紙おむつの支給・助成【2026年】対象者・金額の例・申請先と医療費控除

親の介護が始まると、毎月のおむつ代が思った以上にかかります。役所で「おむつの補助はありますか」と聞いても、制度の名前が市ごとに違い、案内を探しにくいものです。

この記事では、市区町村が行う紙おむつの支給・助成の対象者、金額や支給方法の例、申請の流れ、医療費控除との関係を、2026年10月時点の公式な案内で整理します。

目次

先に結論:紙おむつの支給は市区町村ごとの制度です

この記事の結論

  1. だれが:在宅で要介護認定を受け、おむつを使う人が中心。住民税非課税などの所得要件を付ける市が多いです。
  2. いくら・どう:利用券、支給券、自宅への配送など、方法も金額も市で違います。制度がない市もあります。
  3. どこへ:市区町村の介護保険・高齢福祉の窓口か、地域包括支援センター。まずはケアマネジャーに聞くのが近道です。

紙おむつの支給・助成とは:市によって仕組みが3つに分かれます

紙おむつの支給・助成は、国が全国一律で決めた給付ではありません。市区町村が、自分の判断と予算で行っているものです。そのため、名前も中身もばらばらです。

大まかには、次の3つの仕組みのどれかで行われています。

  1. 家族介護用品の支給。在宅で介護する家族を支える事業です。介護保険の「地域支援事業」(市町村が行う介護予防や家族支援の事業)の一つとして続けている市が多くあります。
  2. 介護保険の市町村特別給付。市が介護保険の上乗せとして、独自に決めた給付です。豊田市のおむつ購入利用券がこの形です。
  3. 障害福祉の日常生活用具の給付。障害のある人向けの制度で、障害の種類によっては紙おむつが対象になります。高齢の親でも、身体障害者手帳などがあれば使える場合があります。

1の家族介護用品の支給は、国の方針で原則として地域支援事業の対象から外されています。以前から行っていた市町村だけが、例外として続けている形です。国は縮小や別の仕組みへの移行を検討するよう市町村に求めています。今後、対象や金額が見直される市もありえます。

対象になる人・ならない人の早見表

市ごとに条件は違いますが、多くの市で共通する目安をまとめました。お住まいの市の条件は、必ず窓口で確かめてください。

確かめる点対象になりやすい人対象にならないことが多い人
要介護認定要介護の認定を受けている(市により要介護1以上、3以上、4以上など)認定を受けていない人、要支援の人、市の基準より軽い要介護度の人
暮らしている場所自宅で介護を受けている介護保険施設に入所中の人、長く入院している人
おむつの使用日常的におむつを使っているおむつを使っていない人
所得本人や世帯が住民税非課税(所得要件がない市もある)本人や世帯、扶養する家族に住民税がかかっている人(所得要件がある市)
住所その市に住民票がある子の住む市の制度を使いたい人(親の住所地の制度が基本)
※出典:岐阜市・豊田市・一宮市・岡崎市の公式ホームページの案内をもとに、共通する点を整理(2026年10月時点)。

「住民税非課税」かどうかは、年金の額や家族構成で変わります。目安は年金暮らしの住民税非課税の目安で確かめられます。

金額と支給方法の例:岐阜市・豊田市・一宮市・名古屋市

同じ東海地方でも、対象の要介護度、金額、受け取り方がこれだけ違います。

市主な対象金額・支給方法申請先
岐阜市
(家族介護用品支給事業)
在宅の要介護3〜5の人。本人・世帯員・同居人・扶養者の市民税が非課税など紙おむつ支給券を年3回(6月・10月・2月)配付。取扱店舗で使う。券の額は市へ確認担当の地域包括支援センター(問い合わせは介護保険課)
豊田市
(介護保険特別給付費)
在宅の要介護1〜5で、おむつが必要な人。施設入所中・入院中は対象外おむつ購入費(1か月の上限3,000円)の9割を助成。利用券は1か月に1枚介護保険課(電子申請・郵送・窓口)、またはケアマネジャーに相談
一宮市
(家族介護用品給付)
要介護4・5の人を在宅で介護する家族など。要介護者・介護者とも市民税非課税世帯年60,000円を限度に紙おむつなどを支給。自宅への配送か、医薬品券の交付高年福祉課、尾西庁舎・木曽川庁舎の窓口
名古屋市要介護の高齢者を広く対象にした紙おむつ支給の案内は、市の公式サイトで確認できず別制度として、要介護4・5の人を介護する家族への家族介護慰労金(年額10万円。非課税世帯、過去1年間介護保険サービス未利用などの条件あり)区役所福祉課・支所区民福祉課
※出典:岐阜市「家族介護用品支給事業」、豊田市「豊田市介護保険特別給付費(おむつ購入利用券)の支給」、一宮市「家族介護用品給付」、名古屋市「高齢者の家族の方への支援」(2026年10月時点)。金額や条件は年度で変わることがあります。

豊田市の場合、月3,000円分のおむつを買うと、9割の2,700円が助成されます。残りの1割は自分で払います。岐阜市の支給券の額は、公式ページで確認できなかったため載せていません。

対象の品目も市で違います。豊田市では、紙おむつ(パンツ・平板・パッド)、布おむつ、失禁パンツ、おむつカバーが対象です。使えるのは、市に登録した薬局などの店舗に限られます。

ほかの市区町村でも、同じような制度は「家族介護用品」「介護用品給付券」「おむつ券」などの名前で案内されています。市のホームページで「おむつ」と検索すると見つけやすいです。

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申請の手順と必要書類チェックリスト

市によって順番は少し違いますが、おおむね次の流れです。家族が代わりに窓口へ行けるかどうかも、あわせて市に確かめましょう。

  1. 制度があるか調べる。親の住所地の市区町村のホームページか、介護保険の窓口で確かめます。
  2. ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する。地域包括支援センターは、高齢者の暮らしの相談を受ける市の窓口です。対象になりそうか、申請先はどこかを教えてもらえます。
  3. 申請書を出す。窓口、郵送、電子申請など、市が決めた方法で出します。岡崎市のように、ケアマネジャーや地域包括支援センターが提出を代行できる市もあります。
  4. 決定の通知と利用券などを受け取る。利用券や支給券が届くか、配送が始まります。
  5. 指定の店で使う・継続の確認に答える。券には有効期間があります。年に数回、在宅かどうかの確認書が届く市もあり、出さないと支給が止まります。

必要書類チェックリスト

  • □ 市の申請書(ホームページや窓口で入手)
  • □ 介護保険被保険者証(要介護度が分かるもの)
  • □ 窓口に行く人の本人確認書類(マイナンバーカードなど)
  • □ 家族が申請する場合は、委任状が要るかどうかの確認
  • □ 住民税の課税状況が分かるもの(市が調べられる場合は不要なことも)
  • □ 担当のケアマネジャーと地域包括支援センターの連絡先

期限と、申請が遅れたらどうなるか

紙おむつの支給には、「何日以内」という全国共通の期限はありません。ただし、申請や決定より前の月の分は、受け取れないことがあります。

たとえば岡崎市のおむつ券は、利用が決まった月の分から支給されます。豊田市でも、利用券を使わずに買った分の助成は、事前に相談が必要とされています。おむつを使い始めたら、早めに申請するほうが受け取れる分が多くなります。

また、岐阜市のように支給月が年3回と決まっている市もあります。券の有効期間が過ぎると使えなくなる点にも気をつけましょう。

医療費控除との関係

おむつ代は、一定の条件を満たせば医療費控除の対象になります。医療費控除は、1年間に払った医療費が多いときに、所得税などが軽くなる仕組みです。

寝たきりなどで、医師がおむつの使用を必要と認めた場合が対象です。原則は医師の「おむつ使用証明書」が要ります。要介護認定を受けている人は、2年目以降、主治医意見書の内容を市が確認した書類で代えられる場合があります。岐阜市・豊田市・岡崎市などは、この確認書を交付しています。

市の支給や助成を受けた分は、自分で払っていないため、一般に控除の対象になりません。医療費控除では、保険や助成で補われた金額を差し引いて計算するのが基本です。自分で払った分だけが対象になると考えておきましょう。

対象になる条件や、施設の費用との関係は介護費用・おむつ代は医療費控除の対象?で詳しく整理しています。個別の計算は、税務署や税理士に確かめてください。

損しやすい点

  • 制度があるのに知らない。ケアマネジャーが案内しないこともあります。家族から一度聞いてみましょう。
  • 要介護度が上がったのに申請しない。要介護3以上などが条件の市では、認定が変わった時点で対象になることがあります。
  • 継続の確認書を出し忘れる。在宅の確認書を出さないと、支給が止まる市があります。
  • 指定外の店で買ってしまう。利用券は登録店でしか使えない市が多いです。
  • 入院や入所を届けない。施設入所中や入院中は対象外になる市があります。入院や入所が決まったら、窓口かケアマネジャーに伝えましょう。
  • ほかの介護の負担軽減を見落とす。介護サービスの自己負担が多い月は、高額介護サービス費で戻ることがあります。

今日できる一歩

  1. 親の住む市区町村のホームページで「おむつ」と検索する
  2. 親の介護保険被保険者証で、いまの要介護度と有効期間を確かめる
  3. 次にケアマネジャーと話すとき、「おむつの支給制度は使えますか」と聞く

よくある質問

Q. 要介護認定を受けていなくても、おむつの支給は受けられますか?

高齢者向けの支給は、要介護認定を条件にする市がほとんどです。まず認定の申請が必要になります。障害者手帳がある場合は、障害福祉の日常生活用具の給付が使えることもあります。

Q. 親と別の市に住んでいます。どちらの市に申請しますか?

原則として、おむつを使う親の住民票がある市区町村です。郵送や電子申請ができる市もあるので、遠方の家族は申請方法を電話で確かめましょう。

Q. 施設に入っている親も対象になりますか?

在宅での介護を条件にする市が多く、介護保険施設への入所中や入院中は対象外とされることが多いです。施設でのおむつの費用の扱いは、施設に確かめてください。

Q. 好きなメーカーのおむつを選べますか?

利用券の形なら、登録店で扱う品から選べる市が多いです。配送の形では、決まった品目の中から選ぶことがあります。選べる範囲は市の案内で確かめてください。

Q. 支給を受けていても、医療費控除は使えますか?

自分で払ったおむつ代が、条件を満たせば対象になりえます。支給や助成で賄われた分は、一般に差し引いて考えます。申告の進め方はおむつ代と医療費控除の記事を参考にしてください。

参考にした公的情報

※本記事は2026年10月時点の公的機関の公開情報をもとにした一般的な整理です。紙おむつの支給・助成の有無、対象、金額は市区町村ごとに異なり、年度ごとに変わることがあります。申請の前に、お住まいの市区町村の介護保険・高齢福祉の窓口や地域包括支援センターでご確認ください。介護や排せつケアの方法は、ケアマネジャーや医療・介護の専門職にご相談ください。

本記事はFP(ファイナンシャル・プランナー)・生命保険募集人 門田 博之監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額の計算や法的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

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