないと感じたら
契約照会制度で分かるのは契約の有無だけで、共済は対象外です。通帳や郵便物の見方、共済への確認方法、その後の請求まで含めて、30分の無料相談で今ある手がかりを一緒に整理できます。当社も保険募集を行う立場です。比較の結果「今は何もしなくてよい」が答えになることもあります。愛知県内は対面、それ以外はオンラインです。
お電話 052-766-5650(相談中は折り返しになります)

あわせて読みたい

※本記事は2026年9月時点の一般的な情報の整理です。生命保険契約照会制度の利用料・必要書類・審査基準は今後見直される可能性があるため、最新情報は一般社団法人生命保険協会の案内でご確認ください。個別の税務判断は税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

「いまから相続」は、株式会社アシストプラスが運営する、相続の手続き・生前対策・終活に関する情報サイトです。愛知県内の相続相談先の選び方や費用相場、金融機関ごとの手続き、生前対策や終活の進め方など、地域の実情に即した実践的な情報をお届けしています。 なお、運営会社である株式会社アシストプラスには、「あいち相続あんしんセンター」代表を務める司法書士 今井裕司が一部出資しております。この関係性を踏まえ、記事内でのご紹介・ご案内は公平性を保つよう努めています。

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