健康診断で引っかかって以来、生命保険には入れないものだと思い込んでいました。相続対策として生命保険が有効だと聞いても、「どうせ自分には関係ない」と読み飛ばしていた――。そんな方は少なくありません。
この記事の結論(30秒まとめ)
持病があっても加入できる生命保険(告知緩和型・引受基準緩和型)は実在します。告知項目が3〜4問程度に絞られており、持病があっても「はい」の数が少なければ加入できる場合があります。ただし通常の保険より保険料が割高で、契約から一定期間は保険金が削減される商品もあります。「入れるか」だけでなく「入る意味があるか」を先に確認することが重要です。
「持病があるから無理」という思い込みの多くは、実は正確には「通常の生命保険には入りにくい」という話であり、「生命保険にまったく入れない」という話ではありません。だからこの記事では、持病があっても入れる保険のしくみと、相続対策として使う前に確認すべき注意点までを整理しました。
持病があっても入れる保険のしくみ
持病がある方向けの生命保険には、主に「告知緩和型(引受基準緩和型)」と「無選択型(告知不要型)」の2種類があります。
告知緩和型は「持病があっても、直近の入院や手術がなければ入れる」という設計であり、無選択型は「病歴を一切問わない代わりに、保険料と条件で調整する」という設計です。どちらも通常の保険と比べて、支払う保険料に対して受け取れる保険金額の割合(いわゆる保険としての効率)は下がる傾向にあります。
なお、まとまった現金を1回で払い込む一時払い終身保険にも、早期解約時の元本割れなど別の注意点があります。詳しくは一時払い終身保険のデメリットとは?で整理しています。
相続対策として使う前に確認すべき3つの注意点
「相続税対策になる」と勧められて加入する前に、次の3点を確認してください。
- 非課税枠をすでに使い切っていないか ― 死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を、既存の保険ですでに使い切っている場合、追加加入の節税効果は限定的です。
- 契約直後に一定期間、保険金が削減されないか ― 告知緩和型の多くは、契約から1〜2年以内に死亡した場合、既払込保険料相当額など、通常より少ない金額しか受け取れない設計になっています。健康状態が思わしくない方ほど、この期間の設計を必ず確認する必要があります。
- 支払う保険料の総額に見合っているか ― 保険料が割高な分、何年生きれば「払った額」と「受け取れる額」が見合うかを、契約前に必ず試算してもらいましょう。
【当窓口の相談から】
「相続税対策になります」と勧められて告知緩和型に加入したものの、実は非課税枠をすでに使い切っていたケースがありました。この場合、追加で入る保険は非課税枠の観点では意味を持たず、単なる貯蓄性商品として保険料の割高さだけが残ってしまいます。加入前に、既存の保険も含めた非課税枠の使用状況を確認することが欠かせません。(当窓口に寄せられた相談をもとに再構成した典型例です)
こんな方は、無理に加入を急ぐ必要はありません
すでに死亡保険金の非課税枠を使い切っている方、そもそも相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えない見込みの方は、告知緩和型に無理に加入する必要はありません。費用をかける必要はありません。そのうえで、ご自身の財産状況や非課税枠の使用状況に不安がある場合は、無料の整理面談でご一緒に確認できます。
セルフチェック|加入を検討する前に確認したい5項目
- □ すでに加入している生命保険の非課税枠の使用状況を把握していない
- □ 相続財産が基礎控除を超えるかどうか、確認したことがない
- □ 「相続税対策になる」という説明だけで、契約直後の削減期間の説明を受けていない
- □ 保険料の総額と受け取れる保険金額を比較したことがない
- □ 特定の相手に確実に現金を渡したいという目的がある
0〜1個:ご自身の状況を把握できている段階です。無理にご相談いただく必要はありません。判断に迷う点が1つでもあれば、30分の整理面談(無料)でご一緒に確認できます。
2〜3個:判断に必要な情報が不足している状態です。契約前に、無料の生前対策診断で状況を整理することをおすすめします。
4個以上:契約前に第三者の視点で確認したほうがよい状況です。まずは無料の整理面談で全体像を確認することをおすすめします。
よくある質問
持病があると、必ず告知緩和型しか選べませんか?
持病の種類や治療状況によっては、通常の保険に加入できる場合もあります。告知緩和型は「入りやすさ」を優先した設計のぶん保険料が割高になるため、まずは通常の保険で加入できないか確認したうえで検討することをおすすめします。
高齢でも持病があっても入れる保険はありますか?
商品によっては高齢かつ持病がある方でも加入できるものがあります。ただし年齢の上限や保険料は商品ごとに大きく異なるため、一般化はできません。高齢での加入全般については80代・90代でも入れる生命保険はある?もあわせてご覧ください。
保険料が高いのに、それでも入る意味はありますか?
非課税枠に余裕があり、特定の相手に確実に現金を渡したいという目的がある場合は、割高な保険料を差し引いても意味を持つことがあります。一方、非課税枠を使い切っている場合や相続税がそもそもかからない財産規模の場合は、効果が限定的になります。ご自身の状況次第で結論が変わる点です。
費用をかけたくないのですが、相談してもいいですか?
もちろんです。ご相談自体は無料で、費用が発生するのは正式にご依頼いただく段階からです。「そもそも入る必要があるか、確認だけしたい」というご相談も歓迎しています。
まとめ
持病があっても、告知緩和型や無選択型の生命保険であれば加入できる可能性があります。ただし保険料が割高で、契約直後は保険金が削減される商品も多いため、「入れるか」だけでなく「非課税枠に余裕があるか」「入る意味があるか」を先に確認することが重要です。生命保険と相続の全体像は生命保険と相続の完全ガイドで、告知なし型の詳細な注意点は告知なし(無選択型)の生命保険とは?でも解説しています。
本記事は司法書士 今井 裕司(愛知第1112号/簡裁認定 第118116号)監修のもと、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税額計算や保険商品の推奨を行うものではありません。保険のご相談は、全社を比較できる提携乗合代理店をご紹介します。ご紹介にあたり、当社が紹介料を受け取る場合があります。
勧められた保険は、契約前に第三者に見てもらえます
提案書(設計書)の写しをお持ちいただければ、①相続全体の設計から見て本当に必要かを、特定の保険会社に偏らない立場で確認し、②比較したほうがよい場合は、複数の保険会社を横断して比較できる提携の乗合代理店をご紹介します。オンラインで全国どこからでも、30分・無料です。「いまは加入しなくて大丈夫です」という結論も、そのままお伝えします。
保険の内容を見てもらう(無料・オンライン可)→フォームのご相談内容欄に「保険の内容確認」とご記入いただくと、担当がその前提でご準備します。ご希望に応じて提携の乗合代理店をご紹介した際に紹介料を受け取る場合がありますが、紹介料の有無でご説明の内容は変わりません。